解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
骨抜きの家庭教育
支援活動をしている中でよく感じられるのが、当事者やその家族が「変化」に対して順応することが、
なかなかできないということです。だからこそ、長期化してしまっているとも言えますが、その頑さは、
「変化を起こさずにして、変化(問題解決)を望む」といった表現で言い表せるような、全く矛盾した
状態です。
現状を改善するためであっても、そのために何か新たな事に取り組むことまではしたくないという
心境です。変化を起こすこともためらわれるのですが、そのことで望まざる結果も起こりかねない
ことが怖いのです。
傷つくことへの過度な怯えです。
支援者の介入により、それまでの家庭環境に変化が起き出すと、途端に改善の動きを阻む親御さん
がいます。あたかも問題解決を望まない動きを始めるのです。
また、当事者へのアプローチを促すとそれを拒む親御さんも少なくありません。慣れていないのです。
それほどかねてのコミュニケーションが分断されてしまっているのですが、それよりも一番大きな理由
は、親としてわが子をコントロールできない自身の無力さへの悲嘆を味わいたくないからです。
不登校・ひきこもり・ニートを抱える家庭の問題は、わが子の世話をやくことで、親としてのアイデン
ティティを維持でき、「頼られている」という精神的な充足感を得られる。これが親にとっては甘い蜜と
なってしまうことです。
当事者はというと、世話を受けることで、それまで味わうことが少なかった「愛されている」といった実感
を得られるという利点があり、また、世話をやかせるということで親をコントロールできる満足感が得ら
れます。
これは、当事者にはこれまで、少なからず親からコントロールされてきたという思いがあり、その裏返し
です。
前回のブログで、親たちが今拠りどころを失っているという話をしました。バックボーン(精神的支柱)を
持てていないのです。一貫した判断基準、価値基準を持ち合わせていないために、変化に対して臨機
応変に対応できる柔軟性に欠けています。
心療内科医の星野仁彦氏は著書『機能不全家族』(アートヴィレッジ)の中で、
日本人特有の心理「直視恐怖」は、日本人に無神論者が多く、概して確固とした宗教をもたないことも
関連しているのかもしれないと述べていますが、要は、生き方の哲学をもっていないことが、家族成長
の発達過程における様ざまな危機に対処できない状況を導いてしまっているのです。
マンションや和室の無い家屋の増加にともない、大黒柱というものがあまり見られなくなってきました。
一家の大黒柱としての父親の存在感も希薄になってきている昨今、家庭に必要なものは、精神的大
黒柱です。家族の安全を保証する大屋根を支える心柱です。
精神的大黒柱を持たない家庭は、安定や安心を欠き、変化を怖れ、現状がどうあれそこに固執すると
いった生き方しか選択できなくなってしまうのです。
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