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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ 不登校 22ページ目

正しい引きこもりって?

以前に『親殺し』という本を読んだことを書きましたが、同著者の『引きこもるという情熱』を読んでみまし

た。

著者の芹沢俊介氏は、引きこもり現象を肯定的にとらえようとしていることと、「正しい引きこもり」を

提案したいと述べています。

 

ひきこもりを病理とみなすことへの疑問は私も同じですが、「なんとかしなければ大変なことになる」と

いう社会の声に対する疑問や人生の次のステップへ進むための大切な基盤となるという視点に対し

ては、少し意見を述べなければと思います。

 

全体を通して一番強く感じたのが、ひきこもるという現象により失われてしまうことへの認識に欠ける

ということです。それだけになんとか肯定化したいという意図が見え、ひきこもりへの意義付けに強引

さが感じられます。

事例がほとんどが芹沢氏自身のものではなく、いわゆる他者の事例に対しての評論です。

これは評論家であって支援者(氏の表現では「引き出し人」)ではない芹沢氏によるものであるだけに

やむを得ないとは思いますが。

 

引きこもりのプロセスとして往路⇒滞在期⇒帰路(復路)をたどるのが「正しいひきこもり」なのだそ

うです。氏の論調を見ていますと、プロセスを経て時期が来ればひきこもりから脱することができ、

それは新しい自分へ再生できると期待をこめて論じておられるようです。

 

はたしてそうでしょうか?

現実はそうはいかないようです。

ロジェリアンの来談者中心療法をふと思い浮かべましたが、クライアントの潜在的自己解決力を信じ

すぎ、説得してはいけない。教えてはいけない。と極めて受身的になってしまっているカウンセラー

のようです。

私がこれまで関わった青年たちの中にも、カウンセラー(臨床心理士など)との間の沈黙が怖く、

辛いといって、カウンセリングを継続できなかった青年が決して少なくありません。

 

ひきこもり状態の青年たちは、極めて思考に柔軟性を欠き、複数の行動の選択肢を持ち合わせ

ていないということを芹沢氏は知るべきです。

自己領域(芹沢)にこもることで「私は私のままでいい」という心境に至り、帰路へつけると述べています

が、残念ながら自力だけでその境地に至ると期待するのは淡い幻想でしかありません。

野狐禪(やこぜん)を彷彿させます。悟った気になっている独りよがりの思い込みです。

 

彼らには、新たな視点を提供し、選択肢を増やしてあげる手伝いをしていく必要があります

黙って話すし出すのを待っていたり、気づきを得るのをひたすら待っているだけでは、ただただいたず

らに時を経過させ、長期化(高齢化)、深刻化させ、解決を不可能にしてしまいます。病理を発症させて

しまうといったことにもなりかねません。

 

このことに関しては、芹沢氏の論評を踏まえ次回にも述べてみますが、教育評論家によるひきこもり

の分析がこういった内容であることに危機感を感じました。

芹沢氏は、ひきこもりを病理とみなし、治療の対象にしようとする者の中に、家族の不安をあおり、

ひきこもりを商売の種にしている人(精神科医?)もいると批判し、それが社会的背景、社会状況への

視点を脱落させてしまっているからだと述べています。

しかし、氏の視点は、当事者家族に現実の状況を見誤らせ、マニュアル的なプロセス仮説で、

期待感を増幅させ、終わらぬひきこもりのゴールを夢見させてしまっていると私は感じます。

そして氏が疑問視するひきこもり病理論を結果的に現実のものとしてしまうことに気づかれておられ

ないようです。

 

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子育てにとっての父親とは?

家庭の中での「父親不在」と言われて久しいですが、相談業務、支援活動を行っている中での実情を

お話しましょう。

講座・講演会、相談窓口に尋ねてこられるのはほとんどが母親です。

極端な場合、最初の相談から、第三者介入を始め、問題解決に至るまで、一度も顔を出さないといっ

た父親もいます。

母親からの相談を受けていて、時折涙を流したり、解決行動が鈍かったりする場合、あらかた父親(夫)

の無理解、非協力が背景にあります。子育てにおいての孤立感を感じているのです。

「なぜ私だけが・・・」「この子はあなたの子でもあるのですよ」

子育ては母親の仕事でしょうか? 

