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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 不登校 8ページ目

判断の根拠

親御さんが、ひきこもり(不登校)の子どもに、現状改善のために支援機関への
促しをする時に「行かない?」と尋ねたり、「行ってくれない?」と懇願することが
よくあります。
これは適切ではありません。



なぜ適切ではないかといいますと、支援機関に出向かせることは、頼む(依頼)
ことではない
からです。
私どもの所へ出向いてきても、「親に頼まれたから来ただけ」とか「一度行ったら
いいと親に言われたから」と言った青年もいました。



これでは本人に問題意識がありませんから、他人事になってしまっていて、こちら
から現状改善のための具体的な手立てをアドバイスしても実行しません。
アドバイスを聞いている間に、ノートひとつ取りません。
そもそも筆記用具も持たず手ぶらで来ます(笑い)。



支援機関へ行くことを頼むということは、親の困っていること(子どもが動かない
こと)を解消するために、子どもに依頼しているようなものです。
解消すべきは、子どもが長年抱えてきた問題、ひきこもりを招いた苦悩です
子ども自身にもその意識をはっきりと自覚させる必要があります。



「行かない?」と本人の意志(希望)を確認することが不適切である理由は、
判断材料(根拠)もなく、したがって判断能力もない状態の人間に尋ねても判断の
しようがありませんから、楽(現状維持)を取ります
ですから、答えも決まっています。
行かない!」です。



自分がどんな状態にあるかも分からず、何が必要かも分からず、支援団体が
どういうところかも知らない本人に何を判断させようとするのでしょうか?



「カウンセリングしてもらおう」と促す親御さんもおられますが、カウンセリングの
経験もない子どもに判断できるはずもありません。



これでは、責任を子どもに任せてしまっていることになります。
「子どもが行くと言ってくれなかったので、どこへも連れていけず長引きました」と
聞くことも少なくありません。
これは責任転嫁です。
長引いた責任が子どもにあると言いたげです。



また、「主人(父親)に聞いてみて支援を受けるか相談してみます」というケース
もあります。
相談することに問題は全くない。
それどころか、必要なことなのですが、こちらに一度も出向くこともなく「必要ない」
とそれで終わってしまうことが問題なのです
自分自身の目と耳で確認していないことを「必要ない」と何を根拠に判断している
のでしょうか。
そもそもわが子の有事に、親として動かないこと自体、問題中の問題です
そして、その判断に基づいてそのままにしてしまう母親もまた、何を相談したつもり
なのでしょうか?



これはいずれも、見聞きしたうえでの判断の責任を負いたくない父親と、最終結論
(決定)の責任を負いたくない母親
の互いの責任回避の結果です。




まとめますと、判断をできない者に判断させることほど無意味なことはないということです。
ひきこもり状態にある子どもたちは、判断力がありません。
それ以前に選択肢を持ちあわせていないのです。



現状の改善、自身が抱えている問題の解決策が分からないでいる状態のわが子の意思
(好き嫌い)を伺っていても「動きたくない」といった判断に基づいた返事しか返ってきません
それを尊重していれば確実に長期化を招くだけです。
意思を尊重すべきは、判断力がある者の場合だけです。
でなければ、思いやりが仇になってしまいます。

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ひきこもり解決のためには?

今日の一日が、昨日と違うところは何があるでしょうか?
わが子が部屋にいる(登校していない)状況にどんな変化がありましたか?
何もなかったとしたら、なぜ変化が見られないのでしょう?

変化がないのに、なぜそのままにしているのでしょう?

何を前提にしてしまっていますか?
「やがて動き出すだろう」を前提にしていませんか?

どれだけ待ちましたか?
いつまで待ちますか?
動き出せることを期待できる根拠って何ですか?

これまでに失われたもの、これから先待ち構えているものが何かを想像できますか?

これらを自分に問うたことがありますか?
問わなかったとしたら、その責任を誰に求めますか?

