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< 生まれてきた意味を奪ってしまっては・・・ | 一覧へ戻る | ひきこもり支援の拡充 >
ひきこもり支援と自己責任
ひきこもりに対しての支援のあり方に対して、「親の甘やかしや、当人の甘えの結果なんだから、それ
に税金を投じて支援するのは、おかしな話」といった否定的な意見もあります。
いわゆる自己責任論です。
確かに、何らかの病理や障害によらない社会的ひきこもりの場合、期間が長くなり、親子共々高齢化
し、現実の社会参加ができなくなったという理由だけで、何らかの社会保障が受けられるとなれば、
かえって、どこかで見切りをつけ、あえて長期化させる(受給条件を満たすため)家庭も出てくるの
では。
そういった家庭が、増えてくるのは国家財政を揺るがす大きな問題。という懸念もあります。
しかしです。
だからと言って、単なる自己責任論をかざしてしまえば、ますますひきこもりの長期化が進むでしょう。
先ず、このことに関しては、二つの問題があります。
ひとつは、「甘やかし」といった、一部だけを見た誤った認識。
そしてもうひとつには、「自己責任」の誤った解釈です。
特に、この「自己責任」についての誤った解釈は、長期化をより進めてしまう要因でもあります。
お話ししましょう。
自己責任という認識は、当事者家庭も実はもっています。
ですが厳密に言うと、「自己責任と片付けられるから、わが家で何とかしなければ」と思っているとい
うことです。
どういうことかと言うと、実際は、子は「親のせいだ」と思っていますし、親は「この子の問題」と思っ
ています。
そういう意味では、他者責任になっています。
しかし、「世間は自己責任としか見ない」と思っています。
ですから、「自分だけで何とかしなければならない」「他人に頼ってはいけない」と考えてしまっている
のです。
このことが、長期化を招いてしまっています。
自己責任というのは、何でもかんでも自分だけの責任だから、人に頼らず自分で解決しなければ
ならないという意味ではありません。
そのことにおいての責任を自分が負うということです。
例えば、最近戦場カメラマンの渡部陽一さんという方が、よくテレビに出演されていますが、あのよ
うな死の危険がある所にわざわざ自ら赴くことは、自己責任が必要です。
冒険家などもそうですね。
要請を受けてということではなく、好きで行っているのですから。
本来こういう場面に限って使用されるべき「自己責任」という言葉が、「自分のことだから自分でや
れ」とばかりに、人を突き放すような意味合いで、不適切な場面で使用されることが少なくないよう
です。
ホームレスの方の言葉にも、なぜそのような生活になったのか?という問いかけに対して「誰にも
迷惑をかけられないから」と、誰にも頼ってはいけないといったかまえが見られます。
最近は、無縁(孤独)死という亡くなり方をされる方も増えて来ているそうですが、なぜ死に至る前に、
周囲に救済を求めないのかと思います。
「自己責任」の誤った解釈が、人の手を借りる。上手にサポートを受ける。という対応を取らせない
方に仕向けてしまっているようです。
何事も現状をより良く改善していくためには、自分だけで困難な事がらの場合は、素直に人の手を
拝借することは、結果を出すために大切なことであり、決して恥ずかしいことではありません。
相互扶助を前提にした社会で私たちが生きていく上で、助けられ上手になることは、重要なスキル
です。
自分の責任を考えるとき、大切なことは、自分の人生に責任をもつということです。
自分の人生に責任をもつということは、自分の身に起こったことは、如何なることも、自分のことと
して、引き受けることです。
つまり、ありのままに受容することです。
降りかかったこと(自分に責任がなくても)は避けられなくても、そのことにどう向き合い、どう対処し
ていくかは、自分の責任のもとに行っていくということです。
現実を歪曲して捉えることなく(ありのままに)、事実を把握し、そのことを自分の中で、どう意味づけ
し、位置づけしていくかに於いては、しっかり自分で責任を持たなくてはなりません。
自分の人生に責任をもつということは、自己信頼のもと、自分の考えをもって、主体的に行動する
ことです。
望む結果が得られなくても、他者のせいにすることなく、原因を解明し、必要な条件をそろえていく。
必要な条件の中には、他人からのサポートも入っているのです。
社会の基本は、「自助・互助・公助」です。
主体性をもって(自助)、適切(本当に病理や障害からのひきこもり)であれば公助(行政)も受ければ
いいんです。
そして、自分が穴に落ちた時には、素直に助けを求め、誰かが落ちた時には、それを助けてあげれ
ばいいんです。
それが互助です。
「人には迷惑をかけられない」と気を遣ったとて、社会で生きている以上、知らないところ、見えない
ところで、誰かの支えを受けているし、その分、世話になっている。つまり迷惑をかけています。
だから、「人のお役に立つ」と考え行動を取らなければ、帳尻が合いません。
