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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 不登校 26ページ目

世界平和も環境保護も

相談を受けていますと、数年前に一度来訪されたご家庭が再度来られる場合があります。

そういう場合、とても複雑な口惜しい気持ちです。どうしてその時にすぐに動かれなかったのかと。

特に5年以上前ともなりますと、これまでの当協会の支援実績ですと、すでに社会へ関わっていら

れたはずの年数だからです。6,7年前に来訪されたある保護者会の世話役の方が、先日その会の

主催の講演会を聴講した際、まだお世話役として活動しておられました。当時すでにご子息は数年

の期間を経過していたと思いますので、おそらくは10年を優に超しているのではと思います。

時おり、保護者会などへ参加していた方の相談があり、会報誌などを目にする機会がありますが、

そこでも「5年以上参加していますが」といった手記が掲載されていたりします。

以前ある会報誌を見せられた時がありました。

そこには30年にもなるのひきこもりの親御さまの手記が掲載されていました。年数はもとよりですが、

それ以上に愕然としたのがその内容です。一部ご紹介します。

『この間、数えきれないほど大勢の当事者本人、ご家族、支援者にお会いしました。多くの場合、

回復や好転する人の極めて少ない、また、再発も多い困難な病気だということがよくわかりま

した。困難なことといえば、他人と会うことができないため、買い物ができない、ゴミ出しができ

ない、草取りができない、回覧板が回せないなど、おもに地域生活の不自由さの面で、実質的

障害状態にあります。そしてこの状態が社会から障害として理解され、認められ、支援を受ける

見込みが、まだ全く立っていない、どうしようという強い不安感でいっぱいです。

「不自由さレベル」を正しく知っていただき、それを補う介護福祉的な視点からの支援もしていただ

ける制度を作って欲しいと考えています』

いかがでしょうか。30年もの間数えきれないほどの関係者に会っていながらも、事態が改善され

なかったほど、この問題の複雑さ、深刻さといったものが分かられるでしょう。

買い物ができない、ゴミ出しができないというのを障害としてみておられるのには、正直戸惑いを

隠せません。私共がこれまで関わってきたほとんどの青少年たちもまた、その状態だったから

です。しかし皆、家族一体の取り組みで克服していきました。5年とかからずです(個人差はあり

ます)。

回復や好転する人の極めて少ない、また、再発も多い困難な病気だとわかった」と悲嘆

してしまいたいお気持ちはよく分かります。

しかし、もう一度、向けるべきところへ目を向けさえすれば、回復、好転は少なくは無く、原因

療法的な対応をすれば、再発もくい止められるということを知ってほしいのです。

ひきこもりや不登校、ニート問題を、個人や家族の問題ではなく、社会の問題であるととらえる

視点もありますが、これは平和運動や環境活動などと共通したところがあると感じます。

何かと申しますと。

世界平和を実現するためには、人間一人一人が笑って生きることを実践すればいいんです。

環境を守ろうと思えば、一人一人が自然を畏敬し、自然を汚さないように取り組めばいいんです。

大それたことをする必要はない。大切なことは一人一人の自覚です。

高尚なスローガンをあげて、「みんなでやろう!」なんて言うから、誰もしないんです。それぞれが、

「私がします」と実践すればいいんです。自身が責任をもたなければ、結果への責任を他者に預

けてしまいます。

ひきこもりは家庭でおこっていることです。家庭の集合体が社会です。

修身齊家治国平天下(大学)

一人一人がその身を正し、家庭が整ってこそ、国(社会)が治まるのです。

社会の混乱が人心を荒廃させるのではなく、人心の荒廃が社会を混乱させていくのです。

 

 

 

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ひきこもり=病気論は免罪符?

