解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
トラウマティック・グロウス
当協会の支援法の最大の特徴は、自助力を養成することです。
そのためにも痛みからの学び(トラウマティック・グロウス)という視点を重要視しています。
親にとって、わが子に起こるアクシデントは、自分のこと以上に痛みを伴うものです。
いじめ、非行、家庭内暴力、不登校、ひきこもり、ニート。いずれも「なぜわが子なのか?」といった苦悩
を抱えます。身悶えするほどの悲しみです。
しかし、この痛みこそが自身の成長、自助力をそなえる糧になることがあるのです。
痛みから学ぶ姿勢があれば、その体験は大きな財産となります。
実際にこれまで、当協会が支援してきた家庭では、親子の葛藤を全身全霊で乗り越えてきた家族の
間にそれまで以上の深い固い絆が生まれています。親子が真正面から向き合い、語り合うことで、
互いが見過ごしていたものに気づくことができ、互いが分かり合うことができるのです。
その光景は、心を揺さぶられる感動です。トラウマティック・グロウスの瞬間です。
先日あるテレビ番組で生まれながらの全盲の少年が、「目が見えなかったことが今では幸福だと
思えます」ということを両親に告げているのがありました。この言葉にどれだけこの両親は救われた
ことでしょう。幼いころに「なぜ僕はママの顔を見ることができないの?」と尋ねられ、言葉を失ったこと
もあったそうです。
なぜ「幸福だ」と思えたかと言うと、「目が見えなかったことで多くの人と出会い、多くの人に支え
られたから」と言っていました。
当協会へ通ってきているある青年も言いました。「ウツになってよかった。自分を振り返り、みつ
めることができたから」と。
現実から目をそらさず、自分の人生に責任をもった者だけが、幸福を手に入れられます。
痛みからの学びの実現のためには、「おかげさま」の精神で過信・慢心(驕り、高ぶり)を抑え、感謝
はしてもそこに甘んじることなく、完成を求めず、成長・上達を志すことです。
人生から問いかけられているものに気づき目覚めていくことで、痛みも恵みと受け止められるようにな
っていきます。
『俺が俺がの我を捨てて、お蔭、おかげの下で生きよ』
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