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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 不登校 23ページ目
親殺し(NTT出版)
なんともショッキングなタイトルです。
著者は気鋭の評論家、芹沢俊介氏です。
私はこの中の論評ではなく、題材としてあげられている事件の発生時期を見て少し驚きました。
2004年11月 茨城県水戸市 19歳青年による両親殺害
2004年11月 茨城県土浦市 28歳青年による両親・姉殺害
2005年06月 東京都板橋区 15歳少年による両親殺害
2005年10月 大阪府枚方市 12歳少年による母親殺害
2005年10月 静岡県伊豆の国市(タリウム事件) 16歳少女による母親殺害未遂
2006年06月 奈良県磯城郡田原本町 16歳少年による継母子放火殺害
2006年08月 北海道稚内市 16歳少年による母親殺害(中学時代の友人に殺害依頼)
2007年05月 福島県会津若松市 17歳少年による母親殺害
2008年01月 18歳少年による母親弟妹殺害
私が以前ブログで「不登校の増加に思う」と題して書いたことがあります。
https://www.interbrain.co.jp/blog/2008/08/post-38.php
2003年から2005年以降当事者家族、親たちの動きに大きな変化が現れ始めました。
何がどう変わったのかその原因になるものが分からないでいたのですが、これらの事件に何らかの
ヒントがあるのかも知れません。
ただ、これらの事件が起こったので、わが子に対して過度な刺激を加えないようになったという見方
よりも、こういった事件が起こってしまうような関わり方をしてしまっている親たちが増えてきたという
見方の方が、的を射てるのかも知れません。
2008年6月に秋葉原でおこった25歳の青年による無差別殺傷事件にも著書の中で触れられていま
すが、この青年の事件の背景にあるのも親子関係です。
今大人たち、親たちが拠りどころを失っているような気がします。
常に空虚感にさいなまれ、その穴埋めにわが子を利用している気がします。
利用された子どもたちは、自身の人生を生きることができず、自己の存在価値を見いだせず、リセット
ボタンを押し続けているのかも知れません。生き直し、生れ直しをしたいのでしょう。
私の好きな釈尊の金言を紹介します。
おのれこそ おのれのよるべ
おのれをおきて 誰によるべぞ
よくととのえし おのれにこそ
まことえがたき よるべをぞえん
自身をよるべ(頼り)とできる人間に子どもたちを育てたいものです。
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NPO法人地球家族エコロジー協会
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年10月 8日 18:01
自然の子たち
昨日は小学生の末娘の運動会でした。
あいにく天気が崩れ、午前中で中止になりましたが、曇り空の下子どもたちの元気な姿を見ることが
できました。
末娘はあまり運動の好きな子ではありませんが、いつもと違う表情を見せてくれました。
走ったり、踊ったり、体を動かしている子どもたちを見ると、もともと自然の子だということを強く感じさ
せられます。それぞれの個性が素直に出てくるようです。
子どもの成長を見ていると、「自分もあんな時代があったんだなぁ」とちょっとセンチメンタルな気分に
なりますが、いろんな機会を与えてもらえることがとてもありがたいです。
子どもがいなかったら体験できなかっただろうことや、子どものころに帰れる体験を得られます。
そのことでありのままの本当の自分は何かを見つめ直す機会にもなります。
子どもたちはやがて、社会との関わりの中での世間の子になっていきます。
世間並みに、世間に恥ずかしくないようにといった世間体を基準にした物差しで計られ、何ものかとの
比較、競争の世界に追い込まれます。
そしてその子の特異性は否定され、自尊心は剥ぎ落とされ、規格化されて、他者(親)の人生を生きる
ようになってしまいます。
そもそも私たちは全て自然の子です。
私たちは健康であり続けるために、自然治癒力というものをそなえています。
その自然治癒力の発現に中心的な役割を演ずるものは、自律神経系、ホルモン系、免疫系です。
それらは全て自然の生命にもとづき、勝手にはたらいてくれています。
私たちが意識的にやっていることは、せいぜい口に食べ物をほうりこんでいる程度です。
あとは全て自然の営みがやってくれています。
生かされている生命に支えられているのが私たちです。
この自然の恩恵に感謝し、報いるために手足がついているのでしょう。
「自分で生きているんだ」という傲慢さは、わが子の手足の動かし方をもコントロールしようとします。
大自然をコントロールしようとした人類が、その自然から手痛いしっぺ返しを受けているように、自然の
子を汚す大人たちは、やがて禊ぎを受けるでしょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年10月 6日 18:29
早いものであと3ヵ月
10月になりました。今年もあと3ヵ月です。
今月は20日に講演会をひかえています。
これは文科省が家庭教育支援基盤形成事業として「すべての親へのきめ細やかな家庭教育支援手法
の開発」を目指し全国282箇所でモデル事業を展開しているものです。
「情報提供」「相談体制の整備」「学習機会の提供」の三本柱で地域で展開していくようです。
