解決支援者の現場日記
ひきこもり家族会が危ない!⑪~責任の所在
わが子の成長に最も責任を負うのは、もちろん親です。
人格形成や健康にいいも悪いも影響を与えているのが親であることは、
誰しもが承知していることでしょう。
それが、前号で述べたように「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、
社会全体の問題だ」とある家族会の代表の方が仰っていますが、これが
まさに「8050問題」を招いているように思えてなりません。
社会に責任をもっていけば、社会になんとかしてもらおうという行動しか
とりません。(それが家族会設立の目的かも知れませんが)
しかし、事が起こっているのはわが家の中です。
わが身に起こっているのです。
自分がひきこもる子をもつ親であるのです。
ですから、そのことに責任をもつのは自分自身です。
自分の人生に起こっていることですから、自分の人生に責任をもつことは、
あたりまえのことでしょう。
仮に、そのことが生じた(起こった)原因に自身が関与していないことが
あったとしても、その影響を受けていれば、その影響に対して、どう対処
していくかは、自己の責任において判断していかなければなりません。
例えば、わが子が学校でいじめを受け不登校をしているのに、いじめを
したのは自分じゃないからと、何も対処せずほっておきますか?
責任を回避したがるのは、「責任がある」と言うのを「自分が悪い」と
捉えるからです。誰しも悪者にはなりたくありません。
だから回避、転嫁するのです。
しかし、責任の有る無しと、いい悪いは別です。
責任があるというのは、そのことにおいて、主体者、主導者として、
後始末、後片づけを最後まで行なう義務があるということです。
「誰が悪い」といった犯人探しをするのではなく、〈どこ〉の責任を自分が
負うべきかを考えなければなりません。
災害で家が倒壊したことに責任はありません。
しかし、復興していくことには責任もってとりかかっていく必要があります。
わが子は、自分たちがこの世に、この社会に生んだ(存在させた)子です。
存在を誰からも気づかれないままにしておけますか?
自分の人生に責任をもつ姿勢、生き方が、わが子に困難を乗り越える勇気を
与えることができるのです。
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