解決支援者の現場日記
ひきこもり家族会が危ない!⑩~8050問題の意味
昨日のニュースで「8050問題」が取り上げられ、ある家族会の代表の方の
下記のような発言があげられていました。
「当事者は家族の中で孤立し、家族は社会の中で孤立してしまう。
当事者には自分を責めないでいいよ、一緒に生きていこうよと伝えたい。
親も自分たちだけで悩まないでほしい。
ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だと知ってほしい」
親御さん方へ向け、当事者と同じように自責の念で自分たちを責めないように
との精一杯の配慮で最後の言葉が出ておられるのだろうとは思いますが、
「ひきこもりは子育てや家庭の問題ではなく、社会全体の問題だ」
よもや本気でそう思っておられるのではないことを祈るばかりです。
子育てや家庭の問題ではないと言うのは、何か先天的な障がいか何かですか?
先天的な疾患や障がいは、社会の問題ですか?
「8050問題」で分かるように、ひきこもりが医療ではカバーできない問題で
あることはすでに明白です。
援助、救済は確かに社会が考えていかなければならないでしょう。
社会が何らかの救済インフラを整備していくことは、もっともです。
しかし、ひきこもり自体は、社会が招いたことなのでしょうか。
発生自体に社会が責任を負わなければならないのでしょうか?
「8050問題」は、高齢で引きこもりだす人が増えたのではなく、若くに
ひきこもり始め、解決されないまま長期化した結果、高齢になっただけです。
ですから、「親も子も高齢で大変深刻な状態だから、社会が何とかして
ほしい」は、共感を得られる主張ではありません。
「8050問題の危うさ」でも述べたように、こうなる結果が見えていたのに、
適切な手を打たなかった責任は、どこにあるのでしょうか。
「子育てや家庭の問題ではない」と言い切る根拠は何ですか?
私が支援活動を通し、当事者から聞かされ続けてきた中身は、まさに子育て
と家庭の話でした。
シリーズ④で述べたように、家族会は当事者の声(訴え)も知らず、誰に責任を
もっていきたいのでしょう?
次回は、責任の負い方について話してみましょう。
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