子育てには養育教育があります。

父親たちの言動を聞いていますと、家族のために働いて生活の糧さえ与えていれば役割を果たして

いると思っていることが多いようです。

誰のお蔭で食っていけてると思っているんだっ!」という言葉にそれが端的に表れています。

しかし、『人はパンのみにて生くるにあらず

精神的な飢えを与えないことと、教育が必要なのです。

父親が担う教育とは何でしょう。

社会の中で活躍している立場としては、社会に適応できる人間になるための教育、社会へ踏み出す

勇気を与える教育、大人に成長できる教育などが、父親なればこそというものだと思われます。

社会の「厳しさ」を教えることは大切ですが、「厳しさ」はイコール苦悩ではありません。

苦労はあっても、それがそのまま苦痛や不快ではないんだということを教えなければなりません。

ですが、ただただ社会は辛くて苦しいと言わんばかりの表情を家庭で見せている父親がいるようです。

「厳しさ」の一つは、「人生ままならない。思う通りにいかないこともある」ということです。

耐えること、我慢することを教えていなければ、こらえ性のない子に育ってしまいます。求めるものを何

でも与え、好きなだけゲームもさせるといった関わり方では、思うに任せない時、常に不平不満を言

い、動かなくなります。

大人に成長するということは、好き嫌いで動くのではなく、必要性で動けるようになるということ

もあります。いやでも、必要とあらば動くことです。

思う通りにいかない時は、創意工夫です。「どうやったら、より成果をだせるか

そう考えれば、ゲーム感覚で取り組めます。

厳しくとも、思い煩うのではなく、その過程を楽しめます。心地よい疲れもあることを教えるべきです。

将来に向かって夢と希望を抱き、社会という荒波に挑戦していける姿勢を身につけさせることが大切

です。

社会への適応は、人とのおつきあいが中心になりますが、わが子とのおつきあいが十分にないようで

す。「わが子とのコミュニケーションの取り方が分からない」と言う父親も少なくありません。

中には「父親というものは、やたらしゃべらないものだ」と自己納得している場合もあります。

営業職や接客業をしている父親でも、仕事上のお客様へのおもてなしはできても、家族へのおもてな

しが出来ておらず、気づかないところでクレームがあがっています。

社会生活は「立場」と「立場」のおつきあいです。相手の立場への共感能力が求められます。

共感能力を育てられてこそ“おもてなし”ができるようになります。

そして、父親の役割として最も大切なことは、家族を安心させることです。

家庭の運営最高責任者として、舵取りを間違わないようにしていくことが担うべき最大の役務ではない

でしょうか。海図も羅針盤も船員を気遣う船長もいなければ、船員(家族)は皆途方に暮れます。

 

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不登校、ひきこもり~明と暗

25歳の青年からのうれしい報告です。

来春定時制高校を卒業し、就職も内定をもらいました。

高校2年から不登校が始まりやがて退学、ここに至るまで幾多の試練を家族で乗り越えてきました。

昨晩、自宅へ訪問しました。

ご両親は、全てのガラスが割られた戸、幾つもの穴の開いたフスマや壁をあえてそのままに残しておら

れました。親子で自戒するためだそうです。

幾度と無く親子の衝突もありました。部屋へ閉じこもり会話もほとんどない時期もありました。

今回の訪問は実は初めての訪問でした。

定時制高校に入学する前からこの青年とは関わっています。当協会の支援法では、ほとんどのケース

で、自宅へ訪問しないで当事者たちが動き出します。それはご家族が動くからです。

青年たちの心の傷(家族トラウマ)、痛みへの共感、理解を徹底するからです。

不登校、ひきこもりを病気や障害としてしまう傾向がまだまだあります。

「子どもを信じて黙って見守る」「病気だから治療しかない」と考えるのは、一番楽な方法です。

楽をしますから、もちろん事態の改善ははかれず、より深刻化します。

現実から目をそらさず、真正面からわが子と向き合った親だからこそ、その苦悩の何倍もの喜びを得

られるのです。

この親子も本来の親子の絆を取り戻しました。

定時制高校に入学してからは、無遅刻、無欠席、生徒会活動と早朝からのアルバイトを両立させて

います。荒れていた時期からは想像もつかないような成長ぶりです。これが本来の彼の姿なので

しょう。

ある30代後半の青年のご家族からも、雇用先からの契約継続が確定したという連絡が入りました。

このまま正社員登用になってくれればと、ご家族と共に祈るところです。

この母親も、病気、障害として福祉の生活援助を期待するというあり方に納得できず、最後まであきら

めず、わが子と向き合った結果、互いの自立の喜びを味わうことができました。

人は社会的な生き物です。社会は共生共存共栄の世界です。互いが助け合い、支えあう世界

です。社会の中で他者と関わり合い、他者と違う独自性を自覚しながら、役に立っている、必要とされ

ているという実感を得、そして人を愛すことができてこそ生きていることに喜び、感謝を感じられるので

す。

本当の病気、障害(現実は非常にまれ)でない限り、適切な親御さんの関わり方があれば、ほとんどが

本来のその子の状態に回復します。決してあきらめないでください。

絆は気綱です。母体と胎児がへその緒でつながっているように、結んだ、つないだ気(心)の綱をほどか

ないでいてほしいのです。

 

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子育て講演会

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7日熊本県玉名郡和水町にて、グリーンコープ生協くまもと様主催の子育て講演会の講師としてお話しさせて頂きました。
今回のテーマは、『子育て 親そだち』として、子育てを通して親自身が親として、また一人の人間として成長して(育って)いくことを述べました。

