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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 教育 13ページ目

親の学びとは?

時おり、「親が変わっていくために学ぶことの大切さは分かるのですが、子どもが不登校やひきこもり

になっていない家庭の親は、こういうことを知っているのでしょうか?」と訝しげに尋ねられることがあ

ります。

 

 

前回の父親の手記にもあったように、当協会では、親御さんの学習にかなりの時間を費やします。

それは、わが子の状況、状態を理解することで、痛みへの寄り添いを実行していくためです。

そういった中で、先のような疑問が投げかけられるのです。

 

 

私はいつもこうお答えしています。

「もちろんほとんどの親は、皆さんが今学習しているようなことは知らないまま子どもを育てていま

す。知らなければわが子が必ず不登校やひきこもりになるというわけではありません。

だからといって、子どもが自然に育っていれば必要ないというわけではなく、ご両親にとっては必要

だということです。

なぜなら、まさにわが子が何ものかを抱え、もがいているからです」と。

 

 

体の健康のことを考えてみてください。

特別治療を要するほどの病気になっていないからといって、そういった人たちが健康への詳しい

知識を学習していて健康を保っているわけではありませんよね。

しかし、さすがに病気ともなれば病院にも行き、治療法に関し多少なりとも学習しますね。

めだった病気がなければ、何らの学習は必要ないというわけではなく、健康を維持、増進するため

には、知識の習得、養生法や健康法の実践をやった方がいいんです。

 

 

そもそも健康に甘んじているのが不遜な態度なんです。

自分の努力で健康なわけではなく、体が健康を維持してくれているんです。

私たちがやっていることは、口に食物を放り込んでいるだけです。

後は、栄養の吸収、排泄、解毒からすべて体がやってくれています。

でも、そんなことも考えず、健康であることがあたりまえと思ってしまっていないでしょうか。

 

 

わが子が心身ともに健やかに育ってくれているのも、あたりまえではないのです

子どもの成長力、自浄作用などで育って頂けたんです。

ですから、子どもが非行や不登校やひきこもりになってないからといって、そこにあぐらをかいて

いると、大きなしっぺ返しがあります。

親の懸命な努力によってそうなっているわけではないのですから(笑)。

 

 

大学を卒業してひきこもるまで、非行も不登校も全く無いといったケースもあります。

わが子が社会人になってから、度々頭を悩まされるというケースもありますし、結婚してから悩まさ

れるケースだってあります。

めだった心配もせず暮らせているというのは、奇跡に近いんです。

 

 

私たちは、とかく何か派手な喜び事がないと、ラッキーを感じませんが、無事であることこそ、ラッキ

ーなことなのです

多くの事が重なりあって、連なりあって、無事が維持できているんです。

見えないところ、気づかないところで、ラッキーが積み上げられているんです

だから、「お蔭さまで、ありがとうございます」という姿勢が大切なんです。

 

 

そういったことから、実際にわが子が不登校やひきこもりになってしまった家庭では、親御さんは

なおさら懸命な学びが必要です。

「子ども自身の問題なのに、なぜ親が学習やカウンセリングが必要なんですか?」と言っている内

は、何も変わりません。

わが子が身を挺して学ぶ機会を与えてくれているのに、みすみす親として成長するチャンスをほうり

捨てているようなものです。

 

 

反省心の強い親御さんの場合、過去の懺悔から、わが子に厳しいことが言えなくなっていることが

多いようです。

しかし、これでは問題は解決しません。

育て直し再教育が必要である不登校、ひきこもり問題では、親御さんの家庭での関わり方が大変

重要となってきます。

もちろん、過去と同じ轍を踏んではいけません。

同じ誤りを繰り返し、新たな傷を与えては身もふたもありません。

だからこそ、学びが必要なのです。

 

 

また、これまで適切な関わりができなかった背景には、子育てにおいて後ろ盾となる精神的支柱

持ち得なかったからです。

その場その場で、何ものかに照らし合わせて考えてわが子に接するのではなく、「自分はこう育てら

れたから」という感じで接してはいなかったでしょうか。

「これで良かったかなぁ?大丈夫かなぁ?」と不安げな態度をとることはなかったでしょうか。

 

