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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
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ひきこもりの後遺症
「仕事に就けるためには、資格でもなければ」と、資格・技能の習得を促す傾向がありますが、注意
しておかなければならいことがあります。
ひとつは、「資格イコール仕事に就ける」ではないということ。
そして、もうひとつは、「資格イコール自信がもてる」ではないということです。
もちろん、『学校に通っておらず、働こうともせず、職業訓練も受けていない無業者』のニート
状態からは、一歩前進ではありますが、ここで申し上げることは、資格・技能がひきこもりから
脱する起爆剤には、必ずしもなるわけではないということです。
これまでも、自信がつけばという理由から、通信の大学を卒業した青年や、中には、国家資格を取得
した青年もいました。
しかし、「自信にはならなかった」という声も少なくないのです。
学歴に関して言えば、高学歴のひきこもり青年は普通にいます。
その青年たちは誰も、その学歴が「自信」の後ろ盾に成りえていません。
彼らが、コンプレックスを感じ、怯えを抱いていることは、他のところにあるからです。
中には、難易度の高い資格の受験生でいることなどで、自分がひきこもりであることを否認しようと
している青年もいます。
これは、親御さんも同じです。
「わが子は、ひきこもりなどではなく、受験生なんだ」と信じたいのです。
以前に、大学を卒業した後ある国家資格に挑戦し続け、30歳を過ぎ、自分が人と関われないことに
愕然とし、ひきこもりの相談会に参加し、その姿がテレビのニュースで放映され、それを偶然ご両親
が観て、親子三人で相談に来られた事例がありました。
親御さんも、テレビに映し出されたわが子の背中を観て、わが子がひきこもりであることを悟ったの
です。
親子で自覚、受容するのに、約10年を要したわけです。
ひきこもる青年たちには、社会的な所属がありません。
立場をもたないということです。
学生でもない。社会人でもない。病人(療養者)でもない。
無業者であるだけでなく、無所属派という状態です。
人間には、所属欲求というものがあります。
何かに所属(参加)することで安心感を得ようとします。
ひきこもる青年たちは、家庭ですら、所属しているという感覚が希薄になってしまっています。
「受け容れられていない」という思いが強いからです。
「戸籍から抜く」と言った父親や、また、親への反発心から自ら「戸籍を抜く」といった当事者もいます。
学籍を置くということは、その所属を得ることになります。
実質充分な修学がなされていなくても、立場を得られるのです。
その立場だけを得たくて、進学を希望する場合があるのです。
まさにモラトリアムです。
ひきこもる青年たちが抱えている怯えは、能力的なものよりも、もっと根源的なところから来ている
ものです。
存在の原初に関わるものです。
たとえ何かが出来る人間でも、結局は自分は誰からも認められない。
受け容れてもらえない人間
と信じ込んでいます。
それほどまでに自分を否定している青年が、履歴書に書ける程度の資格や免許を取ったからと
いって、それだけでは、社会へ入れる原動力にはなり得ないのです。
前回のこのブロクでも、震災の瓦礫に例えてお話しましたが、TVニュースでは、瓦礫の撤去に
100年はかかるだろうという報道もありました。
ひきこもりの期間が長ければ、長いほど、その後遺症とでもいうべき自己存在への不全感は、甚大
なものです。
家族にも数年間も顔を見せず、声も出さなかったことで、声を発することが怖ろしくてできないと
言った(筆談)青年もいます。
人が自尊心や自己信頼感といったものを失うと、自分が何者かということも分からなくなり、急激
に失速していきます。
それは、わが子が閉じこもり、無言の反旗をひるがえされ、全く力の及ばぬ状態になってしまった
親御さんが、親としての自尊心をなし崩しにされ、動きが取れなくなってしまっている光景からも、
歴然としていることです。
長期化の要因にもなっています。
青年たちの目線に立った、家族や支援者が多くなってこなければ、長期化は止まらぬでしょう。
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NPO法人地球家族エコロジー協会
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年4月23日 20:20
