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ひきこもりの罪と罰~②
一生めんどうを見ることが、はたして「償い」でしょうか?
私がかねて親御さんにお伝えしていることで、口が裂けても絶対に言っては
ならないこととして話しているのは「お母さんたちが全部悪かったから、あなた
は悪くない」という言葉です。
親だけに責任があることなんてありえません。
こんなことを言ってしまえば、後になって「お母さんたちが全部悪いって言った
じゃないか!だから僕は何もしない」なんてことを言われかねません。
実際に事例であります。
責任を感じればいいってものではなく、これでは責任を取らされている状態で、
それこそ罰を受けているようなものです。
責任は、言われなくても自分からもつものです。
「取らされる」のと主体的に「もつ」では全然違います。
カゴの中の鳥のまま人生を終わらせても、それが償いになるでしょうか?
病気や障害からのひきこもりでない限り、大半の青年たちが自分の翼で大空
へはばたける力は潜在的にもっています。
もちろん、そのままでははばたけません。
見えない心理的なカゴ(牢獄とも言えます)がありますので、そこから出してあげる
必要があります。
10年を超すようなケースでも、その多くが動き出せているのです。
世話をしていくことは、経済的にも体力的にも負担が少ないことではけっしてあり
ませんが、幼児のように食事やトイレの介添えはいりませんし、目を離せないと
いったこともありません。
それよりも、ひきこもりを終わらせるためにあれこれ促しをして、いやな顔をされた
り、無視されたり、暴言を吐かれたり、物を投げられたりすることの方がかえって
いやなことでもありますので、それを避けることを優先させてしまうことが少なく
ないようです。
カゴを出て大空へはばたけるためには、青年たち自身もなぜ自分が「ひきこもる」
といった行動しかできなかったのか、それを招いたそれまでの生き方を見直し、
改善していく必要があるのです。
ですからそれを学ぶ機会を提供してあげなければなりません。
その機会を提供し、自分の人生(親の人生に取り込まれたものではなく)を取り戻
していくことをサポートしていくことこそ「償い」ではないでしょうか?
それが「取らされる」ではなく「自ら責任をもつ」ということです。
自己犠牲的な「あがない」は、一生めんどうを見ることではなく、たとえ嫌われても
(いやな顔をされても)自立させていくことです。
責任意識よりも、自身の不快感情を避けることを優先させてしまっていないかを
振り返ってみてください。
「過ちて改めざる、これを過ちという」(論語)を噛みしめてみましょう。
家族は、それぞれがより良く(幸福に)なっていくことで、関わりあう互いの状況が
より良くなっていきます。
そこには、何の犠牲も伴わないのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2014年1月26日 00:12