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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 家族問題 19ページ目
親にしかできないこと
親にしかできないことは何があるでしょうか。
これに対しての答えは、子どもたちが親に求めているものは何か。親だからこそ与えられる
ものは何かを考えてみるといいでしょう。
親に求めているものは?
生活の支えでしょうか?
子どもたちが訴えるものには、ひとつに「関心」があります。
「もっと自分に関心をもってほしい」というものです。何を考え、何を感じ、何に関心をもって
いるのかに関心を示してほしいと。多くが干渉であり、問いかけが審判するための尋問に
なってしまっています。
またひとつには、「承認」があります。
「自分を信頼してほしい。期待してほしい」というものです。
ここで言う自分は、“ありのままの自分”です。
干渉や尋問になってしまっては、「おまえを信頼していない。親の言うとおりにしていれば
期待してやる」というメッセージを与えてしまいます。
期待にかなわなければ認めない、愛さないというのは“条件つきの愛情”です。
ありのままの否定です。
子どもたちは、そのままでは自分というものに価値がないと認識してしまいます。
そこから完璧主義などの自己破壊的生き方がそなわります。
それから親の幸福といったものもあげられます。
逆から言えば、親の不幸を見たくないということです。
親の笑顔を見て育った子どもは、情緒的に安定しています。
そこは何者からも危害を加えられる恐れのない安全な場所だと認識します。
安心は緊張のない状態です。緊張が続けば、心は硬直化し柔軟性を欠き、些細なストレス
にも過敏になります。
親だからこそ与えられるものは、他でもない父親から受け取りたい。母親から受け取りたい。
といった内容のものです。
同じものでも与えてくれる相手によってその意味合いは変わってきます。
「お父さん、あなたに強さや潔さを学びたい」「お母さん、あなたに私を最後まで信じて受け
止めてほしい」
これらの訴えは、まさにお父さん、お母さんでなければ叶えてあげられないことを示します。
不登校やひきこもりにわが子がなれば、やれ医者だ。やれ薬だと早々に判断してしまう前に、
もう一度親だからこそできること考えてみませんか?
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NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月 1日 19:47
多問題家族
熊本、福岡の講演を終えました。
熊本は今回、高校教員の方や教職を退職された方などのご参加がありました。
私の講演や講座などには、時折当事者家庭以外の教育現場や、相談現場に関わっている
方などの参加があります。
そういった方々の講演の感想を聞いておりますと、それまで感じていた不登校やひきこもり
に関してのイメージとかなり違ったということをよく聞きます。
それは、不登校やひきこもりといった現象が起こる根っこの部分に焦点をあてた話が多い
からだと思います。
とかく、不登校問題は「どうやって登校を促すか」「どのくらい刺激しないでいた方がいいのか」
とか、ひきこもりは「どうしたら働くのか」「病院へも連れていけないしどうしたらいいのか」など
の話題に終始しているようです。
それらのことを考えるためにも、どうしてわが子がこうしているのかの意味、理由が分かって
いなければ的確な答えは出ません。
今回の講演でもひきこもりを終わらせるためには何が必要かをテーマにお話ししましたが、
そもそも「ひきこもり」とは何かを先ず考えて頂きました。
一般的には、過保護による甘え、病気でおかしくなった、変わったところでは「霊にとり憑か
れている」と占い師や宗教関係者から言われたなどがあります。
甘えと見れば、説教、勘当騒ぎとなりますし、病気と見れば、治すのは薬であり医者。
本人が診療を受けなければどうにもならない。
霊の仕業であれば神頼みで終わってしまいます。
では実際はどうなのか。
病気は子どもたち本人ではなくむしろ家族の方だということです。
不登校もひきこもりも家族病理の症状として現れています。子どもたちは、ひきこもるという
行為で家庭の病理を治療しているのです。
とり憑かれているのは霊ではなく、連綿と続いてきた家族、一族の“しきたり”という呪縛です。
家族としての機能が果たしえていない「機能不全家族」という表現がありますが、それよりも
「多問題家族」といったとらえ方の方が実態を端的に表していると思います。