以前にも「犯罪犯したわけでもなく、ひきこもっているだけで、誰に迷惑をかけていますか?」と、うそ
ぶいていた青年もいましたが、社会資源を利用しておいて、税金を納めていないことが迷惑をかけて
いるということに気づけていないのです。
責任をもつことは、他人に尻拭いをさせないことです。
現実から目をそらし、自分の人生にすら責任をもたなければ、誰かにその分シワ寄せがいきます。
「人には迷惑かけられないから」と周囲のサポートも受けず事態を放置すれば、より深刻化し、結果
的には責任放棄となってしまいます。
誤った社会の自己責任論が、ひきこもりをますます長期化、高齢化、深刻化させていくのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年2月18日 17:35
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対応の責任
とかく不可抗力的に起こったことに対しては、まさに被害者として自分には責任が
ないということを主張しがちですが、その起こったことに対してどう対処するかは
自己責任なのです。
何事もどう対処していくかでその後が大きく変わってきます。
不登校でも、最初に両親がどう対処するかで復学できるか、ひきこもりに発展
するかが違ってきます。
わが子が登校しなくなった。ひきこもった。
これらのことにどう対処していくかは両親の責任です。
怒るのか、塞ぎ込むのかの感情も親自身の自己責任です。
子どもの責任ではありません。
「お父さんを怒らせるな!」
「お母さんをイライラさせないで!」
あたかも子どもがそうさせている(責任がある) ように言いたげですが、目の前の
現状に対して、どういう感情になり、どう対処していくかは、あくまでも親それぞれ
の責任においてなされるべきことです。
ましてや、わが子の不登校や引きこもりで、夫婦で話し合い、協力しあうどころか、
互いの責任のなすりあいで、夫婦喧嘩をしているようでは、子どもが安心できる
はずもありません。
そもそも、そういったところが、わが子の不登校や引きこもりを招いた一因である
ことも認識すべきことなのです。
もちろん、子どもにも、自身の責任の所在をしっかり認識させていかなければ
ならないことは言うまでもありません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年7月15日 07:33
人生の責任
べきことから逃れる生き方のために、責任のもち方(取り方)がわからなくなって
しまっている状態です。
「責任転嫁」というのは、通常「誰かのせいにして自分の責任を逃れる」といった
意味合いで使いますね。
もちろんそうですが、ここで言っているのは主に「自分の人生に責任をもっていない」
状態を指します。
自分の人生に責任をもつというのはどういうことでしょうか。
それは、「人生は選択の連続である」ということを意識にまず置いて考えてみて下さい。
選択は、判断と決定(決心)です。
ですから、「人生に責任をもつ」というのは、自分で考えて判断し、決定したことに
自分で最後まで責任をもつということです。
最後までというのは、「結果」、そしてその処理までです。
自分の人生に関わることを、他者に考えさせ判断させない。
もちろん判断にあたって他者の意見を参考にすることは問題ありません。
要は、何も自分では考えず丸投げしないということです。
頭を人に預けないということです。
最初から人に判断させていればその結果に当然責任を取ろうとしませんし、
それどころか結果が悪ければ悪いほど、あたかも自分は被害者でもあるか
のように判断を任せた相手を責めようとします。
これでは、状況が良くなるはずもありません。
「子育ては妻に任せていた」という夫(父親)がいます。
任せていたとしたら、それは信頼のうえでのはずです。であれば、その結果に
不具合があったからといって、一方的に責任を押し付けることは如何なもの
でしょう。
もとより、子育ては両親で行うものです。それぞれの立場、役割でこそできる
(していかなければならない)ことがあるのですから。
詐欺まがいの引き出し屋(悪徳業者)に事の解決を依頼し、高額な報酬を
支払わされたといった被害にあったご家庭のニュースも目にします。
支援者の立場からも、強い憤りを感じる事件ですが、「頭を人に預けない」
「丸投げしない」ことも大切です。
自身(親)の困り事を解決するのではなく、わが子が困ってしまっている事を
優先して解決しようと思えば、子育てにおいて自分が取ってきた判断、決定
(決心)に責任をもち、現状のわが子の引きこもりに対して、どう対処していくか。
解決する最後まで、自分が責任をもっていくはずです。
取るべき責任を取らなければ、人生から責任を取らされます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年6月23日 05:50
引きこもり~現状を受け入れるには ②
思考の放棄(停止)です。
