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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 福祉: 2010年11月
やる気より、より大切なこと
不登校にしても、ひきこもりにしても子どもたちの過ごし方を見ていると、非常に怠惰に映ります。
中には、数ヶ月と入浴もしていなかったり、食事やトイレ以外、動いていないのではと思われるぐらい
自室で物音も立てないといった例があります。
やる気が出ないのは、うつ病ではないのかと心配される向きもあります。
では、やる気さえ出ればひきこもりを脱せられるとお考えですか?
実は、そうはいきません。
「よーし、やるぞー!」とはいかないまでも、就労や社会参加の希望をもっている青年たちは、少なく
ありません。
ですから、やる気が全くないわけではないのです。
やる気が解決の要と思っていれば、やる気を待つ。当事者のやる気に依存することになります。
長期化の原因が、実はここにあるのです。
また、支援専門家の中にもこの考えが多いようです。
ある団体では、10年近くも当事者に関わりながら、アルバイトすら一度も経験させられていなかった
り、またある団体では、自宅から施設へ通うようになったのはいいのですが、ただ好きな事をさせた
り、レクリエーションに参加させたりという単なる居場所の提供だけをしている所もあるようです。
いたずらに時間を経過させたところで、青年たちの不安や怯えが消えるわけではありません。
仮になんとかアルバイトでも始められても、すぐにつまづき、さらに怯えや不適応感を強めてしまっ
ているケースもあるようです。
医療機関のカウンセリングに数年真面目に通って、結局はカウンセラーからさじを投げられた青年
もいます。
これらはいずれも、やる気に頼った支援(?)を行ったためです。
何事もやる気が大切と思われがちですが、やる気よりも大切なことがあります。
それは、やり方。方法、手立てです。
車で例えますと、駆動力であるエンジンが「やる気」です。
エンジンがあれば車は走るでしょうか?
タイヤがないと走れません。
逆にエンジンはなくても、タイヤがあれば押せば前へ動きますし、坂道であれば押さなくても動きます。
ですから、前へ進むためにより大切なものはタイヤなのです。
このタイヤにあたるのが、何かと言うと「やり方」です。
やり方は、手順です。
手順通りやっていけば、下手でも結果は出ます。
料理のレシピ通り、作っていけば、みそ汁のつもりが、カレーになることはありません。
不安や怯えを解消させる方法を実践すれば、確実に緩和されます。
仏教に「抜苦与楽(ばっくよらく)」という言葉があります。
苦を除き楽を与えるという意味です。
不安や怯えが無くなれば、やる気(楽)が出てきます。
ヘッドライトは進行方向を照らす光ですが、これは「希望」です。
希望をもてるためには、具体的な解決策、また、社会参加に必要な様ざまなスキルを身につける
ための方法(訓練法)を示してあげられなければなりません。
「頑張れ!」とよく言いますが、何をどう頑張ればよいか(具体的解決策)が分からずに言っていると
すれば、それは無責任なものです。
ハンドルにあたるものが、方向性を決める「目標」
そして、エンジン(やる気)に必要なガソリンが、家族の理解、信頼、寄り添い、支えです。
当事者本人のやる気に任せる、やる気を待つ支援は、支援ではありません。
支援者自身が、当事者に依存している「共依存」の状態です。
共依存の関係になれば、支援者自身がひきこもりの長期化を促進してしまうことになるのです。
ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
https://www.interbrain.co.jp/topics/2010/11/post-2.php
当事者の青少年向けのブログはこちらです。
アダルトチルドレンからの回復http://forum-hokushin.weblogs.jp/
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『ニート・ひきこもりエンパワー教室』
https://www.interbrain.co.jp/course/empowerment/
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熊本市総合保健福祉センター
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和水町中央公民館
NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp
(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年11月 8日 07:38
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