解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

質問で解決が決まる

昨日は、家庭教育無料講座でした。

『不登校・ひきもり全て答えます』と題して、参加者の方の質問に答える形式を取りました。

事前に配られた質問用紙に匿名で自由に書いていただきましたが、質問をしてもらうという手法は、

実は問題が見えているかどうかを確認できる有効な手法なのです。私はかねてより、講演や講座

の後、出来るだけ質問をしてもらうようにしています。私自身が、質問をしてもらうことで、発見でき

ることが少なくないからです。時に「こんなに具体的に質問に答える講師はあまりいませんでした」

と聴講者に言われることもありますが、私は話す内容を用意した講演よりも、その場で出た質問に

答える方がかえってやり易いんです。事例でお答えできますしね。

昨日お話した中でひとつご紹介しましょう。

「仕事が長続きせず困っています。(30歳)」「就職しないで家にずっといます(27歳)」

こういった質問の際、「どうしたらいいですか?」と聞かれます。「どうしたら」つまり解決法

真っ先に尋ねられます。ここで大切なことは、解決法、方法論は、先ず何が問題か明確にしてか

ら出てくるものだということです。解決すべきより優先順位の高い問題は何かということです。

また、悩みは必ず、不快や苦痛を伴いますので、周囲としてもなんとかすぐにでもその苦痛を取り

除いてあげたいと自然に思うものです。手っ取り早くやれる方法(解決法)が、話を聞いてあげること

です。一人で心に溜め込んでおくと苦しいですから、ただ黙って聞いてもらえるだけでもそれなりの

効果は確かにあります。しかしこれは、解決法というよりも対処法です。その場限りのもっというと

その場しのぎの苦肉の策です。

この聞いてあげるとゆっくり休ませてあげるが相まって、長期化してしまうことが実は多いのです。

精神科医の西城有朋氏は、自身の著書の中で〈ダメな精神科医の見極め方〉の一つに

二言目には「とにかく休め」を言う医者と述べています。もちろん、患者の状況にもよりますが、

不登校やひきこもりの相談を受けている様ざまな場所でも、この言葉はよく聞かされているようです。

さんざん悩みを聞いてもらって、「もう話すことも無くなった」と聞いてもらうことすら必要でなくなり、

ただ黙って休養だけ続けている例も少なくありません。

聞いてあげたら、返してあげましょう。その悩みの解決法を返してあげるのです。その時に大切な

ことが先に述べたように、解決すべき問題は何かを明確にするということです。

例えば、不登校の問題は何ですか? 「学校へ登校していないこと」 はい、ハズレです。

ひきこもり、ニートの問題は? 「働かず、社会生活をしていないこと」 はい、またハズレです。

この答えでは、せいぜい説教するか、勘当するか、本人のやる気をただ待つかの対処法になって

しまいます。登校しないとか、働かないが問題ではなく、何かができなくなっていて、登校できず、

働けないのです。この何が出来なくなってしまっているのかを知ること最優先の課題なのです。

例えば、自宅の中ですら行動が制限され、行きたい部屋へいけない状態の子が外出などできます

か? 人間関係を構築することが出来ない者が働けますか? 面接の場の緊張に耐えられない青年

が就職できますか?

わが子が何が出来ないでいるのかを把握していない状態で、「学校行けー!」「働けー!」は新たな

傷を与え、事態をより深刻化させるだけです。それはご家族も望んでいないはずです。

周囲が当事者に手を貸すべきことは、悩み、不安への共感と共に、問題の解決です。

問題の解決のためには、

①問題は何かを把握する ②具体的解決法を知る ③解決法の実行を妨げる障害要因の排除

が要となります。

①と②は、自分で分からなければ専門家に委ねることです。特に②は解決実績のある実践家で

ないと分かりません。

③は、例えば理解、協力の姿勢の無い同居家族などです。そういった場合は、協力者は多ければ

多いほどよいですから、親戚の方とか当事者のことを小さい時から知っている近所のオジチャン、

オバチャンでもかまいません。協力者に素直に頼みましょう。

ここでかねての生きかた、人間関係が問われるのです。わが家の有事にサポーター(協力者)も

得られないような生きかたは改めましょう。世間体を気にしなければならないような風通しの悪い

家庭は、既に呼吸不全を起こしています

 

解決すべき問題が解決されてこそ、学校にも戻れるし、社会へも入っていけるのです。

質問の内容で問題認識のボタンの掛け違いが露呈されます。最初のボタンがずれていたら、

後の対策は総崩れになるです。

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【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

【熊本出張相談会】

熊本市青少年センター(熊本市新屋敷1-18-28)を使用させていただきます。
熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

八代市厚生会館  7月31日 (要予約 0120-870-996)

相談料3千円

 

NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp

 

 

 

 


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