「情報提供」で言えば、私共の活動の中でも、「どこへ相談に行ったらよいのかが分からない」「適応
指導教室の存在さえ知らされなかった」といった声も何度も聞かされています。せっかくの社会資源
があってもその告知が不十分で機能しければ何の意味もありません。
また「相談体制の整備」では、特に家庭教育という内容の相談体制は、乳児期から思春期、ひきこも
りといった問題では、成人まで対応しなければなりませんし、知育・徳育・体育・食育、非行、いじめ、
不登校と幅広い相談内容が想定されます。
それぞれ専門の者が対応しなければ、やっと足を運んだのに何の答えも得られずとなってしまいます。
「学習機会の提供」に関しては、何事も予防という観点から、事が起こる前の対策が必要ですから、
特に家庭教育に関しては、親は子どもができて初めて親になったに過ぎません。親としての教育を受
け、ましてや、親としての資格を取得したわけでもありませんから、分からないことだらけです。
特に今は、核家族、少子化などで近くに両親が居ないといったケースが多く、相談できる相手が居ない
といったことがあります。親になることはできても、親であり続けることは難しいことですから、自ずと
親としての学習の場、機会を提供していくことは重要な課題だと思われます。
今ほとんどの家庭が、機能不全を起こしています。不登校、ひきこもり・ニートの増加、児童虐待、
親殺し、子殺しといった陰惨な事件を見れば明らかです。
したがって、家庭教育の見直しが急務の課題です。単なる躾教育ではなく、子どもたちが本来の個性
を伸ばしていける、健全な発育を促す教育・共育が必要だと思います。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年10月 1日 21:27
わが子に映す親の影
親がわが子の行動の中で受け入れられないものがある場合、それは実は自分自身の中の受け入れ
難い側面であることがあります。この自分の意識が受け入れられない自分の負(悪)の部分をユング
心理学ではシャドーといいます。
自分のシャドーは、かねて表の生活では周囲には見せていない、人目をはばかる部分です。
わが子の幸福を願いながら、その幸福をねたむ心も存在します。
したがって、そういった部分があるということも自分でも認めたくありません。
その時、そういったねたむ気持ちが、わが子から自分に向けられていると勘違いしてしまい、わが子に
嫌悪感を感じてしまうのです。自分ではなく他者の心から発せられたものと受け取りたいのです。
これを投影といいます。
他者を否定することで、自身を否定することを避けようとするのです。
子どもを躾けているつもりが、実は自分を守るためのわが子イジメになってしまっています。
また、わが子の姿に、自身の子ども時代を重ねて(投影)しまうケースがあります。
わが子が、いつのまにか幼いころの自分になってしまい、そのころ求めても満たされなかった欲求を
わが子が欲しているものと取り違え、過剰に満たそうと懸命になります。
そこにいるのはもう親ではなく、子ども自身です。
そのことが子どもの心を歪め、自尊心を剥ぎ落とすこととなるのです。
ここでもまた、親は自分を守ろうとしているのです。
これらの危険をわが子に与えないためには、親自身が自分の心としっかり向き合うことが必要です。
自分の中のシャドーを否定するのではなく、受容しコントロールしていく。そして、満たされないままに
ごまかしてきた欲求を知ることが大切です。
親がわが子を欲求を満たす道具と化した時、子どもは無力となり、自分でいられるためのコントロール
を完全に失ってしまうのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月30日 19:23
生命の教育
家庭は生命を産み、育て、見送る場(フィールド)です。
家族が築き上げていく生命の場です。
今その「家庭」が、生命のはたらきを妨げてしまう場になってきているようです。
生命には目的があります。独自のはたたらきがあるのです。他者との関わりという社会の場でこそ活
かされるはたらきです。ひきこもる若者たちは、自らのはたらきを発揮することもできず、自身の価値
を実感することもかないません。
自己の存在価値を見失った者は、さらに自分をおとしめていきます。周囲が自分に期待していないと
信じているからです。
心身医学の分野で、癌の自然退縮の研究がなされています。
末期癌の宣告を受けた患者が、心理的な変化によってその癌が自然に消えていくというのです。
その心理的変化、転換というのは、
「大いなる生命、大自然と無数の他者からの支えによって生かされている自己に目覚め、
それらとの結びに感謝し、今を大切に生きる」
というものです。
この目覚めによって、内なる生命エネルギーが最高度に高められるのです。
生命の場である「家庭」のエネルギーを高めるためにも、この目覚めは必要です。
地球規模の環境問題は、自然をコントロールしようとした人間の傲慢さの結果です。
大自然は共生していくものです。
子どもたちもまた自然の子です。
親のエゴからコントロールしようとすれば、子どもたちは歪み、本来の自分を見失い、はたらきが
できなくなってしまいます。
傲慢さは、「生かされている」という感謝の気持ちが無いところから発生します。謙虚さや他者への
敬いを喪失させ、相手を無意識のうちにコントロールしようとしてしまうのです。
家庭教育は生命の教育です。
ひきこもりをそのままにしてしまえば、子どもたちの生まれてきた意味すら失いかねません。
今こそ私たち親たちの目覚めが必要な時なのです!
