解決支援者の現場日記

ひきこもり(不登校)~後悔ではなく


ネットニュースに「8050問題」をテーマに当事者(母親)、ジャーナリスト、

ファイナンシャルプランナーの対談記事がありました。

当事者の方も作家らしく、皆さん引きこもりに関わる著名な方です。

気になる点がありましたので、私見を述べてみたいと思います。

あくまでも記事に出ている範囲での意見です。掲載されていないやり取りも

あっているはずですので、記事だけでは正確ではないのですが、読者の方も

記事だけで判断されますので、ご了解ください。




〔ジ〕子どもがひきこもったり、なにか問題を抱えたりしたとき、

「私の育て方が間違っていたんじゃないか」と、ご自分を責めるお母さんは

少なくありません。でも親が「育て方を間違えた」と悔いてしまったら、

苦しい時間を一所懸命過ごしてきた子どもの生き方をも否定することになる。

誰もが、そのときどきでベストな選択をしてきた、と私は思いますよ。


〔母〕親の後悔はネガティブなメッセージとして子どもに伝わる。

それでは事態がよくなりませんね。





こういった話は時折聞かれます。

恐らく背景にあるのが、「親を責めるようなことをすれば、ますます親自身が

閉じこもり、支援を求めなくなる。ただでさえ世間体を気にするあまり長期化

が進んでいるわけだから」という考えだと思われます。

〔ジ〕の方が、「誰もが、そのときどきでベストな選択をしてきた、と私は

思いますよ」
と、優しくフォローされておられますよね。

気持ちは分からなくもありませんが、このやり取りは誤解を与えかねないのです。




「ベストな選択」と自分を納得させても、その結果として、事実わが子が

引きこもりに至っている
わけです。

どの親でもわが子に「良かれ」と思って、口や手を出してきています。

動機は間違ってはいません。

しかし、その「良かれ」が、わが子にとっては良かれになっていなかった

のです。そのことは真摯に受け止めなければなりません。

一所懸命であればなんでもいいというわけではないのです。




子育てはあくまでも「この子にとっては」で考えなければなりません。

親側の都合だけで判断してはならんのです。

その証拠に、親からの期待に懸命に応えようとしてきたタイプがひきこもり者

たちには多いのです。

期待に応えきれなくなり挫折し、そのうえ親を裏切ったと、もたなくていい

罪悪感
をもってしまっています。

判断を誤っていたことはごまかさず、認め反省しなければなりません。

「反省」が大切なのです。




母親が「親の後悔はネガティブなメッセージとして子どもに伝わる。

それでは事態がよくなりませんね」
と述べておられますね。

後悔してもよくならないのはその通りです。

後悔するのではなく、必要なのは「反省」です。

後悔と反省は似て非なるものです。

「後悔」は、ただただ後ろ(過去)を向き、嘆くだけです。

ネガティブなメッセージとして子どもに伝わるのは当然です。

「反省」は、後ろを一旦振り返るのは同じなのですが、前(将来)へ進むため

という前提、目的があります。

つまり、過去を教訓とし将来に活かしていくのです。

ここが全く違います。




なぜ引きこもりという結果を招いたのか、その原因と結果の再検討が「反省」です。

これが絶対必要なのです。

全体的に後悔ばかりで反省が足りていません。

ですから、「悔やまないで」と単に言えば、原因の振り返りも怠りかねません。

反省がなければ、同じことを繰り返します。




〔ジ〕の方が「親が「育て方を間違えた」と悔いてしまったら、苦しい時間を

一所懸命過ごしてきた子どもの生き方をも否定することになる」
と仰っていますが、

「生き方を否定するから悔やまないで」と聞こえてしまいますね。

だから母親も「事態がよくなりませんね」と納得してしまっています。

「生き方を否定」という捉え方が、そもそも勘違いをしておられます。

引きこもりを招くような生き方を身につけさせてしまったという自覚が重要

なのです。

生き方を否定ではなく、生き辛さを抱えさせてしまったことの反省謝罪

そのことでわが子にも生き辛さのわけ(原因)を自覚させます。

そしてやり直しを親子でやっていくのです。




この記事にあるような考え方には、引きこもり自体を否定的に捉えている姿勢

が伺えます。

