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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ
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絆のねじれ
不登校やひきこもりの過程で、親に対しての暴力や暴言があると、「親子の間で信頼関係が無くなっ
てしまっている」と、悲嘆される親御さんも少なくありません。
親子の絆が切れてしまったということでしょう。
しかし実際は、多くの事例で、切れてしまっていることはあまりありません。
ねじれているだけなのです。
もちろん、国会ではありませんが、ねじれたままにしておくことは、よくありませんので、積極的に
解していく必要はあります。
そもそも、どこからこの“ねじれ”が生じたかといいますと、主に親と子の立場の違いから生じたもの
です。
一例を上げますと、親からわが子へ愛情というボールを放ったとします。
親側からこのボールは、愛情としか見えていません。
しかし、受け取る側の子どもからすると、侵入であったり、強制であったり、支配、コントロールと
映っている場合があるのです。
こういった場合は、親が愛情をかければ、かけるほど、子どもは負担に感じます。
親が気がつかない間に、“ねじれ”が酷くなっていくのです。
養育する側(立場)の親と、養育される側の子どもでは、その立場の違いから、求めるもの、思惑が
それぞれ違ってきます。
販売側と消費者側の思惑が違うようにです。
子どもたちが親に求めるものに承認欲求というものがあります。
承認というのは、「期待」と「信頼」です。
自分に期待して欲しいし、信頼されたいということです。
こう言いますと、「わが子ですから当たり前です。期待しています」と言葉が返ってきます。
しかし、ここでも“ねじれ”が生じる危うさがあるのです。
子どもたちが求めているのは、ありのままの自分に期待して欲しい、信頼して欲しいということです。
では、親御さんが言っている期待とは、どう違うのでしょうか?
ここで、「期待」というものには、二通りあることを述べてみます。
親でも計りがたい、わが子の可能性に対しての期待と、「こうなって欲しい」という親の自己都合に
基づいた期待です。
「わが子に期待するのは、当たり前じゃないですか!」
という場合、この自己都合に基づいた期待であることが少なくないのです。
であれば、子どもが望む「ありのままの自分に期待してほしい」というものとは、違ってきています。
条件づき(親の都合)ではなく、そのまま期待してほしいというのが子どもの願いです。
ここから、“ねじれ”が生じてしまうのです。
「あなたのためを思ってのことだよ」と、子どもに何かを促す時には、本当にわが子のためと思って
のことかを見直してみてください。
わが子のためではなく、自分のためになってしまっている場合があります。
「この方が安心よ」と言いながら、自分が安心したいからというのが本音の場合があります。
私も学生のころから、父親が公務員だったこともあり、「公務員になりなさい」と幾度となく言われて
いました。
私は、自分には到底向いていないと思い、会社員生活を6年で辞め、こともあろうに自営業を始め
ました(笑)。
さぞかし、両親は心配で、不安でたまらなかったでしょう。
しかし、結果私は、苦労こそしてきましたが、生きがいをもってやってこれました。
両親の望み通り、公務員になっていたら、ストレスがたまって退職していたかもしれません。
子どもの個性にあった方向に、進ませてあげた方がその子にとって幸せなんです。
たとえ、親の方は少々心配するようなことででもです。
子どものありのまま、まるごとそのままを認め、可能性に期待しようではないですか。
自分の思うように動かそう、変えようとすれば、強制やコントロールしてしまうことになります。
このように、親の都合を優先させ、子どもを利用することを“関係の乱用”と言います。
これは、心理的虐待につながります。
そうでなくても、子どもは親の都合、思惑を顔色や言動から読み取り、健気にそれに答えようとします。
なぜなら、愛されたいからです。
自分を抑えこんだり、押し殺してでも、親が求めているものに答えてきた子たちが、倒れてしまうので
す。
以上のように、親と子では立場が違う分、互いの意志が正確に伝わらない場合があります。
ここから、絆のねじれ現象が起こるのです。
子どもたちが、たとえ拳を親に振り上げようとも、絆が切れてしまっているわけではなく、「気づいて
欲しい」という一心で、ねじれた絆を解したい一心で、やっていることです。