不登校、ひきこもり、ニートの症状が出る家庭には、複数の改善を要する問題を抱えている
ということです。
複合的にそれらの問題が重なり、それがわが子の逸脱行動に集約されたということです。
ですから、「わが子のひきこもり(不登校)が解決したら、わが家は全て問題無しか?」と問いか
けてみるといいんです。そうでないことが必ず分かりますし、その他の問題の中に、わが子の
ひきこもりの原因が見えてきます。
わが家を含めて問題の無い家庭はありません。要はその問題に気づけたか、どう対処したか
がまさに問題なのです。また問題は、機が熟してこそ表面化します。
子どもが学校に通っているから、働いているから何も問題無しということにはなりません。
「子どもを問題児と見られたくなかったから相談にも行けなかった」ということを聞きます。
子どもたちは問題児ではなく、わが家の問題、課題を教えてくれる存在です。
子どもたちが問題を提起してくれることで、それまで気づけなかった、気づかないふりをしてい
た家族関係が浮き彫りになります。
子どもたちが示してくれることに真摯に向き合うことで、わが家がより安らぐ場所、和みあえる
空間となるのです。
次回は、講演の中でもお話しした家族にできること、親にしかできないことについて述べてみましょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年8月28日 07:53
ママの不幸は僕のせい
http://www.asahi.com/national/update/0821/TKY200808200380.html
6歳、捨てられてもたたかれても母をかばった
埼玉県で3月幼児3人が置き去りにされ、内2歳の子が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死傷
の罪に問われた母親の初公判の記事です。 (asahi.com)
この記事で胸が痛むのは、次男の餓死はもとよりですが、こんな虐待を受けていても「本当に全部
ボクが悪い」と母親を長男がかばっていることです。
子どもにとって親の存在は、無条件で自分を受け入れ愛してもらえるはずの存在です。だからこそ、
子どもたちは、その愛が無条件ではないということに気がついた時、命をかけてその条件にかなおう
と必死になります。痛々しいほどです。
親からの承認を得られない自分は、無価値な存在となってしまいます。
子どもたちは、親の期待や欲求を読み取ることに懸命になり、いつの日か自分の欲求に気づけなく
なってしまいます。
偽りの自分を作り上げ、それを真の自分と錯覚してしまうのです。
やがて偽りの自分だと気づいた時、もぬけの殻の自分に戦慄し、他者の視線に恐怖し、ひきこもって
しまいます。
自分の真の欲求を知りたくても、すり替えられた欲求を満たすことに奔走してきた子どもたちは、発展
的な行動を誘発するだけの欲求を感じる取ることができず、強迫的行為を繰り返し、自己を破壊して
いきます。
これまで出逢った不登校、ひきこもりの青少年たちの多くが、低年齢期の親との関わりを話して聞か
せてくれました。
「ほめてもらったことがない」
「ありがとうって言ってもらえなかった」
「何をするにも否定された」
といったようなことばかりです。
「親にとっていい子の時とわがままを言った時の親の態度の落差が激しかった」
「この家で安全に暮らすためには、親の期待を読み取るしかなかった。でも他の兄弟とは違い、
僕にはそれに応えきれるだけの能力はなかった」
これらの状態の子どもたちが、存在証明をかけて、親にとって気づきやすいよう痛みを与える
メッセージを送り始めます。
不登校、ひきこもり、家庭内暴力、非行行動、いずれもが自分の存在に気づいてもらうための
精一杯の主張です。
それらは親を疲弊させ、今さらながら存在に気づいてもらえても、かえって存在を容認してもらえる
結果とはなりません。しかし、気づいてもらえるだけでも命がつながる思いなのです。
ありのままを認めてもらえず、期待にそえなかった子どもたちは、親の不幸を自分のせいだと思い
込み、偽りの自己から脱却できぬまま人生が制御不能となってしまうのです。
家庭教育講演会
『ひきこもりの終わらせ方』 8月23日(土) 熊本市
『脱ニート・ひきこもり』 8月24日(日) 春日市
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年8月21日 19:31
お盆の帰省
昨日は、亡き父と先祖のそれぞれの墓所へお参りに行ってまいりました。
行き帰りの途中、車の渋滞を見ながら思いました。
「故郷へ帰る慣習はいつまでも残しておくべきだろうなぁ」って。
「原風景」という言葉があります。皆さんの原風景にはどういうイメージがありますか?