 

潔く自分の中でこれまでを反省すれば、懸命に学ぶことで、これまでのことは棚に上げて(笑)わが子

に接していけばいいのです。

問題解決のために、何を優先させるべきか、どう関わるべきかが分かってきます。

自信はなくても、学ぶことで子どもに積極的に関わっていく勇気を出せます。

 

 

両親の成長は、必ず子どもに好影響を与えます。

延いては、問題の解決へつながるのです。

成長というのは、何も完璧な親や人格者になるということではありません。

生きていくことに、より豊かさや幸福感を味わえるようになっていくということです。

ゆとり潤いを得るということです。

 

 

そうなるための学びを進めることで、わが子の育て直し絆の結び直しがはかられるのです。

その機会をわが子が与えてくれているというわけです。

 

 

 

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親子の絆の結び直し

私共が関わったあるご家族のお父さまから手記がよせられました。
承諾を得て、全文を掲載させて頂きました。

******************************************************************************

「本当は、●●の山で人知れず死ねばよかった。」

と娘の衝撃的な本音を女房から聞かされてのは、彼女が●●の大学を中退して●●へ戻って来た

4年前でした。

 

それから、娘は次第に何をするにも消極的になっていきました。

戻ってきた当初は、時々外出することもあり、親として活動的になって欲しい一心で自動車運転免許

を取ることを勧めましたが、それも自動車学校へ入学して最初の一日でつまづき、それっきり通うこと

もありませんでした。


 
又、自信を付けたい為に始めたダイエットも失敗に終わり、自信喪失を加速させる結果となり、

とうとう完全な「ひきこもり」状態となりました。
 
 

それまでに、よかれと思って大学の心療内科や精神科のカウンセリングを受けさせましたが、逆に

他人との接触を拒絶する傾向がひどくなる一方で、回復の目途さえ立てられない状況に陥りました。

 

その当時は、娘は家族さえ顔を合わせることすら拒み続け、家庭の中が重苦しい毎日でした。

 

NPO法人 「地球家族エコロジー協会」をインターネットを通じて知ったのは、「なんとかしなければ」

と焦っていた2年前のことです。

 

最初の1年間は、ひきこもっている娘の内面を理解する為に、これまで親としてどう子供と接して

きたかや、気付かずに親として「支配的、強制的」に振舞うことで、どれ程の精神的な苦痛を娘に

及ぼしてきたかなど、これまでの家庭生活のなかで、気付きもしないことを省みる貴重なカウンセ

リングを女房と共に受けさせて頂きました。

 

娘の精神年齢が止まってしまった状態を戻すには、娘 本人の問題だけでなく、我々親がどう子供の

成長の為にどう考えて、どのように接すれば良いかを学ばせて頂くことができました。

 

ひきこもりを始めた当初、ごく普通のサラリーマンの家庭で育ち、息子と同様な育て方、接し方をした

のに「何故、娘だけがひきこもりに!」と自問自答しながら苦しんでいましたが、1年間の女房と一緒

に通ったカウンセリングを受けて、ようやく親として至らなかった部分の多さに、気付かされました。

 

1年間の親としてのカウンセリングが終わり、娘一人のカウンセリングが始まりました。

その後、娘の強い要望と家族内での話し合いで、今年から自立の為に一人でアパート暮らしを始め

ました。

 

今では、あれほど嫌っていた女房とも気軽に話すこともでき、時々家族そろって映画やショッピング

へ行くこともでき始めました。

自転車で市内の図書館や買い物に出かけることが多くなり、今では体重も徐々に減り始めたことも

あり、彼女自身の自信もつき始めているようです。

又、最近働きたいと思い始めているようでフリーペーパーの求人誌を見ているようです。
 
 

今は、まだ完全な自立には至っていませんが、子供が自立できるためにできる限り世話をやかずに

自主性に任せることが、一番良い事だと女房と話をしています。
 
 

4年前の行き詰った家庭生活にも、ようやく明るい兆しが見え始めた今日この頃です。

本当にありがとうございました。

 

