解決支援者の現場日記
ひきこもり・不登校~生きていくための支え
実存心理学では「人間は自らの自由意志に基づいた責任のある決断を行い、人生の意味や価値を
追求しうる存在。〈意味への意志〉を発動することの出来る存在」と示されています。
ひきもり者たちは、自分で決断することに不慣れです。
それは親たちによって判断の機会を奪われていたからです。
また、親の欲求を自己の欲求と勘違いしていただけに、自分の本音の欲求が、何を求めているのか
も分からないままでいます。意味を感じられるものがありません。
この空虚感が退屈を招き、刺激を求めてゲーム等に依存していくのです。
内的規範は価値観が基となりますが、親から譲り受ける(刷り込まれた)ことが大です。
それが生きるよすがになっていません。
自己の評価基準をもてず、常に他者の評価に怯えることにもなります。
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となり、自己牢獄に閉じ込められているかの様相です。
責任を回避してしまうのは、自己愛が傷つくことを恐れる結果です。
親の機嫌をそこねた責任を負わされることなどが多いと、無用な罪悪感を抱き、それ以上責任を
背負いたくないと避けますし、過剰な世話やきによる責任の肩代わりが多いと、依存心を強め
責任転嫁の傾向が顕著となります。
ひきこもり現象は、養育環境が変化に適応できるだけの育ちを保証できなかった結果なのです。
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