解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
責任からの逃避
ある新聞に「引きこもる大人たち」という連載があっていました。
この中に40歳の男性の事例がありました。
高校卒後、28歳で国立大へ入学したものの退学。
夜間に編入するもそこでも退学。すでに30歳を過ぎていた。
これまでにもバイトや就職も経験してきたが長くは続かず、資格勉強も現在やっているそうだが。
社会や政治の批判を延々と繰り返してきた男性は、親にも怒りの矛先を向けてきたとのこと。
「大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか」
「ここまで追い込んだのは親だ」
親はそんな息子に対して、
「でることはいろいろやったけど、息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育てて
きただけなのに・・・」
「働け」と何度も厳しくしかった父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」と最近漏らしたとのこと。
ひきこもり家庭によく見受けられる風景です。
ここで気がついていただきたいことは、
「息子はなかなか変わらない。自分たちが育てられたように育ててきただけなのに・・・」
この「自分たちが育てられたように育ててきただけ」 ここが問題なのです。
自分が育てられてきた親の子育てを無批判に継承することは、決してよい選択とは言えません。
例えば、両親のどちらかが親と早くに生死別し、係わり合いが少なく育った場合、自分自身も
子どもとの係わり合いが極端に少ない場合がよく見受けられます。
これは、生死別でなくても、肉体的にも精神的にもふれあいが少なかった場合も同じです。
「子どもは親の背中を見て育つ」
「子どもは自然に育つものだ」
これは、親の傲慢さ以外の何ものでもありません。
「自分も親とそんなに会話をしていたわけではないけど、ひきこもりなどなかった」
こういった声も当事者の親御さんからよく聞かれます。
親との情緒的交流が少なかったことなどから、成人してからの人間関係に支障をきたすことが
少なくないのですが、もちろんみんながひきこもるわけではありません。
子育てにこそ大きく影響するのです。
自身の親との関係からの影響が自覚できていないのです。
また「息子はなかなか変わらない」と言っています。
これも子どもを変えるのではなく、親自身が変わる必要があります。
子どもが変わってくれないとしたら、親が少しも変わっていないからです。
親自身がなかなか自分たちの側にも責任があることを認めたがりません。
責任を負うことに対して、あたかも非難されていると取ってしまうからです。
「親御さんにも責任があるのですよ」と言うと、「私たちが悪いと言うんですか?」
と憤慨なされる方も少なくありません。
責任を負うべきと言っているだけで、「悪い」なんて一言も言っていないのです。
「大学合格がどんなに大変だったか。どうして努力を認め、ほめてくれなかったか」
「ここまで追い込んだのは親だ」
というのは、おそらく本音でしょう。
わが子が抱えた傷を理解しようと取り組み、痛みに寄り添うことなしに、現状に対してだけ叱責
すれば、子どもはますます自分の世界へ閉じこもります。
この父親は、「神様はこういう人間もつくるんだな」とつぶやいたそうですが、責任を押し付けられた
神様もお気の毒です。
人は、他人に責任をもっていけなくなると、運やツキのせいにします。
神様までもっていっては救いようがありません。
責任から逃避し続ければ、最後には自分の人生から責任を取らされることを肝に銘じるべきです。
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