「いっそ病気であればどれだけ救われるか」

この言葉は、相談者から時々聞かれます。親御さん方の本音の心境だと思います。

躾がなってない粗暴な子と思われていた子どもたちの一部が、広汎性発達障害といった病だという

ことが分かってきて、学校内での対応も図られてきました。もちろんまだまだ一般レベルの認識は

不十分で、差別、偏見はあるようですが、周囲から親としての立場、プライドをぼろぼろにされ、自身

責めさいなんできた親御さんたちにとっては、どれだけの救いになったことでしょう。

そういうことからも、「ひきこもり」においても病気であってくれた方がとの気持ちは分からなくはあり

ません。

しかし、私がこれまで関わってきた長期不登校、ひきこもりのほとんどの青少年たちが、何らかの

病気を原因としたものではなく、明確な原因があってのものでした。だからこそ、治療行為による回復

ではなく、原因となったところの問題改善、解決により本来の自分を取り戻していきました。こう申し

ますと、軽度のひきこもりではとの質問がありそうですが、ほとんどが20代後半以上であり、10年を

越す相談もめずらしくありません。

引きこもり動態論』というものを目にしたことがあります。ひきこもりが始まり、約8割が疾病に移行

し、さらには障害化するというのです。確かにある相談者は、医者から「10年を越しているならもうあき

らめなさい」と言われたと嘆いていました。もちろん、医療機関と連携して、劇的な回復をしたケースも

ありましたし、対人恐怖や強迫行為などが見られるのはよくあります。しかしそれらも、治療ではなく、

原因の解消により漸次緩和されてきます。

精神疾患や障害によるひきこもりや、当事者や家族の高齢化によって、家庭が破綻してしまい社会的

救済が必要とされるひきもりの場合は、医療、福祉行政の対策が求められると思います。

現実、ある保護者団体では国に要望書を上げ、精神保健福祉法の適用やひきこもり支援法の創設、

福祉介護保険の対策などを訴えています。これが実現できれば、特に両親が高齢であったり、片親

家庭にとっての救済策になろうかと思います。

しかし同時に、最後の手段としての社会的救済策だけをこいねがうのではなく、長期化しないための

具体的取り組みこそ実行していかなければならないと思います。

『引きこもり動態論がなかなか理解されず、いたずらに放置され(省略)社会にも深刻な次世代問題

となっている。ところが現状は、残り2割の無病理性の当事者や不登校の肯定論が強調さ

れたり、社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている

といった主張の中には、なぜ疾病に移行してしまっているのかといった部分への議論より、社会の

認識の不適格さが強調されているように感じられます。

それはまさにいたずらに長期化が放置されたかではないでしょうか。

ひきこもりは、長期化していけば何らかの病理性が出てくる可能性が高まるのは当然です。早期解決

をはかり、長期化させないための取り組みがおざなりになり、結果として病気になってしまったから、

救済の手立てを腰の重い国に求めるのでは、日々進行しているひきこもりを止めるためのクサビには

ならないと思います。

飢えや寒さをしのぐために、食料や毛布を与え続けるのではなく、自らが作物を生産できる方法を伝え

てあげることが、途上国への真の救援策であるように、長期化させないための家庭での取り組み策を

考えていくべきだと私は思います。

社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている』と述べられていることからも、

ひきこもり=病気論が親のための免罪符になってしまっているのではないでしょうか。

当協会が関わってきた家庭は、単なる甘え、甘やかしでひきこもった家庭ではありませんでした。

もちろん、病理からひきこもったケースもごく一部です。当協会だけにそういった家庭が集中するとは

思えません。ほとんどがそうなのではと思います。

それぞれの家庭が、ひきこもった原因を探り、長期化した要因を改善していったことで、打開していって

るのです。子どもは、家族病理の拡大鏡であり内視鏡です。家庭のありよう、水面下の問題を大きく

そして、鮮明に映し出してくれま

当事者家族の方々は、社会の認識という「世間」の無責任な批評をはね返す勇気をもってください。

青少年たちは、家族の救援者です。私たちにさまざまな気づきを与えてくれます。

親と子が、互いに求め合う中での矛盾を解きほぐしていくことで、睦びあう家族に再生していけるの

です

この件については、次回も論じさせて頂こうと思います。

 

