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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 家庭問題: 2009年12月

両輪がそろわない

先日テレビを観ていると、「婚活」ならぬ「離活」といったものがあるそうです。

離婚のための活動のことです。

 

 

熟年離婚という言葉も一時流行りましたが、あまり流行ってほしくない言葉ですが、現実は身近でも

実際に聞かれます。

私自身ご相談者に「離婚されたらどうですか?」と口に出したことも実はございます。

ほとんどは母親に対してです。

 

 

相談の場に訪れるのは、ほとんどが母親です。

仕事があるなしではなく、日曜日でさえ父親が来られないことが大半です。

「ウチだけでしょうねぇ、主人が一緒に来てくれないのは・・・・」と嘆かれますが、「いえっ、ほとんど

です」とお答えしています。

講演や親の会でも父親の参加はめずらしく、父親へのグチで花が咲く(笑)場合もあります。

 

 

何がそうさせているのでしょうか。

よく聞かれるのが、「子育てはオマエ(母親)に任せていたんだから、オマエの責任だ」という言葉

です。

 

 

わが子を育てていくことを母親のみに任せるということはどういう意味なのでしょう。

その子の親として、その父親は何を親の役目と心得ておられるのでしょうか。

もしかして、働いて生活の糧を得ていくことで、務めを果たしているとでも思っていらっしゃるので

しょうか。

 

 

そう言えば、「誰のお蔭で食っていけてると思うんだ」という言葉も時おり聞かれます。

まっ、最近は「あなたの稼ぎが少ないから苦労するんでしょう」と恐妻からバカにされ、ひそかに離活

始める夫も増えてきているともれ聞くに及んでいますが(笑)。

 

 

それはさておき、先のような発言を平気でする父親は、「人はパンのみにて生くるにあらず」という

ことをご存知ないのでしょう。

わが子は金魚とは違います。

鉢に餌を放り込むだけでは、健全に育たないのです。

 

 

犬だって躾が必要です。

まして最愛のわが子、かけがえのないわが子に食事を供しているだけで、親としての務めを果たせ

ていると勘違いしていては、離活の対象となってしまいかねません。

 

 

ある心理療法家が「躾は、人生の受難を減らす方法である」と述べています。

言い得て妙です。

 

 

親の責任として、養育はもとより教育が必要です。

ヒトは教育によって人間と成っていくのです。

 

 

わが子の不登校やひきこもりに向き合えないタイプの父親に多いのは、家族に対して支配的な父親

他者(家族も含む)に関心をもてない父親のようです。

 

 

支配的な父親は、家族をコントロールしたがります

コントロールすることで、安心を得ようとしています。

それだけ情緒的に安定できないものを抱えている場合があります。

 

 

例えば、父親自身が自分の父親から安心を与えてもらえていなかったようなことです。

他をコントロールすることでしか自分を立てていられないのです。

 

 

また、関心を他に向けられないタイプの父親は、わが子との距離感をもてないままになっています

わが子に対しての厳しさや優しさの感覚が分からないでいるのです。

わが子との距離が近づき過ぎると、厳しさが威圧的となり、優しさがおもねるようなものになります。

距離が離れすぎれば、当然関心がおよびません。

 

 

このタイプの父親は、自身の親との間に身体的、情緒的スキンシップ、交流があまりなされていない

ことが多いようです。

無関心(ネグレクト)は、虐待とも位置づけられているほどです。

 

 

支配されたり、関心をはらわれなかった子どもたちは、自尊心自己信頼感が育っておらず、数々

の人生の受難に遭遇しています。

 

 

適切な躾(人生の受難を減らす方法)を与えられなかった子どもたちは、大海も知らず、金魚鉢の

ような狭い世界でしか生きられなくなってしまいます

 

 

ひきこもりの多くが男性ですが、その青年たちからの話に父親のことが多いことを知ってもらいたい

ものです。

母親をなじる父親に対して、「なぜまだ分からないんだ。アンタ(父親)のせいで俺はこうなったんだ

と罵倒した青年もいました。

 

 

青年たちは父親も求めています。

いや、父親を求めています。

自身の非を潔く認めて、詫びることのできる父親

適切に認めて、肯定してくれる父親

家族の精神的支えという意味でのリーダーシップを取れる父親を待ち望んでいます。

 

 

世のお父さま方、是非気がついてあげてください。

お願いします。

 

 

 

 

ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉事業
https://www.interbrain.co.jp/topics/2009/06/post-2.php

 

 

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