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解決支援者の現場日記 : 旧ブログでタグ「家族会」が付けられているもの
ひきこもり親の会の重要性④
「たらちねサポート」という親の会の目的について述べてみましょう。
自助会として、次の三つの目的があります。
①分かちあい
②ときはなち
③ひとりだち
それぞれ説明してみましょう。
①「分かちあい」は、当事者家族同士として、痛みや情報を共感、共有するということです。
かねてから、わが子のことを誰かに相談したいと思ってみても、なかなか相談できる相手がいない
ものです。
話を聞いてくれる誰かはいたとしても、不登校やひきこもりといったことの相談となると、された方も
体験者でもないかぎり、どう答えていいものか困惑してしまうものです。
特に、ひきこもるわが子をもつ同じ当事者同志でなければ、痛みに共感しあえることはできないで
しょう。
痛みを理解しあえる他者に出会えるということが、親の会の最大の利点だとも言えます。
また、それぞれの家庭、家族がたどってきた過程で知りえた情報、「こうやったらうまくいった」逆に、
「こうやったら、よくなかった」
どこの病院はよかった。
この本は参考になった。
このサイトは有益だ。
などの情報を共有することもできます。
②「ときはなち」は、押し込められた心の開放、許し、自尊感情の取り戻しです。
誰にも相談できず、また、親としての自責の念に押しつぶされそうになっている心を開放できる場
であるということです。
生真面目な親御さんほど、「自分は親としての資格がない」といった感情に陥りやすいものです。
自身を許せず、背を向けるわが子を前にして自尊感情がズタズタになってしまっていることも少なく
ありません。
このままでは、長期戦となるひきこもり脱出までのわが子の支えとなることが出来ません。
ひきこもる子どもたちも、同じように自分を許せずに苦悩しています。
親自身が、自分を許していく術を身につけ、自尊心を取り戻していかなければ、わが子にもそれが
出来るように導いてあげることが出来ませんので、それをここで学びます。
③「ひとりだち」は、子離れです。
不登校やひきこもりの親子は、「共依存関係」になっていますので、互いが親離れ、子離れできて
いません。
動かぬわが子に対しての世話やき行為(イネーブリング)が、子どもの自立を阻んでしまいます。
親御さんが、自己責任に基づき主体的に行動することで、子離れを実現します。
適切な援助と有害な救済を見極められる目を養い、現状改善の一歩を踏み出すためにも、主体性
を発揮し、先ず自ら先に動き出すという姿勢が大切です。
「たらちねサポート」は、自助会(セルフヘルプ・グループ)です。
「自助」ですから、単なる慰めあいの場ではなく、自らを助けられる力を養っていくための学びの場
です。
「たらちねサポート」が一般的な家族会と一線を画するのは、特にこの部分です。
親御さんたちが、自助力を備えていくことで、わが家の問題を解決していくのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2012年2月 9日 16:55
未来を拓く?
先日相談者から、あるひきこもり家族会の代表者の講演録を見せて頂く機会がありました。
演題は『未来を拓くひきこもり支援』
会の名称自体に障害名を入れている団体だけに、当初からその活動を危惧していましたが、その後
の展開を時おり傍観しておりました。
『未来を拓く・・・・・』というテーマでしたので、多少の改善(笑)がなされたかな?と期待して読み進め
てみましたが、その内容は、危機感を覚えるほどのものでした。
全体を通して感じられるのは、「親」は毒であり、「人」は薬と表現しておられるのですが、ご自身
(この代表の方も当事者)も含めて、親の関わりによるひきこもりの実態には、一切触れておられない
のです。
ひきこもりは、ほとんどが病理的(精神疾患や障害)なものであり、無病理性は2~3割で、その
タイプのひきこもりは、会に入ってもらいたくない。
その理由は、反社会的な立場になるからだと述べておられます。
その上、3年がターニングポイントで、それを過ぎると、ほとんど神経症になり、最後は放置
するともう良くなることは無く、人によっては重篤になり精神障害に移行することがまれでは
ない。とまで述べておられます。
また、ひきこもりが続けば、家族機能不全、親子共依存になる。と繰り返されておられるのです
が、これは完全に見誤っておられます。
そもそもが、家族機能不全、親子共依存だからこそ、ひきこもりという現象(病理ではなく)が起こって
いるのです。
私がいつも提言しておりますように、ひきこもりというのは、親子の共同作業です。
当事者の子どもだけでひきこもるという行動は取れません。
ひきこもることができる環境、継続させる条件を与えてしまっているのは、親自身です。
この代表の論理は、「ひきこもり」という病、障害は、家族単位でどうなるものでもない。国が支援
すべき。社会全体が救済すべきだというものです。
当協会が携わってきた、それこそ3年以上、中には10年を越す、20年という事例もありましたが、
そのほとんどが無病理であり、社会参加が実現できています。
もちろん、数年を経過したために、ひきこもりの途中(原因ではない)で、神経症や対人恐怖が発症
しているケースはあります。
それでも、訓練(治療ではなく)でそれらの症状は緩和され、接客業や営業職にさえ就いています。
これらの実績からも、代表の意図するものには、戦慄さえ覚えます。
この代表が啓蒙(洗脳)している団体は、規模を拡大していると聞きます。
代表は、はばからずこうも述べておられます。
「私は厚生労働省や内閣府に百万単位の精神障害者を生み出していると。人が怖い人は
ホームレスにもなれない、こんな酷い状況にしてしまってどうするのだ!と言ったのです」
と。
自身がその酷い状況を作ってしまっていることに早く気づいてほしいものです。
現実直視を恐れず、責任転嫁をやめ、本来の親子の絆の回復(結び直し)に取り組める真の
たらちねの親御さんたちと共に、大きなうねりを起こしていきたいと決意を新に出来た思いです。
『未来を閉ざすひきこもり支援』の演題が相応しい内容でした。
ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年5月 8日 19:52