子どもたちは、ただただ安心していたいんです。
「ここにいていいんだ」と。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年8月22日 09:07
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対応の責任
とかく不可抗力的に起こったことに対しては、まさに被害者として自分には責任が
ないということを主張しがちですが、その起こったことに対してどう対処するかは
自己責任なのです。
何事もどう対処していくかでその後が大きく変わってきます。
不登校でも、最初に両親がどう対処するかで復学できるか、ひきこもりに発展
するかが違ってきます。
わが子が登校しなくなった。ひきこもった。
これらのことにどう対処していくかは両親の責任です。
怒るのか、塞ぎ込むのかの感情も親自身の自己責任です。
子どもの責任ではありません。
「お父さんを怒らせるな!」
「お母さんをイライラさせないで!」
あたかも子どもがそうさせている(責任がある) ように言いたげですが、目の前の
現状に対して、どういう感情になり、どう対処していくかは、あくまでも親それぞれ
の責任においてなされるべきことです。
ましてや、わが子の不登校や引きこもりで、夫婦で話し合い、協力しあうどころか、
互いの責任のなすりあいで、夫婦喧嘩をしているようでは、子どもが安心できる
はずもありません。
そもそも、そういったところが、わが子の不登校や引きこもりを招いた一因である
ことも認識すべきことなのです。
もちろん、子どもにも、自身の責任の所在をしっかり認識させていかなければ
ならないことは言うまでもありません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年7月15日 07:33
人生の責任
べきことから逃れる生き方のために、責任のもち方(取り方)がわからなくなって
しまっている状態です。
「責任転嫁」というのは、通常「誰かのせいにして自分の責任を逃れる」といった
意味合いで使いますね。
もちろんそうですが、ここで言っているのは主に「自分の人生に責任をもっていない」
状態を指します。
自分の人生に責任をもつというのはどういうことでしょうか。
それは、「人生は選択の連続である」ということを意識にまず置いて考えてみて下さい。
選択は、判断と決定(決心)です。
ですから、「人生に責任をもつ」というのは、自分で考えて判断し、決定したことに
自分で最後まで責任をもつということです。
最後までというのは、「結果」、そしてその処理までです。
自分の人生に関わることを、他者に考えさせ判断させない。
もちろん判断にあたって他者の意見を参考にすることは問題ありません。
要は、何も自分では考えず丸投げしないということです。
頭を人に預けないということです。
最初から人に判断させていればその結果に当然責任を取ろうとしませんし、
それどころか結果が悪ければ悪いほど、あたかも自分は被害者でもあるか
のように判断を任せた相手を責めようとします。
これでは、状況が良くなるはずもありません。
「子育ては妻に任せていた」という夫(父親)がいます。
任せていたとしたら、それは信頼のうえでのはずです。であれば、その結果に
不具合があったからといって、一方的に責任を押し付けることは如何なもの
でしょう。
もとより、子育ては両親で行うものです。それぞれの立場、役割でこそできる
(していかなければならない)ことがあるのですから。
詐欺まがいの引き出し屋(悪徳業者)に事の解決を依頼し、高額な報酬を
支払わされたといった被害にあったご家庭のニュースも目にします。
支援者の立場からも、強い憤りを感じる事件ですが、「頭を人に預けない」
「丸投げしない」ことも大切です。
自身(親)の困り事を解決するのではなく、わが子が困ってしまっている事を
優先して解決しようと思えば、子育てにおいて自分が取ってきた判断、決定
(決心)に責任をもち、現状のわが子の引きこもりに対して、どう対処していくか。
解決する最後まで、自分が責任をもっていくはずです。
取るべき責任を取らなければ、人生から責任を取らされます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年6月23日 05:50
引きこもり~現状を受け入れるには ②
思考の放棄(停止)です。
人生に降りかかってくる諸問題が、自分が成長し、自分らしく生きていけるために
必要なこととして必然的に起こったとすれば、「なぜ必要だったのか?どのような
意味があるのか?」という問いが生まれます。
抵抗(反抗)から苦悩が生まれるのです。
