解決支援者の現場日記

ひきこもり(不登校)~有害な救済にならないために③


前回、「希望」とは、より良くなることを前提に臨んでいくこととお話ししました。

では、より良くなるとはどういう状態だと思いますか?

もちろん、働くことや学校に通いだすことではありません。
 
脱ひきこもりや脱不登校は、就労や登校では決してないのです。

そう捉えているから長期化していくのです。

そのことに早く気づいてください。
 



より良くなるというのは、抱えている苦悩が和らぎ、消えていくということです。

その苦悩とは、

できないことを知られるのが怖い恥辱感と、

周囲から自分がもぬけの殻だと悟られるのが怖い空虚感と、

何をしてもうまくいかないという無力感です。
 
つまり絶望感です。
 



希望をもって今を一生懸命生きていけないのは、将来を絶望視しているからです。

これからを生きていくことに意味を見出せないからです。
 



ひきこもり(不登校)を招いた原因を知ることが解決のための必要条件ではないと言っている

支援者もおられます。
 
行政の窓口で配布される当事者向けのパンフレットにも、「原因よりも現状を改善することが

大切」といった内容が掲載されていたりもします。
 
原因も分からずして、何をどう解決するつもりでいるのでしょうか?

不思議でなりません。
 



痛み、苦しみを伴う原因に寄り添うこともなく、ただ「けしからん!」と社会参加を勧めても、

崖っぷちで背中を押すようなものです。

足を踏ん張り背中を向け、さらに心を閉ざします。
 
絶望感をぬぐいさるためには、親、家族の苦悩への理解、共感が最も必要なのです。
 
 
 


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