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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 教育: 2008年12月

新年を前にして

この記事が、今年最後となると思います。

今日は一日がかりでクリスマスのイルミネーションの片づけをし、明日は大掃除です。

明後日は実家へ家族と帰ります。長女、二女は正月も仕事だそうで、本当にご苦労様です。

 

先日、新聞で情けない記事を見ました。

大分にある宇佐八幡宮の古札納札所に、生ゴミや関係ないゴミが投棄され、今回から廃止されると

いった記事です。宇佐八幡宮は、全国の八幡神社の総本宮です。

大分の教育委員会の教員不正採用が今年発覚されましたが、なんとも嘆かわしいニュースばかり

です。大分県民の皆がそういう人間ではないのでしょうが。

他の神社でも同じような状況が増えてきているそうですが、日本人のモラルはどこへいってしまったの

でしょうか。

 

ご神札とゴミを一緒にできる神経が理解できません。

お札をモノと見ているのでしょう。古くなったからゴミに出す。そこに何のためらいも無いのでしょう。

 

伊勢神宮に参拝した折に西行法師によって詠まれた有名な歌があります。

何事のおはしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる

大自然の息吹に生命力、意志を感じ、恐れ畏む感性が今の日本人に無くなってきている気がします

 

以前ある神社に参拝した時に、観光客と見られる若いカップルが、遠くから賽銭箱に小銭を投げ込み、

手も合わせずに「ヨロシクッ!」と走り去った光景を目の当たりにし、愕然としたことがありました。

 

若者たちが悪いのではありません。

まともな教育も出来ず、そんなふうにした親が悪いのです。

 

生かされている生命に支えられて生きている」という感性をもった親、大人たちが今どれだけ

いるでしょうか。

神社は大自然をお祀りしている場所です。

「えっ、神さまじゃないの?」「自然を祀るって、どういうこと?」

こんな声が聞こえてきそうです。

 

私たちは天体の影響を受けている「宇宙の子」であり、自然の中に生息する「自然の子」です。

日頃は「世間の子」だけを意識して生きていませんか?

だから世間体ばかり気にかけ、大事なものを見過ごしているのです。

 

世間体から体裁ばかりとりつくろい、わが子が不登校やひきこもりといった自己治療的な行動でSOS

を発信しても、世間体を優先させ、ひた隠しにし、わが子の訴えはなおざりにされます

 

「お天道さま」「お月さま」といったように、古人は自然を崇めていました。

「お天道さまが見てござる」が、生活の中での倫理観の規範となっていました。

 

初詣ではいい機会です。

自己を超えた力の存在の前に額ずき、自己の無力を悟ることが大切です

わが子をコントロールしようとした傲慢さが、子どもたちの個性、存在価値を奪ってしまったのです

 

子どもたちは「自然の子」です。天分を引き伸ばしてあげるのが親の役目です。

親の身勝手な期待で、わが子をコントロールしようとしてしまえば、わが子から暴力や依存で支配され

ることになるのです

 

生かされていることに感謝し、身を慎み、関わりあうすべてのもの(人も物もわが子も)を敬い、

お蔭さまで、ありがとうございます」という謙虚さをそなえれば、子どもはあるがままに真っ直ぐ育

つのです。

 

来年も、より多くのご家族とのご縁を大切にして、家族再生の場づくりを一所懸命やっていきます!

一年間ご購読誠にありがとうございました。

皆さまのご家庭が良き年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。

 

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大切にしたいもの

今年一年を振り返る時期になってきました。

今年は、私自身の今後を方向付けるようないくつかの出来事がありました。

この一年を踏まえ、来年はまた、新たなことへチャレンジしていきたいと思います。

 

ゆにわの会https://www.interbrain.co.jp/yuniwa/ が今月開かれました。

「ゆにわの会」は自助グループです。単なる当事者家族の慰めあいの場ではなく、自らを助けられる

学びをしていく場です。

 

今回のテーマは、〈“大切にする”という発想をもつ〉という内容でお話ししました。

大切にすると、大切にしたものから自分が大切にしてもらえます

何か不満が出たときに、自分がそれを大切にしているかを振り返ってみると、不満の原因が必ず見え

てきます。

 

人を大切にする。これは一番分かり易いと思います。

大切にされるとその相手も大切にしたくなります。

大切にしないということは、粗末に扱うということですから、粗末に扱われて平気な人はいません。

ニュースでは連日のように派遣切りの話題が取り扱われています。大切にされていないという不満

は、深い悲しみと激しい怒りを生みます。

 

物を大切にする。例えば、職人さんは道具をとても大切に扱います。

道具から大切にされるというのは、長く使えますね。いつまでも役に立ってくれるということです。

それこそ、名人になればなるほど、道具と体が一体化し、匠の技を生みます。

 

