解決支援者の現場日記
ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?④
「日常的混乱」(=日常のいらだち)を続けます。
他の子どもと比較すること。
兄弟間での比較や、他人(友人や身内)との比較ですね。
「妹は○○なのに、お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」
「○○くんは、○○大学に行ったそうよ」とか、常に誰かと比べ貶めるパターンです。
励ましているつもりかも知れませんが、いらぬ世話です。
この比較された話は、当事者たちからよく出てきます。
それだけ、とても嫌なことなのです。
こういう親御さんほど、他の子どもたちの元気な姿を見るに堪えなく、周囲との関りをもたなく
なっていきます。
わが子の現状と比べて悲嘆してしまっているのです。
これも長期化のひとつの要因です。
子どもへの関心・関与が少なすぎる、これもダメージは小さくありません。
以前、あるひきこもり者に「父親から説教されたことある?」と尋ねた時に、
「いいえ何も言われていません」と答えたので、「良かったね。責められなくて」と伝えたところ、
「親父にとって、俺が退学しようが、ひきこもろうが、どうでもいいんですよ。自分には関係ない
ことなんでしょう」と、返されました。
愛してもらえているとは思えませんよね。
とても寂しげで悔しさのにじみでた表情が、印象深く記憶に残っています。
この反対は、過干渉ですね。
過干渉は、干渉を愛情と勘違いしています。
それは愛情ではなく、単なる執着です。
また、親自身の不安の解消のために行っています。
子どもをコントロールしようとすると、そこに遠慮も慎みも無くなり、子どもの世界に侵入しようと
してしまいます。
わが子への敬意を失うと、わが子の自尊心を育てることができません。
これまで挙げたような「日常的混乱」がありますと、それらは「持続的なストレス」となり、
トラウマ化されるのです。
親が親として機能しないと、子どもはありのままの自分を見失い、「ここに居ていい」という自覚を
もてず、身を潜める生き方しかできなくなるのです。
(続く)
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