******************************************************************************

このご家族にも長い戦いがありました。

ご家族それぞれが共に苦しんできました。

でも、支えあえたのもまた家族です。

 

 

私は、先ず「子どもたちを理解するところから初めてください」とご両親に申し上げています。

理解というのは、何も子どもの言い分を全て聞き入れ、安心してひきこもれる環境を与えるといった

ような類のまやかしではありません

 

 

ひきこもるという状況、状態を理解してほしいということです

なぜ、ひきこもるという生き方を選択したのかを理解てしいくのです

必ず原因、理由があります。

 

 

もちろん、子どもたちは全てを語ってはくれません。

中には、親への暴力という形でメッセージを発信している場合もあります。

 

 

そこから少しでも理解していくためには、親自身の学びが必要なのです。

親が変われば、子は変わる」とよく申しますが、そう簡単にはいきません(笑)。

正確に申しますと、「親が変わって、子どもに気づきを与えることができれば、子は変わる」です。

気づきを与えられなければ、親の期待をよそに子どもは少しも変わってくれません。

 

 

そもそも子どもが変わることを期待して何かを始めること自体が誤っています

そうなるとあらかた「こんなに努力してるのに、いい加減にしてっ!」とグチが出て、もとの木阿弥

です。

自分がより良く変わることを考え実行していれば、結果的に子どもに気づきを与えられます

何をどう変えるのかが重要なことなのです

 

 

このご両親は、娘さんに問題意識をもたせ、自らの意志で前へ進ませるまでに一年かかりました。

学びを深め、親御さんが成長していくことで、本人自身が第三者のところへ出向くようになるのです。

ご両親だけではなく、お兄さんの支えもありました。

本人への働きかけは、家族はもとより、本人を小さいころから知っているおじさん、おばさん、従兄弟、

近所の知り合いでもかまいません。

これまでも、本人を子どものころから知っている近所の方に協力してもらったケースもありました。

理解者であれば、協力して頂ける人員は一人でも多くいた方がいいのです。

 

 

本人自身が、ひきこもりを脱したい。前へ進みたいという意志がでなければ、無理にどこかへ連れて

いっても意味がありません。(もとより行きませんが)

両親による本人への意識づけは、家庭内暴力がある場合でも可能です。

コミュニケーションの回復から始まり、信頼関係の再構築によりそれが可能となるのです

 

 

もちろん、それらをどうやって実現するかは、学習がなければ難しいものです。

「コミュニケーションを取ってください」「自信をつけさせてください」といったアドバイスを医療機関など

からもらっている事をよく聞きますが、具体的にどうやってそれをするかの指導がなく、ほとんど失敗

に終わっています。

 

 

本人のみを問題視している間は、長期化するのみで解決に至りません

「わが家の問題」と両親が認識し、痛みへの共感的理解による寄り添いによって、子どもたちは、

最初の一歩を踏み出せるのです

 

 

手記の中にもあるように、特に葛藤の激しかった母親とも行動を共にするほどコミュニケーションも

すっかり回復しています。

絆の回復です。

 

 

最後に申し添えておきますが、この娘さんのひきこもりの根本的原因は大学中退ではありません。

プライバシーに関わることですので申し上げられませんが、中学以前からそれはすでに始まって

いるのです。

子ども達の笑顔が戻ってくるのも、親御さん次第なのです。

 

 

 

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薬物汚染報道

タレントの酒井法子が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕され、その直前には俳優の押尾学が

麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕されました。

 

 

これをきっかけに、テレビなどでも様ざまな報道がされていますが、この薬物汚染は、芸能界のみな

らず、驚くなかれ一般市民、それも小中学生にまで及んでいるとのことです。

昨年の逮捕者の44%、4837人は初犯ということですが、興味本位からの安易な使用が増えてき

ているようです。

 

 

私がおります福岡でも、地域がら外国人や暴力団から簡単に手に入れることがてきるらしく、青少年

たちへも蔓延していると聞きます。恐ろしいことです。

 

 

薬物依存などの依存症の本質には、虚無感空虚感喪失感無力感といったものがあります。

家族依存症」とも表現されるひきこもりも中身は全く同じです。

 