人生に降りかかってくる諸問題が、自分が成長し、自分らしく生きていけるために
必要なこととして必然的に起こったとすれば、「なぜ必要だったのか?どのような
意味があるのか?」という問いが生まれます。
抵抗(反抗)から苦悩が生まれるのです。
ありのままに受け入れる。自分のこととして引き受けるということでこそ、変革を
起こすことができます。
現状、経験を受け入れるということは、それに納得することではなく、その経験を
通して自分にとって必要なことを学ぶということです。
自分の人生に責任をもちましょう。
人は人生を絶えず創っており、自らの判断や決定、行動が引き起こすあらゆる結果
を引き受けなければなりません。
より良い人生や行動の原因をつくることに責任をもつ。
自分の回復や成長に責任をもつことが重要な最初のステップです。
実存心理学では、『人間は、人生からの問いに正しい答えを与える責任がある。
ある人生の状況の真の意味を見出すことに責任がある』とも示されています。
その意味を見出せるためには、現在行っていることと、過去に起こったこととの
関連性に気づくことで見えてきます。
意味はそこにあるのではなく、自身が付与するものです。
自分にとって、それが「気づき」のきっかけとなり、価値や意義あるものとなります。
過去はすべて、これからを創る教訓とするのです。
その意味を理解するための葛藤を通して、成長は確固たるものになります。
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となります。
自分が生きる世界を変化させるためには、言葉と新たな概念の習得によって、現状
の解釈をし直すことが必要です。
私たちは、価値観によって解釈し、言葉と概念によって説明(物語を語る)するのです。
人生の意味は、常に進行中であり、固定的なものではありません。
常に新しい意味づけを行い、新しい価値を見出し、自分自身や人生における最終ゴール
についての考え方をより良く変えていきましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年5月13日 06:27
引きこもり~現状を受け入れるには ①
ければなりません。
困難な問題ほど、受け入れられず、目をそむけたり、意識をそらしてしまいがち
です。ですが、受容が出来なければ、解決のためのスタートラインにも立てて
いないのと同じです。
部屋から出てこないわけではないとか、外出をまったくしないわけではないとか
だけの理由で、「わが子は引きこもりではない」と思い込もうとしている親御さん
も少なくありません。
その状態で、数年も経過しているにも関わらずです。
それほど、「受容」するというのは簡単なことではないのです。
不登校・引きこもりの長期化は、わが子が自力で解決できないという事実を親が
受け入れられないことで生じてしまっている現象なのです。
ですから、解決のための「受容」ができるための工夫が必要なのです。
これから数回にわたって、その工夫の内容をお話ししてみましょう。
実存心理学では、『人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に
問いを発してきている。人間は、人生から問われている存在である』〈ビクトール
・フランクル「医師による魂の癒し」〉と、示されています。
フランクルは、人生には目的も意味もすでにあり、自分の身に起こる様々な出来
事を通して、問いかけられている。そこから答え(目的や意味)を読み取っていく
ことが、私たちに与えられた課題と述べているのです。
人生とは、成長するための学校であり、問題集です。
あらゆる経験・体験は、すべてレッスンと捉えてみましょう。
自分にとって、予定通りに順調な学びの過程なのです。
成長のための気づきと学びを得るための必須課題です。
ですから、その必要単位を取得しなければ、そのことから卒業できません。
卒業できないということは、再び同じ過ちを繰り返すということです。
その場に停滞(長期化)してしまわないためにも、とっとと学んでしまいましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月19日 23:19
引きこもり~親の存在意義(価値)とは?
それは、育てる。成長させていくということでしょう。
それは、その危機に遭遇した際は、守り、安全を確保するということも含みます。
引きこもり者たちは、セルフネグレクト(育自放棄)の状態です。
自堕落な生き方によって、自身の成長を阻んでいる状態です。
この状態にクサビを打ち、これ以上の進行を抑え、現実から逃げず、果敢に
わが子との対峙を行い、成長に導いてこそ、親としての自尊心が取り戻せる
のです。
「親の尊厳性の回復」でも述べたように、過去に誤りがあったから何も言う
資格がないとか、親として失格とか過度に自罰的になるのではなく、誤りを
認め、そこから逃れず、行動を改める勇気こそが自己を支えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月 4日 18:48