解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
ひきこもりの容認
かねての支援活動の中で、はたらきかけを始めても、思うように動いてくれないわが子に対して、
「どうしたものか・・・・」と、困り果てている様子を拝見することがよくあります。
冷静に考えてみれば、これは当たり前のことで別に不自然なことでもありません。
なぜなら、これまで数年ひきこもりの状態が継続されてきたということは、当事者側から言えば、
親がそれを容認したということになっているからです。
もちろん、親側はそんなつもりは毛頭ありません。
ですが、結果ひきこもりが継続されてきたということは、容認されたととられても仕方のないこと
なのです。
それを今さら、「何とかしていこう」と促されたとて、「はい、分かりました」とはなりません。
ほとんどコミュニケーションが親子間で取られることもなく、毎日食事が黙ってても用意され、ゲーム
やインターネットが出来るパソコンまでもが用意されていれば、「この状態を、親も暗黙の内に了解し
てくれている」ととられてもやむをえないことでしょう。
この状態から解決に向かわせるためには、これまでのことを棚上げしてでも、「これ以上この状態
を続けていくつもりは親には無い」という姿勢を毅然とした態度で示す必要があります。
だからといって、「なんとかしろ!」と詰め寄るわけではありません。
自分たちが、なぜひきこもるような状態になったのかを理解をしていく努力が足りず、現状の改善の
ための適切な対応、行動が、その時々に取れなかったことを潔く認め、わが子の心の痛みに寄り添
っていくのです。
わが子が一人で抱えてきた重く大きな問題を、一緒に抱えていく姿勢が大切です。
いつも申し上げますが、体重が200キロになり生活がままならなくなったからと、「助けてください!」
は、全くおかしな話です。
一晩で200キロになることはないわけですから。
経過が見えていて、なんらの策も講じなかったことは度外視して、不可抗力的に「こうなった」は、
責任回避としか言えません。
10年のひきこもりも1日から始まっています。
あたりまえですが。
200キロからのダイエットには切除手術が必要なように、ひきこもりからの脱出のためにも、悪習慣
という重たい脂肪を切除していかなければなりません。
ひきこもり現象は、親子という関係で生じたものですから、悪習慣は互いに癒着しあっています。
ですから、わが子の習慣だけを改善させるわけではないのです。
変化を起こさない(ためらう)、問題をそのままにしてしまう習慣を真っ先に改善していきましょう。
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