ありのままに受け入れる。自分のこととして引き受けるということでこそ、変革を
起こすことができます。
現状、経験を受け入れるということは、それに納得することではなく、その経験を
通して自分にとって必要なことを学ぶということです。
自分の人生に責任をもちましょう。
人は人生を絶えず創っており、自らの判断や決定、行動が引き起こすあらゆる結果
を引き受けなければなりません。
より良い人生や行動の原因をつくることに責任をもつ。
自分の回復や成長に責任をもつことが重要な最初のステップです。
実存心理学では、『人間は、人生からの問いに正しい答えを与える責任がある。
ある人生の状況の真の意味を見出すことに責任がある』とも示されています。
その意味を見出せるためには、現在行っていることと、過去に起こったこととの
関連性に気づくことで見えてきます。
意味はそこにあるのではなく、自身が付与するものです。
自分にとって、それが「気づき」のきっかけとなり、価値や意義あるものとなります。
過去はすべて、これからを創る教訓とするのです。
その意味を理解するための葛藤を通して、成長は確固たるものになります。
現状の世界観が、心の垣根(境界、限界)となります。
自分が生きる世界を変化させるためには、言葉と新たな概念の習得によって、現状
の解釈をし直すことが必要です。
私たちは、価値観によって解釈し、言葉と概念によって説明(物語を語る)するのです。
人生の意味は、常に進行中であり、固定的なものではありません。
常に新しい意味づけを行い、新しい価値を見出し、自分自身や人生における最終ゴール
についての考え方をより良く変えていきましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年5月13日 06:27
引きこもり~現状を受け入れるには ①
ければなりません。
困難な問題ほど、受け入れられず、目をそむけたり、意識をそらしてしまいがち
です。ですが、受容が出来なければ、解決のためのスタートラインにも立てて
いないのと同じです。
部屋から出てこないわけではないとか、外出をまったくしないわけではないとか
だけの理由で、「わが子は引きこもりではない」と思い込もうとしている親御さん
も少なくありません。
その状態で、数年も経過しているにも関わらずです。
それほど、「受容」するというのは簡単なことではないのです。
不登校・引きこもりの長期化は、わが子が自力で解決できないという事実を親が
受け入れられないことで生じてしまっている現象なのです。
ですから、解決のための「受容」ができるための工夫が必要なのです。
これから数回にわたって、その工夫の内容をお話ししてみましょう。
実存心理学では、『人間が人生の意味は何かと問う前に、人生のほうが人間に
問いを発してきている。人間は、人生から問われている存在である』〈ビクトール
・フランクル「医師による魂の癒し」〉と、示されています。
フランクルは、人生には目的も意味もすでにあり、自分の身に起こる様々な出来
事を通して、問いかけられている。そこから答え(目的や意味)を読み取っていく
ことが、私たちに与えられた課題と述べているのです。
人生とは、成長するための学校であり、問題集です。
あらゆる経験・体験は、すべてレッスンと捉えてみましょう。
自分にとって、予定通りに順調な学びの過程なのです。
成長のための気づきと学びを得るための必須課題です。
ですから、その必要単位を取得しなければ、そのことから卒業できません。
卒業できないということは、再び同じ過ちを繰り返すということです。
その場に停滞(長期化)してしまわないためにも、とっとと学んでしまいましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月19日 23:19
引きこもり~親の存在意義(価値)とは?
それは、育てる。成長させていくということでしょう。
それは、その危機に遭遇した際は、守り、安全を確保するということも含みます。
引きこもり者たちは、セルフネグレクト(育自放棄)の状態です。
自堕落な生き方によって、自身の成長を阻んでいる状態です。
この状態にクサビを打ち、これ以上の進行を抑え、現実から逃げず、果敢に
わが子との対峙を行い、成長に導いてこそ、親としての自尊心が取り戻せる
のです。
「親の尊厳性の回復」でも述べたように、過去に誤りがあったから何も言う
資格がないとか、親として失格とか過度に自罰的になるのではなく、誤りを
認め、そこから逃れず、行動を改める勇気こそが自己を支えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2017年4月 4日 18:48