解決支援者の現場日記 : 旧ブログ

ひきこもり親の会の重要性②

親の会の存在目的からお話ししまょう。

 

 

先ず何よりも、全体的に進んでいる長期化を食い止めることです。

長期化というのは、同時に高齢化を意味します。

もちろんその高齢化は、当事者の若者たちだけではなく、両親もです。

親亡き後の本人の生活維持の備えをどのようにはかっていくかが深刻な問題であり、内閣府も

ひきこもり支援者読本」の中で提案をまとめています。http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/ua_mkj_pdf.html

 

 

長期化することでのメリットは、もちろん何もありません。

それどころか、精神疾患などが発症してしまう恐れもあります。

ところが、困ってしまう事態(長期化)を招いてしまっているのが、当事者家族であることが、意外に

認識されていません

 

 

では、どう招いてしまっているのか。

現状の改善に対して、「本人が動かないから、どうしようもない」としてしまっていることです

「動かない」という不満だけで、「動かす」「仕向けていく」という発想がありません

そう言うと、「言っても聞かない」と親御さんからは返ってきます。

もちろん「動きなさい」と言って、「はい、動きます」とならないのは、当たり前です。

ひきこもりという現象の理解が必要になってくるのです。

 

 

「ひきこもり」という現象は、親子でセットなのです。

当事者”と言った場合、そこには親も入っているのです。

ですから、部屋にいるひきこもる者だけを問題視し、どうにかしようと働きかけても、根本的な解決

には至りません。

その部屋の家主(環境提供者)である親へのケアを忘れてはならないのです。

 

 

親御さんが罹っている病は、“ひきこもる子をもつ親”という病です。

幸いにも、親が罹っている病の方は、外への外出や人と会うことがまだ出来ます。

インフルエンザに罹っても、自分で病院へ行けますから治療ができますね。

それと同じで、“ひきこもる子をもつ親”の病は、解決できる場へ出向くことができます。

先ず、親御さんが、適切な専門家(医者ではありません)から、“ひきこもる子をもつ親”という病に

罹患していることを診断してもらって、さらには、その病の特徴、性質を説明してもらい、直していく

ことで、ひきこもるわが子が動けるようになっていきます

 

 

ですから、ひきこもりの解決のためには、当の本人がまだ動けない(外出できない)状態でも、何も

心配いらないのです。

アウトリーチ(訪問支援)や、事業仕分けではかなく消えた合宿型の「若者自立塾」の発想は、この

点の認識を全く欠いた発想と言わざるを得ません。

 

 

そういう意味でも、親の会という場に先ず足を運ぶことが解決への第一歩となります。

しかし、その場が、単なる慰めあい、グチのこぼしあいの場では解決へ至りません。

たらちねサポート」は、問題を自覚できる家族の集まりです。

言わば、“ひきこもる子をもつ親”の病を自覚できている親御さんの自助グループです。

自助ですから、自らが自らを助けられる学びができる場です。

天は、自ら助くる者を助く」という言葉もありますが、天とは、「道理」です。

つまり、自らの問題は、自らが主体的に責任をもって解決していくことが、ものの道理だということ

です。

道理にそって生きる者は、道理が守ってくれるのです。

次回、「たらちねサポート」では、どのような学びをしていくかをご紹介してみましょう。

 

 

 

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