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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 教育 8ページ目
ひきこもり親の会の重要性②
親の会の存在目的からお話ししまょう。
先ず何よりも、全体的に進んでいる長期化を食い止めることです。
長期化というのは、同時に高齢化を意味します。
もちろんその高齢化は、当事者の若者たちだけではなく、両親もです。
親亡き後の本人の生活維持の備えをどのようにはかっていくかが深刻な問題であり、内閣府も
「ひきこもり支援者読本」の中で提案をまとめています。http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/ua_mkj_pdf.html
長期化することでのメリットは、もちろん何もありません。
それどころか、精神疾患などが発症してしまう恐れもあります。
ところが、困ってしまう事態(長期化)を招いてしまっているのが、当事者家族であることが、意外に
認識されていません。
では、どう招いてしまっているのか。
現状の改善に対して、「本人が動かないから、どうしようもない」としてしまっていることです。
「動かない」という不満だけで、「動かす」「仕向けていく」という発想がありません。
そう言うと、「言っても聞かない」と親御さんからは返ってきます。
もちろん「動きなさい」と言って、「はい、動きます」とならないのは、当たり前です。
ひきこもりという現象の理解が必要になってくるのです。
「ひきこもり」という現象は、親子でセットなのです。
“当事者”と言った場合、そこには親も入っているのです。
ですから、部屋にいるひきこもる者だけを問題視し、どうにかしようと働きかけても、根本的な解決
には至りません。
その部屋の家主(環境提供者)である親へのケアを忘れてはならないのです。
親御さんが罹っている病は、“ひきこもる子をもつ親”という病です。
幸いにも、親が罹っている病の方は、外への外出や人と会うことがまだ出来ます。
インフルエンザに罹っても、自分で病院へ行けますから治療ができますね。
それと同じで、“ひきこもる子をもつ親”の病は、解決できる場へ出向くことができます。
先ず、親御さんが、適切な専門家(医者ではありません)から、“ひきこもる子をもつ親”という病に
罹患していることを診断してもらって、さらには、その病の特徴、性質を説明してもらい、直していく
ことで、ひきこもるわが子が動けるようになっていきます。
ですから、ひきこもりの解決のためには、当の本人がまだ動けない(外出できない)状態でも、何も
心配いらないのです。
アウトリーチ(訪問支援)や、事業仕分けではかなく消えた合宿型の「若者自立塾」の発想は、この
点の認識を全く欠いた発想と言わざるを得ません。
そういう意味でも、親の会という場に先ず足を運ぶことが解決への第一歩となります。
しかし、その場が、単なる慰めあい、グチのこぼしあいの場では解決へ至りません。
「たらちねサポート」は、問題を自覚できる家族の集まりです。
言わば、“ひきこもる子をもつ親”の病を自覚できている親御さんの自助グループです。
自助ですから、自らが自らを助けられる学びができる場です。
「天は、自ら助くる者を助く」という言葉もありますが、天とは、「道理」です。
つまり、自らの問題は、自らが主体的に責任をもって解決していくことが、ものの道理だということ
です。
道理にそって生きる者は、道理が守ってくれるものです。
次回、「たらちねサポート」では、どのような学びをしていくかをご紹介してみましょう。
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ひきこもり・不登校の相談解決
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2012年1月11日 18:19
ひきこもりからの学び
不登校やひきこもりの問題を単純化して表現すると、「動かないわが子をどう動かすか」であろうと
思います。
「どうにかしないか!」
「いい加減にしないか!」
と言ってもなかなか思うように動いてくれない。
「当人(わが子)がやることだから、その気になるのを待つしかない」
「どうやったら、やる気が出るのか?」
こう考えている間に時間ばかりが経ってしまい、気づいたら登校しないまま卒業を迎えたり、未成年
が成人になったり、青年が初老に至ってしまっていたということが少なくありません。
「過去と他人は変えられない」と申しますが、親の都合通りには、動かせるものではありません。
「何度言っても動かない」といった嘆きはよく聞かれますが、自分自身のことをここで考えて頂き
たいのです。
夫婦の間で、親子の間で、家族から何度も言われてきたことで、変えられぬままになっていることは
ありませんか?
家族から改善(変化)を要求されたことで、未だ変えられぬままになっていることが何もないでしょう
か?