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コミュニケーションが取れない

今日は久留米市にある若者自立塾の卒塾式前の保護者会へ参加してまいりました。

3ヵ月の合宿を終え、それぞれの家庭へ帰っていきます。迎え受ける家族がこれからどのように

サポートしていけばよいかなどの様ざまな質問がありました。

その中である父親から「子どもとのコミュニケーションがうまく取れない」というものがありました。

この父親は、手紙で意思を伝えたところ、子どもから「なぜ直接言わないんだ」と母親を通して言

われたそうです。そこで直接話をしようとしたところ、今度は黙ったまま返事もしなかったそうです。

こういったことはよくあることです。子どもは、直接話をしてくれたらちゃんと返事をすると言ったわ

けではありません。そのお子さんは、ただ直接話を聞かせてほしかったということだと思います。

返事をするつもりはないけど、顔を見て語りかけてほしかったんだと思います。

コミュニケーションは、たとえ一方通行でも途絶えさせてはいけません。私が自宅訪問をする際

でも、ドアの向こうで息を潜めている青年たちに、一方的に語りかけ続けます。たとえ何の応答が

なくてもそれを続けます。そうしている内に何度目かの訪問の際に、ようやく返事が出てきます。

メタコミュニケーションと言う言葉があります。非言語的コミュニケーションのことです。

コミュニケーションを考える際、言葉(言語)によるコミュニケーションを主体に考えがちですが、

ひきこもり家庭においては、特に父子間の言語によるコミュニケーションは長きにわたって途

絶えており、子どもに影響を与えているのは、むしろ非言語的コミュニケーションの方なのです。

口では「早く仕事をして自立して」と言いながら、身の回りの世話のほとんどをやってしまうという

ことは、「お母さんをいつでも頼りなさい」というメッセージを送っているのと同じです。

「出ていけっ!」とは言っても、夕食が準備されていれば、「いつまでもいなさい」というメッセージが

送られます。これが非言語的コミュニケーションです。

女の子に男の子の格好をさせれば、「女の子では愛せないよ」というメッセージであるし、他の

兄弟をかわいがれば、「オマエは必要ないよ」というメッセージとして送られるのです。

コミュニケーションは、相手に何をイメージさせるかなのです。言葉そのものではなく、相手に

抱かせる情景が、コミュニケーションの結果なのです

このメタコミュニケーションにより、ありのままの自分でいることを許されなかった子どもたちが、

ひきこもるというメタコミュニケーションを通して、親たちにメッセージを送っています

メッセージの内容は、それぞれ違います。わが子のメッセージを汲み取ることが大切です。

言語によるコミュニケーションが十分でなかった家庭ほど、いざコミュニケーションを取りたくても

思うように取れないことを嘆きます。しかし、それは当たり前の話です。

わが子に送ってしまった非言語的メッセージ、不登校、ひきこもりでわが子から送られてくる

メッセージの解読こそが、コミュニケーションの回復を助けます。

 

 

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無自覚な過去の傷み

不登校やひきこもりの相談を受けていますと、あらかた学校でのいじめや失敗体験、人間関係

のもつれなどが引き金となり閉じこもりだしたという話があります。ともすると、これらの出来事が

原因としてとらえられてしまいます。しかし、これが本質的な原因である場合はほとんどないと

いっていいでしょう。中には、前髪を自分でハサミで切り損なったのをきっかけに6年間ひきこ

もった子もいます。もちろん原因は他にありました。

こうとらえてみてください。

500段の階段を一気に駆けあがり、頂上に着いてみたら10段ぐらいの跳び箱があり、「これを

跳んだら終了」と言われたら、さすがに跳べませんね。いつもだったらなんでもない跳び箱でも、

足がガクガク震えてぶつかって崩れ落ちてしまうでしょう。

きっかけとなった出来事は、本来だったらつまづきの原因にもならなかったはずのことです。

それがその時には精神的に跳ね返せるだけの余力が無かったということです。よく「そのくらいの

ことでなんだ!」と親や周囲の大人たちから出ることからも分かるでしょう。

ではなぜその時、それだけの抵抗力がなかったかを考えてみる必要があります。それが先ほど

の500段の階段です。つまり、すでに相当のストレスをそれまでに抱えていたということです。自身

の許容量をはるかに上回るだけの心的ストレスを抱えていて、それがきっかけの出来事によって

あふれ出したというわけです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)もトラウマを受けた数年も後に突然発症する場合があると言わ

れています。

では、許容量を超えるほどのストレストラウマがどの時期、どこにあったか。それを知ることが

回復の手助けをするためにも大切です。多くが日常の、その子にとってはあたりまえの生活の

中で受けた傷の場合です。

日常とは言っても、本人にとって決して軽々しいものではありません。むしろ、深刻なダメージ

をあたえているものが多いのです。しかし、慢性的なダメージは、本人すらその影響に気づけ

ないでいる場合が少なくないのです

不登校やひきこもりの理由を親が尋ねても答えないことが多いですが、その理由がここにあります。

きっかけになる出来事の多くは、叱責批判排斥など自身を否定されるような場面です。

自己の存在をうとんじられる周囲からの言動などにより、こころの心棒がポッキリ折れてしまうのです。

ですから、それまでにあったものは、自分を自覚できず、足元が揺らぎ、周囲からの自分に向け

られる評価に過度に怯えているといった状態です。「居場所がない」と言いますが、自分がここに居る

意味を見いだせずにいる状態なのです。

こういった状況で、先のような場面に遭遇するともろくも崩れ落ちます。

では、これまでにそういった背景をどこで作ってしまったのかを親御さんには考えていってほしい

のです。

 