今ある自分の原風景は、どこにどのようにしてあるでしょうか。
私は、今目の前のわが子の不登校やひきこもり問題の解決のために、「原家族」を振り返ること
を勧めています。ひきこもり問題などを解決するためには、少なくとも三代はさかのぼる必要が
あります。つまり、当事者の祖父母の代です。両親がそれぞれどのような生い立ちをしてきたか。
特に親との関わりがどうだったかを振り返ります。
また、当事者からしておじやおばにあたる両親の兄弟関係。
わが子との関わりにおいては、両親の親、兄弟との関係、「原家族」がまさに原風景となります。
この家(一族)に誕生し、家族との人間関係を営んできた。そこには、受け継がれた家族神話が
あり、家族内だけで支持されてきた偏った見方が、様ざまな抑圧を生み、家族本来の機能を歪め
てしまったことに気づくべきでしょう。
墓前に手を合わせ、生命の初発に立ち戻って感じてみてください。先祖あってのわが身です。
わが子の生命の在りようを大切にしてこれたでしょうか。
生命への感謝があれば、その目的・役割に気づくことができます。
わが子の個性(目的・役割)を大事に育てられたでしょうか。尊重できたでしょうか。
「現家族」に生じている問題は、「原家族」の反映です。
故郷へ帰り、幼きころの心象風景に想いをはせてみてください。
きっと、置き忘れてきた何かに気づけるはずです。それがわが子の問題を解く鍵となるのです。
「困った時は、原点に返れ」です。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年8月16日 14:55
不登校の増加に思う
8日の新聞に「不登校」の増加の記事が出ていました。小中学生が07年度は計12万9254人で、
2年連続で増加。特に中学生は過去最高を更新したようで34人に1人にあたり、どのクラスにも
1人はいるという状況のようです。
文科省は、06年10月にここ福岡県であった中2のいじめによる自殺が社会問題化したこともあり、
「嫌がるものを無理に行かせることはない」と考える保護者が増えたことなどが増加の理由とみて
いるそうです。
実際そうなのでしょうか?
私は、この2年が特別増えたわけではなく、それまでが体調不良が伴えば、不登校ではなく病欠
扱いにしたり、保健室登校を出席扱いとしたりなどの数字操作で強引に減らしていただけと思って
います。不登校が減る要因が見当たりませんので、減少するはずがありません。
スクールカウンセラーの配備や適応指導教室の設置が功を奏しているとの意見が多分出てくる
とは思いますが、実際には機能していないことが実状です。
相談を受けていて03年ぐらいから保護者の意識に変化が出てきだしたことは感じていました。
特に05年後半から何かが大きく変わった気がします。ですから、06年のいじめ自殺の影響とは
別の何かがあることを私は感じています。
この記事を書いている途中、たまたま見た統計資料で、20歳から29歳の自殺者数の推移で、
03年、05年と急に増えているというものがありました。統計局のものです。
これらも何か関係があるのでしょうか?
何がどう変わったかというのは、正直はっきりとしたものは言えません。
ただ、「様子を見ていればそのうち・・・」との楽観論から不登校が長期化し、「もうどうにもならない」
との悲観論からひきこもりが高齢化していっている気はします。
いずれも、保護者が動かなくなってきたと言えるでしょう。
いや、動けないのかも知れません。怖くて。何を恐れているのか。
うかつに刺激してしまうと、思い余って自殺されたり、家庭内暴力やわが子から殺されることをです。
青少年の傷害、殺人事件、特に親族殺人などの年間推移の統計資料を詳しく調べてみると何かが
推察されるかも知れません。
思春期の子どもへの関わり方に苦慮している親御さんたちの話はよく聞きます。また、支援活動の
中でも、「子どものいやがる事は厳しく言えない」とか「いやがる顔は見たくない」「きらわれたくない」
といった声もよくあります。
総じて考えると、対応が分からず事態を見送ってしまっているということなのでしょう。
しかし、であるならば対応策を知るための積極的な動きがあってもよさそうだがと思うのですが、この
動きが実は鈍くなってきているのです。学ばない親たちの増加。
ここには、親自身の生き方の問題が反映している気がしてなりません。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年8月13日 19:59
とかくこの世は縁しだい
“縁”というものを普段考えられたことがあるでしょうか。
私たちは様ざまな縁によって、様ざまな出会いがあります。
この「出会い」の良し悪しで、幸不幸が決まります。
何かの病気に罹っても、名医との出会い、良薬との出会いがあれば治ります。
勤め先との出会いも同じです。やりがいのある仕事を長く続けられる幸運に恵まれるのも縁です。
人間は人の間と書きます。この間をとりもつのが縁です。
運のいい人は、人と人との縁を大事にしている人です。
私の好きな言葉があります。確か柳生家の家訓だったと思います。ご紹介しましょう。
小才は、縁に出会って縁に気づかず
中才は、縁に気づいて縁を活かさず
大才は、袖すり合うた縁をも活かす
ご縁を大切にしようとかねてから心がけていると、自然活動的になります。
自分の足を使って、人や情報との出会いを作ろうとします。
今は便利な時代です。インターネットであらゆる情報も得られます。でも、そういう時代だからこそ、
足を運び、自分の五感で確認するといった姿勢が必要です。
「心・気・体」の調和はとても大切ですが、なぜ肉体に五官が備わっていると思いますか?