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同じカテゴリの記事
対応の責任
とかく不可抗力的に起こったことに対しては、まさに被害者として自分には責任が
ないということを主張しがちですが、その起こったことに対してどう対処するかは
自己責任なのです。
何事もどう対処していくかでその後が大きく変わってきます。
不登校でも、最初に両親がどう対処するかで復学できるか、ひきこもりに発展
するかが違ってきます。
わが子が登校しなくなった。ひきこもった。
これらのことにどう対処していくかは両親の責任です。
怒るのか、塞ぎ込むのかの感情も親自身の自己責任です。
子どもの責任ではありません。
「お父さんを怒らせるな!」
「お母さんをイライラさせないで!」
あたかも子どもがそうさせている(責任がある) ように言いたげですが、目の前の
現状に対して、どういう感情になり、どう対処していくかは、あくまでも親それぞれ
の責任においてなされるべきことです。
ましてや、わが子の不登校や引きこもりで、夫婦で話し合い、協力しあうどころか、
互いの責任のなすりあいで、夫婦喧嘩をしているようでは、子どもが安心できる
はずもありません。
そもそも、そういったところが、わが子の不登校や引きこもりを招いた一因である
ことも認識すべきことなのです。
もちろん、子どもにも、自身の責任の所在をしっかり認識させていかなければ
ならないことは言うまでもありません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年7月15日 07:33
人生の責任
べきことから逃れる生き方のために、責任のもち方(取り方)がわからなくなって
しまっている状態です。
「責任転嫁」というのは、通常「誰かのせいにして自分の責任を逃れる」といった
意味合いで使いますね。
もちろんそうですが、ここで言っているのは主に「自分の人生に責任をもっていない」
状態を指します。
自分の人生に責任をもつというのはどういうことでしょうか。
それは、「人生は選択の連続である」ということを意識にまず置いて考えてみて下さい。
選択は、判断と決定(決心)です。
ですから、「人生に責任をもつ」というのは、自分で考えて判断し、決定したことに
自分で最後まで責任をもつということです。
最後までというのは、「結果」、そしてその処理までです。
自分の人生に関わることを、他者に考えさせ判断させない。
もちろん判断にあたって他者の意見を参考にすることは問題ありません。
要は、何も自分では考えず丸投げしないということです。
頭を人に預けないということです。
最初から人に判断させていればその結果に当然責任を取ろうとしませんし、
それどころか結果が悪ければ悪いほど、あたかも自分は被害者でもあるか
のように判断を任せた相手を責めようとします。
これでは、状況が良くなるはずもありません。
「子育ては妻に任せていた」という夫(父親)がいます。
任せていたとしたら、それは信頼のうえでのはずです。であれば、その結果に
不具合があったからといって、一方的に責任を押し付けることは如何なもの
でしょう。
もとより、子育ては両親で行うものです。それぞれの立場、役割でこそできる
(していかなければならない)ことがあるのですから。
詐欺まがいの引き出し屋(悪徳業者)に事の解決を依頼し、高額な報酬を
支払わされたといった被害にあったご家庭のニュースも目にします。
支援者の立場からも、強い憤りを感じる事件ですが、「頭を人に預けない」
「丸投げしない」ことも大切です。
自身(親)の困り事を解決するのではなく、わが子が困ってしまっている事を
優先して解決しようと思えば、子育てにおいて自分が取ってきた判断、決定
(決心)に責任をもち、現状のわが子の引きこもりに対して、どう対処していくか。
解決する最後まで、自分が責任をもっていくはずです。
取るべき責任を取らなければ、人生から責任を取らされます。
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引きこもり・不登校・発達障害の相談解決
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年6月23日 05:50
引きこもり~現状を受け入れるには ②
思考の放棄(停止)です。
人生に降りかかってくる諸問題が、自分が成長し、自分らしく生きていけるために
必要なこととして必然的に起こったとすれば、「なぜ必要だったのか?どのような
意味があるのか?」という問いが生まれます。
抵抗(反抗)から苦悩が生まれるのです。
ありのままに受け入れる。自分のこととして引き受けるということでこそ、変革を
起こすことができます。