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月26日 20:42
地元の悲しい事件です。
福岡で18日にあった小1男児の殺害事件は母親の逮捕という衝撃的なものでした。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/49418
その後の供述が徐々に明らかになってきましたが、「何もしてくれない」 の言葉に絶望し衝動的に殺害
したもようです。
この男児は、発達障害があったようで、母親も自分の病気とあわせ大変ご苦労をされていたようです。
これまで当協会でも発達障害による不登校などの相談があっております。
実際、ご家族の育児にかかわる大変さは並大抵のものではなく、周囲の無理解さなども加わり、この
母親もかなりのストレスがかかっていたと思われます。
もちろん、殺人は何の理由であれ容認できるものではありません。ましてわが子となればです。
悔やまれるのは、相談できる相手がいなかったのだろうかということです。
私共も発達障害の相談の際は、専門機関と連携を取りますが、その難しさにいつも悩まされます。
当事者でなければ理解できない、当事者であっても判断、対応に困惑する場面が多くあります。
そのため、周囲の理解が得られにくく、無神経な言葉に傷つけられるといったことも少なくありません。
不登校やひきこもりでさえ、病気や障害だと偏見の目で見られることが多いですから、見えにくい障害
である発達障害の場合は、本人もご家族も適正な相談場所、相手を得られないことが多いのです。
以前に私の講演を聴いてご相談に来られる方も少なくありません。
話を伺っていますと、「どこへ相談に行けばよいのか分からなかった」という声もよく聞かれます。
やっと相談にいった場所からも「本人を連れてきてもらわなければ・・・」と回答ももらえず、絶望的に
なってしまっていたことも度々です。
まだまだ、不登校やひきこもり、ニートの一般的な認識には多くの誤りがあり、誤解、偏見も強いです。
認識に誤りがあれば、相談に行く先も誤ってしまいます。
病気でない子が、薬により病的になってしまうことだってあります。
ひきこもりの場合、当事者の家族の集まりで、相談者に「もうあきらめましょう」と言っている所もあると
聞かされたこともあります。まさに、不幸な出会いです。
事件の母親も、自殺やわが子の将来を悲観的に考える前に、身近に悩みを打ち明けられる誰かが
いれば、相談する姿勢があれば、こんな傷ましいことにはならかったであろうにと胸が痛みます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月24日 20:30
不登校、ひきこもりって恥なの?
数年を経過した相談の場合、「これまでなぜどこにも相談に行かなかったのですか?」という質問に
「恥だからですね。なかなか行けませんでした」という答えがよくあります。
「どこに相談に行ったらよいのかが分からなくて」というのならまだいいですが、「恥だ」というのは違和
感を覚えます。
学校に行かず、ひきこもっているわが子が恥ずかしいのか、そんな子に育てた自分が恥ずかしい
のか。
いずれにしても、少し見方を変えた方がいいのではないでしょうか。
子どもたちには理由があります。改善すべき課題を抱えています。そしてそれをその行為で訴えていま
す。コミュニケーションの手段として日常生活から逸脱します。シグナルであり、メッセージです。
暴力や破壊行為で表現している子もいます。言葉によるものではありませんので、分かりづらいのは
確かです。でも考えてみてください。両親のコミュニケーションは十分でしょうか?
家族間で意思の疎通がはかられていますか?
特に父親の意思がかねてから家族に伝わっていますか? 非常に分かりづらくはないですか?
言葉でうまく伝えられないからこそ、子どもたちは不登校やひきこもりという手段を使っているととらえ
てください。
それから、「親として恥ずかしいから」というのを考えてみましょう。
何を優先させてしまっているかを振り返ってみてください。
機能不全家族の定義に、「家族機能が適切にはたらかず、問題解決能力が低いので、家族の発達
的、状況的危機に際して、的確な対応ができない家族」というものがあります。
わが子の不登校、ひきこもりを前にして、今やるべきことは何でしょうか?
