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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
< ひきこもり20年の当事者の生の声③ | 一覧へ戻る | ひきこもりからの学び >
ひきこもり20年の当事者の生の声④
ひきこもり現在進行形の青年の手記最終です。
引きこもり後半は基本的に頭の中が、ボーっとしているような状態が続いていました。
父方のおじいちゃん、おばあちゃんが亡くなり、母方のおじいちゃんとおじさんが亡くなった
時(当然葬儀には出てません)も、両親が癌になった時も何も考えず、自分とは関係ない所で
起きている事の様な感覚でした。多分感情(喜怒哀楽)も顔の表情も無くなっていたでしょう。
もう如何でもいいと思っていた割には、潔癖症は相変わらずでした・・・。
でも母方のおばあちゃんが倒れた時、現実に引き戻されたように思います。
特におばあちゃんは優しかったと思います。
十代後半辺りには家で顔を会わせる事も無くなっていました。こんなのが孫ですからね、顔
見せなんかできません。見舞いも行く事も無く今に至ります。
自分の周りで、少なからず関係のあった人たちが段々亡くなって行く。
何時か自分が一人になってしまった時の事を考える際になった時、本気で死を意識し出した
のかも知れません。そういうことを考えると更に動けなくなって行きました。
(中 略)
〔楽に・確実に・簡単に〕そんな事ばかり考え、ほんと生きる事よりも死ぬ事に一生懸命でし
た。外出する時には、玄関の前で息苦しくなり出て行くのに、ドアの前で深呼吸をして勢い
をつけないと、外に出れなくなっていました。外に出ても妄想・思い込みが出て、周りの人間
が敵に見える・感じる様に、自分だけが孤立しているような感覚になる、そんな感じがして体
が固まってしまう、何度もそういう感覚に襲われて自分の中の感覚が、変になって行ったよ
うに思います。
ニュースで引きこもりの人と思われる人が、親を殺したり、逆に殺されたりする事件を目に
する事があります。自分自身も頭の中で、親を殺したり、逆に殺されることを考えてしまって
いました。
外でもおかしな感じで、家から店、店から店までの記憶が抜けてたり、冬の夜寒い中何を
する訳でも無く、ボーっと突っ立っていた事も有りました。
そのうち頭の中は、常に霧がかかっているような状態になって、思考が鈍くなります。
説明するのが難しいのですが、血液検査でサラサラした血液と、ドロドロした血液があれば、
自分の頭の中はドロドロの状態で、自分に話しかけられても、自分のことととれない、他人事
のような感じがして、自分が自分でないような感覚でした。
しまいには、何も可笑しい事も無いのに笑えて来たり、外で仲の良さそうな家族連れを見て、
微笑ましく思えたりしたのに、次の日には酷く憎らしく「何お前らは笑っているんだよ」と敵意
丸出しで思ってしまっている自分がいました。
今となっては、「馬鹿じゃねえの」と思いますが、この時は、もしもの為に死に場所を探しに、
近くの山に登ったりしていました(笑)。
首吊りの予定でしたが、実際登ると首が吊れそうな木が無い!そのうち死ぬのも面倒にな
ってしまいまた何も考えない様にしていきました。
もう死にたいというよりも、消えてしまいたいという感じになっていました。
ボーっとする状態は、今も何故か寒い時期になると、こんな感じになる事も有ります。
身内の冠婚葬祭に出席しないケースはよくあります。
ひとつは、現状のことを根掘り葉掘り聞かれることがいやだからです。
下手すれば、説教だってされかねません。
この青年も「こんな孫ですからね」と言っているように、恥辱感から到底顔向けが出来ないという
ことです。
父親の定年や両親のどちらかの死などがあれば、さすがに動き出すだろうとっいった考えも多く
聞かれますが、現実はあまり期待できません。
東日本大震災の折、津波から逃げなかったひきこもり当事者もいたぐらいです。
30代となれば、多くが父親は定年を迎えています。
ですが、その多くが定年前から ひきこもっています。
現状認識、現実検討が困難な状態にありますから、人ごとのようにしか取れなくなってしまって
います。
母子家庭で、10年ほどひきこもっていて、母親は体に障害をもっているにも関わらず、「母は心配性
ですから、私は何も悩みはないので、母をカウンセリングしてあげてください」と言った30代の国立
大学出の青年もいました。
青年たちが「死」を口にする時、それは「存在を消し去りたい」といった気持ちを表していることが多い
ようです。
「死」そのものを望んでいるというよりも、今の存在を消して、別の存在になりたいということです。
いじめ自殺が頻発した時に、今時の子どもの死生観などが報道されていたことがあります。
「死」を考えるのは、苦しみから逃れ、一度死んで次にいい境遇に生まれ直したい(再生)ということ
が言われていました。
「死」そのものは、未知の領域ですから、あくまでも自分が想像するものであって、食べたことがない
ものを「おいしいから食べたい」と思わないのと同じで、経験していない「死」を望むのではなく、“今”
をリセットとして、白紙に戻したいということです。
「社会へ入るためには、過去の記憶が全て無くなるか、別の人格にならない限り無理だ」と言った
青年もいました。
目的は、リセット(特に失敗体験による傷つきの)です。
ですから、死を願ったからといって、すぐにそうするわけではありません。
未知の「死」に向かうことは勇気のいることですし、死ぬための痛みは恐怖でもありますから、それが
抑止となります。
毎日毎日「くだらねー・糞つまんねー」が口癖の様になっています。
周りの人は一体何が楽しくて生きているのでしょうか?