なぜ他でもないその対処(過ごし方)をしてしまったのかを考えてみましょう。
いかなる目的で、それをしたのですか? また、しなかったのですか?

目的は、わが子のひきこもりの解決だったはずです。
目的は何のためだったのでしょう?
目的が別のものにすり替わってしまっていませんか?



ひきこもり現象は、「家族依存症」です。
「家族」という関係性だけにしがみつく生き方です。
それは親密さに裏打ちされたものではなく、「血を分けた」という事実としての
立場(権利と義務)だけによりすがったものだけに、変化を加えることを互いが
拒みます
変化を起こす勇気が出せないのです。



なぜなら、自らが人生の担い手であるという自覚がもてず、自らの判断、選択、
結果に対する責任
を認識できていないからです。
現状の改善のために変化を起こしていく不安感の方が、現状に対しての不満足感
より勝ってしまっているのです
勇気の反対は、臆病?
いえ、追従、依存です。




ここでひきこもりが解決していくためには何が必要かをお話ししましょう。
これは同時に、できなければ一生ひきこもらせてしまうということでもあります。



先ず、実は親子で全く同じ課題を抱えているといった自覚が必要なのです。
それは、改善を要する「問題」に対しての対処の仕方や傷つき体験後のストレス
反応が、自己破壊的になってしまっているということです。
同じということは、親がこの課題を乗り越えそれをわが子に示すことさえ出来れば、
ひきこもりは解決していきます



失敗しないことがエライわけでもなく、悩まないことが幸せなわけでもありません。
失敗や悩みからの苦悩、痛みにどう向きあい建設的に対処していくかです。
痛みを避けるのではなく、痛みからの影響をどう昇華(変容)させ、成長、発展に
活かしていくかが肝心です

痛みを避けようとすれば、失敗を避けるために挑戦を拒みます
何事にも取り組まなくなるのです。
これがひきこもり現象です。



そして、わが子に力が及ばない現実を思い知らされる痛みを怖れてやがてはたらき
かけをしなくなる
これが長期化の原因です。



如何ですか?
全く同じなのです。

このことに気がつけば、ひきこもりは解決できます。
 

 

 

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ひきこもりの罪と罰~①

ひきこもる青年たちが、親に対して
こうしたのはオマエら(親)だ
人生を返せ
なぜ結婚したんだ(自分を生んだのか)
等と訴える場合があります。



ひきこもることを親への「復讐」と明言した青年もあります。
親へすがりつき、依存する(世話をさせる)ことで痛みを与えようとしているの
です。
「親を喜ばせたくないからあえて自立しない」と言ったりもあります。



彼らからすると、ひきこもらせた「罪」があるから、罰を受ける必要性があると
主張したいのでしょう。
中には慰謝料として金銭を要求した青年もいました。
まさに損害に対する賠償です。



これを受けて、多少なりとも思い当たる親御さんは、真面目な方ほど償おう
とされます。
しかし、ここで大事なことは、「何が償いになるのか」ということです。



償いを考えるとき、どうしてもあがなうといった発想になりやすいものです。
つまり、自己を犠牲にして相手に尽くすという行動になりやすいのです。



そうすると、これまでもあったのですが、「一生自分たちが死ぬまでこの子
のめんどうをみます
」といった償い方が出てきます。
死ぬまでとは言っても、順番的には親の方が先に逝くわけであって、その
前に体が動かなくなる時期も来ます。
そうなれば世話をやくことすら出来ません。
以前ある家族会で、「介護の勉強をさせて自分たちの介護をしてもらえば」
といった発言を聞いたこともありました。
これにはさすがに絶句しました。



ひきこもりの生活(生き方)を支えるということは、友人もなく、恋人もなく、
待ってくれる人もなく、ひっそりと誰にも気づかれずに暮らすということです
何よりも、自分が最も自分でいられる熱中できるものに気づけぬまま生を
終わるのです



