解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

幼児化する社会

「これといってやりたい仕事がないので職種の選択に迷います」ともらす青年たちがけっこういます。

「自分の適性にあった職種に就かないと長続きしないから」と確かにもっともらしい理由ではあります

が、そもそも自分の適性が見えているのか、やりたい仕事に限らず、自分の欲求すら自覚できてい

ないことが少なくないのです

 

「やりたいこと」は、じっと家にいても見つかりません。先ず三つの視点をもって考えてみましょう。

やりたいことできることやらなければならないことです。

 

やりたいことを出来るようになるためにも、やらなければならないことがあります。

夢や希望の実現のためです。

できないことを出来るようにようになるために、やらなければならないこともあります。

スキルアップのための取り組みです。

そして、やりたいことがまだ無い場合は、見つけるためにやらなければならないことがあります。

つまり、いずれの状態でも、先ずやらなければならないことが当然そこにあるということです。

 

ところが、この“やらなければならないこと”という視点が、すっぽり抜け落ちていることが多く見受け

られます。

 

あらゆる制約、不自由さから逃れようとしている青年たちが、行動をおこすはずもありません。

自由な時代」彼らは、制約から逃れ、自由な自己実現、個性化を許され、ひたすら自由を叫ぶ。

しかし、逆に条件を設定されなければ自分一人で目的を見出すことも、方法を模索することも出来な

いことを認めたがらず、「やりたいことがないから」ともっともらしい言い訳を繰り返し、自分をごまか

す。

 

単なる時代背景とは、言いたくない。大人たちが作った社会だと一般化してしまえば、全ての大人が

一斉にその責任を回避する。

この子を育てた親の私が」と、それぞれが私の、個の問題と受け止めれば、動かざるを得ないだろ

う。

「皆でやろう」なんて言うから、皆がしない。「私がする」と皆が言えば、社会は変えられると思います

 

好き嫌いの快楽原則だけで動いているうちは子どもです。

必要性から動ける現実原則が身にそなわってこそ、大人に成るということです。

 

現代は社会全体が幼児化しているのかも知れません。

 

 

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