現状、経験を受け入れるということは、それに納得することではなく、その経験を
通して自分にとって必要なことを学ぶということです。
自分の人生に責任をもちましょう。
人は人生を絶えず創っており、自らの判断や決定、行動が引き起こすあらゆる結果
を引き受けなければなりません。
より良い人生や行動の原因をつくることに責任をもつ。
自分の回復や成長に責任をもつことが重要な最初のステップです。
実存心理学では、『人間は、人生からの問いに正しい答えを与える責任がある。
ある人生の状況の真の意味を見出すことに責任がある』とも示されています。
その意味を見出せるためには、現在行っていることと、過去に起こったこととの
関連性に気づくことで見えてきます。
意味はそこにあるのではなく、自身が付与するものです。
自分にとって、それが「気づき」のきっかけとなり、価値や意義あるものとなります。
過去はすべて、これからを創る教訓とするのです。
その意味を理解するための葛藤を通して、成長は確固たるものになります。
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となります。
自分が生きる世界を変化させるためには、言葉と新たな概念の習得によって、現状
の解釈をし直すことが必要です。
私たちは、価値観によって解釈し、言葉と概念によって説明(物語を語る)するのです。
人生の意味は、常に進行中であり、固定的なものではありません。
常に新しい意味づけを行い、新しい価値を見出し、自分自身や人生における最終ゴール
についての考え方をより良く変えていきましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年5月13日 06:27
引きこもり~現状を受け入れるには ①
ければなりません。
困難な問題ほど、受け入れられず、目をそむけたり、意識をそらしてしまいがち
です。ですが、受容が出来なければ、解決のためのスタートラインにも立てて
いないのと同じです。
部屋から出てこないわけではないとか、外出をまったくしないわけではないとか
だけの理由で、「わが子は引きこもりではない」と思い込もうとしている親御さん
も少なくありません。
その状態で、数年も経過しているにも関わらずです。
それほど、「受容」するというのは簡単なことではないのです。
不登校・引きこもりの長期化は、わが子が自力で解決できないという事実を親が
受け入れられないことで生じてしまっている現象なのです。
ですから、解決のための「受容」ができるための工夫が必要なのです。
これから数回にわたって、その工夫の内容をお話ししてみましょう。
実存心理学では、『人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に
問いを発してきている。人間は、人生から問われている存在である』〈ビクトール
・フランクル「医師による魂の癒し」〉と、示されています。
フランクルは、人生には目的も意味もすでにあり、自分の身に起こる様々な出来
事を通して、問いかけられている。そこから答え(目的や意味)を読み取っていく
ことが、私たちに与えられた課題と述べているのです。
人生とは、成長するための学校であり、問題集です。
あらゆる経験・体験は、すべてレッスンと捉えてみましょう。
自分にとって、予定通りに順調な学びの過程なのです。
成長のための気づきと学びを得るための必須課題です。
ですから、その必要単位を取得しなければ、そのことから卒業できません。
卒業できないということは、再び同じ過ちを繰り返すということです。
その場に停滞(長期化)してしまわないためにも、とっとと学んでしまいましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月19日 23:19
引きこもり~親の存在意義(価値)とは?
それは、育てる。成長させていくということでしょう。
それは、その危機に遭遇した際は、守り、安全を確保するということも含みます。
引きこもり者たちは、セルフネグレクト(育自放棄)の状態です。
自堕落な生き方によって、自身の成長を阻んでいる状態です。
この状態にクサビを打ち、これ以上の進行を抑え、現実から逃げず、果敢に
わが子との対峙を行い、成長に導いてこそ、親としての自尊心が取り戻せる
のです。
「親の尊厳性の回復」でも述べたように、過去に誤りがあったから何も言う
資格がないとか、親として失格とか過度に自罰的になるのではなく、誤りを
認め、そこから逃れず、行動を改める勇気こそが自己を支えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月 4日 18:48