「開けたら閉めてよ」
「使ったら片付けてよ」
「言ったら守ってよ」
「たまには手伝ってよ」
「何か言ってよ」
「一緒に考えてよ」
「何度も言わせないでよ」
こんな言葉を幾度と無くかけられたことはありませんか?
きっとあるでしょう。
「人のふり見て、わがふり直せ」という言葉もありますが、わが子は自分と同じ態度をとっている
ものです。
「親の言うことは聞かないが、親がしている通りにする」とも言われます。
言葉よりも実際の行動を真似してしまいがちですから、模範となるべき行動をとっていくことが大切
です。
山本五十六でしたか、「やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
という有名な言葉があります。
この「やって見せ」が大切ですね。
「いやなことから目をそらさず、しっかり向き合いなさい!」
目の前のわが子のひきこもり問題から目をそらしていませんか?
「失敗を恐れず、勇気を出して挑戦しなさい!」
わが子にはたらきかける事をためらっていませんか?(反発されたくなくて)
「わがままばかり言わず、周りのことも考えなさい!」
自分の都合を子どもに押しつけたことはありませんか?
「人の話をちゃんと聞きなさい!」
子どもの話に関心をもって、聞いていましたか?
「はっきり言わなきゃ分からないでしょ!」
子どもに分かるように、言葉で伝えていましたか?
「口のきき方が悪い!」
感情的に子どもを叱りつけたりしていませんでしか?
「物にあたらず、口でいいなさい!」
感情にまかせ、物を投げていませんでしたか?
これらすべて、子どもを諭す前に、親御さんがしっかり振り返らなければならないことです。
自分自身が出来ていなくて、子どもだけにそれを強要することはおかしなことですし、当然子ども
は納得しません。
今のわが子の状態から、自分自身の姿を見直すことが必要です。
自分と全く同じことをやっているという自覚のもとに、それを改善していくといった手本を先に示して
いくことが大切です。
「動かない」と見るから、本人の意志に頼ろうとするのです。
「動けない」と見れば、自分(親)が動くしかありません。
「やって見せ」です。
そのうえで、子どもがやれたら、「あたりまえ」ではなく、しっかり褒めてあげるということです。
そうすれば、必ず子どもたちは、動き出します。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年11月14日 15:31
ひきこもり20年の当事者の生の声③
引き続き青年の手記をご紹介します。
長くひきこもっていると、いろんな所に支障が出て来ます。
健康と対人関係など自分の場合もおかしくなっていました。
まず対人関係、性格にもよるんでしょうけど、とにかく喋れない、もともと喋る方では無いの
で、人と喋らなくても何てことは無かったのですが、必要な時に声が出なくなります。
家にいても親とも顔を合わさず話さない、話がある時でも会話は必要最小限だったので、
外で慣れない人と話す時は、緊張して相手の目を見れない・思った事が口に出て来ない・
大きな声が出せなくなって、挙動不審に見えたと思います。
情けない話ですが、年相応の知識・経験・常識も無く、一人では役所関係の手続き一つ出来
ません。
たまにテレビで、自宅で亡くなった親の遺体をそのまま放置して、逮捕された人が「如何した
らいいのか分からなかった」と供述したというニュースを見た時、「あー自分もこうなるな」と
思う事もありました。
(中 略)
次に今でも続いている癖というか病気というか、なかなか治らない事があります。
妄想癖と潔癖症です。
まず、妄想癖、多分引きこもる前からやっていたと思います。
まあその頃は子供が自分の将来の夢を思い浮かべるような程度、引きこもってからは現実
逃避の手段として、起きている間はずっと妄想をしていました。
現実はダメ人間でも、妄想の中では超人ですよ(笑)。
筋トレの最中も、歯医者で歯を削っている最中も妄想妄想・・・・・。
そのうち妄想のし過ぎで、現実かどうか分からなくなる・妄想をコントロールできなくなるよう
になってしまいます。
(中 略)
引きこもっている間に、世の中ではいろんなことが起こっていました。
湾岸戦争が起きたり、阪神・淡路大震災が起きたり、二十一世紀になったりと、色々・・・。
自分は何も変わらず、ただ年を取っただけ、二十歳になり三十も超えても、何も変わらず
いました。
毎日毎日何の刺激も受けずにいると、無気力・無関心・無感動と何に対しても興味がなく
なって、如何でもよくなってきます。
自分の誕生日すら、なんとも思わない・考えない、思考自体が停止してしまう状態でした。
動作も遅くなり時間だけがかかって、今まで出来ていた事も出来なくなって行きました。
よく引きこもると、そこで時間が止まってしまうと聞きますが、何も変わらないんじゃないん
です。
何もしないでいると、知力・体力とも退化する一方です。
引きこもっていても、日頃から何かしている人と、何もしていない人では能力的にも、意識的
にも違ってくるのは当然だと思えます。
