解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
ひきこもりの子をもつ親という病
「ひきこもり」という現象の中には、様々な問題が重層的にからみあっています。
ですから、改善、解決のための対策としても、ひとつ所への対策では、事態はなかなか進展しま
せん。
未だに多くが、ひきこもっている当事者本人の(だけの)問題にしてしまおうとしています。
その典型が、精神疾患、障害原因論です。
「ひきこもりの多くは、統合失調症である」
「発達障害である」
「パーソナリティー障害である」
「社会不安障害だ」
「生活機能障害だ」
「??????????何これっ?」って、感じです。
そうだとしたら、解決するのでしょうか?
「障害だから治らないですね」で終わります。(そうドクターから言われて来所された方も少なく
ありません)
病気や障害であれば、病を治すしかありません。
病を治すには、病院です。
でも本人が「俺は病気じゃない!」と行きたがらなければ、そこで終わりです。
家族に暴力をふるったり、自傷行為などがあれば、措置入院などの強制入院という対処もあります
が、誰かが血でも流さないかぎり現実はできませんので、それを期待するのもおかしな話です。
ひきこもり現象は、病を抱えているのではなく、“問題”を抱えています。
「病である」に拘るのであれば、それこそ親側に病があります。
何の病かと言うと、「ひきこもりの子をもつ親」という病です。
ひきこもるという行為をしているのは、子どもですが、ひきこもれる環境、状態をつくっているのは、
その親です。
全体的にひきこもりの長期化を強く感じます。
なぜ長期化してしまうのかというと、「ひきこもりの子をもつ親」という病に感染しているからです。
この病の症状を何回かに分けてこのブログで述べてみようと思いますが、今回は、感染しているか
どうかの見分け方。
その一つの判定(診断?)基準を述べてみましょう。
と言っても、わが子がひきこもっていることで既に間違いなく感染はしているのですが。
こういう言葉が出れば(思いがあれば)、感染しています。
「子ども自身がやる気を出していくしかないのだから、親が懸命になってもしょうがない。
言ってもきかないものを動かすことはできない。
本人がその気になるまで時期を待つしかない」
どうですか?
あなたは、この言葉が出ていませんか?
もし出ていれば、この病を治していかないかぎり、確実に長期化してしまいます。
「わが子なんですから、信じて待ってあげましょう」
どれだけこの甘言に惑わされた親御さん方がいるでしょうか。
もしあなたが、この言葉を発した方の支援者であれば、即刻支援者をお辞めになって下さい。
あなたの支援は、「毒」になります。
「信じて待つ」ことは、何もしないことではありません。
秋の実りの収穫まで何もしないで待ちますか?
手間隙かけて、実りの“時期(タイミング)”を待つのです。
それと同じで、わが子の回復力を信じて待つためには、回復力(実りを得る力=解決力)を促進する
手間隙をかける必要があります。
信じている。信頼しているからこそ、手間隙かけることなどおっくうではないはずです。
おっくうな気持ちがもしあれば、病がかなり進行しています。
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