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解決支援者の現場日記 : 旧ブログでタグ「支援」が付けられているもの
ひきこもりを見守ってはいけない
られます。
思いつくまま述べてみましょう。
「子どもを信じて見守りましょう」が確実に長期化を招く。
責任を回避する支援者側の無責任な対応。
「子どもを信じて」というのは、親にとっては殺し文句です。
子どもの教育は、とかく「待つ」ことが重要視されます。
逸る気持ちを抑え、じっくり待つことが子どもを育てるためには大切と言われています。
ですから、この言葉がでると、親の方も「そうだ。信じて待たなきゃ」と思うわけです。
ところが、これは体のいい現実逃避です。
単なる問題の見送り、先送りにしかなりません。
見守りはは結局何もしないということです。
ですから、確実に長期化します。
時間が経てば、いつか気づいて、やる気も出てくるだろうというのが前提になっています。
しかし残念ながら、やる気曲線は、日ごとに右肩下がりで落ちていきます。
人と関わらない期間が伸びれば伸びるほど、益々人前に自分をさらすことの抵抗が
強くっていくのはあたりまえのことです。
そもそも行動の選択肢を持ち合わせていないことで、ひきこもっているわけですから、
誰とも接触しない(他の価値観にふれない)状態で、新たな選択肢を得られるはずがない
のです。
積極的に選択肢の提供をしていかなければ、一生ひきこもらせることになります。
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ひきこもり・不登校の相談解決
NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2014年7月19日 22:02
「ひきこもり」をなおすということ
いこうと思うに至りました。
それは、約20年間にわたって支援活動を続けてきた中で、この10年の状況を見て
も、長期化が進んて来ていることを強く実感するからです。
様々な形で、行政などの支援体制も用意されてきたにも関わらずです。
私はほぼ毎日、当事者の青年たちと会って、彼らの生の声を聴いています。
また、そのご家族の状況をうかがう機会を得られています。
その中で、感じたことを小さなことでもつづっていきたいと思います。
それが結果的には、当事者家庭の現状改善に役立てて頂けるような気がするのです。
それほどちょっとしたことに気づけていないがために、長期化が進んでしまっている
のを実感しているからです。
先日、毎月行われている「たらちね親の会」に初めて参加した方からこのような感想
が聞かれました。
「とてもショックでした。落ち込んでしまいました。でも、また来ました」と。
この方は、これまで他のひきもり親の会に継続して参加されていた方です。
さて、何がショッキングだったのかを次にお話ししましょう。
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ひきこもり・不登校の相談解決
NPO法人地球家族エコロジー協会
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2014年7月18日 21:17
ひきこもり解決のためには?
今日の一日が、昨日と違うところは何があるでしょうか?
わが子が部屋にいる(登校していない)状況にどんな変化がありましたか?
何もなかったとしたら、なぜ変化が見られないのでしょう?
変化がないのに、なぜそのままにしているのでしょう?
何を前提にしてしまっていますか?
「やがて動き出すだろう」を前提にしていませんか?
どれだけ待ちましたか?
いつまで待ちますか?
動き出せることを期待できる根拠って何ですか?
これまでに失われたもの、これから先待ち構えているものが何かを想像できますか?
これらを自分に問うたことがありますか?
問わなかったとしたら、その責任を誰に求めますか?
なぜ他でもないその対処(過ごし方)をしてしまったのかを考えてみましょう。
いかなる目的で、それをしたのですか? また、しなかったのですか?
目的は、わが子のひきこもりの解決だったはずです。
目的は何のためだったのでしょう?
目的が別のものにすり替わってしまっていませんか?
ひきこもり現象は、「家族依存症」です。
「家族」という関係性だけにしがみつく生き方です。
それは親密さに裏打ちされたものではなく、「血を分けた」という事実としての
立場(権利と義務)だけによりすがったものだけに、変化を加えることを互いが
拒みます。
変化を起こす勇気が出せないのです。
なぜなら、自らが人生の担い手であるという自覚がもてず、自らの判断、選択、
結果に対する責任を認識できていないからです。
現状の改善のために変化を起こしていく不安感の方が、現状に対しての不満足感
より勝ってしまっているのです。
勇気の反対は、臆病?
