解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

不登校の増加に思う

8日の新聞に「不登校」の増加の記事が出ていました。小中学生が07年度は計12万9254人で、

2年連続で増加。特に中学生は過去最高を更新したようで34人に1人にあたり、どのクラスにも

1人はいるという状況のようです。

文科省は、06年10月にここ福岡県であった中2のいじめによる自殺が社会問題化したこともあり、

「嫌がるものを無理に行かせることはない」と考える保護者が増えたことなどが増加の理由とみて

いるそうです。

実際そうなのでしょうか?

私は、この2年が特別増えたわけではなく、それまでが体調不良が伴えば、不登校ではなく病欠

扱いにしたり、保健室登校を出席扱いとしたりなどの数字操作で強引に減らしていただけと思って

います。不登校が減る要因が見当たりませんので、減少するはずがありません。

スクールカウンセラーの配備や適応指導教室の設置が功を奏しているとの意見が多分出てくる

とは思いますが、実際には機能していないことが実状です。

相談を受けていて03年ぐらいから保護者の意識に変化が出てきだしたことは感じていました。

特に05年後半から何かが大きく変わった気がします。ですから、06年のいじめ自殺の影響とは

別の何かがあることを私は感じています。

この記事を書いている途中、たまたま見た統計資料で、20歳から29歳の自殺者数の推移で、

03年、05年と急に増えているというものがありました。統計局のものです。

これらも何か関係があるのでしょうか?

何がどう変わったかというのは、正直はっきりとしたものは言えません。

ただ、「様子を見ていればそのうち・・・」との楽観論から不登校が長期化し、「もうどうにもならない」

との悲観論からひきこもりが高齢化していっている気はします。

いずれも、保護者が動かなくなってきたと言えるでしょう。

いや、動けないのかも知れません。怖くて。何を恐れているのか。

うかつに刺激してしまうと、思い余って自殺されたり、家庭内暴力やわが子から殺されることをです。

青少年の傷害、殺人事件、特に親族殺人などの年間推移の統計資料を詳しく調べてみると何かが

推察されるかも知れません。

思春期の子どもへの関わり方に苦慮している親御さんたちの話はよく聞きます。また、支援活動の

中でも、「子どものいやがる事は厳しく言えない」とか「いやがる顔は見たくない」「きらわれたくない」

といった声もよくあります。

総じて考えると、対応が分からず事態を見送ってしまっているということなのでしょう。

しかし、であるならば対応策を知るための積極的な動きがあってもよさそうだがと思うのですが、この

動きが実は鈍くなってきているのです。学ばない親たちの増加。

ここには、親自身の生き方の問題が反映している気がしてなりません。

 

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