解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
幼児化する社会
「これといってやりたい仕事がないので職種の選択に迷います」ともらす青年たちがけっこういます。
「自分の適性にあった職種に就かないと長続きしないから」と確かにもっともらしい理由ではあります
が、そもそも自分の適性が見えているのか、やりたい仕事に限らず、自分の欲求すら自覚できてい
ないことが少なくないのです。
「やりたいこと」は、じっと家にいても見つかりません。先ず三つの視点をもって考えてみましょう。
●やりたいこと●できること●やらなければならないことです。
やりたいことを出来るようになるためにも、やらなければならないことがあります。
夢や希望の実現のためです。
できないことを出来るようにようになるために、やらなければならないこともあります。
スキルアップのための取り組みです。
そして、やりたいことがまだ無い場合は、見つけるためにやらなければならないことがあります。
つまり、いずれの状態でも、先ずやらなければならないことが当然そこにあるということです。
ところが、この“やらなければならないこと”という視点が、すっぽり抜け落ちていることが多く見受け
られます。
あらゆる制約、不自由さから逃れようとしている青年たちが、行動をおこすはずもありません。
「自由な時代」彼らは、制約から逃れ、自由な自己実現、個性化を許され、ひたすら自由を叫ぶ。
しかし、逆に条件を設定されなければ自分一人で目的を見出すことも、方法を模索することも出来な
いことを認めたがらず、「やりたいことがないから」ともっともらしい言い訳を繰り返し、自分をごまか
す。
単なる時代背景とは、言いたくない。大人たちが作った社会だと一般化してしまえば、全ての大人が
一斉にその責任を回避する。
「この子を育てた親の私が」と、それぞれが私の、個の問題と受け止めれば、動かざるを得ないだろ
う。
「皆でやろう」なんて言うから、皆がしない。「私がする」と皆が言えば、社会は変えられると思います。
好き嫌いの快楽原則だけで動いているうちは子どもです。
必要性から動ける現実原則が身にそなわってこそ、大人に成るということです。
現代は社会全体が幼児化しているのかも知れません。
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