感情(恥ずかしい)を優先させていませんか?
わが子からの訴えに対して、何から始めるべきでしょうか?
有事の際の身の処し方に真価が問われます。
子どもたちは、自分の不登校やひきこもりに対して、両親がどのような姿勢や態度で臨むかを見ていま
す。自分の状態に対しての理解度(愛され度)を確認しているのです。
わが家で改善すべき課題に対して、解決法を知り、実行していくことが後回しになっていませんか?
先日こられたご相談者も30代で6年も経過していました。それまで恥だからとどこにも相談にさえいか
なかったそうです。求人も35歳を過ぎますとせばまってきます。国が対策として行っている若年層への
就労支援も35歳までです。優先させるものを後回しにした結果がどうなってしまうか。
健全な家庭であればこそ、人の成長、発達と同じように、その過程において幾多の危機を経験します。
Identity crisis(自我同一性の危機)を繰り返しながら人は成長てしいきます。
家族もまたその存在意義(Family Identity)の構築のために新陳代謝を繰り返しながら、絆を深めて
いくのです。
不登校、ひきこもりを長期化させているのは子どもたちではないことに気づいてください。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月20日 18:31
訪問カウンセリング
不登校、ひきこもりの相談の際、本人が外出できない、また、前向きな意志がないことで、相談窓口に
連れてこられないことを問題とした話がよく聞かれます。
医療施設や行政窓口では、本人を連れてこられない場合の自宅への訪問支援は実施していないた
め、「自宅訪問はしてもらえますか?」というお問合せが私どもにもよく寄せられます。
もちろん、本人が動けないのを手をこまねいて見ていてもどうにもなりませんので、私どもは訪問もしま
すが、訪問に関して勘違いをされている親御さんが多いですので、今回は自宅訪問に関してお話しし
てみましょう。
考え違いのほとんどは、第三者がすぐに自宅へ訪問し、本人に直接会ってもらえるというものです。
私たちは「引き出し屋」ではありません(笑)。
単に部屋から引きずり出すのなら訳ありません。男性2、3人で行けば済むことです。
目的は部屋(家)から出すことではありません。外の世界(社会)へ出ていく意志を先ずもたせることで
す。
。 無理に引き出すだけなら、その後の親子の信頼関係は、さらに悪化するでしょう
父親と教師で、無理に引きずって学校に連れて行き、不登校からひきこもりに発展したケースもこれ
まであります。あたりまえのことです。
よく考えてください。
いきなりドアの向こうに知らない人間が立ち、声をかけたからといって、子どもたちが「ハイ、分かりま
した」と言うでしょうか。「突然なんだっ!」「親の代わりに説教でもされるのか?」と怯えさせるだけです。
自宅への訪問までには下準備が必要なのです。
全てのケースでそうではありませんが、通常この下準備の段階で、本人たちは自分の意志で相談所
へ親御さんに伴われ出向いてきます。(数年を経過しているようなひきこもりのケースでもです)
これまでの当協会の事例でも、ほとんどが訪問無しに子どもたちは動き出せています。
下準備の段階で、ご家族に動いてもらうからです。
不登校やひきこもりを「病気だ」「障害だ」「甘えだ」と言って、本人だけのせいにしいる家庭。つまり、
この子の問題としている家庭では、長期化、深刻化していくだけです。
わが子の問題、私の子の問題と受け止められた親御さんたちは、まさに私(自分)が率先して動きま
す。下準備で必要なことは、子どもたちの状態への理解と、現状の打開のための気づきを与える
ことです。いずれも、親の方からの寄り添い、歩み寄りです。
これらのことが十分にできていれば、訪問した際に本人にその目的が伝わりますし、もっと言うと、
訪問しなくてもすんでくるわけです。
蒔いた種(原因)が芽(結果)を出すまでに、長い時間がかかってのことという認識が無い家庭の場合、
助っ人が来て、すぐにでも外へ連れ出してくれると勘違いしているようです。
種を蒔いても(解決策を講じても)、すぐに豊作になるわけではありません。水をやり、肥料を与え、
雑草を取り除かなければなりません。そして時期到来。ようやく実りがあります。
「米」という字は、八十八の手間がかかるという意味だそうですが、子育てこそ手間隙かけたいもの
です。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月17日 20:20
中年期の危機
ひきこもる青少年たちは、人生の意味を問い直します。
「自分の人生ってなんだろう?」「誰のための人生なんだろう?」
そして、生きる目的を模索します。
「自分に何か価値があるのだろうか?」「生まれてきた意味はあったのだろうか?」
これらの問いかけは、自己のアイデンティティ(存在意義)に深くかかわることです。
