解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
わが子に映す親の影
親がわが子の行動の中で受け入れられないものがある場合、それは実は自分自身の中の受け入れ
難い側面であることがあります。この自分の意識が受け入れられない自分の負(悪)の部分をユング
心理学ではシャドーといいます。
自分のシャドーは、かねて表の生活では周囲には見せていない、人目をはばかる部分です。
わが子の幸福を願いながら、その幸福をねたむ心も存在します。
したがって、そういった部分があるということも自分でも認めたくありません。
その時、そういったねたむ気持ちが、わが子から自分に向けられていると勘違いしてしまい、わが子に
嫌悪感を感じてしまうのです。自分ではなく他者の心から発せられたものと受け取りたいのです。
これを投影といいます。
他者を否定することで、自身を否定することを避けようとするのです。
子どもを躾けているつもりが、実は自分を守るためのわが子イジメになってしまっています。
また、わが子の姿に、自身の子ども時代を重ねて(投影)しまうケースがあります。
わが子が、いつのまにか幼いころの自分になってしまい、そのころ求めても満たされなかった欲求を
わが子が欲しているものと取り違え、過剰に満たそうと懸命になります。
そこにいるのはもう親ではなく、子ども自身です。
そのことが子どもの心を歪め、自尊心を剥ぎ落とすこととなるのです。
ここでもまた、親は自分を守ろうとしているのです。
これらの危険をわが子に与えないためには、親自身が自分の心としっかり向き合うことが必要です。
自分の中のシャドーを否定するのではなく、受容しコントロールしていく。そして、満たされないままに
ごまかしてきた欲求を知ることが大切です。
親がわが子を欲求を満たす道具と化した時、子どもは無力となり、自分でいられるためのコントロール
を完全に失ってしまうのです。
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