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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 教育 3ページ目
ひきこもり現象への疑問⑥
それは、変化への適応力に欠ける(柔軟性の欠如)ため、変化への抵抗感、
不安感が強く物事をそのままにしておく(後始末をしない)傾向があり、問題
の先延ばし、先送りをしてしまうからです。
変化することを恐れるため、現状にしがみつきます。
自制心がはたらかず、現実を直視し、受容することができず現状を切り開い
ていくことができません(学習性無力感)。
自律性が失われています。
加えて、親御さんがわが子のひきこもりを受容できず、当人のやる気に
依存し、動き出すのを待つという傍観をしてしまったり、世間体をかわすため
支援機関等に相談にも行かないままになっているためです。
親御さん自身が、変化を望みながら、変化をさせることをためらっているのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年12月10日 22:54
ひきこもり現象への疑問⑤
ここには、自己認識が大きく関わっています。
無条件に自分が受け入れられ、求められるといった実感を得られずにきたため、
自己承認ができていないのです。
人は、ありのままを認めてもらえずにくると、常に自分を取り繕ってしまうように
なり、自身まで欺くようになります。
ありのままを認めてもらえない状態というのは、「条件つきの愛情」で親から接せ
られた場合です。
「条件つきの愛情」というのは、親の期待に応えられたときだけ、愛されるといった
ものです。
これは、無意識のうちにそうしてしまっていることが少なくないのです。
つまり、わが子が期待しているようにふるまってくれているときは、機嫌がいいの
ですが、そうでない場合、途端機嫌が悪くなったり、あからさまに表情が曇って
しまうのです。
勉強やスポーツで頑張ったときには、とても褒めてくれるのが、あまりいい成果
を出せなかったときには、励ましもないといった態度ですと、子どもは「てがらを
立てなければ、認めてもらえないんだ。愛してもらえないんだ」と解釈します。
「いいも悪いも丸ごとは受け止めてはもらえないんだ」と、自分の中に否定する
自己を作ってしまいます。
丸ごとそのままを親から認めてもらえない(愛されない)となれば、健全な自尊心
や自己信頼感といったものは、育まれません。
親からでさえ認められないとなると、他者から必要とされる、好意をもって受け
入れられるといった意識を持ちえず、どこへいっても疎外されてしまうという不安感
がぬぐえなくなるのです。
結果、人を恐れるようになってしまうわけです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年11月 7日 10:15
ひきこもり現象への疑問④
何かに苦悩し、自分では解決がつかない問題を抱えてしまっているのなら、
なぜ、家族や周囲の誰かに助けを求めないのでしょうか?
これまでに、人に傷つき、人自体を怖れているからです。
そもそも、悩みを語れる親友や、心を開ける相手がいれば、ひきこもるような
対処はしていません。
自分にとって他者の存在は、自分の存在に意味を与えてくれる存在です。
ですから、人がその他者との関わりを失えば、ここに生きている存在の意味を
失うということです。
自身の存在自体を恥ずかしいと感じ、ますます人を身近にしないようになり、
悪循環に陥ります。
もともと依存的な性質が強い分、周囲に流される生き方が多かったため、
結果支配、コントロールされた思いが強まっています。
それが被害者意識となり、周囲の声を避けたがるのです。
好意的なアドバイスさえ、指示命令に聞こえてしまうわけです。
もう誰にも支配されたくないんです。
「親も誰も信用できない!」と言いますが、その“誰も”の中には、自分自身も
入っているのです。
だから、現状を打開するための手立てが自分の中にも見出せず、身を隠すこと
しか出来ないのです。
いつも申し上げているようになり長期化は、親御さんが動かないことが原因です。
ですから、なぜ周囲に解決のための助力を求めないかの疑問は、親御さん自身が
自問自答してみることでもあります。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年10月19日 15:54
ひきこもり現象への疑問③
見ていると、何らかの苦悩を抱えているとは思うのだが、だったらなぜ、状況
をより良く改善していこうとしないのだろうか?