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本心は行動にあらわれる

「ちゃんとわかっている」「するつもり」「しようと思えばできる」こんな言葉を子どもから聞かされた

ことはありませんか? どう対応しておられるでしょうか。

言葉では、行動を起こすことを意図しているようですが、案外行動は現状維持の状態ではない

ですか。これは、現状の不満足な状態に対しての妥協が、すっかり習慣となってしまっているか

らです。決して満足できているわけではない。でも、改善するために新たに何かに取り組むのは

したくない。というのが本音なのです。うまくいかないかも知れないというリスクをかかえてまで、

現状改善に取り組むことは避けたいんです。

現状の生きにくさを我慢することよりも、新たな挑戦への不安の方が負荷が大きいということです。

現状維持がまだましなのです。

では、どうやって現状を打破し、改善していくか。

本心(本音)を変えていくしかありません。めんどくささや新たな取り組みへの不安に克つことが

必要です。本心から、より良くなっていきたいと決心することです。

良くも悪くも一定の期間が経過してしまうと、その状態を維持しようという力がはたらきます。

「家族平衡」により、支配、被支配、依存、被依存といった関係性でバランスをとろうという勢力が

はたらくのです。

「わが子がまた今日も家にいる」ということがあたりまえ(通常)になってしまっていませんか?

その状況を変えるためには、先ず親が大きく動き出さなければなりません。

ここで本音が問われます。動き出すことでの抵抗勢力がすぐに頭に浮かびます。その時、現状の

不満足な状態に対しての妥協の習慣、癖が頭をもたげてきます。

本心に問いかけましょう。

「私は今の状態を改善することを心底望んでいるのだろうか?」と。

 

 

 

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わが子を理解する

医療の現場では、「病気」は診るけど「病人」を診れる医者は少ないといったことが言われるそうで

す。なぜこのような病気になったのか、その人そのものを理解することが治療にとって不可欠だと

いうことです。

不登校やひきこもり、ニートは、病気ではない分、よりこの本人を理解するということが、回復への

要となります。なぜそのような生きにくい生き方をあえて選んでしまったのか。

当事者にとっては、傍から生きにくいと見えている生き方が、それ以前の生きかたよりまだましだ

からです。それだけ以前の生きかたは、生きにくく、生き辛かったのです。

それはなぜなのでしょうか。

私がご相談者によくお尋ねするのは、「ひきこもりが解決したら家庭の中は全てOKですか?」とい

うものです。この質問の回答に先ほどの質問の答えが実は隠されています。

わが子のひきこもりが解決したら他に何も問題がないという家庭であれば、恐らくひきこもりは生じ

なかったでしょう。

わが子を理解するためには、その子の生きてきた背景を観察しなければなりません。

なぜ生き辛さを感じて生きてきたのか。

人はどのような状況で生き辛さを感じるのでしょうか。考えてみてください。

あなたは、自分の存在を誰も気づいてくれなくて平気でいられますか?

あなたは、誰からも必要とされず、愛されずに平気でいられますか?

あなたは、自分の価値を実感できずに平気でいられますか?

あなたは、自分を伝える手立てを持てずに平気でいられますか?

あなたは、恐れずに心を開ける相手がいなくても平気でいられますか?

あなたは一人で平気ですか?

 

学校に行かない。働かない。閉じこもる。

その状態の修復に終始しているうちは、わが子を理解することはできないでしょう。

学校にあって家庭にないものは? 働くことに求められるものは? 家族とは違い他人とのかかわり

に必要とされるものは? 家族だからこ負わなければならないものは?

これらのことを考えてみてください。

 

今日の相談者からもこんな言葉がもれました。

「どうしてこんなに長くなってしまったのか。もっと早くに動いていれば」

10年のひきこもりも最初の一日から始まっています。

なぜすぐに動かなかったのか。あなた自身の背景を理解してみましょう。

 

 

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最低限やるべきことは?

