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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 家庭問題: 2015年6月

ひきこもりを止めるのは誰?③

わが子がひきこもっているのに頭を悩ませない親はいません。
2,3日ならともかく、数年間もの間、声や姿さえ見られなくなればただ事では
ありません。
本当に困ってしまっています。



ではなぜ、全号でも述べたように、本人がひきこもりを脱したいと願っていても
積極的な協力がなされない場合があるのでしょうか。



それは、自身が困っていることだけに意識が向けられ、わが子が困っている事
に関心が向けられていないからです




困ってしまっているのは当事者本人が一番です
そもそもひきこもらざるを得ないくらい困ってしまっていることを抱えているのです。
そのことを解決する術を見いだせず、止まってしまっているのです。



よく「本人がその気になったら
やる気になったら
本人次第だから
少しずつ慣れていけば
といったことを親御さんから聞きます。
うちの子は大学も出ているから仕事先さえあれば、すぐにでも働ける
と数年間もひきこもり状態であったにもかかわらず、仰る親御さんもいます。



ハッキリ申します。
無理です



中には、ひきこもっている間に国家資格を取得し、その後も何年もひきこもって
いた青年もいました。
なぜだと思われますか?



彼らの抱えている困りごとは、徐々に消えていったり、ましてや突然消えたり、
学歴どうこうの問題ではないんです
日を追うごとにやる気はうせ、不安感や焦燥感、孤独感は高まり、明日をどう
するかさえ、想像力をはたらかせることが出来ず、何事かを動かす(変化させる)
ことを避けようと(怖くて)している状態にあるのです。



たとえ病気や障害ではなくても、数年間もひきこもっていれば、社会の中で生き
ていくための様々な力、資質が、欠落してしまっています。
そこに気づかず、自分の悩み(困りごと)にしか意識が向けられていませんと、
いつになったら学校に行くんだ
バイトくらいしたらどうだ
どうするつもりでいるんだ
といった声掛けになってしまいます。



この問いかけには、どこにもわが子の困りごとへの心向けが表れていません
そうすると、本人がひきこもりを脱したいという気持ちになっても、
だったら、すぐにでも自分で働き出したらいいだろう
となって、結果親御さんは動かないのです。






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ひきこもりを止めるのは誰?②

なぜ、ひきこもり当事者が自ら支援を求めているのに、支援者にたどり着けないか?




当事者は、現状を脱したいと思っても、すぐに動けるわけではありません
母親のおっぱいが欲しくても、自力では乳房にたどりつけない赤ん坊と同じです。
母親が、抱きかかえ胸元に近づけてあげなければ命の糧にはありつけないのです。




当事者がインターネットで支援者を探し出しても、両親の協力がなければ、相談に
行くことすら一人ではできません。
しかし、頼まれたとしても、「脱したいのなら自分で動けば(働けば)いいだけ。
親は関係ない

といった対応を親がしてしまっているのです。




また、協力を頼めないほど、親子間の人間関係が破たんしている場合もあります。
だからこそ、「このままでは、自立してこの家から出られない」と危機感を感じ、
支援を求めてきているわけです。




私たち支援者(第三者)は、さすがにご両親の承諾もなく、ご家庭に介入できる立場
にはありません。
当事者が成人なだけになおさらです。
当事者に直接支援を依頼されたとしても手も足も出せないのです。




なぜ、困っているはずなのに親御さんは動かないのでしょう?



つづく




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ひきこもりを止めるのは誰?

ひきこもっている本人が支援者にサポートを求めたら、ひきこもりは終わるはず
ですよね?
「あたりまえでしょう」という声があたりまえのように返ってくることでしょう。
ですが、現実はそうもいきません。




「えっ、なぜっ?」と思われますか?
動く気になれば、動き出せるくらいなら、もとよりひきこひもってなんかいません。
動きたくとも動けない状態になるのが、「ひきこもり」という現象なのです

ですから、本人がひきこもりを脱したいと思い立っても、本人の意志だけでは
止められないのです。




では何が必要なのでしょうか?

つづく




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