それは本人の性格か、周りの環境の問題かは分かりませんが、人間生きて行くには、何ら
かの刺激が必要みたいです。
死んでいるみたいに生き、寿命が終わるのをただ待っていた感じでした。
では、解説しましょう。
私が現在関わっている青年の中にも、二年以上も声を発していない青年がいます。
声どころか、顔すら家族に見せていません。
私とはいつも筆談でカウンセリングをしています。
また、人から中傷されたことをきっかけに、自分から人を避け、会話をしなくなってひきこもり、数年
経って会話の要領を得なくなってしまった青年もいます。
この青年は、「挨拶をされてもどう答えていいのかすら分からなくなった」
「声をかけられただけで、緊張から嘔吐してしまうようなこともあった」と言っていました。
前回も妄想、思考停止についてはお話ししました。
この手記の青年も言っているように、妄想の中では超人にもなれます。
昼夜逆転でネット依存になっているようなひきこもりのケースでは、より現実と妄想の区別がつかず、
仮想の世界にいってしまっている危険な状態もあります。
妄想は、考えているというよりもイマジネーション、想像の世界です。
ビジョンとして、そこに遊泳しています。
考える。思索するといったことは、ほとんどやらなくなってきます。
死んでいるみたいに生き、寿命が終わるのをただ待っていた感じでした。
この言葉は、ひきこもり状態の青年たちの心の中をよく言い表していると思います。
ひきこもりは、社会的には「死」を意味しています。
生きていることは、食事や睡眠をとっていれば自然と身体が生命を生かしてくれています。
自分でやっていることは、口に食物を放り込んでいることだけで、あとは全て身体が生命を維持して
くれています。
そういう意味では、生かされているんです。
私たちは大したことはやっていません。
しかし、生きていく。より良く生きていくためには、主体的な努力が必要です。
ひきこもる傾向にある若者たちは、変化への適応が困難な者が少なくありません。
ですから、変化を避けようとします。
また、新たなことへの挑戦は、失敗を伴いますので、失敗からの傷つきを過剰に避け、何もしない
という選択(それがひきこもり)を取ります。
結果、小さな失敗を避けたために、大きな失敗(ひきこもりによる代償)をしていることに気づけない
でいます。
また、時の経過といった変化にもうとくなり、年齢に応じた覚悟、責任感がもてず、自分が置かれて
いる社会的立場の認識ができず、「ひきこもりは何か迷惑でもかけているでしょうか?」と臆面もなく
主張します。
40代で、年金生活者の両親に扶養されていてもです。
依存的にしか生きられなくなっているので、より良く生きていくための主体的努力ができず、まさに
死んだように生きるしかできなくなっているのです。
食事と睡眠をとっていれば、生きながらえることはできます。
しかし、生命は生かされているものですから、それだけではそこに主体的な我がありません。
生かされている意味を自覚する。その意味を実現するためのはたらきをしていくことが生きていく
ということではないでしょうか。
人は様々な価値観をもって、意味を感じ取り、主体的な自由な選択ができる生き物です。
それが人としての尊厳性とも言えます。
その尊厳性を失いかねない、ひきこもるという生き方を見過ごしてはならないのです。
社会的な死の淵にある青年たちを再生(よみがえり)させていくことは、急務の課題です。
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ひきこもりの子をもつ親という病③
今回まで、長期化を招いている原因にもなっている「ひきこもりの子をもつ親という病」について、述べ
てみましょう。
支援のご依頼を受けてから、まず最初に行っていくことは、コミュニケーションの回復です。
社会的ひきこもりの状態に関しての定義に「ご家族以外との親密な対人関係がない状態が
6ヵ月以上続いている状態であること」とありますが、他人どころか、ほとんど親子間でも充分な
コミュニケーション(親密な関係)が取れていません。
数年も話をしていないケースはざらですし、十年以上姿も見ていないといったケースだってあります。
コミュニケーションの回復のために、様々な方法を指導しますが、それを実行に移すまでに、時間が
かかったり、また、実行したものの、「どうでしたか?」というこちらからの確認に対して、「何も変わり
ません」「内の子は、ダメですね」なんてことを、あっさりと言われます。
解決のプロにかかれば、一瞬の如く、数年もひきこもっていたわが子が、いきなり社会参加すると
でも思っておられるのか、解決を先急ぐ傾向が顕著です。
同時に、辛抱が足りない。
「なんと声をかけていいのかが、分からない」というのが多いのですが、声自体をかけられないという
ことも少なくありません。
コミュニケーションが途絶えてしまっている原因は、本人が促しに対しても動こうとしなかったり、家族
からの呼びかけにもだんだんと答えなくなり、次第に親御さんの方も返事がないので声をかけなく
なってしまったことです。
なぜ、親の言うことを聞かないと思いますか?