五官で感じることで心に変化を起こすためです。心に変化が起こらなければ、行動を変革すること
はできません。
不登校・ひきこもり・ニートは、自分を成長させ幸福にするために大切な縁を放棄している状態です。
それは機会を失うことでもあります。また、家族が外部との接触を拒み家族境界を明瞭にすること
で、問題解決のために必要な縁をわが子から奪ってしまうことになるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年8月 5日 20:30
家族の絆
日々の支援活動の中で、最もうれしいことは、家族が本来の状態に戻り、絆の結び直しがはかられ、
笑顔が戻ることです。家族の蘇生力といったものを目の当たりにします。
家族は、連綿と受け継いできた未完の欲求、未解決の不安や感情を他の家族との人間関係の中で
満たそうとします。そのことが多くの過った信念、秘密、歪んだ情念を生み、家族の調和を乱します。
支配と隷属といった破壊的均衡を作り出し、固定化し、変化を拒む家庭環境が成立します。
https://www.interbrain.co.jp/blog/2008/07/post-28.php「家庭に何を求めていたのだろう」
不登校やひきこもりといった家族病理の症状を、個人の問題としか受け止められず、責任を回避する
家庭では、子どもたちは、暴力や破壊で親たちに訴えます。
しかし、信頼関係が完全に失われているわけではありません。
子どもたちは、安心を求め危険を冒します。自身の人生を葬り、親の使命を背負うといった危険を
冒すのです。背負いきれなくなった時、反逆または許しを請う意味で自分の世界に閉じこもります。
現実から目をそらさずに受容できた家庭では、本音のぶつかりあいの後、それぞれが家族の安寧を
願っていたことに気づくことができ、分かり合い、ねじれた絆がほころび、心が解け合ってゆきます。
分かり合えず傷つけあった時期もあります。でもそれは、互いの痛みを感じあう機会でもあるのです。
その上で親子、兄弟姉妹が一つになって眼前の問題に取り組む時、家族の蘇生力が発動します。
それは凛とした潔さ、清々しささえ感じます。支援者として胸が熱くなる瞬間です。
傷つくことを恐れずにわが子に向き合ってください。
防衛は、現実を見失うといった大きな代償をはらうのです。
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家庭教育無料講座 『不登校・ひきこもり全て答えます』
~当事者家族・支援者・関係者のために~
7月27日(日)13時30分~16時30分
大野城まどかぴあ 会議室3
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年7月25日 19:46
家庭に何を求めていたのだろう
わが子との関係を考える時有効な手立てとして、自分自身が「家庭」に何を求めていたのかを考えて
みることがあります。
私たちは、親、兄弟、家族との人間関係の中で満たされなかったものを、他の人間関係の中で満たそ
うとします。親との関わりの中で得られなかったものを心の奥へしまい込んだまま、それに気づかず、
無意識のうちに他者との間柄でそれを埋め合わせようとします。
親から十分に得られなかったものを配偶者から得ようとしてしまう妻(夫)や、自分の親との間で得られ
なかったものをわが子との関係で補おうとする親などです。
不登校やひきこもり、ニートといった状態のわが子の問題解決をはかる時、自分自身がどんな家庭
を築き上げようとしていたかを考えてみてください。知らず知らずの内に、自分が子どもだった時に
「家庭」に望み叶わなかったことを求め、理想としていたのではないでしょうか。
子どもができる前、夫婦二人の時は、それぞれ両親の人間関係を見て育ち、それざれの結婚観に
基づいて夫婦関係をもっていたと思います。
これらによって、家庭が営まれ、まさに今わが子が学校に行けず、ひきこもっています。
両親それぞれが、「家庭」に求めていたものを振り返り思い返すことで、わが子に与えてしまった
心の負担に気づくことができます。
子どもたちは、親の求め(期待)に敏感です。それは、生れ落ちたこの家庭で愛され生き残っていく
ために必要なことだからです。ですから必要以上にそれに応えようとします。しかしそのことは、
未成熟な子どもの心に大きな負荷を与え、深い傷痕を残し、無力化させます。
期待が大きければ大きいほど、期待に応えた時のみ賞賛を与える「条件つきの愛情」になって
しまい易く、そうなると子どもは、親の期待に応えられない自分を無価値な人間とみなしてしまい
ます。自分の存在が無価値なものとなることは、誰にとっても恐怖です。
妻としての価値、嫁としての価値、母親としての価値、父親(一家の主)としての価値などを揺るが