いえ、追従、依存です。
ここでひきこもりが解決していくためには何が必要かをお話ししましょう。
これは同時に、できなければ一生ひきこもらせてしまうということでもあります。
先ず、実は親子で全く同じ課題を抱えているといった自覚が必要なのです。
それは、改善を要する「問題」に対しての対処の仕方や傷つき体験後のストレス
反応が、自己破壊的になってしまっているということです。
同じということは、親がこの課題を乗り越えそれをわが子に示すことさえ出来れば、
ひきこもりは解決していきます。
失敗しないことがエライわけでもなく、悩まないことが幸せなわけでもありません。
失敗や悩みからの苦悩、痛みにどう向きあい建設的に対処していくかです。
痛みを避けるのではなく、痛みからの影響をどう昇華(変容)させ、成長、発展に
活かしていくかが肝心です。
痛みを避けようとすれば、失敗を避けるために挑戦を拒みます。
何事にも取り組まなくなるのです。
これがひきこもり現象です。
そして、わが子に力が及ばない現実を思い知らされる痛みを怖れてやがてはたらき
かけをしなくなる。
これが長期化の原因です。
如何ですか?
全く同じなのです。
このことに気がつけば、ひきこもりは解決できます。
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ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
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ひきこもり・不登校の相談解決
NPO法人地球家族エコロジー協会
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2014年4月 4日 09:00
ひきこもりで浮き彫りになること
不登校、ひきこもりなどの子どもの逸脱行動が生じると、浮き彫りになってくるものに、両親間の人間
関係と、問題解決能力があります。
わが家の有事であるわけですから、当然双方の協力体制が必要なのですが、全く反対の状態を示す
場合があります。
よくあるケースは、「子どものことは、母親が見るべきだろう」と、全く関与したがらない父親です。
せいぜい関わったとしても、「おまえが甘やかすからだ」と母親を非難し、「いい加減にしろっ!」と
子どもに説教するぐらいです。
これでは、状況は改善されるどころか、問題の焦点がそれ、と言うよりも、新たな火種を作ってしまい
かねません。
こういった背景には、親自身が、責任の所在が明らかになり、自身が傷つくのを避けたいという思い
もあります。
何かが間違っていたということを突きつけられることが怖いのです。
人は、恐れていたことがまさに起こってしまうことも恐怖しますが、気づかぬところで問題が進行し、
これまでの生き方や価値観を覆されるであろう事件が起こってしまうと、無意識の内に目をそらしま
す。
それを見てしまうと、今までの自分を否定されてしまうように感じるからです。
そうしたことから、子どもを刺激することを一切避け、表面的に穏やかな状態を維持することにつとめ
ようとする傾向が多くあります。
ひきこもりを終わらせたいと思う反面、子どもを動かそうとして、反発されたり、抵抗されたりすること
は、避けたいのです。
自分が傷つきたくないからです。
これまでの事例でも、家の中での事であればなんとか動くと、祖父母の介護や親自身の病気の看病を
してもらい、気がついたらひきこもりが20年近くになっていたというケースがあります。
家業を好きなときだけ手伝わせ、必要なだけのバイト代を与えていた事例もあります。
これらは、親と子互いが、最重要な問題を脇に置いてしまったがためです。
「考えないでいたら、いつか問題が無くなるような気がしていた」と言った青年もいます。
これは、問題を受容できない親も同じで、「いつか動き出すんではないかと淡い期待をしていた。まさか
こんなに長くなるなんて」といった言葉もしばしば聞かれました。
目先の安定を優先させ、時の経過による「ひきこもり」という問題の深刻化の予測が立てられていない
のです。
時の経過により、当事者のみならず両親の年齢も共に重ねられます。
定年を迎え、経済的にも、健康的にも、本人の生活を支えることがより困難となってきます。
本人も、何らの人的、時間的制約を受けない環境で何年も過ごしてしまうと、伸びきったゴムのように、