毎日しらけた感覚しか無いような気がします。
やっぱり俺、自分も含めて人間があまり好きじゃないみたいです。
生きていくことに意味を見出せなければ、生きていく意欲もわきません。
青年が最後に記した「自分も含めて」好きじゃないと述べている、ここに約20年間のこの青年の
生き方を招いてしまった本質が表されていると思います。
「人間があまり好きじゃない」というのは、20年間がこうさせたでしょうし、こうでも思わなければ
辛いからでしょう。
人の温もりを期待し求めれば、それが得られない現実が恨めしくなります。
「人間が好きじゃない」と自分に言い聞かせ、いっそ求めない方が少しでも傷つかないですみます。
この青年は、中一ギャップが原因と始めに書いてありましたね。
急激な環境変化に適応できず、その後20年間、今もなおひきこもり生活から脱することができない
原因がそれだけだと思いますか?
そもそも環境変化に適応できなかったのは何故か?
「自分が好きじゃない」というのが、その答えです。
自分を肯定できなければ、自分を大切に出来ませんし、雑に扱います。
自分の価値を見出せませんので、誰からも必要とされないと感じるでしょう。
誰からも関心をもってもらえず、自分を待ってくれている人がいないと感じる人間が、苦労をしながら
生きていくことに意味を見出せるでしょうか?
「周りの人は一体何が楽しくて生きているのでしょうか?」
生きていくことへの意味を見出せなければ、 充実した楽しい日々を過ごしている人間の感覚は、
到底想像もつかぬことだと思います。
痛みから回避する生き方を選んでしまうと、人生の味わいも感じられなくなります。
そうすると、
「くだらねー・糞つまんねー」
といった言葉しか出てこなくなるのは、言わずもがなです。
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ひきこもり・不登校の相談解決
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年10月25日 16:55
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対応の責任
とかく不可抗力的に起こったことに対しては、まさに被害者として自分には責任が
ないということを主張しがちですが、その起こったことに対してどう対処するかは
自己責任なのです。
何事もどう対処していくかでその後が大きく変わってきます。
不登校でも、最初に両親がどう対処するかで復学できるか、ひきこもりに発展
するかが違ってきます。
わが子が登校しなくなった。ひきこもった。
これらのことにどう対処していくかは両親の責任です。
怒るのか、塞ぎ込むのかの感情も親自身の自己責任です。
子どもの責任ではありません。
「お父さんを怒らせるな!」
「お母さんをイライラさせないで!」
あたかも子どもがそうさせている(責任がある) ように言いたげですが、目の前の
現状に対して、どういう感情になり、どう対処していくかは、あくまでも親それぞれ
の責任においてなされるべきことです。
ましてや、わが子の不登校や引きこもりで、夫婦で話し合い、協力しあうどころか、
互いの責任のなすりあいで、夫婦喧嘩をしているようでは、子どもが安心できる
はずもありません。
そもそも、そういったところが、わが子の不登校や引きこもりを招いた一因である
ことも認識すべきことなのです。
もちろん、子どもにも、自身の責任の所在をしっかり認識させていかなければ
ならないことは言うまでもありません。
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引きこもり・不登校・発達障害の相談解決
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年7月15日 07:33
人生の責任
べきことから逃れる生き方のために、責任のもち方(取り方)がわからなくなって
しまっている状態です。
「責任転嫁」というのは、通常「誰かのせいにして自分の責任を逃れる」といった
意味合いで使いますね。
もちろんそうですが、ここで言っているのは主に「自分の人生に責任をもっていない」
状態を指します。
自分の人生に責任をもつというのはどういうことでしょうか。
それは、「人生は選択の連続である」ということを意識にまず置いて考えてみて下さい。
選択は、判断と決定(決心)です。
ですから、「人生に責任をもつ」というのは、自分で考えて判断し、決定したことに
自分で最後まで責任をもつということです。
最後までというのは、「結果」、そしてその処理までです。
自分の人生に関わることを、他者に考えさせ判断させない。
もちろん判断にあたって他者の意見を参考にすることは問題ありません。
要は、何も自分では考えず丸投げしないということです。
頭を人に預けないということです。
最初から人に判断させていればその結果に当然責任を取ろうとしませんし、
それどころか結果が悪ければ悪いほど、あたかも自分は被害者でもあるか
のように判断を任せた相手を責めようとします。
これでは、状況が良くなるはずもありません。
「子育ては妻に任せていた」という夫(父親)がいます。
任せていたとしたら、それは信頼のうえでのはずです。であれば、その結果に
不具合があったからといって、一方的に責任を押し付けることは如何なもの
でしょう。
もとより、子育ては両親で行うものです。それぞれの立場、役割でこそできる
(していかなければならない)ことがあるのですから。
詐欺まがいの引き出し屋(悪徳業者)に事の解決を依頼し、高額な報酬を
支払わされたといった被害にあったご家庭のニュースも目にします。
支援者の立場からも、強い憤りを感じる事件ですが、「頭を人に預けない」