親を信頼していないということと、子どもは、親の言うことよりもしていることを真似るということです。
いがみあっている父子が、母親の目から見ていると、そっくりということがよくあります。
「あんな親父みたいなヤツにはならない!」と毒突いてる息子が、「最近とみに父親に似てきた」と
母親が感じている話を私は支援の場でよく聞かされます(笑)。
似たもの同士。
どうやら、子どもというのは、残念ながら親の悪い所を真似てしまいがちのようです。
自分が信頼していない相手から何かを促された時、あなたはその通りにしますか?
しませんね。
ですから、こちらの言い分を聞き入れてもらうためには、信頼の回復が先ず必要なのです。
信頼関係を修復していくためには、コミュニケーションが欠かせません。
信頼を築き上げていくことは、大変な作業です。
時間もエネルギーもかかる。
土を耕し、種を植え、育てていくという発想がもてないようです。
即席の解決法を求めてこられる親御さんも少なくありません。
無償支援でも、こと自分たちが動かなければならない解決法だと分かると、その後姿を見せない
親御さんもおられるのも残念ですが現実です。
信頼を回復するためには、痛みへの寄り添い(共感)です。
共感できるためには、理解しかありません。
理解も頭で理屈が分かっても、腹に落とせなければ、行動に移せません。
「肝に銘ずる」「腑に落ちる」と言いますね。
腹くくりが大切だということです。
合点がいくまで、とことん理解していくのです。
そのためには、わが子の立場になって、考えてみましょう。
子どもの目線になれば、良かれと思ってやったこと、当たり前だと思ってやっていたことなどが、
逆にダメージを与えてしまっていたことに気づけます。
理解が深まれば、子どもの今に対してのいらだちも少なくなります。
理由、わけが分かるからです。
ですから、理解することは、親御さん自身のメンタルヘルスにも有効なのです。
腹くくりが出来るためには、「失うものなど何も無し」という精神です。
何か守るものがあると、踏み込めません。
親の面子や沽券に関わると思えば、それを守ることを優先させてしまいます。
結果、行動を起こせず、子どもから「腹に据えかねる」と、逆襲にあうのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年9月10日 15:34
ひきこもりの子をもつ親という病②
前回に引き続き、「ひきこもりの子をもつ親という病」について述べてみましょう。
この病の特徴のひとつは、ひきこもっているわが子の変化は強く求めるのですが、自分自身を変化
させていくということの意識がとても希薄です。
例えば、解決のための手立て、課題を提供しても、なかなか実行に移せなかったり、カウンセリング
に出向く回数が極端に少なかったり、生活習慣そのものを改善していく動きがあまり見られません。
また、口でわが子に何かを促しても、言いっぱなしになってしまっていて、言ったことに最後まで
責任をもつということが少ないようです。
「本人が嫌がることは言いたくないし」というのもよく聞かれます。
これは、嫌がる顔を見たくないという自己都合で、相手(わが子)主体になっていません。
そもそも、ひきこもりから脱するためにわが子に提示していくことは、本人にとってはエネルギーの
かかる、場合によっては不安(怖い)なことなので、嫌な顔をするのは当たり前なんです。
「はーい、分かりました」とならなくて当然なんです。
わが子に変化を起こすためには、先ず親御さん自身が変化していくことが必要です。
山本五十六の言葉でしたか、
「やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
というのがあります。
「やって見せ」が大切なんです。
それからジェームズ・アレンの言葉にも次のような言葉があります。