弾力を失い、わずかな負担にも耐えられなくなってしまいます。
花は落ち、枝は枯れても、土中の根が生きていれば、必ずまた花を咲かせます。
逆に根腐れしていれば、幹から倒れます。
土中の見えない部分(本質的な問題)を疎んじていると、大きな代償を払わなければならなくなります。
現状改善のために能動的な行動を促すと、いやがる。反発する。落ち込む。という理由で、何も刺激
しないままに、過ごしている場合が少なくありません。
中には、「相談に行ってみようと呼びかけたが、いい返事が返ってこなかったので様子を見ていました」
と、数年たってから、当協会に再び来られ、「なんとかならないでしょうか?」と訴えられることもありま
す。
いい返事が返ってこないことは当たり前のことで、無意味なことです。
あたかも、自分が動かないでいい口実を作ってもらっているようなものです。
その数年の間に、先ず親がやるべきことをやって、根っこ(問題の本質)をしっかり観て、自分が傷つく
ことを避けることなく(わが子のためですから)、創意工夫をしながら、たゆまず働きかけを続けていかな
ければなりません。
夫婦で責め合ったり、あなた任せにしている場合ではないのです。
わが子のひきこもりであぶり出された問題こそ、しっかり受け止め、見直し、改めていけば、必ず、
解決していきます。
ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
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ひきこもり・不登校の相談解決
NPO法人地球家族エコロジー協会
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年1月14日 17:40
内閣府 若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)
今年2月に熊本市で、内閣府の「青少年育成のための地域連携推進事業」があり、「ひきこもりから
見る青少年問題」という演目で、私もお話させて頂きました。(講演録はこちらです)
7月には、内閣府より「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」が発表されて
います。
この中で、企画分析委員である吉川武彦教授のコメントがありますので、少しご紹介したいと思い
ます。吉川教授は、国立精神・神経医療センター精神保健研究所の名誉所長です。
冒頭で、
『常にお断りしてきたことであるが、「ひきこもり」は精神医学概念ではないことである』
『「ひきこもり」状態をもって精神疾患が示す一症状ということはできないばかりか、「ひきこもり」を
精神疾患の診断名として用いることはできない』
と述べておられます。
また、繰り返し『再度お断りするが「ひきこもり」は精神医学的診断に馴染むものではない』と断言
しておられます。
『家族関係のもつれから「ひきこもり」状態になるものもあり、その一端を示せば家族からの強い
過干渉によって自己肯定感をもてないまま成長し、他者との関係構築が不得手となったものに
「自閉」という精神病理を見いだすことは無理があろう。さらにこのような人が自分を卑下し自己
の無能力感を抱き罪悪感をもつようになったからと言って「うつ病」と診断することは許されない
はずである』とも述べておられます。
この家族関係によるものに関しては、私が先の講演で詳述しております。
この吉川教授のコメントでも分かられるように、ひきこもりを即精神疾患や障害と見なすのは、
大変危険であります。
しかし、一部の(とは言っても全国組織)親の会では、国の財政支援にしがみつけとばかりに、
ひきこもりを障害と見なしたいようです。
福岡にも傘下の組織があり、そこを訪れた方が私の所へも来られ、「いきなり病気と言われました」
と困惑しておりました。
会の代表は、「長期重篤なひきこもりは、生活機能障害となってしまう」と述べておられるが、
ひきこもりの長期化は、親子の二人三脚で行われるということを自覚しておられないようです。
生活機能障害なるものだけを問題視した発言であり、また重篤と、あたかも先に病理があるかの
ような表現で、背景としての家族(親)の関わりが全く話題にものぼりません。
例えば、わが子の体重が200キロにもなり、仕事が出来ず生活保護を申請したとして、それが
まかり通るでしょうか?