 

薬物依存は、先にあげた虚無感などからくる恐怖心をごまかすために薬を使います。

家族依存症は、そもそも必要な愛情を得られなかった虚無感や自分自身の存在の喪失からひきこ

もっていますから、愛情そのもので埋めあわせようとします。

しかし、その愛情の求め方は歪んでおり、そのため与えられる愛情もまた歪んでいるのです。

 

 

自分が親や周囲から求められていない、愛されていないと思い込んでいる子どもたちは、自分の

世話をやかせることで、愛されているという実感を得ようとします。

また、理不尽な要求を突きつけ、それを叶えさせることで、見捨てられていないという安心感を得よう

とします。

また、進んで親の人生に取り込まれ、親の期待に沿うことで承認を得ようとした子どもたちは、自己

を喪失してしまうのです。

 

 

そこまでして自分への愛情を確認しようとしてしまうほどの虚無感は、実はその親自身の虚無感か

ら来ていることが多いのです

 

 

自分が価値ある者と教えられなかった親たちは、子どもに否定されることの一切を避けようとし、

わが子におもねる生き方を選択します。

要求されるもの全てを与え、そのことで親としての承認を得ようとするのです。

また、逆に自身の欲求のためにわが子を利用し、自分の人生に取り込み、支配することで無力さか

らの痛みをぬぐいさろうとし、自己の存在を確認しようともします。

いずれも親自身が、周囲から必要とされ、価値ある自分を自覚できないまま人の子の親となってし

まったことでの悲劇です。

 

 

酒井法子は、早くに母親と死別し、その後父親も事故で亡くし不遇の時代があったようですが、清純

派アイドル、清純派女優と賞賛され、虚構の世界で真実の自分を見失いむなしさを感じていたのかも

知れません。

 

 

薬物依存は、人格を破壊します。

家族依存は、相互に依存しあう、貪りあうことでしか自己を実感できないという、歪んだ愛情により、

個々の独立性が保たれたうえでの家族の統合性が破壊されてしまうのです

 

 

 

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アンケートから

先日の小学校での講座のアンケートが届きました。
一部を抜粋し、ご紹介します。

 

中1ギャップ(不登校が中学で3倍に急増すること)についての内容が特に印象に残りました。

お話を聞いて、教師という仕事だけでなく、将来自分が子どもを育てる時にも役立つので、本当に
勉強になりました。

「ありのままの自分を愛して欲しい」という言葉が印象に残りました。
成功した結果はもちろんのこと、その過程や自分自身を認め愛して欲しい。そう言葉にすると改め
て自分もそう思っているなぁと気づかされました。

家庭でのようすが子どもに存在そのものへのコンプレックスを与えてしまい不登校につながるという
ことが印象に残りました。

不登校にならないように予防していくために、自己表現と他者理解の二つを伸ばしていくという点は、
すぐに実践できる支援として、お聞きできよかったと思います。

子ども達を承認することの大切さとその時の視点を具体的に教えて頂き大変ありがたかったです。

弱い子に対し、どんな支援が必要か分からず悩んでいたところでした。
とても勉強になりました。

私自身、不登校の子どもが心が弱いことが原因と考えていました。
しかし、後天的な理由、自分自身の存在にコンプレックスを抱えているという背景があることに驚か
されました。

父親の存在の重要性のお話は、自分の経験これまで担任した子ども達のことを思い出し、心に
染みるような感じがしました。

「承認=信頼・期待 それはありのままの自分を認めてらうこと」
「その子の存在そのものを認めることが大事」
マリア・テレサの言葉「子の世の中で一番不幸なことは、無関心でいられること」を思い起こしました。

学校現場の状況を考えがちな不登校の原因を広い視野で考えることができました。

 

 

不登校問題はとかく学校という制度への反発といったことを原因として捉えられがちですが、実際
は、管理評価といった世界への抵抗感、恐怖感からの身悶えであるのです。

 

 

建設的なひとつの選択肢として、意図的に不登校をやってのけた子どもにお目にかかったことのない
私は、現行の制度としての学校を選択しないことでのリスクを考えていない不登校容認派の親御さん
方には、疑問を 抱かざるを得ません。

