解決支援者の現場日記

ひきこもり(不登校)~子どもは家族の救援者


前回、家族はモビールと同じということを述べましたが、バランスということで言いますと、

私たちの身体は、血圧や体温といった内部環境を自動調整するホメオスタシス(恒常性保持機能)が働き、

健康を維持していますね。

これもまた同じで、家族もホメオスタシスが働き、家族の均衡を保とうという力が作用します。

そういった意味で、不登校や引きこもりといった子どもの非日常的な逸脱行動は、不均衡を呈した

家族の救援者として“揺り戻し作用”を担っているのです。

言わば、家族病理の症状であり、「治療的行動化」です。




家族病理とは、主にコミュニケーションの偏りです。

強迫的コミュニケーションと言って、親からの一方通行のコミュニケーションのケースがよくあります。

強迫的と言うのは、「脅迫」脅しではありません(笑)。

無意識といった意味です。




カウンセリングでは「傾聴」といったことを重要視しますが、子どもの声をしっかり聴かず、

親自身の意見ばかりで子どもを無意識に動かそうとしてしまうことです。

親は「良かれ」と思っていますのでそれこそ意識せず、子どもの意思は無視されがちです。

そうなるとやがて、子どもは「言ってもムダ」と意思表示をしなくなり、見た目が「いい子」と

なるわけです。

子どもにとっては、「脅迫」に感じる場合だってありますからね。

不登校児童、ひきこもり者たちは、大半「いい子」と目されていた子たちです。




私たちは、「欲求」を自覚出来ている時には、「要求」という形で周囲に知らせますが、自分でも

無自覚な場合は、充たされず抑圧され、「症状」というコミュニケーション手段で、そのメッセージ

を周囲に伝えます。

体調不良の時に、医者から「精神的なものでしょうねぇ」と言われることがありますよね。それです。

不登校、引きこもりは、その症状であり、また、子どもたちは敏感に家族の不均衡を感じ取り、

治療をしようとしているわけです。








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