200キロにまで体重が増えるのには、それまでの期間があります。そこへ至らないまでに途中で
気づくべきでしょう。
とにかく、私が申し上げたいのは、長期化させないのはもちろん、動けないわが子に生きる希望を
与えられるのも親御さんであることです。
ひきこもりは、障害や病気の場合でない限り、親御さん次第でほとんど解決がつくのです。
ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年12月28日 16:45
受容ができているか
わが子の不登校やひきこもりを前にして、戸惑うのは無理もありません。
何が起こったのかさえ分からないでいるからです。
しかし、ここでこのままを続ければ確実に長期化します。
また、何が起こったか、問題は何かを分からないままに策を講じてしまうと、かえって事態を混乱させ
ることになります。
不登校の場合は、過度な登校の促しをしたり、学校側に働きかけてもらったり、ひきこもりの場合は、
部屋から引きずり出したり、働くことを強要したり。
また、いずれも、本人の様子を黙って見てしまうといった誤った対応をしてしまいがちです。
方法は、何が問題で、改善、解決しなければならないことが見えていてこそ選択できるものであって、
見えていない時点で、「どうしよう?」と考えても適切な選択はできません。
先ず必要なことは、「受容」することです。
わが家に不登校、ひきこもりが起こっているという事実を受けいれることです。
ここで重要なことは、子どもに起こっている出来事というとらえ方ではなく、わが家、自分自身の問題
と捉えることです。
“問題”というのは、その時点で、ひとつの自身の限界を知らせてくれます。
ですから、それまでの自分を振り返り、とらえ直す機会を与えてくれます。
そのことは、新たな価値観を得る機会を得られるということでもあります。
「何ができないでいるのか」
「何が分からないでいるのか」
「なぜ、できないでいるのか」
「何がそうさせているのか」
「何を考えずに過ごしてきたのか」
などを気づかせてくれます。
わが子に起こった不登校、ひきこもりという問題に真摯に向き合い、自己の成長のための気づきを
得ていくんだという姿勢になれれば、受容することができます。
そのためには、限界を認めきれる謙虚さが必要です。
新たな価値観を得ることで、行動を改善することができます。
行動改善、自己変革には、価値観の転換が必要です。
現状は、それまでの自身の価値観に基づいた行動の結果です。
現状の問題を解決していくためには、視点を変え(価値観の転換)、問題から実行すべき課題を読み
取っていき、現実に行っていくことしかありません。
現実をありのままに認めるということは、そのままにすることでは決してありません。
そのままにできないからこそ「問題」なのです。
変化を起こしていく。
「受容」できるために、問題を理解し、新たな価値観を得るためには、“学び”しかありません。
親御さんが先ず、労を惜しまず学んでいくことです。
分からないことがあれば、足を使って「聞く、尋ねる、調べる」が基本です。
わが子にも自身の問題を受容することを教えていかなければなりません。
そのためには、親が模範を示すことができなければ、子どもには伝わりません。
一番良くないのは、親ができもしないことを子どもにはさせようとすることです。
子どもからは信頼を得られません。
信頼が得られなければ、子どもは親の促しに応じません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年12月20日 09:21
当事者に必要なことは?
今月5日付けの産経ニュースで、
『ひきこもりの分析で対立 厚労省「精神障害」、内閣府「社会風潮」』
という記事が掲載されていました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101205/plc1012050908005-n1.htm
切り取った断面が違うだけであって、何も対立しているわけではないと思うのだが、こういった記事は、
表現が断片的ですので読み取り方がとても難しいと思います。
ある地区の精神保健福祉行政がとったひきこもりアンケートが私の手元にもありますが、内容はという
と、わざわざ取らなくても、実際に直接的に支援に携わっている者であれば、分かりきったことであり、
およそ想像のつく解答ばかりでした。
一番に疑問に思うことは、その分析(?)結果から、何をしようというのかということです。
例えば、この記事の中でも内閣府の調査では、、「職場問題」「病気」「就職活動失敗」が3大要因
だったということなのだが、「それで?」という感じです。
さぁ、どうしましょう?
「病気ではしょうがない」
「仕事に恵まれず気の毒でしたね」
ということですか?
データーを取るには、目的があると思います。
もちろん、そのことにおいての解決のためのはずです。
ところが、データーを取ることが目的となってしまい。
取って“完了”になっていることが多いようです。
解決のために必要な項目のデーターを取らなければならないのですが、それができていないようです。
産経ニュースの記事の中でも、石井氏が「適切な支援がなされていない証明だ」と述べているが、
こういった調査でも分かるように、データーが解決のために活かされていないから、無理も無いと思う。
当事者家族が必要なことは、一般解ではなく、特定解です。
あくまでも、その家のその家族の問題をどう解決するのかです。
大学を卒業後、一度の就職試験の失敗で10年以上ひきこもっていたケースなどもあります。
さぁ、どうしましょう?