 

 

先生方もそれまでもっておられた不登校児童へのイメージと違うイメージを感じられたようで、新たな
視点の提供ができたのではと思います。

 

 

学校でできる予防策として、子どもたちのそれぞれの個性を認め、育てる教育。
それどれの独自性を認め合える環境を作っていただきたいことを提案させていただきました。

 

 

 

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福岡県青少年問題地域講座にて

昨日、福岡県青少年問題地域講座で福岡市立席田小学校へ行って参りました。

十数名の先生方を対象に「~不登校児を出さないために~」というテーマでお話ししました。

 

 

講座の最初に私は、先生方がお持ちの一般的な不登校児へのイメージを伺ってみました。

精神的に強くない子

劣等感をかかえている子

口数が少なく大人しい子

自分の考えに囚われやすい頑固な子」等など

色白な子」という面白いイメージもありました。

 

 

イメージを尋ねてみたのは、実際の不登校児の内面的特性をより認識して頂きたかったからです。

不登校の問題は、その名称から学校に行かないことが問題視されてしまいますが、そうであれば、

学校に戻すことが至上命題となってしまいます。

はたしてそれで解決したとみなしていいのでしょうか?

 

 

私共のところには、不登校を過去に経験したことのある長期ひきこもりの青年や、社会生活を送って

はいても、不明瞭な生きにくさや息苦しさを感じながら毎日を生きている、やはり不登校を経験した

ことのあるAC(アドルトチルドレン)の方たちのご相談が絶えません。

これらの方たちは、一応にひとまず学校に戻っているのです。

いや、うかつに戻ってしまったと言っていいかも知れません。

そのために、それまでの問題が解決、完了したとみなされてしまったのです。

 

 

不登校は、何らかの原因で学校という環境に一日身を置くことができなくなってしまっている子ども

たちの状態です。

ですから問題は、その原因、理由です。

何が子どもたちの中に起こって、一日を学校(教室)で過ごすことができなくなってしまっているのか

を知り、それを解決してあげなければなりません。

 

 

問題とすべきものを見誤ってしまうと、なされる対策法がすべて徒労に終わるどころか、新たな問題

まで生じかねません。

何事も問題の解決にあたっては、先ず何が起こってしまっているのかを認識する必要があります

「どうしよう」という方法論は、起こっている事が見えなくては適切なやり方が見い出せません。

学校に行けないというのは、症状のようなもので、大事なのは、患部はどこかということです。

子どもたちの中に起こっていることは何なのか。ということが重要なのです。

 

 

 

 

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たらちねサポートに参加すると・・・③

今日は福岡エリアのたらちねサポートでした。

毎回、学習会や交流会の時間に涙を落とされていた方が、帰るときには笑顔が戻り、参加者同士で

話がつきない光景が見られます。

主催側としても、共通の課題縁で出会った方々が、共に励ましあう姿を見ることは、とてもうれしい

ことです。

 

 

当事者家族の皆さんは、目の前の現実に困惑し、何をどう進めていけばいいのかに戸惑われて

おられます。

「どうしたものやら・・・」と悩む前に、何が起こっているのかを知る必要があります。

わが家の有事にどう対処していけばいいのかが分からず、ただただ思い悩んでしまうのは、子育て

のみならず、生きていくうえにおいてのバックボーンを持たないからです。

バックボーンというのは、精神的支柱です。

心の拠りどころとも言えるでしょう。

 

 

生きていくうえで私たちは、様ざまな困難にあい、苦悩することがあります。

今目の前にあるわが子の現状もまさにそうです。

しかし、この困難の中にあっても、自分に与えられた課題、試練と受け止め、その先にある、問題の

解決、自身の成長、家族の絆の回復をイメージし、学びを深めていく。

トラウマティック・グロウスという考え方を当協会では勧めています。

 

 

