解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

社会資源としていま私たちにこそできること Ⅳ

どういうことでも組織が大きくなっていくと、いいも悪いも影響力が出てきます。

そして、当然ながら組織の先導役の意思が組織の動きに反映していきます。 
 

ある家族会の機関紙にこういう表現がありました。

 

“引きこもりの七~八割に惹起・増幅する病理への抜本的対策”

提言として

引きこもりを形態としてとらえると「世間体」が悪く隠しそのことに因り、内在化させ深め、エンドレス

の悪循環に陥る。

身体で例えれば“肺炎”だよと病状と割り切り解釈すれば「世間体」も悪くなく、病気なのだから、施療

に取組み回復へ向かい、中間施設や社会参加への道が開かれる。これが欧米での世界標準のやり

だ。日本の全関係者もそろそろ腹をククッテ行こう!」とありました。

 

この組織は、団体名自体に病名をつけているだけに、設立当初から、その動きには一抹の不安を

感じていましたが、とうとうその不安が現実化してしまったようです。

“急がれる世界標準(医療)の基本導入をも!”

“米国、英国、オーストラリアの先進対策”
 

 

<引きこもりの七~八割に惹起・増幅する病理>が本当であれば、何故医者でもない私の所に来る

長期ひきこもり(中には、家庭内暴力も有ります)の青年たちのほとんどが、薬も服用せず(あたりまえ

ですが)、周囲とのコミュニションを回復していくのでしょうか。

 

世界標準、先進対策とは何なのでしょう。

米国では、18歳以上の女性の10%、男性の4%が抗うつ剤を服用しているそうですが、FDA(米食品

医薬品局)の報告では、抗うつ剤が自殺衝動を強めるとして、薬の添付文書に強い警告を表示する

よう指示しているそうです。
 

 

親の世間体のために、病気でないわが子を病人にしてしまうという親の姿勢をこの団体は、

どう受け止めているのでしょう。

<日本の全関係者もそろそろ腹をククッテ行こう!>と言っていますが、腹のくくり方を間違っておら

れるようです。

 

先の提言は、「病状と割り切り解釈する」のではなく、ひきこもるという行為が、家族病理の症状

とらえるべきなのです。

風邪をひいて咳きが出る。

その咳きを止めるのではなく、風邪を治すことが原因療法です

 


私の講演や講座には、行政、民間の支援活動しておられる方の参加も少なくないですが、先日もある

講座受講者(支援従事者)から、

多くが病気といった考えがあり、自身も違和感を感じています。

そうではないということを伝えていく方法はないのでしょうか」というご意見がありました。

「だからこそ、私はこういう講座(家族援護士養成講座)や講演会を主催し、啓蒙活動をしている

のです。」とお答えしました。

 

各種アディクション(嗜癖)の当事者たちの自助クループは、医療で改善されなかった重篤な依存症が

改善されたりというような目覚しい成果があるのですが、本来その自助グループであるはずのひきこ

もり家族会の多くは、その改善を逆に妨げてしまっているように感じています。

 

だからこそ、これまで当協会が運営しているSHG(自助グループ)である「ゆにわの会」のノウハウを

活かして、ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉を行っていかなければと考えるに至ったの

です。詳細は、トピックスhttps://www.interbrain.co.jp/topics/2009/01/post-3.phpをご覧ください

 

 

この団体は、全国的な組織であるだけに、大変脅威を感じます。

今後は、家族援護士の皆さんと共に、より強く警鐘を鳴らしていかなければと思います。

 

 

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