原因が「就活失敗型」だと分析しても解決の何の手立てにもなりません。
適切な支援とは何でしょう?
本人は最初は動けません。
であれば、相談者に対して「本人を連れて来てください」では、支援とはほど遠い(論外)ですし、
「話を聞いてあげるだけでも気持ちを軽くしてあげられる」と数年話を聞いてあげるだけでは、自然に
あきらめるのをただ待っているようなものです。
家族は、事態の解決のために何が必要かが分からないでいます。
なぜなら、起こっている事態の意味が分からないでいるからです。
起こっていないことと信じ込みたくて、目をそらしている家庭もあります。
やったほうがいいだろうことは分かっていながらも、実行できない家族もいます。
そして、中には、ひきこもってはいても困っていない家庭もあるのです。
正確に言うと、わが子のひきこもりの問題よりも、より優先させたいことをもつ家庭もある
のです。
そういった家庭は、まだ本気では困っていません。
本当に病気や障害であれば、速やかに治療ルートに乗せるべきですし、福祉で保護すべきでしょう。
しかし、そうでなければ、上記のような状態の家庭、家族に解決のために何が必要か、何から始める
べきかを適切に伝えられる支援が求められます。
考えあぐねている内に長期化し、当初無かった病理が発症してしまう場合もあります。
以前中学生の不登校から40歳までひきこもったという事例もありましたが、その方は、4年ほど前
から、強迫神経症が発症していました。かなり重篤な状態でした。
当協会が福岡、熊本で毎月開催しているひきこもり無償支援活動「たらちねサポート」は、まさに何が
必要かを理解して頂く場です。
誰でもが利用できるよう、会費制などもとらず無料にしています。
https://www.interbrain.co.jp/topics/2010/12/post-2.php
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わが子への引け目
わが子の今の状況に、自分たちの関わり方が大きく影響を与えてしまったという自覚、反省心が強い
親御さんほど、現状改善のために必要なことでも、子どもに強く促せないことが多く有ります。
いわゆる引け目を感じているのです。
そもそも自分たちが適切な関わり、対応ができず、今の不安を与えてしまったのに、その不安に負け
ないよう、勇気を出して前へ進みなさいといったことを強く言えないのです。
罪責感といいましょうか。
心情的には分からなくもありません。
しかしです。
今、何をすべきか、より優先させるべきかを考えてみてください。
目的は、現状の改善、問題の解決です。
反省心が強い場合、あらかた後悔にいきついてしまいます。
多くが悔やんでしまっていますので、嘆き、煩悶しています。
これでは、当然わが子に毅然とした態度で向き合うことができません。
ですから、反省に留めておくということです。
「反省」は、「こうしたら、こうなった」という原因と結果の再検討ですから、意思のはたらきです。
しかし「後悔」は、ただの感情です。
感情の処理は、とかくその場しのぎの対処法を取りやすいものです。
後悔は罪悪感を招きやすく、贖うという発想に至ります。そうすると、罪滅ぼし的に、わが子の要求を
無条件に聞き入れる(自己犠牲)といった対応を取りがちです。
そのことがかえって、現状をいたずらに長期化させ、事態を深刻化させてしまいます。
そもそも、その場その場の自己の感情の処理を優先させてしまうような関わりを、これまでわが子に
対してしていなかったを振り返ってみてください。
自分が不安になるのがいやで、子どもが様ざまなことに挑戦させることを阻んだり、夫婦間のことで
のいらだちを子どもにぶつけたり、愚痴をこぼしたり、自分の思うように子どもが動かないことでの
もどかしさを感情的にぶつけたり、その都度、現状の改善よりも気分の慰めを優先させていなかった