こんな疑問もよく聞かれます。
もとより、より良くしようと考えるくらいなら、ひきこもりなどしていません。
そもそも、問題を改善し、解決のために行動していこうとする姿勢がなかった
からひきこもったのですから。
事態からの逃避であり、痛みの回避のためだったわけです。
それは、無力感から来ています。
自分のことが何ひとつ自分ではできない。
さらに、日増しに様々な「できない」が増えてくれば、自己の無価値さ、依存し
家族のの負担になっている「生の無意味」を感じるのです。
無力の自覚と罪悪感は、日を追う毎にその強さを増していきます。
そして、何事にも挑戦することを避けていきだすのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年9月16日 22:51
ひきこもり現象への疑問②
基本、人は自分が「意味」を感じられないことには関心も意欲もわきません。
自室に閉じこもり、対外的な社会生活を送ろうとしない若者たちにとって、
「生きていく」ことそのものに、意味を感じられないでいるのです。
履歴に長い空白があれば、「将来がない」と思い込み、自分の“これから”を
失ってしまいます。
社会的には、死を意味しているような状態です。
そうすると、“今を生きる意味”を見いだせなくなってしまうわけです。
「何かを始めたからといって、これからがあるじゃなし」
そうして、自堕落な生活ぶりが継続していくのです 。
親御さんの中には、「仕事さえあれば、うちの子は普通に働ける」と思っている
方も少なくありませんが、ひきこもり期間が長くなればなるほど、その仕事に
就ける可能性は、無くなっていきます。
「あれば」といった淡い幻想は抱かない方がいいでしょう。
また、仮にあっても(例えば自営家庭)、人の中で働いていけるためのスキルが
欠落してしまっていますので、適切な訓練もなく働くことは非常に困難です。
医療的診断はもらえない「ひとつの障害」を抱えてしまっているのです。
ですから、動けるようにしてあげるためには、「自分にもこれからがあるんだ」
という思いを持たせてあげられる関わりが必要なのです。
「勇気を出して頑張りなさい」といった声掛けだけでは、到底追いつきません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年9月 2日 11:06
ひきこもり現象への疑問①
一にも二にも「現象の理解」ということです。
現象のわけを知り、分かっていくということです。
なぜ起こってしまっているのか、何が起こってしまっているのかをとことん理解
していくことです。
見えるところだけを見て、安易に病気や障がいと印象だけで判断しないという
ことが大切です。
ひきこもりは、あくまでもひとつの現象です。
「ひきこもり」という病気でも、障がいでもありません。
もちろん、原因にそれらがある場合も無くはありませんが、先ずは現象として
捉え、その背後、奥にあるものを探るべきです。
病気と最初から見なしてしまえば、病院へ連れて行くという手段しか考え浮か
びませんし、そう思っても当事者本人を受診させることは、ほとんど叶いません。
連れていけたらいけたで、薬で解決しようとしかしなくなります。
ひと時苦悩を感じなくてすむための眠れる薬はあっても、彼らの苦悩を消す薬
などありません。
思い煩いを消す薬がこの世にあったら、かのお釈迦さまは、菩提樹の下で悟り
を開いて、苦を取り除く教えなど説いて回らなかったでしょう(笑)。
現代はその薬がもうあるとしたら、そこいらじゅう悟りを開いた人ばかりが歩い
ているはずです(大笑)。
理解ができなければ、わが家に起こっている問題を解いていくことはできません
し、適切な対応、関わりができず、新たな問題を生じさせてしまいかねません。
もちろん、長期化も招きます。
一生動けない状態にしてしまうことも十分起こり得ます。
それから、解決までの長い道のり、途中で倒れ(あきらめ)かねないご家族(特に
両親)のメンタルヘルスのためにも「理解」が重要なのです。
最愛のわが子に起こってしまっていることが見えない(分からない)からこそ、
親御さん自身、苦悩を抱え込んでしまうのです。
では、これから何回かに分けて、相談の場でよくある質問にお答えしてみましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年8月23日 07:35
痛みからの回避
何かを試みましたか?
もし、昨日と変わらない一日であったのなら、どうしてそのままにしてしまって
いますか?
きっとこうです。
「明日には何か変化(動き)があるかも知れない」
「いつかきっと動き出す」
これは、時間の経過に問題の改善を委ねてしまっている状態です。
時が経つことで、問題が氷解していくと期待してしまっていませんか?