「人間は、自分の置かれた状況をより良くしたいと望むが、自分自身をより良くしようとは
しない。そのため、かれらは、一生古い自分に束縛されたままである」
わが子がひきこもっていることが通常になってしまうと、現状改善は望むものの、ある日突然何事も
無かったかのように、わが子が動き出すといった幻想を抱いているだけで、今日もまた、昨日と同じ
一日(ひきこもっていることを前提とした)を繰り返すといった生活、生き方になってしまっています。
同じジェームズ・アレンの言葉に
「人々は、自分の思考を隠し通せるもだと思い込んでいる。しかし、それはまず、習慣として
速やかに具現化し、続いて環境として具現化する」
というものがあります。
現状のわが子の在り様は、それまでの両親の価値観の総和によってもたらされたものです。
価値観に基づいた考えが、口癖や習慣に現れ、自分の身の周りの環境ができあがります。
ですから、環境やわが子に変化を起こすためには、両親の価値観の大転換が必要なのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年8月17日 09:18
ひきこもりの子をもつ親という病
「ひきこもり」という現象の中には、様々な問題が重層的にからみあっています。
ですから、改善、解決のための対策としても、ひとつ所への対策では、事態はなかなか進展しま
せん。
未だに多くが、ひきこもっている当事者本人の(だけの)問題にしてしまおうとしています。
その典型が、精神疾患、障害原因論です。
「ひきこもりの多くは、統合失調症である」
「発達障害である」
「パーソナリティー障害である」
「社会不安障害だ」
「生活機能障害だ」
「??????????何これっ?」って、感じです。
そうだとしたら、解決するのでしょうか?
「障害だから治らないですね」で終わります。(そうドクターから言われて来所された方も少なく
ありません)
病気や障害であれば、病を治すしかありません。
病を治すには、病院です。
でも本人が「俺は病気じゃない!」と行きたがらなければ、そこで終わりです。
家族に暴力をふるったり、自傷行為などがあれば、措置入院などの強制入院という対処もあります
が、誰かが血でも流さないかぎり現実はできませんので、それを期待するのもおかしな話です。
ひきこもり現象は、病を抱えているのではなく、“問題”を抱えています。
「病である」に拘るのであれば、それこそ親側に病があります。
何の病かと言うと、「ひきこもりの子をもつ親」という病です。
ひきこもるという行為をしているのは、子どもですが、ひきこもれる環境、状態をつくっているのは、
その親です。
全体的にひきこもりの長期化を強く感じます。
なぜ長期化してしまうのかというと、「ひきこもりの子をもつ親」という病に感染しているからです。
この病の症状を何回かに分けてこのブログで述べてみようと思いますが、今回は、感染しているか
どうかの見分け方。
その一つの判定(診断?)基準を述べてみましょう。
と言っても、わが子がひきこもっていることで既に間違いなく感染はしているのですが。
こういう言葉が出れば(思いがあれば)、感染しています。
「子ども自身がやる気を出していくしかないのだから、親が懸命になってもしょうがない。
言ってもきかないものを動かすことはできない。
本人がその気になるまで時期を待つしかない」
どうですか?
あなたは、この言葉が出ていませんか?
もし出ていれば、この病を治していかないかぎり、確実に長期化してしまいます。
「わが子なんですから、信じて待ってあげましょう」
どれだけこの甘言に惑わされた親御さん方がいるでしょうか。
もしあなたが、この言葉を発した方の支援者であれば、即刻支援者をお辞めになって下さい。
あなたの支援は、「毒」になります。
「信じて待つ」ことは、何もしないことではありません。
秋の実りの収穫まで何もしないで待ちますか?