自尊心を剥ぎ落とされた青少年たちは、周囲の評価の目に怯え、身を隠します。
実はこれらのことは、その両親たちにもそのままあてはまるのです。
わが子が手元を離れ自立していった後、“個”としての自分に向き合った時に「私は何の
ために生きてきたのだろう?」といった問いかけが生じます。
子どもができ親となると、母親、父親の役割、アイデンティティを全うすることに懸命となり、
いつしか一人の人間としてのアイデンティティを忘れてしまいがちです。
子どもたちが巣立った後、ふと二人で顔を見合わせ、交わす言葉が出てこず、と惑う夫婦
も少なくないでしょう。ユングはこうした時期を中年期の危機と呼びました。
ひきこもる青少年たちは、最初のアイデンティティの構築に失敗しています。
それは、健全な自己のアイデンティティの構築のヒナ形を両親から得られなかったからです。
ニート層の増加の背景には、社会の中でイキイキと活動する父親の姿や生きることを謳歌
している両親の姿を見ていないということもあります。
目標をもって生きることをわが子に教えている親自身が目標を持たずにいます。
子どもたちの抱える迷いは、子育てのやり方、方法論からのものではなく、親の生きる
姿勢・態度によるものなのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月12日 20:30
父親はどこに?
講演、講座、相談会、個別相談。こういった会場に姿を見せられるのは、ほとんどが母親です。
もちろん平日や時間の関係で参加しようにもできないといった場合もあります。
しかし、私共が継続的な支援をしている場合でも、最初から最後まで結局は一度も顔を見せら
れないといった父親も少なくありません。
最近は「おやじの会」といった催しも随所で開催されており、父親の子育て参加も強調されてき
つつあるようです。熟年離婚なるものが流行り、その対策という向きもあるようですが、いずれ
にせよ、父親、亭主族を家庭に向けさせる動きが強まっているようです。
私もかねてより、父親の家庭内での役割をお話ししますが、一般的に養育していることで、任務
を果たしているかのように感じます。もう一つの教育を忘れてはいないでしょうか。
「子育ては母親の仕事」と勘違いされている父親もまだまだ多いようです。
母親と同じ時間、子どもたちと関わってほしいとは申しません。ただ、父親でなければという部分
があるのは確かなのです。中には、共働きで、母親も同じだけフルで働いているにも関わらず、
家事、子育てはほとんどしないという父親もいます。そして「俺は家族のために働いているんだ。
家にいる時ぐらいゆっくりさせてくれぇ」です。何かおかしくありませんか?
最近は単身赴任で、家を留守にしている父親のケースもありますが、「居ないので子どもに影響
与えるもないでしょう。子育ては家内に預けていたわけですから。母親の甘やかしですよ。」という
方もいます。居るから、接しているから子どもに影響を与える。いないから与えないではないので
す。居ないことが大きく影響を与えているんです。本来親子は一緒に生活しているものです。
それが何らかの理由で共に生活できないでいれば、子どもにとって、親が不在であることが影響
を与えないはずは無いことは分かってほしいです。
男子の不登校や男性のひきこもり、ニートの場合、本人達からよく聞かれるのは父親のことです。
その父親とのコミュニケーションが十分でなく、父親から与えられるべきものが与えられないでい
たことがほとんどです。
私共が子どもとのコミュニケーションを促しても、「何と声をかけたらいいのかが分からない。どう
接すればいいのかが分からない」といった声を父親からよく聞きます。
わが子との人間関係を結べなくなっているのです。
わが子の暮らす環境を安全にするのは両親のつとめです。安全であればこそ安心していられます。
父親は羅針盤として生きる方向性を示し、挫けてもいつでも帰れる港が母親の役割と思います。
そういう意味でも、最も身近で子どもに安全を与えてあげられるのは母親ですが、その母親を安全
にしてあげられるのは父親なのです。母親に緊張と不安を与えてしまう父親では、子育ての責任を
母親に転嫁できる立場にはありません。
昨今のニート問題では、父親が羅針盤の役目を果たし得ていないところが目立ちます。
「社会の中で働くというのは」「仕事とは」「自立とは」「生きがいのある暮らしとは」というようなことを
全くわが子に示すことができていないのです。
母子関係は、父親以上に密着しやすいものです。だからこそ、その間に分け入ってほどよいバラ
ンスを保てるようにするのが父親なのですが、「居れども、此処に在らず」といった状況になってし
まっている家庭が多いように感じます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年9月10日 19:35
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