それは幻想です。
時間の経過とともに、私たちの記憶は薄れていきます。
記憶が薄れた分、苦悩や痛みも和らぐ気がするのです。
失恋の痛手であればそれでよいでしょう。
しかし、ひきこもりを招いた痛みは、そんなものではありません。
恋を失うどころではなく、自分を見失った、喪失した痛みです。
時が傷を癒してくれるどころか、年齢を重ねていく毎に、本来のその年齢に
相応しい経験と認識と実際のギャップがますます開いていくことの苦悩が、
痛みをさらに強めていきます。
「問題」は、解くこと、解決するためのはたらきかけをすることでしか消えては
いきません。
今日は、昨日やらなかった取組み、はたらきかけを必ず一つでもやってみて
ください。
朝目が覚めても、手つかずの問題は、どこにも消えて無くなってはいません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年7月22日 09:00
ひきこもりを止めるのは誰?③
2,3日ならともかく、数年間もの間、声や姿さえ見られなくなればただ事では
ありません。
本当に困ってしまっています。
ではなぜ、全号でも述べたように、本人がひきこもりを脱したいと願っていても
積極的な協力がなされない場合があるのでしょうか。
それは、自身が困っていることだけに意識が向けられ、わが子が困っている事
に関心が向けられていないからです。
困ってしまっているのは当事者本人が一番です。
そもそもひきこもらざるを得ないくらい困ってしまっていることを抱えているのです。
そのことを解決する術を見いだせず、止まってしまっているのです。
よく「本人がその気になったら」
「やる気になったら」
「本人次第だから」
「少しずつ慣れていけば」
といったことを親御さんから聞きます。
「うちの子は大学も出ているから仕事先さえあれば、すぐにでも働ける」
と数年間もひきこもり状態であったにもかかわらず、仰る親御さんもいます。
ハッキリ申します。
無理です。
中には、ひきこもっている間に国家資格を取得し、その後も何年もひきこもって
いた青年もいました。
なぜだと思われますか?
彼らの抱えている困りごとは、徐々に消えていったり、ましてや突然消えたり、
学歴どうこうの問題ではないんです。
日を追うごとにやる気はうせ、不安感や焦燥感、孤独感は高まり、明日をどう
するかさえ、想像力をはたらかせることが出来ず、何事かを動かす(変化させる)
ことを避けようと(怖くて)している状態にあるのです。
たとえ病気や障害ではなくても、数年間もひきこもっていれば、社会の中で生き
ていくための様々な力、資質が、欠落してしまっています。
そこに気づかず、自分の悩み(困りごと)にしか意識が向けられていませんと、
「いつになったら学校に行くんだ」
「バイトくらいしたらどうだ」
「どうするつもりでいるんだ」
といった声掛けになってしまいます。
この問いかけには、どこにもわが子の困りごとへの心向けが表れていません。
そうすると、本人がひきこもりを脱したいという気持ちになっても、
「だったら、すぐにでも自分で働き出したらいいだろう」
となって、結果親御さんは動かないのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年6月15日 13:57
ひきこもりを止めるのは誰?
ですよね?
「あたりまえでしょう」という声があたりまえのように返ってくることでしょう。
ですが、現実はそうもいきません。
「えっ、なぜっ?」と思われますか?
動く気になれば、動き出せるくらいなら、もとよりひきこひもってなんかいません。
動きたくとも動けない状態になるのが、「ひきこもり」という現象なのです。
ですから、本人がひきこもりを脱したいと思い立っても、本人の意志だけでは
止められないのです。
では何が必要なのでしょうか?
つづく
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年6月12日 18:56
ありのままに受け入れる
を常に述べていますが、受け入れるということを具体的に説明してみましょう。
他でもないわが子がひきこもったということ、まさにわが家に起こったその経験を
受け入れられないでいます。
しかも、それが起こった原因の一端を自分が担ってしまっているという事実を見
過ごしています。
受け入れるということは、「気にしない」とか「平気でいられる」ということではなく、
その経験によって、「自分が成長できるための学びを得られる」と受け止めると
いうことです。
また、自分が原因作りに一役かっているという自覚がなければ、現状の改善は
見込めないどころか、再び同じことを繰り返し、結果解決を自らが引き伸ばして
しまうことになります。
『起点の過誤』でも述べたように、ありのままの現実からスタートしなければ、
事実を否定していては、改善、解決には至りません。
同時に、自分を受け入れるということも大切です。
自分を受け入れるというのは、原因の一旦を担った自分を決して審判せず、責
めず、経験からの学びを得る過程で、ありのままに自分の過誤を認めるという
ことです。その自己受容があって、自己変革(成長)が可能となるのですから。
より良く成長するために、現状の不足、不備を省察するということです。
これらを成し得た親御さんの家庭では、本来の親子の絆を取り戻し、長い長い
ひきこもりから脱することを可能にしていっているのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2015年5月15日 14:07
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