また、あたりまえのことも与えられた恵みと受け止め、「お蔭さまで」と蔭ながらの支えに感謝する。

なんでもない無事にも感謝、子どもの笑顔にも感謝。

子どもが笑顔でいてくれることは、決してあたりまえではないんだ。

笑顔でいられるように親が努力してこそなんだ。

それが十分できていなくても、笑顔でいてくれたことは、本当にありがたいことなんだ

と、考えてみましょう。

その謙虚さが、学びの姿勢を養ってくれます。

 

 

お蔭さまで、ありがとうございます」を口癖にして、自分自身が、わが子を蔭ながら支えていく

お蔭さま」になっていきましょう。

わが子に問題が起こるということは、親としての役割を学ぶ必要、意味があるからだと心得て、

この子の親であることを噛みしめてまいりましょう。

 

 

たらちねサポート(自助会)では、現実の困難な状態から、決して目をそらさず受容し、様ざまな問題、

課題の解決を通して、本来の親子の絆、家族の笑顔を取り戻していくために何が必要かを学び、

生きていくうえでの心の拠りどころを得られるのです

 

 

自燈明という経文をご紹介します。

 

おのれこそ

おのれのよるべ

おのれを措きて    誰によるべぞ

よくととのえし     おのれにこそ

まことえがたき    よるべをぞ獲ん

 

 

よるべとは、救い手のことです。

自らが自身の救い手、燈明となりたいものです。

 

 

 

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たらちねサポートに参加すると・・・②

前回お話しした受容現実直視ができないということは、「否認」するということです。

事実を無きものとして目をそらし続けることです。

はたしてそれで、目の前のわが家に起こっている問題が、どこかへ都合よく消えてくれるでしょうか?

もちろん、どこへも行きません。

それどころか、事態はよりこじれ、深刻化していきます。

 

 

否認」によって失われるものに、正直さ素直さといったものがあります。

これらが失われると、学びの姿勢が出てきません。

事実をもって是を示す」で、目の前に起こっている出来事には、すべて必然的な理由、原因が

あります。

ですから、あらゆることから気づき、学ぼうという姿勢があれば、すべてを受容することができます

学ぶことで、自分を成長させることができるからです。

 

 

「人生に問いかける」と申しますが、そういう意味では、私たちは、反対に人生から問いかけられて

いるのです。

現実に起こっていることから、何を問いかけられているのか、何に気づかなければならないのかの

答を導き出さなければならないのです

わが子の不登校、ひきこもりが教えてくれているものは何か?

その理由、原因は?

 

 

子どもたちは、心に何ものかを抱え、苦悩し、留まってしまっています。

子どもたちへ寄り添うためには、理解が必要です。

痛みへの共感と現象への理解です。

そのためには、見えないものを観る眼が養われていなければなりません。

 

 

心は臓器ではありませんから、目には見えないものです。

物が動いて風があるのが分かるように、わが子の表情、仕草、行動などから心のシグナルに気づき、

そこに含まれるメッセージを読み取っていかなければなりません。

 

 

人は、自分が認識しているもの以外は、目にしても適切に把握できません。

食した過去の経験、認識があるからこそ、それが食べ物だと把握できるのです。

不登校、ひきこもりという現象への認識、理解があってこそ、わが子に現れていることから、隠されて

見えない問題を読み解くことができるのです

そのことは同時に、自己洞察を深め、自分自身や家族がこれまで以上により鮮明に観えてくるという

恵みを与えてくれます。

 

 

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ドラマ「アイシテル」に思う

一昨日「アイシテル」というドラマが最終回を迎えました。

ご覧になったでしょうか。

小学生が殺人を犯すという重たいテーマでしたので、最初は「なんてドラマだろう」と思っていましたが、

内容を観ている内に、私が関わってきた青少年たちからも同じような言葉を幾度と無く聞いてきたの

で、最終回まで毎週観てしまいました。

 

 

加害者の少年が、過ちを犯してしまった背景には「承認」と「確認」というキーワードで表せる問題が

あります。

「承認」というのは、親からの期待信頼です。

「確認」というのは、親の関心です。

 

 

子どもたちは、ありのままの自分に期待してほしいという思いがあります。

ありのままというのは、うまくいこうが、いくまいが、勝手に結果を想定して期待するかしないかでは

なくて、結果に関係なく期待してほしい。

万が一うまくいかなかったからといって、期待することをやめないでほしい。

という思いです。

親の期待に応えた時だけご褒美(賞賛)をあげるのを、条件つきの愛情と申します。

子どもは、そのままでは認めてもらえないと感じてしまいます。

 

 

信頼は、何度失敗しても信じてほしい。

たとえ他人に疑われるようなことがあったとしても、親だけは最後まで信じてほしい。

といったものです。

あてにしてないから、せいぜい頑張りなさい

こんな言葉をかけていませんか?