冒頭にあげたような無念を残したまま、はたして一生めんどうをみてもらった
としても心が平安になれるのでしょうか。
また、そこには家族として共に生きる兄弟たちの存在があることも決して
忘れてはならないことなのです。
この「」と「償い」といったものへの強い違和感を一緒に考えてみましょう。






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現状へのしがみつき

どうすればいいですか?
この問いは相談者の方(親御さん)から 一番多く聞かれるものですが、実はここに
解決が困難になってしまっているひとつの要因が現れているのです。


どういうことかといいますと、この問いが発せられる場合、自分から能動的に
こうしよう」ということがほとんどありません。
どうにかしてほしい
という言葉が次に出てきます。
つまり、支援者(他者)に任せきってしまっているのです。


数年前、「若者自立塾」という国のニート、ひきこもり対策がありました。
3カ月間合宿生活をさせ、就労へつなげるといったものです。
私はある地域の自立塾に外部講師として携わったことがありましたが、そこへ
子ども(といってもほとんど成人でしたが)を預けられた親御さんは、3カ月の間
に塾がなんとかしてくれるといった意識でほとんどおられました。


「3カ月の間に、迎えうける環境をしっかり作っておかねばなりません。親御さん
の意識、家庭の環境が何も変わっていなければ、元の木阿弥ですよ
」と釘を
さしておりましたが「ポカ~ン」という感じが少なくありませんでした(笑) 


外部講師で直接運営に関わる立場にはありませんでしたので、塾の取り組み
を傍から見ておりましたが、回を重ねるごとに参加者は減り、5人に満たない
ような状況にもなり終わってしまったようです。
結果が出なければ無理もありません(元々国の事業自体に無理があるもの
でしたが)。


目の前に解決を要する問題が生じた場合先ず大切なことは、「どうしよう」では
なく、「何が起こっているのか」を把握することです。
どうしたのだろう?」です。


起こっていることが分からないでいて、手立て(手段)を「どうしたらいい?」と考え
ても、適切な対応にはなりません


起こっていることは、学校に行かないことでもなく、部屋に閉じこもっていることで
もありません。
子どもの中に、何かが起こってしまっていて、そういった状況になっているのです
から、わが子の中に起こっていることを把握しなければなりません
「どうしよう、どうしよう」と困惑するのではなく、何が起こっているのかを理解する
ための行動を取ることが先ず行われることなのです。


「どうしてこんなに長くなられたのですか?」と尋ねますと、
その内動くと思っていた
相談場所が分からなかった
一度行ったが、結局手立てが分からなかったから
相談所が遠かった
仕事の休みと合わなかった
等々


分からないことがあれば、基本「調べる」「聞く」「尋ねる」「訪ねる」です。
調べるということで言えば、今の時代インターネットという便利な道具もあります
ので、パソコンがなくてもスマートフォンでもあらゆることを調べられます。
操作が分からなければ教わればいいんです。
パソコン(スマートフォン)がなければ、買えばいいんです(わが子の一大事なの
ですから)。
書店に行ってもあらゆる関連図書が販売されています。


「相談所が遠かった」
「仕事の休みと合わなかった」
にあっては、もう論外です。
足を使うということを忘れてないでしょうか。
休みは有給だろうが、(仮)病気休暇だろうが取ればいいんです。
仕事とわが子(家)の一大事とどっちが大事なのでしょうか。
親の主体性を欠いた、人頼りの依存的姿勢(丸投げ体質) が長期化を招いて
しまっています



現状にしがみつき、自ら変化(改善)を起こすことをせずに、結果(解決)だけを望ん
でも何も得られることはありません
 

それをわが子がそのまま真似をしてしまいますよ。 




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直視恐怖

ひきこもり現象は、大きく二つの問題があります。
ひきこもることと、それを継続させることです。



ひきこもることは、ひきこもる以前にすでにその当事者(ここでは動かないでいる
青年)に問題があったからです。
つまり、自身にふりかかったことに対して、ひきこもるという形でしか対処できな
かった。
もっと正確にいうならば、ひきこもる(反射的に逃げる)反応しかできなかったこと
が問題なのです