す出来事が大人である父親、母親にとっても恐怖なように、なおさら子どもにとっては自己存在の
消滅に匹敵するほどの戦慄を覚えることなのです。
「なぜ登校させようとしているのか?」「なぜ働かせようとしているのか?」を考える時、今わが家の
問題は何かを考えてみてください。
「そもそも自分は両親とどういう親子関係であったのか」「どういう家庭を築きたかったのか」
「わが子に求めていたものは、わが子から得られるものであったのか」を。
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家庭教育無料講座 『不登校・ひきこもり全て答えます』
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年7月17日 20:41
世界平和も環境保護も
相談を受けていますと、数年前に一度来訪されたご家庭が再度来られる場合があります。
そういう場合、とても複雑な口惜しい気持ちです。どうしてその時にすぐに動かれなかったのかと。
特に5年以上前ともなりますと、これまでの当協会の支援実績ですと、すでに社会へ関わっていら
れたはずの年数だからです。6,7年前に来訪されたある保護者会の世話役の方が、先日その会の
主催の講演会を聴講した際、まだお世話役として活動しておられました。当時すでにご子息は数年
の期間を経過していたと思いますので、おそらくは10年を優に超しているのではと思います。
時おり、保護者会などへ参加していた方の相談があり、会報誌などを目にする機会がありますが、
そこでも「5年以上参加していますが」といった手記が掲載されていたりします。
以前ある会報誌を見せられた時がありました。
そこには30年にもなるのひきこもりの親御さまの手記が掲載されていました。年数はもとよりですが、
それ以上に愕然としたのがその内容です。一部ご紹介します。
『この間、数えきれないほど大勢の当事者本人、ご家族、支援者にお会いしました。多くの場合、
回復や好転する人の極めて少ない、また、再発も多い困難な病気だということがよくわかりま
した。困難なことといえば、他人と会うことができないため、買い物ができない、ゴミ出しができ
ない、草取りができない、回覧板が回せないなど、おもに地域生活の不自由さの面で、実質的
に障害状態にあります。そしてこの状態が社会から障害として理解され、認められ、支援を受ける
見込みが、まだ全く立っていない、どうしようという強い不安感でいっぱいです。
「不自由さレベル」を正しく知っていただき、それを補う介護福祉的な視点からの支援もしていただ
ける制度を作って欲しいと考えています』
いかがでしょうか。30年もの間数えきれないほどの関係者に会っていながらも、事態が改善され
なかったほど、この問題の複雑さ、深刻さといったものが分かられるでしょう。
買い物ができない、ゴミ出しができないというのを障害としてみておられるのには、正直戸惑いを
隠せません。私共がこれまで関わってきたほとんどの青少年たちもまた、その状態だったから
です。しかし皆、家族一体の取り組みで克服していきました。5年とかからずです(個人差はあり
ます)。
「回復や好転する人の極めて少ない、また、再発も多い困難な病気だとわかった」と悲嘆
してしまいたいお気持ちはよく分かります。
しかし、もう一度、向けるべきところへ目を向けさえすれば、回復、好転は少なくは無く、原因
療法的な対応をすれば、再発もくい止められるということを知ってほしいのです。
ひきこもりや不登校、ニート問題を、個人や家族の問題ではなく、社会の問題であるととらえる
視点もありますが、これは平和運動や環境活動などと共通したところがあると感じます。
何かと申しますと。
世界平和を実現するためには、人間一人一人が笑って生きることを実践すればいいんです。
環境を守ろうと思えば、一人一人が自然を畏敬し、自然を汚さないように取り組めばいいんです。
大それたことをする必要はない。大切なことは一人一人の自覚です。
高尚なスローガンをあげて、「みんなでやろう!」なんて言うから、誰もしないんです。それぞれが、
「私がします」と実践すればいいんです。自身が責任をもたなければ、結果への責任を他者に預
けてしまいます。
ひきこもりは家庭でおこっていることです。家庭の集合体が社会です。
修身齊家治国平天下(大学)
一人一人がその身を正し、家庭が整ってこそ、国(社会)が治まるのです。
社会の混乱が人心を荒廃させるのではなく、人心の荒廃が社会を混乱させていくのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年7月 5日 18:07
ひきこもり=病気論は免罪符?