信頼してもらえない自分は、価値のない存在だと判断します。

 

 

関心というのは、自分のことに常に親が関心をもってくれているだろうかという気持ちです。

子どもの興味や、今やっていること、学校のことや交友関係、全く知らない親もいます。

干渉するわけではありません。

関心を示すということです。

「いつも興味深く見守っているよ」というシグナルをかねてから送っておくことです。

 

 

ドラマの少年も母親から、「お帰りなさい」を言ってもらえなかったり、父親には義務的(仕事のように)

にキャッチボールをされたりしたシーンがありました。

また、中学生の被害者の姉は、被害者である弟がいつも両親からかわいがられ、自分が疎んじられ

ていると感じ、ずっと悩んでいました。そして、「弟なんか消えてしまえばいいのに」と思っていた矢先

に事件にあい、本当に消えてしまったのです。

この姉は後に、加害者の少年の気持ちも分かるところがあったようです。

いずれも、「自分は愛されていない」という心境にまで至ってしまったのです。

 

 

親元へ戻ってきた加害者の少年が、自分のために家族に取り返しのつかない迷惑をかけたことを

悔やみ、「生まれてこなければよかったんだ」という言葉を発しました。

子どもは時に、親の期待に応えられない自分を否定したり、自分の事で喧嘩をする両親を見て、

「自分がこの家にいなければ喧嘩しなくてすむ」と考えたりします。

 

 

私たち親は、気がつかないところでわが子の存在そのものを否定してしまっていることがあるのです。

加害者の母親が「生まれてきた命には意味がある」と叫ぶシーンがありましたが、命の意味を

教えていく教育が必要な気がしてなりません。

当事者向けのブログも是非ご覧下さい。

http://forum-hokushin.weblogs.jp/blog/2009/06/post-5cbe.html

 

 

 

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見えないものを観る眼

私が講演や講座で心がけていることは、かねて関わっている青少年たちの生の声を伝えることです。

そういう意味では、すべてが体験していることばかりです。

私自身かねて父親業をやっていますので、彼らから聞かされる内容は、身につまされる思いでいつも

います。

この子達が味わったことを、わが子に同じように味わせることをしていないかと心配になることも度々

です。

それほど、親が気づかないところで子どもたちにダメージを与えていることがあるのです。

 

 

相談や質問などで「子どもたちの心が見えない」とは、しょっちゅう聞かれることです。

しかし、子どもたちはハッキリ伝えてくれています。

認めてほしいだけです」と。

 

 

マスローの欲求階層論というものがあります。人は食欲や性欲といった「生理的欲求」が満たされ

て、恐怖や不安からの自由「安全欲求」を満たそうとし、安全が確保された段階で自分の居場所を

求める「所属と愛の欲求」が生じ、そして次に周囲から評価してほしいという「承認欲求」を充足させ

ようとします。

欲求階層論については、無料レポートに詳しくありますので、是非ご購読ください。

 

 

不登校やひきこもりの青年たちは、生理的欲求こそ満たされてはいますが、幼年期に安全を

脅かされ、学生でもない、社会人でもない無所属派となり、疎外感を感じながら周囲の評価に怯え

ていま

家庭にも居場所を失った子どもたちには、安全な帰る場所が必要です。

そしてそこでは、ありのままを認めてあげる環境が求められます。

 

 

褒めて育てる」とよく言いますが、褒め言葉はなかなか難しいものです。

だったら認めてあげましょう。

承認とは「期待」と「信頼」です。

物事を頼み、任せ、尋ねることをすれば、わが子への期待と信頼が伝わります。

何よりもわが子に「ありがとう」が言えます。

 

