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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 時事問題: 2010年4月
愛知県豊川市一家殺傷事件に思う
長男、ネット通販・借金200万円超 愛知・一家殺傷事件は、ひきこもり当事者家庭には、特に衝撃
を与えたようです。
http://www.asahi.com/national/update/0418/NGY201004170042.html
以降の相談業務の中で、この事件に相談者が触れることが少なくありませんでした。
インターネットの解約が凶行の直前の引き金とあって、
本人の意志に反することは避けた方がいいであろう。
そもそもインターネットは良くないのでは。
お金の与え方など、事件の全貌がまだ明らかにされていないこともあり、色々な憶測から不安感
だけがつのってしまっているようです。
結果としての惨劇は、いかなる理由であれ赦されるものではありませんので、改めて議論すること
でもありません。
考えてみるべきところは、なぜネット通販で200万円以上の借金をすることが可能であったか。
父親の給料を長男が管理することが許されてしまったのか。
十数年もの間、ひきこもることが容認されてしまったのか。
といったところではないでしょうか。
自由を許されていた状態で、いきなり自由の制約を受ければ、反発が生まれるのは自然なことです。
だからといって、解約をしたのがまずかったといった考えは、あまりにも短絡的です。
例えば、200キロにも至らんような体重で、日常生活がままならなくなっている状態の子に
「けしから!」とばかりに、突然ダイエットを強行させてみたところで、「はい、分かりました」とは
ならないでしょう。
体重は突然増えるわけではありません。そこに至るまでに何年も経過しています。
その間、親は何をしていたのかということです。
じわじわと太ってしまうことを容認し続けていたわけですから、太ってしまった後にとがめられても
素直に聞けるものではありません。
そこまでなると到底ダイエットのみでは追いつかず、脂肪の切除(これがネットの解約)といった
荒治療が必要になります。
しかし、それまでのカロリー摂取(本人の意識)が改善されなければ、ほどなく元に戻るでしょう。
あるメディアでは、「家族のSOS届かず」と記述されていましたが、青年たちのひきこもりは、それ
自体が子どもからの親へのSOSです。
子どものSOSに気づけずにいて、私たちはわが子に苦しめられてきましたというのも如何なもの
でしょうか?
ネットを止めさせる前にひきこもりに終止符を打たせるべきだったでしょう。
行動にいきなり制約を加えるのではなく、長男の意識への何らかのはたらきかけがなされていた
ら防げていたことではなかろうかと感じます。
決して長男がとった行動は、赦されるものではもちろんありません。
しかし、加害者の異常さだけがクローズアップされ、一方的に糾弾される報道の視点は、事実の
伝達という点で、正確さを欠いたものであり、そのことで謝った認識が広がり、ますますひきこもり
問題の長期化、深刻化を招き、次の新たな事故を誘引してしまいかねない気がしてなりません。
ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
https://www.interbrain.co.jp/topics/2010/03/post-2.php
当事者の青少年向けのブログはこちらです。
アダルトチルドレンからの回復http://forum-hokushin.weblogs.jp/
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年4月22日 11:30
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