それまであった問題が露呈した結果がひきこもりです。



そして、ひきこもりが数年と継続してしまったこと。
この継続してしまったことに関しては、当事者として、両親も含まれます



ひきこもりには、二次障害とでも言うべき、長期化することでの後遺症という
ものが出てきます。
また、社会復帰ということでは大きなハンディを背負います。
ですから長期化していいことは何もありませんので、早期の解決が望まれる
のですが、この長期化を招いてしまっているのが、動かない子どもというよりも、
親が原因なのです。



ひきこもりという現象は、子どもが動けないというのが大前提ですから、本人が
動かないから長引いたというのは、理由にならないのです
これは、子どもの(元より無い)やる気への依存であり、親としての主体性が無く、
責任転嫁とも言えます。



ひきこもる反応しかできなかったこと。
主体的に改善、解決のための取り組みができなかったこと。
いずれもその根底にあるのが問題に対しての直視恐怖です。





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困っているのは誰?

かねての相談のその多くは、わが子が促しに応じずひきこもったままというもの
です。
これは親御さんが困っていることでとの相談です。
困っているからもちろん相談に来られるのですが、現状の改善のためには少し
視点を変えて頂きたいのです。


どういうことかと申しますと、ひきこもっているわが子が困っていることに関心を
もって頂きたいということです。
青年たちはそれぞれの理由があってひきこもっています。
その理由に困ってひきこもっているのです。
ですから、その困っている理由を解消してあげることで現状が改善されます


青年たちは、親が自分を心配してくれているのではなく、親自身が困っている
ことを何とかしたいだけだと感じている内は動きません



なぜ学校行かないんだ!
なぜ働かないんだ!
と、到底理解出来んことをなぜするんだといった責める形の問いかけになって
しまっています。
何を困ってしまっているのかの問いかけ(心配)ができているでしょうか?


青年たちは、やり場の無い不安や怒りを身近な親や物にぶつけます。
それさえ出来ない子どもは、内にこもり、意思表示もせず息を潜めます。
いわばご乱心状態です。


心の混乱を招いたひとつの要因が、親子の間での関係と存在の乱用です。
乱用」とは、分かりやすく言えば、親側の自己都合による扱いです。
期待と称して自己欲求を満足させるためにわが子を動かそう(変えよう)と
することです

良かれと思って「あなたのためよ」という言葉が出たときには、実は自分の
ためになっていないかを振り返って下さい。


乱用から混乱を生じご乱心状態となってしまっているのがひきこもりです。
ですから解決にあたっても、自己都合が優先され、親側の困ったことを解決
するためではなく、わが子の困ってしまっていることを最優先で解決してあげる
ことが必要なのです。


いい加減にしてっ。いつになったら働く(学校行く)の!」では、わが子の
困りごと(痛み)に寄り添い、心配しているというメッセージとはならないのです。
 


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自分を愛する


「子育て」を考える際、子どもの何を育てる(大切にする)のでしょうか?


ひきこもる若者たちに共通してあるのは、彼らは自分を愛していないということです。
「自分のことを好きですか?」と尋ねると、「嫌いです」と答えが返ってきます。


自分を愛するというのは、自分を大切にしているということです。
つまり「自愛」です。


似て非なるものが「自己愛」です。
若者たちに見られる「俺が俺が」「私が私が」という態度は、さも自分を肯定(好き)
できているように見えますが、それは自己嫌悪の裏返しです。


見返りを期待される条件つきの愛情で育てられた子どもたちは、ありのままの自分を
認められず、親の期待(理想)する「わが子像」に成ることに失敗し、そんな自分を
自身受け入れられなくなってしまったのです
ですから、そんな自分を見透かされないために「俺は違う、スゴイんだ。正しいんだ」
となってしまっています。
自分でもそう思い込みたいんです。


自愛」が育てば、他者に対しての「慈愛」が芽生えます。
自分が大切なように、「他者も自分を大切にしているはずだ」と思えるからです。
自分と同じように相手が大切にしているものを大切にしたいからです。