こんな相談がありました。「家庭で心がけておくべきことは何でしょうか?」

これに対しては、こうお答えしています。

「解決策が分からないまでも、最低限状況の悪化は防いでください」

コミュニケーションは絶たれ、昼夜逆転し、ゲームやインターネットを好きにやれる環境があれば、

間違いなく事態は深刻化していきます。3ヵ月もそのままにすれば、もうそれを親が容認したと

本人はみなしています。

不登校やひきこもりが始まって、1年もしない内に相談に来られることはまずまれです。

相談に来られた時には既に数年を経過しています。ですから、当然その家庭では、ひきこもりは

容認されたものとしてわが子は受け止めているということを前提にかかわりを始めなければなり

ません。にわかに親が動き出しても「何をいまさら。なぜ今頃」状態です。

だからといって、早々にあきらめ動かないわけにはいきません。

先ず、その生き方を認めているわけではないこと。改善を要する状態にあると受け止めている。

積極的に改善していくことを共にやっていきたい。という親側の姿勢を明確に示す必要があります。

いざ、第三者の介入を加え改善、解決を始めていく決心をしたら、ある意味これまでのことは、棚に

あげてかかるしかありません。

多くが、「困るんだ」とただの愚痴をこぼす形になっています。困っているのは当事者が一番困って

います。親の「困った」を解決するのではなく、わが子が抱えている課題の解決をしていくことを、

はっきり示してあげてください。

それから、よく「本人がいやがることを無理強いしても」というのもよく聞かれます。

私はいつも「この親御さんは、何を大切にしようとしているのだろう?」と疑問に思います。

これまでの生活形態から、自立に向けての促しは、当事者にとってほとんどいやがることばかりで

す。庭木の剪定に学んでください。目的を果たすためには、制約、犠牲、苦痛は必要なのです。

果実も厳しい冬を越してこそ美味しい実がなります。

生活するというのは、「生命を活かす」「活き活きと生きる」ということです。何かを生みだしていく。

創造していくということです。

わが子を活き活きとさせていくことが、個性、存在を大切にするということです。

親側が傷つきたくない自分を優先(大切に)してしまうと、言わなければならないことも言えなくなり

ます。

事態を深刻化させないために、家族が閉じこもらず、学びを広げていくことが肝要なのです。

 

 

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父の日のわが家

昨日は父の日でしたが、娘たちからの贈り物がありました。

昨年嫁いだ長女夫婦も一緒に食事の予定でしたが、あいにく娘に仕事が入り、娘婿が届けてくれ

ました。毎年、私が着る服にかまわないから服をプレゼントしてくれます。娘からもらった服で少し

おしゃれができます。

次女は、ビールとケーキ。家内と私がビールを喜ぶので、先月の母の日もビール。おかげで少々

飲みすぎのようです。私が子どもたち以上に甘いものが好きなのでケーキもつけてくれたのでしょう。

小6の末娘は、にっこり笑顔でごまかされました(笑)。

こんな娘たちとも、特に長女、次女とは、思春期のころにかなりぶつかりました。

どうやったら伝えられるか、どうやったら分かりあえるか。頭も心も悩ませたものです。

大きな声を出したこともあります。つかみあったこともあります。家内とも喧嘩になりかけながら娘

たちのことで話し合ったことも何度もあります。

私が心がけていたことは、「何のためか」という目的を伝えることです。また自分自身にも「何のため」

「何を」娘にしようとしているのかを確認するように努めました。

親も子も衝突するのは、あらかた手段に拘るからです。目的が明確になっていれば、手段は多様に

考えていけばいい。ひとつの手段に囚われてしまうから当初の目的を見失ってしまいます。

それから、私は決して娘たちに好かれよう、気に入られようと考えませんでした。嫌われようが、

「いつか分かる日が必ず来る。そのために今伝えるべきことは今伝える」という信念で向き合いまし

た。かっこ悪い姿も見せました。父親の威厳?そんなものは考えもしません。ありのままに感じた

ままを伝える。それだけでした。

長女の結婚式の日。私たち両親への手紙の中に、心に届いてくれたと実感できる言葉をもらい

ました。父親としてひとつの役目をはたせたと胸にこみあげるものもありました。

次女からは、数年前の誕生日に手紙をもらいました。ぶつかりあったころのことを振り返り、

「これからも叱ってほしい」と書いてありました。

娘たちからの手紙は、私の一番の宝物です。

支援活動の中で多くのご家族と出会い、その中で、本来の家族の絆を取り戻していったのは、

皆真正面から向き合い、本音でぶつかりあったご家族です。

たとえ、暴力や暴言があった子どもたちでも、両親が目をそらさず、しっかり現実を受け止めた

ご家族が深い絆を取り戻しました。

わが子が自分の人生を代償にしてまで、身を挺して両親に訴えようとしていることを、自身の問題

と受け止めきれず、最後まで背中を見せた親御さんもいました。

これまで出逢った青年たちから、気づかされ、教えられたことのお蔭で、娘たちの気持ちを少しでも

分かってあげられる姿勢が得られたと思って、感謝しています。

 