「いっそ病気であればどれだけ救われるか」
この言葉は、相談者から時々聞かれます。親御さん方の本音の心境だと思います。
躾がなってない粗暴な子と思われていた子どもたちの一部が、広汎性発達障害といった病だという
ことが分かってきて、学校内での対応も図られてきました。もちろんまだまだ一般レベルの認識は
不十分で、差別、偏見はあるようですが、周囲から親としての立場、プライドをぼろぼろにされ、自身
責めさいなんできた親御さんたちにとっては、どれだけの救いになったことでしょう。
そういうことからも、「ひきこもり」においても病気であってくれた方がとの気持ちは分からなくはあり
ません。
しかし、私がこれまで関わってきた長期不登校、ひきこもりのほとんどの青少年たちが、何らかの
病気を原因としたものではなく、明確な原因があってのものでした。だからこそ、治療行為による回復
ではなく、原因となったところの問題改善、解決により本来の自分を取り戻していきました。こう申し
ますと、軽度のひきこもりではとの質問がありそうですが、ほとんどが20代後半以上であり、10年を
越す相談もめずらしくありません。
『引きこもり動態論』というものを目にしたことがあります。ひきこもりが始まり、約8割が疾病に移行
し、さらには障害化するというのです。確かにある相談者は、医者から「10年を越しているならもうあき
らめなさい」と言われたと嘆いていました。もちろん、医療機関と連携して、劇的な回復をしたケースも
ありましたし、対人恐怖や強迫行為などが見られるのはよくあります。しかしそれらも、治療ではなく、
原因の解消により漸次緩和されてきます。
精神疾患や障害によるひきこもりや、当事者や家族の高齢化によって、家庭が破綻してしまい社会的
救済が必要とされるひきもりの場合は、医療、福祉行政の対策が求められると思います。
現実、ある保護者団体では国に要望書を上げ、精神保健福祉法の適用やひきこもり支援法の創設、
福祉介護保険の対策などを訴えています。これが実現できれば、特に両親が高齢であったり、片親
家庭にとっての救済策になろうかと思います。
しかし同時に、最後の手段としての社会的救済策だけをこいねがうのではなく、長期化しないための
具体的取り組みこそ実行していかなければならないと思います。
『引きこもり動態論がなかなか理解されず、いたずらに放置され(省略)社会にも深刻な次世代問題
となっている。ところが現状は、残り2割の無病理性の当事者や不登校組の肯定論が強調さ
れたり、社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている』
といった主張の中には、なぜ疾病に移行してしまっているのかといった部分への議論より、社会の
認識の不適格さが強調されているように感じられます。
それはまさにいたずらに長期化が放置されたからではないでしょうか。
ひきこもりは、長期化していけば何らかの病理性が出てくる可能性が高まるのは当然です。早期解決
をはかり、長期化させないための取り組みがおざなりになり、結果として病気になってしまったから、
救済の手立てを腰の重い国に求めるのでは、日々進行しているひきこもりを止めるためのクサビには
ならないと思います。
飢えや寒さをしのぐために、食料や毛布を与え続けるのではなく、自らが作物を生産できる方法を伝え
てあげることが、途上国への真の救援策であるように、長期化させないための家庭での取り組み策を
考えていくべきだと私は思います。
『社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている』と述べられていることからも、
ひきこもり=病気論が親のための免罪符になってしまっているのではないでしょうか。
当協会が関わってきた家庭は、単なる甘え、甘やかしでひきこもった家庭ではありませんでした。
もちろん、病理からひきこもったケースもごく一部です。当協会だけにそういった家庭が集中するとは
思えません。ほとんどがそうなのではと思います。
それぞれの家庭が、ひきこもった原因を探り、長期化した要因を改善していったことで、打開していって
るのです。子どもは、家族病理の拡大鏡であり内視鏡です。家庭のありよう、水面下の問題を大きく
そして、鮮明に映し出してくれます。
当事者家族の方々は、社会の認識という「世間」の無責任な批評をはね返す勇気をもってください。
青少年たちは、家族の救援者です。私たちにさまざまな気づきを与えてくれます。
親と子が、互いに求め合う中での矛盾を解きほぐしていくことで、睦びあう家族に再生していけるの
です。
この件については、次回も論じさせて頂こうと思います。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年7月 3日 19:48
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