では、溺愛されたら自愛が育つかというと違います。
母親は溺愛されて育ってきたのに私を同じように愛してくれなかった」と言った女性
がいました。


この母親は一人っ子で両親から溺愛されてきたようですが、親の子に向けられる
愛情で注意しなければならないのは、それが愛情ではなく執着から来ているもので
あるという場合が少なくないのです。


執着である場合、わが子を自身の所有物としてあつかいます
ですから、期待と称して愛情をそそぐための条件を与えます
「いい子にしていれば」とか「勉強頑張ったら」とか「言うこときいていれば」とかです。
自身の望む部分だけに執着し、それ以外は受け入れません
子どもはまるごとは受け入れてもらえないのです。(これが「条件つきの愛情」です)


所有物ですから、ほしいものに執着し手放さない(自分の中に取り込む)のも、ほしく
ないからあっさり手放す(捨てる)のも、親の気持ちひとつです。
 子どもはたまったものではありません。


溺愛は、子どもが求めぬものまで先回りして与えます
つまり、あくまでも自分(親側)の求め(都合)で与えているのです。
ですから先の女性の母親は、自分の求めにあわない部分には愛情を示せなかった
のでしょう。
それは、子どもの主体性尊厳性を踏みにじる行為です。


執着にならず慈愛をそそげるために必要なことは、慎み敬いです。
一個の独自の人格をもった存在と認めれば、自身を慎み、自分の都合に合わせ
ようなどと考えません。


わが子の人格への敬いがあれば、適度な距離を保つことができ、密着(我がもの)
することも無くなります。
自分の人格を尊重されることで、子どもには自尊心自己信頼感が育まれるの
です。


自分が嫌いであれば、それをごまかすために慢心利己心が強められます。
それは人間関係に不調和が生じやすくなり、人生に破壊的な影響を与えることに
なりかねません。
自分を大切にできる。自分を好きになれるように育てていきましょう。



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無力の効能

親としての無力さを味わうことがいかに有用かをお伝えしてきましたが、今回さらに
その効能をお話しします。




無力を知れば、慢心が抑えられることはお話ししました。
慢心があれば、向上心が望めません。
ですから、慢心を抑えられることで、成長のために必要な向上心をもてるのです




出会うもの全てがわが師」とばかりに、自身にふりかかることは、全て自分
の成長のために必要だからこそ起こったという前提
でものごとを捉えるならば、
それら全てに感謝ができる。




感謝が土台にあれば、ひとつひとつの出来事を味わうことができます。
好ましからぬことに対して、見ない、聞かない、意識を向けないという姿勢では、
味わっていることにはなりません。
食事も甘い、辛い、すっぱい、苦いと色々あるから味わい深く楽しいのです。




人生を味わうというのは、面白く感じるということでもあります
「面白い」というのは、「おかしい」というのではなく、「興味深い」ということです。
「この難儀(試練)は、自身の成長のための絶対必要条件」との認識(前提)に立てば、
成長のためにどう必要なのかと自問が始まり、興味深く(面白く)なる。
そうなると、楽しくなってくるし、嬉しくさえなってくる。
嬉しくなれば明るくもなれます。




困難な状況に対して、愚痴(毒気)をこぼし嘆きの人生にするのか、味わいの人生
にしていくのかは、自分次第です
慢心があれば、周囲(わが子)を常に見下し、声を聞くことすらしません。
無力を自覚し、慢心を捨てれば、謙虚になれて、より向上、成長を自身で願うよう
になれます。
わが家の困難な状況にも感謝でき、味わいながら改善、解決に取り組み、自分
をより高めていけるようになるのです。




そのことが結果、わが子のひきこもりに終止符を打つことにつながるのです。




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無力を知ることが解決につながる

わが子へのはたらきかけが全く功を奏しない事態に直面し、その両親たちは、親として
無力さを思い知らされます。
しかし、このことが実は解決につながる大きな意味をもっているのです。
そのことについて述べてみましょう。