手間隙かけて、実りの“時期(タイミング)”を待つのです。
それと同じで、わが子の回復力を信じて待つためには、回復力(実りを得る力=解決力)を促進する
手間隙をかける必要があります。
信じている。信頼しているからこそ、手間隙かけることなどおっくうではないはずです。
おっくうな気持ちがもしあれば、病がかなり進行しています。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年8月 6日 09:26
ひきこもりを受け容れきれるために②
前回のブログで、受容のための現実直視をお話ししました。
受容ができない状態は、現実の否認です。
否認は、事態を深刻化させることはもとよりですが、それだけに止まらず、様々な弊害を招きます。
ひとつは、正直さが欠けるということ。
これは、やれないことを認めないということです。
問題を前にして、自力だけでは解決がつかないにも関わらず、「できる」と言い張る。
二つに、素直さが欠けるということ。
これは、周囲から手助けがあっても、その手を振り払い、自分の殻に閉じこもります。
そして、誠実さが欠けるということ。
これは、自分自身にも嘘をつき欺くということ。
自分の問題なのに、自分で責任を取ろうとしないのです。
周囲の好意を裏切ります。
これらは全て、周囲からの援助をみすみす遠ざけてしまいますし、最たるものは、自身の成長を
阻んでしまうということです。
成長がなければ、眼前の問題を解決することはできません。
「ひきこもり」の問題は、精神疾患だ、人格障害、発達障害だというような問題ではなく、現状認識、
現実検討能力、問題解決力の欠如の問題なのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年7月30日 08:45
ひきこもりを受け容れきれるために
何事も「問題」は受け容れきれてこそ、解決へのスタートラインに立つことができます。
不登校やひきこもりが長期化していく背景には、ひとつにはこの「受容」が困難だからと言っていい
でしょう。
それだけに、受容ができれば、問題の半分は解決したようなものです。
「わが子がひきこもりと思いたくなかった」
「考えずにいれば、いつのまにか解決するんじゃないかと思っていた」
こういった声が、当事者やその親から多く聞かれます。
こう思っていれば、どこへも相談にもいかず、何の対策もうちませんので、確実に長期化していき
ます。
受容できるためには、現実直視ができなければなりません。
これが難しい。
目の前の問題が困難であればあるほど、目をそらしたくなります。
現実直視ができるようになるためには、「現実」をどう捉えるかが肝心です。
「現実」とは、現に事実としてあることです。
事実としてそこに起こっていることです。
自分自身の身の上に起こっていることです。
ある原因があって、結果として自身の人生に起こっていることです。
その原因には、自覚できている、できていないに関わらず、自身が深く関係しています。
ですから、自分が責任をもって事にあたるということです。
自己責任です。
人ごとにしてしまわない。
そもそも「問題」というものは、それまでの自分の価値観や能力の限界を超えているからこそ、
問題化(困った事態)しています。
ですから、限界(さらなる成長のための気づき)を知る機会を与えられたようなものです。
歓迎すべきことなのです。
そう考えると、今ある環境(現状=現実の状態)は、常に自分にとって、気づきを得られる最適な
環境と言えないでしょうか。
「最適」であっても、「快適」であるわけではありません。
かえって、自己改善のための“気づき”を得られる最適な状態は、苦しい状態の方が多いものです。
「良薬は口に苦し」です。
そういう意味で、「現実」は、いいも悪いもありのままの自分、これまでしでかしたこと(笑)をはっきり
と示しています。
事実は、何のごまかしもききません。
我が事として、引き受けるしかないのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年7月21日 16:41
ひきこもりを招かない子育て法
何事も起こってからでは、生じてからでは、その改善のために大変なエネルギーを要します。
ひきこもりも不登校も、必ず予兆があります。
ですから、予防が充分可能なのです。
『ハインリッヒの法則』 というものがあります。
これ は、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する
というものですが、ひきこもりに至る前にも、微かな兆しがあり、その背景には多くの異常があります。
背景にある多くの異常とは、主に家庭内の機能不全です。
では、実際に予防していくためにどういう関わりが必要か述べてみましょう。
ここでは、ひとつひとつの方法というよりも、どういう姿勢が大切かを述べます。
一言で言うと、独りよがりの愛情で育てないということです。
「愛情こそ必要だろう」と誰もが思われることだと思います。
「独りよがりの」というところを注意して頂きたいのです。
危ういのが、「情」の部分なのです。
お分かりのように、「情」が入ると、誰しも目が曇るのです。
すると、情に溺れて冷静に適切な関わりが出来ません。
