解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
ひきこもりの子をもつ親という病②
前回に引き続き、「ひきこもりの子をもつ親という病」について述べてみましょう。
この病の特徴のひとつは、ひきこもっているわが子の変化は強く求めるのですが、自分自身を変化
させていくということの意識がとても希薄です。
例えば、解決のための手立て、課題を提供しても、なかなか実行に移せなかったり、カウンセリング
に出向く回数が極端に少なかったり、生活習慣そのものを改善していく動きがあまり見られません。
また、口でわが子に何かを促しても、言いっぱなしになってしまっていて、言ったことに最後まで
責任をもつということが少ないようです。
「本人が嫌がることは言いたくないし」というのもよく聞かれます。
これは、嫌がる顔を見たくないという自己都合で、相手(わが子)主体になっていません。
そもそも、ひきこもりから脱するためにわが子に提示していくことは、本人にとってはエネルギーの
かかる、場合によっては不安(怖い)なことなので、嫌な顔をするのは当たり前なんです。
「はーい、分かりました」とならなくて当然なんです。
わが子に変化を起こすためには、先ず親御さん自身が変化していくことが必要です。
山本五十六の言葉でしたか、
「やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
というのがあります。
「やって見せ」が大切なんです。
それからジェームズ・アレンの言葉にも次のような言葉があります。
「人間は、自分の置かれた状況をより良くしたいと望むが、自分自身をより良くしようとは
しない。そのため、かれらは、一生古い自分に束縛されたままである」
わが子がひきこもっていることが通常になってしまうと、現状改善は望むものの、ある日突然何事も
無かったかのように、わが子が動き出すといった幻想を抱いているだけで、今日もまた、昨日と同じ
一日(ひきこもっていることを前提とした)を繰り返すといった生活、生き方になってしまっています。
同じジェームズ・アレンの言葉に
「人々は、自分の思考を隠し通せるもだと思い込んでいる。しかし、それはまず、習慣として
速やかに具現化し、続いて環境として具現化する」
というものがあります。
現状のわが子の在り様は、それまでの両親の価値観の総和によってもたらされたものです。
価値観に基づいた考えが、口癖や習慣に現れ、自分の身の周りの環境ができあがります。
ですから、環境やわが子に変化を起こすためには、両親の価値観の大転換が必要なのです。
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