「丸投げしない」ことも大切です。
自身(親)の困り事を解決するのではなく、わが子が困ってしまっている事を
優先して解決しようと思えば、子育てにおいて自分が取ってきた判断、決定
(決心)に責任をもち、現状のわが子の引きこもりに対して、どう対処していくか。
解決する最後まで、自分が責任をもっていくはずです。
取るべき責任を取らなければ、人生から責任を取らされます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年6月23日 05:50
引きこもり~現状を受け入れるには ②
思考の放棄(停止)です。
人生に降りかかってくる諸問題が、自分が成長し、自分らしく生きていけるために
必要なこととして必然的に起こったとすれば、「なぜ必要だったのか?どのような
意味があるのか?」という問いが生まれます。
抵抗(反抗)から苦悩が生まれるのです。
ありのままに受け入れる。自分のこととして引き受けるということでこそ、変革を
起こすことができます。
現状、経験を受け入れるということは、それに納得することではなく、その経験を
通して自分にとって必要なことを学ぶということです。
自分の人生に責任をもちましょう。
人は人生を絶えず創っており、自らの判断や決定、行動が引き起こすあらゆる結果
を引き受けなければなりません。
より良い人生や行動の原因をつくることに責任をもつ。
自分の回復や成長に責任をもつことが重要な最初のステップです。
実存心理学では、『人間は、人生からの問いに正しい答えを与える責任がある。
ある人生の状況の真の意味を見出すことに責任がある』とも示されています。
その意味を見出せるためには、現在行っていることと、過去に起こったこととの
関連性に気づくことで見えてきます。
意味はそこにあるのではなく、自身が付与するものです。
自分にとって、それが「気づき」のきっかけとなり、価値や意義あるものとなります。
過去はすべて、これからを創る教訓とするのです。
その意味を理解するための葛藤を通して、成長は確固たるものになります。
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となります。
自分が生きる世界を変化させるためには、言葉と新たな概念の習得によって、現状
の解釈をし直すことが必要です。
私たちは、価値観によって解釈し、言葉と概念によって説明(物語を語る)するのです。
人生の意味は、常に進行中であり、固定的なものではありません。
常に新しい意味づけを行い、新しい価値を見出し、自分自身や人生における最終ゴール
についての考え方をより良く変えていきましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年5月13日 06:27
引きこもり~現状を受け入れるには ①
ければなりません。
困難な問題ほど、受け入れられず、目をそむけたり、意識をそらしてしまいがち
です。ですが、受容が出来なければ、解決のためのスタートラインにも立てて
いないのと同じです。
部屋から出てこないわけではないとか、外出をまったくしないわけではないとか
だけの理由で、「わが子は引きこもりではない」と思い込もうとしている親御さん
も少なくありません。
その状態で、数年も経過しているにも関わらずです。
それほど、「受容」するというのは簡単なことではないのです。
不登校・引きこもりの長期化は、わが子が自力で解決できないという事実を親が
受け入れられないことで生じてしまっている現象なのです。
ですから、解決のための「受容」ができるための工夫が必要なのです。
これから数回にわたって、その工夫の内容をお話ししてみましょう。
実存心理学では、『人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に
問いを発してきている。人間は、人生から問われている存在である』〈ビクトール
・フランクル「医師による魂の癒し」〉と、示されています。
フランクルは、人生には目的も意味もすでにあり、自分の身に起こる様々な出来
事を通して、問いかけられている。そこから答え(目的や意味)を読み取っていく
ことが、私たちに与えられた課題と述べているのです。
人生とは、成長するための学校であり、問題集です。
あらゆる経験・体験は、すべてレッスンと捉えてみましょう。
自分にとって、予定通りに順調な学びの過程なのです。
成長のための気づきと学びを得るための必須課題です。
ですから、その必要単位を取得しなければ、そのことから卒業できません。
卒業できないということは、再び同じ過ちを繰り返すということです。
その場に停滞(長期化)してしまわないためにも、とっとと学んでしまいましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月19日 23:19
引きこもり~親の存在意義(価値)とは?
それは、育てる。成長させていくということでしょう。
それは、その危機に遭遇した際は、守り、安全を確保するということも含みます。
引きこもり者たちは、セルフネグレクト(育自放棄)の状態です。
自堕落な生き方によって、自身の成長を阻んでいる状態です。
この状態にクサビを打ち、これ以上の進行を抑え、現実から逃げず、果敢に
わが子との対峙を行い、成長に導いてこそ、親としての自尊心が取り戻せる
のです。
「親の尊厳性の回復」でも述べたように、過去に誤りがあったから何も言う
資格がないとか、親として失格とか過度に自罰的になるのではなく、誤りを
認め、そこから逃れず、行動を改める勇気こそが自己を支えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月 4日 18:48