解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
コミュニケーションが取れない
今日は久留米市にある若者自立塾の卒塾式前の保護者会へ参加してまいりました。
3ヵ月の合宿を終え、それぞれの家庭へ帰っていきます。迎え受ける家族がこれからどのように
サポートしていけばよいかなどの様ざまな質問がありました。
その中である父親から「子どもとのコミュニケーションがうまく取れない」というものがありました。
この父親は、手紙で意思を伝えたところ、子どもから「なぜ直接言わないんだ」と母親を通して言
われたそうです。そこで直接話をしようとしたところ、今度は黙ったまま返事もしなかったそうです。
こういったことはよくあることです。子どもは、直接話をしてくれたらちゃんと返事をすると言ったわ
けではありません。そのお子さんは、ただ直接話を聞かせてほしかったということだと思います。
返事をするつもりはないけど、顔を見て語りかけてほしかったんだと思います。
コミュニケーションは、たとえ一方通行でも途絶えさせてはいけません。私が自宅訪問をする際
でも、ドアの向こうで息を潜めている青年たちに、一方的に語りかけ続けます。たとえ何の応答が
なくてもそれを続けます。そうしている内に何度目かの訪問の際に、ようやく返事が出てきます。
メタコミュニケーションと言う言葉があります。非言語的コミュニケーションのことです。
コミュニケーションを考える際、言葉(言語)によるコミュニケーションを主体に考えがちですが、
ひきこもり家庭においては、特に父子間の言語によるコミュニケーションは長きにわたって途
絶えており、子どもに影響を与えているのは、むしろ非言語的コミュニケーションの方なのです。
口では「早く仕事をして自立して」と言いながら、身の回りの世話のほとんどをやってしまうという
ことは、「お母さんをいつでも頼りなさい」というメッセージを送っているのと同じです。
「出ていけっ!」とは言っても、夕食が準備されていれば、「いつまでもいなさい」というメッセージが
送られます。これが非言語的コミュニケーションです。
女の子に男の子の格好をさせれば、「女の子では愛せないよ」というメッセージであるし、他の
兄弟をかわいがれば、「オマエは必要ないよ」というメッセージとして送られるのです。
コミュニケーションは、相手に何をイメージさせるかなのです。言葉そのものではなく、相手に
抱かせる情景が、コミュニケーションの結果なのです。
このメタコミュニケーションにより、ありのままの自分でいることを許されなかった子どもたちが、
ひきこもるというメタコミュニケーションを通して、親たちにメッセージを送っています。
メッセージの内容は、それぞれ違います。わが子のメッセージを汲み取ることが大切です。
言語によるコミュニケーションが十分でなかった家庭ほど、いざコミュニケーションを取りたくても
思うように取れないことを嘆きます。しかし、それは当たり前の話です。
わが子に送ってしまった非言語的メッセージ、不登校、ひきこもりでわが子から送られてくる
メッセージの解読こそが、コミュニケーションの回復を助けます。
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