事を大切にする。事というのは出来事や機会(経験・体験)です。

楽しいことも苦しいことも生きていれば色々なことがあります。

禍福はあざなえる縄の如し」まさに人生いろいろです。

そのひとつひとつの事を大切にするということは、活かしていくということです。

活かしていけば、自分の成長の糧となります。

 

時間を大切にする。時間のを高めるということです。時間は誰にも平等にあります。

1時間という長さ()は誰にとっても同じです。しかし、その使い方()は違います。

何のためにその時間をあてがうかです。

時間は、黙っていても、動かずにいても絶えず消費しています。

時間の質を高めれば、ワインやお酒を熟成させるように、自身を円熟させていくためのエネルギーと

なります。

 

空間(場)を大切にする。自分が居る環境、所属している場(グループ)を大切にします。

環境から受ける影響は私たちの心理面に大きなはたらきかけがあります。

森の中にいる時と、コンクリートの壁に囲まれている時とでは全く違いますね。

また、学校やクラス、職場、サークルといった場は、様ざまな機会を私たちに提供してくれます。

場を大切にすることでの恩恵はそれは大きなものがあります。

場を大切にする始めの一歩は、掃除、整理整頓です。

乱雑な空間は、心や頭の中も混乱させます。

 

廻り合せを大切にする。時間と空間の交点が廻り合せです。

ある瞬間、ある場所で、何事か何者かと出会う。

廻り合せが悪ければ、交通事故や通り魔にも出会ってしまいます。

廻り合せを大切にするということは、「」を大切にするということです。

人間は、自分以外の誰かと関わりあうから人間です。関わりあう別の誰かがいるから「」があるん

です。

その「間」をとりもつのが「縁」です。

大才は袖すり合う縁をも活かす』という柳生家の家訓もありますが、「縁」を大切にすることで、

人生がより良くなっていきます。「とかくこの世は縁しだい」です。

時間と空間を大切にしていくことが、廻り合せを良くしていく方法です。

また、シンクロニシティ(意味の有る偶然の一致)も頻繁に起こってきます。

 

そして最後に人生を大切にする。

人生そのものを大切にしていけば、人生から自分が大切にされます

身に起こることはすべて必然の結果。必要だからこそわが身に起こる

こう心がけて生きていけば、なぜわが子が不登校になったのか。ひきこもってしまったのかの訳が

分かり、親として、一人の人間として大きく成長でき、家族の絆が深まり、温もりのある家庭となって

いくでしょう。

人生があるゆることを教えてくれるのです。

 

 

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心のこもった届け物

13日の「正月事始め」が過ぎ、ますます気ぜわしい時期になってきましたが、時節がら届け物があり

ます。その中に特にうれしいものがあります。

当協会を卒業していった青年からのお歳暮でした。

 

何がうれしいかって、頂いた物ではなく、彼らが自分が働いて得た給料から送ってくれたということが

うれしいんです。

これまでも初任給でプレゼントを贈ってくれた青年もいました。

わが子が働きだした時もうれしかったですが、これまで関わってきた青年たちが、それぞれ自立して

いく姿を見ていくことは本当にうれしいことですし、少ない中から心遣いをしてくれることは有難く思いま

す。とても意味の有る重みの有るものです。

お金のありがたみも、自分で働いて得られてこそ分かるものです。

来年の目標に結婚をあげている青年もいます。もちろん相手がいるからです。

フロイト(精神分析)の言葉に「健康な人間に出来ることは、愛することと働くこと」というものがあ

りますが、それが生きていくということではないでしょうか。

 

はたらくとは、傍(周囲)を楽にすることです。そこには周囲(他者)への思いやり、心遣いがあります。

人を愛すればこそ、人の役に立ちたいと思い、自己犠牲をもいとわぬ崇高な精神が芽ばえます。

 

最近、インターネットで配信され世界中に感動を与えた、高速道路で車に引かれた犬を引きずって

助け出そうとしている犬の映像が話題を呼びました。犬だったからこそ、なお感動を呼んだんでしょう。

昔「反省だけなら猿でもできる」というのがありましたが、あれは芸です。この犬は自らの意志(?)で、

仲間の犬を助けようとしていました。

 

人を愛すること、そして愛される喜びを知ること、自分の個性を活かして他者の役に立とうとすること、

手にしているものが多くの他者からの与えられたものだということに感謝し、そして健全な自己愛、

自己信頼感を抱くことが「豊かさ」というものでしょう。

子どもたちに親が伝え残すべきものは、この「豊かさ」ではないでしょうか。

 

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