でしょうか。
「反省」は、過去から学び、気づきを深化(進化)させ、現状改善に大きく寄与します。
現状の改善、問題の解決のためには、主体的に責任を負っていくことを感情処理より優先させなけ
ればなりません。
その際、「責任をもつ」というように考えてください。
後悔からの罪悪感を抱いてしまうと、「責任を取らされた(罰があたった)」と感じ気分がなえてしまい
ます。
自ら責任をもつというのは、そのことにおいて解決のための主導権を握るということです。
過去の罪の償い、ましてや贖いではなく、親としての責任をもって、わが子が抱えている問題の解決、
現状の改善に主体的に取り組まなければなりません。
ですが、「これまでを振り返ると、どうすることがいいのか自分の判断に自信をもてない」という言葉
が返ってくるようです。
子どもの不登校やひきこもりによって、自尊心をなし崩しにされた親御さんの偽りのない本音です。
だからこそ、後悔ではなく反省、猛省が必要なのです。
適切な判断、意思決定、適確な対応ができるために、過去から学び、気づきを深めていくことが求め
られます。
もちろん、自分だけの考えにならぬよう、理解を深めていくために他者からも学び、同じ轍を踏まない
ようにしていかなければなりません。
わが子の親としての大任からは、一生降りることはできないのですから。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年10月10日 10:51
笑いのない家庭
私は、不登校問題に関わりだした当初、不登校児童専門家庭教師として、当事者家庭へ訪問してい
ました。
100%家庭へ出向いていたのです(家庭教師ですので)。
この体験が、後のひきこもり支援にも活きてきました。
当事者家庭に共通する特徴を知る環境にあったがために、昨今全国的に取り組まれようとしている
アウトリーチ(訪問支援)を逆に必要としない支援法を構築できたのです。
自宅へ出向き本人への直接的な働きかけをしなくても、ほとんどの当事者たちが、自分の意志で、
出向いてくることを可能にしたのです。
未だ訪問支援の方法が構築されないまま、見切り発車的に進められているようですが、親子関係に
亀裂が生じる危険性をはらんでいますので、慎重に進めてほしいものです。
ある相談者から、精神科医に訪問を依頼したところ、ロープをもってこられ、怖くなったという経験を
伺ったこともあります。
では、私が当時から感じていた当事者家庭の共通の特徴のひとつをお話ししましょう。
それは、笑顔が少ない家庭ということです。
ユーモアが家族間のコミュニケーションの中にないのです。
これは、不登校やひきこもりが始まってからということでは、もちろんありません。
いざ、そういう状態になれば、家族から笑顔が消えるのは、無理も無いことです。
そうではなくて、それ以前からの家庭に笑顔が少ないのです。
ユーモアは、人間関係に温もりを与え、緊張を緩和させる潤滑油になります。
ユーモアは、ゆとりと思いやりから生まれます。
「笑う門には福来たる」という言葉もありますが、わが子から笑顔が消えた背景を考えてみましょう。
「ゆとり」をキーワードに振り返ってみるのです。
お子さんを妊娠した時、生活に「ゆとり」がありましたか?
経済的にももちろんそうですが、特に精神的に、わが子の誕生を待ちわびる「ゆとり」がありましたか?
誕生を迎え、子育てを楽しむ「ゆとり」がありましたか?
健康的にも「ゆとり」がありましたか?
学校に上がり、成績に一喜一憂せず、健やかな成長を見守る「ゆとり」がありましたか?
子どもの反抗期を包み込む「ゆとり」がありましたか?
子どもの個性を尊重できる「ゆとり」がありましたか?
子どもの悩みに、耳を傾ける「ゆとり」がありましたか?
夫婦が互いに敬い、労いあう「ゆとり」がありましたか?