 

「ありがとう」は相手への絶対肯定の言葉です。

「ありがとう」を言われなれている子どもたちは、「自分は必要とされている」「自分には価値がある」

という健全な自尊心が身につきます。

逆に「ありがとう」を言われずにきた子どもたちは、何に対しても自信をもてないでいます。

 

 

子どもたちが求める「期待」と「信頼」はあるがままに期待してもらいたい、そのままで信頼してほしい

ということです。 

子ども達が承認をどれだけ求めているかは、自分自身がわが子にどれだけそれを求めているのか

を考えてみるとわかるでしょう。

 

 

親として信用してほしい。

親を頼ってほしい。

でもわが子は、「親なんかあてにしていない!」

「いつも裏切られるから信用できない!」

「どうせ信じてくれないから!」

と嘆きます。

 

 

その言葉に、どれだけ親としての自尊心を打ち砕かれたことか。

「どうして親の気持ちを分かってくれないのか・・・」

子どもたちは、同じ思いを経験してきたのです。

 

 

わが子の心が見えるためには、見えないものを観る眼が必要です。

子どもの行為、行動の裏にあるものを観察、洞察する眼です。

見えているものだけで、判断していませんか?

「学校に行きなさい!」

「とっとと働きなさい!」

「ダラダラするなっ!」

 

 

子どもたちは言います。

「なぜ気づいてくれないのっ!」

 

 

気づきは発見です。

行為に隠された意味を読み取る感性です。感情に共鳴し実感することです

 

 

ありのままを認めてあげるひとつのやり方をご紹介しましょう。

子どもが考えたり、意思表示をしたり、何かに取り組んだ時、

「スゴーイ!」

「さすがだね~」

「すばらしい!」

「なるほど~っ!」

「こりゃ、おどろいた!」

「いやぁ、勉強になったよ!」

などの言葉をかけてあげてください。

感心できる感性が大切です。

 

 

考えずに感じてみてください

 

 

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5月福岡たらちねサポート

昨日は福岡エリアの「たらちねサポート」でした。

ちょうど母の日でしたが、一組のご夫婦と5名のお母さん方が参加されました。

 

 

この〈たらちねサポート〉事業は、自助グループの形態を取ります。

自助」というのは、自らを助ける自らが助かるという意味ですので、単なる当事者同士の交流の場

ではなく、どう自分を支え、問題を解決していくかを学びあう場です。

そこには自己責任に基づいた主体性の発揮が求められます。

 

 

わが家で起きている目の前の問題(不登校やひきこもり)を自覚できている親御さん方が、その解決

のために、決して目をそらさず、真正面から問題、課題に向き合っていく。

問題を受容できてこそ、解決のためのスタートラインに立てるのです。

 

 

血縁、地縁を超えた、問題縁課題縁によって初めて出会った親御さん同士が、共に解決を目指して

認め合い、励ましあい、支えあって会を運営していきます。

 

 

この自助会には、大きく三つの目的・機能があります。

(1)分かちあい  これは、縁を大切にし、互いの痛みへの共感、解決のための有益な情報の共有

です。子どもの状態をより理解することで、わが子へ寄り添うことが出来ます。

(2)ときはなち   これは、罪責感などによって押し込められた心を解放し自分だけの考え(我執)

から離れる。 自分を許し、自尊感情を取り戻すことです。

(3)ひとりだち   これは、責任転嫁の連鎖を止め、自分を深く観察し、成長させていくことです。

 

 

これらの機能により、謙虚さ、素直さ、正直さ、誠実さ、豊かさ、感謝、意欲、自尊心、奉仕の精神

といった心性が養われ、長期化をくい止め、解決が促されるのです。

 

 

 

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5月15日 (要予約 0120-870-996)
熊本市青少年センター(熊本市新屋敷1-18-28)を使用させていただきます。
熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

5月14日 (要予約 0120-870-996)
八代市厚生会館  

 

5月15日 (要予約 0120-870-996)
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【北九州出張相談会】

5月20日 (要予約 0120-870-996)
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