解決支援者の現場日記
ひきこもり(不登校)-ひと言申す~親としての発達③
子どもの教育の成果達成を親自身の成功と錯覚する心理は、親が自身の課題達成をもち得ない
鬱屈した生活の産物です。
子に独立した人格を認めておらず、親も別の独立した個人として生きている状態にないも同然です。
互いが自立していない状況です。それぞれが個として生き成長していくことは重要なことなのです。
人間の発達は、生涯にわたるものです。
親もまた、一人の大人として、親として発達、成長し続けていく必要があります。
そのことが、安定した気持ちで子どもと向き合い、見守るうえでの大前提なのです。
子どもに与える親の影響は大きなものです。
ペアレンティングという概念は、「親としての言動や生活の総体」を指す概念であり、無自覚に行う
ふるまいや言動なども含んでいます。
ペアレンティングの要素には、次のようなものがあります。
①子どもとの関わり
②親の生活習慣や趣向
③家庭の物理的環境
④家庭の心理的環境
⑤学校との関係性
④は、親のつくりだす「雰囲気」や「居心地」などです。
これらは、親自身の生き方や生活全般、家庭環境といった「親としてのあり方」そのものです。
また、親の行為の継承(連鎖)といった影響もあります。
子どもが豊かにもっている育つ力を尊重し、子の個性、特徴やそのときの状態に的確に応じた
対応(応答性)は、愛着の形成にも重要です。
応答的であるためには、子どもをより知るために、よく観ることです。
変化を見逃さないことです。それが親の教育力の核です。
〈見る〉では、心ここにあらずで気づきません。
〈観る〉は、観察、洞察することです。
自分を分かってくれているという安心感と信頼感が自尊心や自己信頼感を子どもの中に育てるのです。
無用な介入は避け、子の発達のお邪魔をしないことです。
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