協会について: 組織概要
設立趣旨
生きがいを喪失した社会は、モラル(倫理観・道徳観)の崩壊を招きます。サルトルは、『我々は常に自分自身に問わなければならない。もしみんながそうしたら、どんなことになるだろうと』と喝破しました。まさに文明の爛熟の後の「頽廃」の様相を呈した現代社会。モラルは、ラテン語のモレスから来ていますが、"志の力、意志の力"即ち"活力"を意味します。エゴの蔓延による文明の暴走を抑制するものが、歴史からの知恵なのです。知恵を継承する志なき社会は、嗜癖(不登校、ひきこもり、摂食障害、アルコール等の各種依存症、児童虐待、夫婦間暴力、いじめなど)する生き方を加速させ、人々は自己のアイデンティティ(存在意義)を喪失し、生きる力を失い、授かった生命の尊さにも蒙昧になります。
平成10年WHO(世界保健機関)では、執行理事会において、「健康の定義」の見直しが提案され、従来の"身体的、精神的および社会的に安寧な状態"に新たに"霊的(Spiritual)に"が加えられました。霊的健康とは、生きがいを創造できる状態にあることです。
私たちは、嗜癖という心に関わる問題を家族の問題と捉え、その問題を抱える当事者およびその家族や関係者が、家族再生の理念の下に、人間科学的な視点を主としたセルフヘルプグループ活動(自助集団活動)による心の傷からの回復、さらには互いが利己心、私心を捨て自己の"特性"を発揮し共に支えあっていく調和の家庭の構築を目指し、成長し続けるための「学びの場」の提供を行います。そのことにより、大いなる自然の生命によって生かされていることへの目覚め(エコロジー)を促し、『※霊性への畏敬・生命の継承・調和の思念』に基づく家族アイデンティティを再構築し、もって社会の健全育成に寄与することを目的とします。
そのためには、事業の実施基盤である組織を強化し、社会的信用を高めるとともに、広く賛同する会員を募り、継続し安定した活動を行うことが必要となり、この度特定非営利活動法人を設立することとしました。
(※霊性/精神と物質の背後にあって、それらを操り統一させるものであり、生きていく上で欠くことが出来ないもの)