だからでしょう。次のようなやり取りも同じ記事の中にあります。

〔ジ〕 親は「自分は努力してこの人生を手に入れた」と思っているから、

「なんでできないんだ。努力が足りないんじゃないか」と責めてしまう。

さんざん頑張ってきた結果、社会に傷つき、人が怖くなって安心安全な自宅に

こもっているのに、家族からも責められたら、ひきこもりは長期化します。

〔母〕 長期化の原因は、そこにあったのか。


〔ジ〕 家族の反応に言葉でうまく表現できず、暴力に向かってしまう人も。

責めれば責めるほど、心が離れていくと考えていただいていいと思います。





長期化の原因は、引きこもりという現象の無理解と自己都合の優先です。

前へ進む(解決)ための「反省」を強く促さなければならない支援側が、

このような表現で伝えると、「後悔しない=反省もいらない」と受け止められ

かねません。




「親は謝らなくて(頭を下げなくて)もいい。立場が逆転するから」とアドバイス

していた支援者もいました。

おかしな話です。非を非として認めることは当たり前のことです。

非を認めない親を子どもたちはそれこそ嘆いています。

引きこもり者たちは、親に頭を下げさせたいわけではありません。

痛み、無念を分かって欲しいだけです。認めてほしいんです。




今回、家族会にも関係している著名なジャーナリストの方、その分影響力が

おありになる方の言説でしたので私見を述べさせて頂きました。

最初に述べたように、あくまでも記事に掲載されている範囲の中だけでの

意見ですので、ご了承ください。








※現在、オンラインでの無料相談も承っております。(スマホ、タブレット可)
お申込み、お問い合わせは、メールでどうぞ。




新プロジェクト〈OKAGESAMA fellowship〉開始!
https://peraichi.com/landing_pages/view/okagesama567
これまでの、かえって長期化を招いてしまっている家族会や居場所とは
違う当事者家族にとって本当に必要な「行き場」の提供です。



行動する親たちの学び場です。

地域の当事者家族会に参加して落胆している方、ここでは希望を実感できますよ!

【不登校・引きこもりフォーラム〈たらちねの会〉】

https://peraichi.com/landing_pages/view/tarachine


不登校・ひきこもりオンライン家族会

「たらちねオンライン」始動!
毎回、解決実践家による講習が受講できます。
https://peraichi.com/landing_pages/view/tarachineonline



メールマガジンはこちらです。ひきこもりの原因と解決法が分かります!
【ひきこもりは動けないから解決できる!】

https://www.mag2.com/m/0000282169.html


プロの解決実践者の養成講座です。当事者家族も学べます。
【家族援護士養成講座】
※現在オンラインで一人からでも受講できます。

https://www.interbrain.co.jp/course/category/family-aid/



不登校・ひきこもり・アダルトチルドレンのメンタルケア
【付設心理教育カウンセリング・オフィス〈ふぉーらむ北辰〉

https://www.interbrain.co.jp/hokushin/about/


アダルトチルドレンを超えるためのブログはこちらです。
【アダルトチルドレンからの回復】

https://www.interbrain.co.jp/acblog/

 

ひきこもり期間中 に喪失した自律性や社会性を回復していきます。

【生活機能回復訓練  生活道場】
https://www.interbrain.co.jp/seikatsu_dojo/



毎週月曜日無料相談会】【毎週火曜日若者おしごと相談室

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約  0120-870-996 )

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

 

 



引きこもり・不登校・発達障害の相談解決
 NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp

記事一覧を見る

ブログTOPへ戻る