「ゆとり」の数が少ないだけ、笑顔が少なかったはずです。
心に「ゆとり」を生むためには、豊かさを養うことです。
心が豊かであることは、様ざまなことを感じ取れるということです。
生活の中に面白みや楽しみを見出してください。
関心をもって、好奇心をはたらかせて捉えてみれば、必ず感謝できるうれしさも得られます。
わが子の不登校やひきこもりからも、心の豊かさがあれば、「気づかせてくれてありがとう。気持ちが
分かってうれしい」という意識になれます。
赤ん坊のころは、目の前に顔を近づけて、微笑みかけていたはずです。
赤ん坊は、両親や周囲の笑顔を見て安心します。
そして、微笑み返してくれます。
もう一度、そのころを思い出して、実践してみてください。
福は笑うから来るのです。
喜び事(福)があったから笑うのでは、ありません。
笑えない状態でも笑い飛ばして前へ進んでいくから、笑える状態になっていくんです。
微笑みは、心の温熱療法なのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年9月10日 11:28
絆のねじれ
不登校やひきこもりの過程で、親に対しての暴力や暴言があると、「親子の間で信頼関係が無くなっ
てしまっている」と、悲嘆される親御さんも少なくありません。
親子の絆が切れてしまったということでしょう。
しかし実際は、多くの事例で、切れてしまっていることはあまりありません。
ねじれているだけなのです。
もちろん、国会ではありませんが、ねじれたままにしておくことは、よくありませんので、積極的に
解していく必要はあります。
そもそも、どこからこの“ねじれ”が生じたかといいますと、主に親と子の立場の違いから生じたもの
です。
一例を上げますと、親からわが子へ愛情というボールを放ったとします。
親側からこのボールは、愛情としか見えていません。
しかし、受け取る側の子どもからすると、侵入であったり、強制であったり、支配、コントロールと
映っている場合があるのです。
こういった場合は、親が愛情をかければ、かけるほど、子どもは負担に感じます。
親が気がつかない間に、“ねじれ”が酷くなっていくのです。
養育する側(立場)の親と、養育される側の子どもでは、その立場の違いから、求めるもの、思惑が
それぞれ違ってきます。
販売側と消費者側の思惑が違うようにです。
子どもたちが親に求めるものに承認欲求というものがあります。
承認というのは、「期待」と「信頼」です。
自分に期待して欲しいし、信頼されたいということです。
こう言いますと、「わが子ですから当たり前です。期待しています」と言葉が返ってきます。
しかし、ここでも“ねじれ”が生じる危うさがあるのです。
子どもたちが求めているのは、ありのままの自分に期待して欲しい、信頼して欲しいということです。
では、親御さんが言っている期待とは、どう違うのでしょうか?
ここで、「期待」というものには、二通りあることを述べてみます。
親でも計りがたい、わが子の可能性に対しての期待と、「こうなって欲しい」という親の自己都合に
基づいた期待です。
「わが子に期待するのは、当たり前じゃないですか!」
という場合、この自己都合に基づいた期待であることが少なくないのです。
であれば、子どもが望む「ありのままの自分に期待してほしい」というものとは、違ってきています。
条件づき(親の都合)ではなく、そのまま期待してほしいというのが子どもの願いです。
ここから、“ねじれ”が生じてしまうのです。
「あなたのためを思ってのことだよ」と、子どもに何かを促す時には、本当にわが子のためと思って
のことかを見直してみてください。
わが子のためではなく、自分のためになってしまっている場合があります。
「この方が安心よ」と言いながら、自分が安心したいからというのが本音の場合があります。
私も学生のころから、父親が公務員だったこともあり、「公務員になりなさい」と幾度となく言われて
いました。
私は、自分には到底向いていないと思い、会社員生活を6年で辞め、こともあろうに自営業を始め
ました(笑)。
さぞかし、両親は心配で、不安でたまらなかったでしょう。
しかし、結果私は、苦労こそしてきましたが、生きがいをもってやってこれました。
両親の望み通り、公務員になっていたら、ストレスがたまって退職していたかもしれません。
子どもの個性にあった方向に、進ませてあげた方がその子にとって幸せなんです。
たとえ、親の方は少々心配するようなことででもです。
子どものありのまま、まるごとそのままを認め、可能性に期待しようではないですか。
自分の思うように動かそう、変えようとすれば、強制やコントロールしてしまうことになります。
このように、親の都合を優先させ、子どもを利用することを“関係の乱用”と言います。
これは、心理的虐待につながります。
そうでなくても、子どもは親の都合、思惑を顔色や言動から読み取り、健気にそれに答えようとします。
なぜなら、愛されたいからです。
自分を抑えこんだり、押し殺してでも、親が求めているものに答えてきた子たちが、倒れてしまうので
す。
以上のように、親と子では立場が違う分、互いの意志が正確に伝わらない場合があります。
ここから、絆のねじれ現象が起こるのです。
子どもたちが、たとえ拳を親に振り上げようとも、絆が切れてしまっているわけではなく、「気づいて
欲しい」という一心で、ねじれた絆を解したい一心で、やっていることです。
子どもたちは、ただただ安心していたいんです。
「ここにいていいんだ」と。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年8月22日 09:07