解決支援者の現場日記

ひきこもり家族会が危ない! ⑧


家族会では、解決のための有益な情報を共有したり、同じ境遇の身同士で

気持ちを分かち合ったり、励ましあったり。あくまで、前へ進んでいく(改善)

ためのものです。




ところが、新しく参加してきた家族に「もう、あきらめましょう」とか、

「老後の自分たちの介護をさせましょう」などと言っているところもあるのです。

私はあるひきこもり者から、「家族(親や祖父母)から、めんどうは見てあげる

から介護をしてと頼まれたことがある」と聞かされたこともあります。




また、支援団体に対しての主観的な印象(優しいとか優しくないとか、費用が

高いとか、こうしてくれない等)を会報に掲載しているケースもあります。

主観的なものは、人によって異なるものです。

例えば、相談には費用がかかるのはあたりまえと認識している方と、福祉に

お金がかかるのはおかしいと認識している方とでは、高いか妥当かのレベル

も違います。

「こうしてくれないから優しくない」もその方のあくまで自己都合です。




主観的なものは事実とは違う場合もあり、それを公平を期することが求め

られる会報に掲載することは、参加者に誤まった認識を与えかねません。

わが子の行く末に関わる大切な問題なのですから、基本、自分で足を運び、

支援者の人となりを自分の目と耳で確認すべきことです。





当協会では、連携している民間事業所があり、訓練の後、学歴や年齢、

ひきこもり期間を問わず採用していますが、そういった情報をあえて参加者

に伝えない会もあるくらいです。

ここの場合、その理由が「会員を取られたくない」でした。




当協会では、「たらちねの会」という家族会を運営しています。

この会は、会費もありませんし、毎回90分の具体的な解決のための講習も

行なっています。もちろんすべて無料です。

会費も徴収しませんので、元より誰でも(支援者でも)自由に参加できる

ものなのですが、「会員を取られる」という発想には正直唖然とさせられ

ました。家族会の本来の目的を完全に見失っておられるようです。

次回は、なぜこのような歪みが生じるのか。

家族会との共依存について述べてみましょう。






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