解決支援者の現場日記
「8050(7040)問題」の危うさ
事態の解決を焦る前に、現状のこれ以上の悪化を防ぐことが先決です。
〈8050(7040)問題〉が叫ばれ、「親が死んだらどうしよう?」なる
名称の団体もあるようです。
50才の引きこもりを80才の親が支えるといった問題ですが、長期化を
止められず、追いつめられた家庭をどう救済できるかといった風潮に
なってしまっていますが、まったく勘違いをしてしまっていることが
あります。
長期化は、不可抗力ではないということです。
防ぎようのない、どうすることもできないことではないのです。
先ず、親御さんが認識しておかなければならないことは、長期化がより
進めば、当の本人の中では、引きこもるという自分の生き方を親は容認
してくれているとなっているということです。
そう取られてもいたし方ありません。なぜなら、引きこもりを止める
適切な取り組みをほとんどしていないからです。
「いい加減働け!」や「出て行け!」は、もちろん適切なはたらきかけ
ではありません。
事態の悪化です。
背を向け、沈黙(無視)を続けるわが子に「なすすべも無く」と放置して
しまっていれば、あきらめて容認してくれていると取られても文句も
言えません。
私がいつも例えるのは、引きこもり現象は、体重が200㎏近くにもなり、
ベッドから降りることもままならず、働くことなど到底出来なくなって
しまっているニュースに出てくるような人のようなものです。
「お医者さま、助けてください」「働けないので生活を援助してください」
と言っていますが、体重はいきなり200㎏にはなりません。
そこまでになる間、その増加にもちろん本人も家族も気づけています。
にもかかわらず、さらに食事を必要以上に摂取することを続けているの
です。
つまり、事態を放置してしまったということです。
〈8050問題〉は、大変気の毒な最優先で救済しなければという問題では
ないのです。
そこまでになる前に、充分、防げる問題なのです。
いよいよどうにもならなくなってからのどうしようを考えるより先に、
今も日に日に進行している目の前の引きこもりにクサビを打つことに取り
組むべきです。
そのためには、自力で食事を調達し200㎏になったのではなく、毎日3食
たっぷりの食事を供していたのが自分たちだったということに親御さんが
早く気づくことです。
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