アダルトチルドレンからの回復~私は私でありたい
アダルトチルドレン~12ステップ【祈りの実践】②
自己への執着、我から離れるメンタリティの訓練としての祈りを説明してみましょう。
我(エゴ)から離れるためには「わがものに(は)非ず」という自覚が最も大切です。
そのためにも、自己を超えた存在への畏敬の念が必要です。
つまりは、すべては与えられた恵みであるという自覚です。
「自分の体はどうしようが勝手」
「自分の力で生きている」
「好きなように生きて何が悪い」
と、自分のこと(もの)だから自由にしていいだろうと思っていませんか?
魂(たましひ=命)は「賜りし霊(ひ)」という意味ですが、命も賜った(与えられた)ものです。
我欲から離れるために昔から勧められていることが「施」です。惜しむ心を放す。
「施」は、思いやりがなければできません。
私心なき思いやりの最も洗練されたものが「祈り」です。
誰かのために祈る行為は、見返りを期待しない純粋な無償の愛の実践です。
「祈り」は、畏れ、敬い、感謝が土台にあります。
つまり祈る対象があるのです。
その対象を日本人は「お天道さま」「お陰さま」と表現していました。
【神との正対】③でも説明しました。
お陰さまの恵みに感謝し、私心を捨て、自分を尽くす(主体性の発揮)。それが「施」です。
【自分なりに理解した神】①【自分なりに理解した神】③で述べましたが、鎌倉時代の歌人
西行法師が「何事のおわしますをば知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」という有名な歌を
詠んでいます。
思いどおりにならない苦悩を通して自身の無力さを覚り、慢心を戒めるために、命を生かして
くださっている存在に、感謝の心を捧げ、ぬかづき、ゆだねる(信じ任せきる)。
めぐりあわせ(縁)など自力の及ばぬことを信じ任せきれることでこそ、私心を捨て(捨心)、
自分に出来ることに専念できてくるのです。
これからは、ただ自分の望みを“願う”のではなく、祈っていきましょう。
願いは往々にして我欲から出ているものです。
対象がない分、どこまでも自分から離れません。
対象を意識しひたすら(ひたむきに)祈り、自分を尽くし改善行動に努めていくのです。
愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を広げようとする意志
と言われます。
意志とは、行為に移されるだけの強さをもった欲求です。
ですから、愛は意志の行為です。
第3ステップの「神の配慮」もまたその愛でしょう。
「陰徳積んで陽報あり」という言葉もあります。
相手のうかがい知れないところで、陰ながら支えることでこそ、表の努力とあいまって
陽かな結果が顕れてくるのです。
「祈り」は前回述べたように、祈られる本人が認識していなくてもしっかり届くのです
から、愛をもって祈りましょう。
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