無力を知ることで最もいいのが、その時点での限界を知り、謙虚になれることです。
そもそもある問題を抱えるということは、その時点での自身のあらゆる意味での限界を
超えているということで、それまでの価値観を見直し、新たな価値観(視点)に基づいた
行動を実行していかなければならないことを示しています。
つまり、成長へのターニングポイントであり、自己変革のチャンスです。



無力を知れば、それまでの慢心も抑えられ、謙虚にならざるを得ません。
わが子のことは誰よりも分かっている
子どもは親の言うことをきくものだ
自分の望む子どもになってほしい
これらはすべて、親の慢心、傲慢さから出てくるものです。



わが子は思うようになるものだと、どこかでコントロール幻想を抱いてしまいやすいもの
です。
コントロールは、わが子から自由を奪うということです。
自由を奪えば、主体的な生き方ができないようになってしまいます。
それは、何ものかに常に依存した生き方しかできないということです。



無知を知り謙虚になれれば、素直になることができます。
素直になれば、わが子からの訴えも、周囲からのアドバイスにも耳を傾けられるように
なります。
素直になれれば、正直に自分の非(いたらなかった部分)を認めることができます。
素直さや正直さは、潔さにも通じ、他者(もちろんわが子も)からの高い信頼につながり
ます。
わが子の目線に降り理解し、痛みに寄り添えることで、解決の途につけるのです。





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無力さを味わう

わが子が不登校になったり、ひきこもると、親御さんたちは嫌というほど自分たちの無力さを思い知らされます。
わが子が何を言っても聞く耳をもたず、場合によっては暴力などで反発を露わにすることもあります。
多くの親御さんが親として自信を失い、打ちひしがれます。



しかし実は、この無力を知るということが、目の前の問題を解決できるために必要なことでもあるのです。
なぜ無力さを味わうことが必 要なのかこれから述べてみましょう。



先ず、無力さを知るとどうなれるかを考えてみて下さい。
以下、「たらちね親の会https://www.interbrain.co.jp/tarachine/ で参加家族の皆さんから出された回答です。


自分の限界を知ることができる。
自分を省みることができる。
自分に向き合える。
コントロール幻想を手放すことができる。
無用なプライドを捨てることができる。
子どもの目線に降りることができる。
子どもの痛みに寄り添うことができる。
謙虚になれる。


如何ですか?
無力さを知ることで、これだけの得られるものがあるのです。
もちろん、自暴自棄になり、それこそウツになって自分が閉じこもってしまう場合もあります。
いわば、そこが解決か長期化かの分かれ目とも言えます。



青年たちは、発育成長の過程で、様々な自力での解決が困難な課題に遭遇します。
その度に、迷い、戸惑い、悩みます。
そういった際に、親が適切な関わりをもって指針を示せなかったケースで、後にひきこもり等につながっていることが多いのです



子どもが学校に行かなくなった。
部屋に閉じこもって出てこない。
わが子の行動が、思うに任せない状態になった時、上記の回答の様な状況になれなかった場合で事態がより悪化、長期化してしまっています。



青年たちの話の中で、自分が不登校をしたり、動けずに閉じこもってしまった時の両親の自分に向けられた態度のことがよく聞かれます
もちろん、その時の傷つき体験の話です。
それだけ彼らにとっては、そもそもの原因となった傷つきと同じくらいの痛みがあるのでしょう。



発達障害でも言われていることで、障害そのものよりも、障害に対しての無理解さからの叱責や、体罰といった不適切な対応による二次障害の影響(トラウマ)の方が大きいという問題があります。
それと似たような状況が、ひきこもりにもあるのです。



早期の解決に進むのか、長期化を招くのかが、無力さを味わうような場面での対処の違いひとつで変わってくることを心得て頂きたいのです
次回から、無力さを知ることで得られることが、どう解決につながるかを述べてまいりましょう。



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