 

 

 

 

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不登校、ひきこもりが意味するもの

不登校やひきこもりという状態は、必要なあたりまえ(とうてい耐え難いといったものではない)の

ことが、できなくなってしまっている状態と言えます。

当事者としての青少年たちの心の中にあるものは、恐れであり、怒り、憎しみです。

この恐れや怒り、憎しみが、必要なあたりまえのことすらできない状態にしてしまっています。

決して自分は周囲から必要とされないであろうという絶望的な恐れから、外界と関わることを拒絶

し、孤独感をさらに強め、ありのままの自分でいさせてもらえなかったことに対して、激しい怒りを

かかえているのです。

何ものかを求め、得られぬ時、人は怒りを覚えます。それは、得られぬことでの傷みをまぎらわせ

るために、怒りのエネルギーにすり替えるのでしょう。

その得たいものが、限定された相手からのものでなければならない場合、その相手が自分にそれ

を与えてくれなかったという、もうひとつの傷を受けてしまいます。

その得たいものが、自分を無条件に求めてくれる愛情であったとするならば、相手である親に対し、

怒りから憎しみへと変質します。

自分が自分のままで生きていくことを許されぬということは、自分ではない他の人間でないと必要

とされない、愛されないという絶望感と同時に、そのままの自分は無価値であるという強烈な自己

否定感を心に刻みます。

そういった青少年たちは、自身のそれまでの生き方自体を呪っていることも少なくありません。

自分といったものを際立たせる外界(他者の存在)は、彼らにとって、恐怖以外の何ものでもありま

せん。あたりまえの世界ですら、息をすることさえままならぬ空間となるのです。

「こんな私では、なおさら受け容れ難い子どもなのでしょうね」と自虐的に怒りを表現し、閉じこもっ

ていきます。と同時に、この子らは、「私はあなたから愛されることが必要なのです。ありのままを

認めてもらいたいのです。なぜなら私はあなたの子どもでありたいから」と声無き声を発信してい

るのです。

 

 

 

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秋葉原通り魔事件

今日の新聞にも秋葉原の事件が大きく報道されていました。

携帯電話の掲示板に、事件に至るまでの経緯を実況中継のように書き込みしていたとのこと。

犯罪心理学などの識者が、「ゆがんだ自己顕示」と分析していました。

書き込みの中で私の目に留まったのは、

「小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる」

「いつも悪いのは全部俺」

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」

という部分です。

これらの書き込みから、なぜこれほど歪んだ形でここまで自己顕示しなければならなかったの

かが、見えてくるような気がします。

今朝、TVのワイドショーで流れているのが少し耳に入りました。容疑者の生い立ちに関わるもの

だったようです。

「作文も絵も親がかいたもので賞をとりました」

「親の検閲が入っていました」

「実力がある弟の方が成績を取り出してからは、親の関心は弟に移りました」

容疑者の母親は、非常に教育熱心で、子どものテストの点数を話題にするほどだった。

容疑者が短大に行ったことを近所には隠し、有名大学に進学したと嘘を言っていた。

近日には週刊誌等にも掲載されると思いますが、これが真実だとするなら、先の書き込みの内容

は、十分理解できます。

小さいころからいい子を演じさせられていたし、騙すのには慣れてる

きっと、成績もよく、聞き分けのいい子を親から要求、いや強制させられていたのでしょう。

その家で生き残っていくためには、それに従うしかなかったのでしょう。

「隣の椅子が開いている座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者

の俺だ」 こういった内容は、私は支援活動の中で出逢った青年たちからよく聞かされます。

ありのままを許されなかった子どもたちが、社会生活の中で周囲から批判されたり、否定され

る機会に遭遇すると、すべてを自分に結びつける「関係妄想」や「被害妄想」が強くなってしま

う傾向があります。

もちろん、だからといって容疑者のおこなったことが赦されるわけではありません。

若い犯罪者を生み出す背景を考えなければならないと思うのです。

犯罪という形で、他者をも巻き込み自分に制裁をくわえたい若者たちが生まれてくる、その元型

(アーキタイプ)を知るべきだと。

犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする

容疑者のこの言葉に、社会はただ批判するだけでいられるのだろうか?

 

 

 

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