「情深くして情に迷わず」の姿勢が大切です。
そのためには、「愛」で育てましょう。
愛で育てるというのは、大切に、大事に育てるということです。
「猫かわいがり」と言う言葉もありますが、ただただ愛しいということで、そのことがわが子のために
ならないのにも気がつかず、買い与えたり、食べさせたり、世話をやいたりと。
これは、大切にしていると言えません。
また、自分の都合、思惑だけで、子どもの声も聞き入れず、コントロールしようとすることも大事に
していると言えませんね。
愛で育てるというのは、口で言うほど易しくはありません。
ひとつのコツをご紹介しましょう。
「敬愛」を心がけるのです。
「敬」は、慎み、尊重するということです。
子育てにおいては、先ず親の姿勢で最も大切なことは、慎みです。
なぜなら、親の立場を利用して、いらぬことをしてしまいがちだからです(笑)。
慎みの姿勢が足りませんと、驕り、慢心を生じ、わが子をいいように扱います。
年端のいかぬ子どもであっても、一個の人格を備えた尊い存在です。
敬意をもって接する必要があります。
存在、立場を尊重し、心から信頼することです。
そうすれば、子どもの中に自尊心、自己信頼感が育ちます。
そのうえで、自助力を養っていきます。
自助力とは、「自主」 「自守」 「自律」です。
「自主」は、主体的な生き方。
自己判断、自己決定、自己責任ができるように。
「自守」は、自分で自分を守れるように。
過度に失敗や危険を避けさせて育てると、自分を守る術を身につけられません。
「自律」は、セルフコントロールです。
朝起きなどの習慣管理、健康管理、ストレスケアなどの感情管理など。
特に怒りや衝動のコントロールは大切です。
自律ができなければ、自立はありえません。
人のサポートを上手に受けることができるのも自助力です。
周囲からの好意的な手助けまで、振り払ってしまうのがひきこもりです。
予防のための子育て法から、育て直しのヒントをつかんでください。
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不登校を家族の絆で乗り越える②
前回ご紹介したメルマガ購読者の方からのコメントに関し、引き続きお話ししましょう。
このお母さまが取り組まれた中で、大切な3つのポイントがあります。
①行動し続ける
これは、当たり前と言えば当たり前のことなのですが、意外に出来ていないことが多いようです。
「見守る」ということをやっていませんでしたか?
いつも申し上げているように、「子どもを信じて待つ」というやり方は、一番の手抜きです。
子どもの“やる気”に依存した対応です。
子ども次第、あなたまかせになってしまっています。
行動は、手足を動かすことです。
自分は何もせずに、ただひたすらわが子が動いてくれるのを待つのでは、行動していることには
なりません。
だからといって、闇雲に動いても結果は出ません。
すべきでない事を効率よくやることほど無駄なことはありません。
例えば、不登校のわが子を学校に連れていくために、手際よく、見事なまでの連携で、父親が車で
校門まで連れて行き、校門で待機していた二人の教師が、力ずくで教室まで引っ張っていった事例
がありました。
この子は、ほどなくひきこもりました。
あたりまえの話です。
何が問題で、どのような状況にしていくことが最優先で求められるのかを明確にしていくことが
先決なのです。
そして、結果が出るまで(解決するまで)、あきらめず手を打ち続けることです。
②笑顔とユーモアを欠かさない
「笑う門には福来る」
笑える状況になってから、笑うのではなく、笑える状況になるために、強引に笑顔をつくるのです。
ユーモアをまじえるゆとりをもってください。
ゆとりをもてば、寛容さも養われます。
そのためには、視点を多様にもち、大局観でものごとを捉えることです。
学校に戻ることより大切なことはないのか。
バイトを始めれば問題解決か。
そもそも、わが子だけの問題なのか。
本当に心配しなければならないこと、改善しなければならないことは何か。
等を考えてみることで、余裕が生まれてきます。
意気消沈していては、何事も前へ進みません。
そもそも、わが子がひきこもる前に、家庭の中に怒号や罵声がありませんでしたか?
笑い声で、家の中の沈んだ空気を吹き飛ばしてください。
③肝心要は、姿勢・態度
事態の解決のための方法論にこだわるのではなく、重要なことは、事態に向き合う、姿勢と態度
です。
学校に戻すためにどうするかや、働かせるためにどうするかではなく、わが子の痛みに寄り添い、
理解する姿勢がありますか?
子どもが安心して、何事かに挑戦できるための支えができていますか?
目の前の事態を受け容れられていますか?
現実から目をそむけていませんか?
夫婦で、解決のための協力が出来ていますか?
わが子だけを問題視していませんか?
メルマガにご投稿くださったお母さまからのメッセージには、これらの3つのポイントが語られてい
ます。
そして、最後まで希望を捨てないことで結ばれています。
希望は、これからを照らす光です。
即席の解決マニュアルを望むのではなく、労を惜しまず、わが子からのメッセージを読み取って
いきましょう。
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