通常「子育て」をテーマにする場合、子育ての仕方やり方といった方法

論が語られことが多いようです。しかし、私がかねて不登校やひきこもり、ニートの青少年たちと関わっていて

感じることは、子どもたちが見ているのは、親としての在り方、生きる姿勢態度であって、方法としての育て

方ではないということです。

方法論は多様にあっていいと思います。様ざまな“個性”をもった子どもたちです。その子その子にみあった

育て方があります。兄弟であっても個性は違います。となれば育て方は違ってきて当然であり、料理で食材の

味を活かした調理法があるように、大根は大根、ニンジンはニンジンとしてその旨味を引き出すべきです。

家庭教育」を考えるとき、というものをイメージする方が大半だと思います。

しかし、何を目的とした躾なのか、わが子の何を育てるのかといった、わが子に向き合う姿勢が過っている場

合、躾はかえって子どもの成長を歪めます。これに関しては以前もブログで述べていますので、これ以上

述べませんが、今回の参加者は若い母親も多かったようです。私はこれまでの支援活動を通して、子ども

たちの“ありのままの個性”を活かしていく家庭教育の大切さを痛感し、できるだけ若い親御さんたちに話を

伝えたいと思っています。もっと言うと、まだ子どもを授かっていない夫婦に聞いてもらいたいと思います。

あるがままを否定された子どもたちが、人や社会を遠ざけ、殻に閉じこもる生き方を選んでしまいます

今後も子ども達の代弁者として、家庭に笑顔を増やしていく活動を続けていきたいと思います。

 

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講演会のアンケートから

先日行われた家庭教育学級合同学習会の講演会の参加者アンケートが主催者側より送られてきま

した。私の講演会はいつも、実例をあげてお話しします。全て私がかかわった家庭の話です。特に、

青少年たちから直接聞いた声を紹介しています。そのせいか、参加の親御さんたちはわが家の事に

照らし合わせ危機感をもたれる方が多いようです。

「不登校、ひきもりは特別な家庭で起こっていることではありません」「多くの青少年たちが話すトラウ

マ体験は、幼年期のころが多い」ということを講演の最初にお伝えしていますが、毎回「もっと早くに

聞きたかった」という感想をもたれる方があるようです。

今回アンケートの中に、『問題がおきた時、どのような支援の場が必要か』という質問を入れて頂きま

した。一部回答をご紹介します。

・実例のいっぱい聞ける講演会や話し合いの場

・親が安心、信頼して相談できる場所、支援が受けられる場所

・なかなか親自身が受け止められないので、もっと、すぐ相談できる、しやすい場

・子どもをせめたり、家庭や個人で抱え込まないように気軽に相談できる機関

・同じ仲間(親も子も)と情報交換できる、集まれる場所

・直接関われる母親の支援、家庭から責められることが多い

・親の支援

・家族みんなでどうやったらいいか、アドバイスをしてもらえたら良いと思う

・相談できる場がどこにあるのか、わかりやすく示してある場所

・場というより、不登校イコールいけないことという周りの目をなくすような社会の在り方

・家庭と学校、行政が一緒に話し合えるような場所

・家族間内では、感情的になって解決できないので、プロの方に支えをしてもらう場

・子どもの心身に蓄積された緊張をほぐし、過去を清算していかなければならない。親子ともにストレ

スを解消できる場

これらはほとんど当協会が提供できている場です。

しかし、6年前から開設されている無料相談窓口(市の後援を受け、市報に毎月掲載されている)

さえ、知っていた方が、アンケートを回答された方107名の内わずか13名という実態からも憂慮しな

ければならない問題です。告知の方法を工夫していく必要があるようです。

同アンケートの中で他にも、

・学校などにも支援の場があればいいと思う

・相談できる所。学校は教えて

というものがありました。

適応指導教室の所在などが当事者家庭にも告知されていなかったりと、相談や支援の場があっても、

十分に機能しているとは言えないようです。

当協会は、06年に熊本県八代市で、行政、学校、家庭、民間、医療施設が連携し不登校、ひきこもり

を支援していく〈八代不登校・ひきこもりサポートネットワーク〉の立ち上げから参画し、ガイドブッ

クも発行されております。(https://www.interbrain.co.jp/media/)

現在も隔週で八代市で相談会を開催していますが、そこでは、当事者家族と学校教員が一緒に相談

にこられるという連携がはかられています。

今回の講演会では、今後希望する内容として、

・父親が参加できるもの

・父親の子育ての講演、父親同士の関わり

・夫婦関係が大事なので、夫との関わり、夫との家族との関わりについて

・父親への講演会をやってほしい

というものがあげられていました。

かねてより不登校、ひきこもり、ニートの青少年たちと関わっている中で、父親の話が出てくることが

少なくありません。

子育てに関しては、とかく母親責任論に偏っている傾向が見られますが、意外(?)にも当の子ども達

から聞かされる内容に、父親の事は多いのです

私自身かねて3人の娘たちの父親をしていますので、父親たちに青少年たちの生の声を聞いてもら

いたいと感じております。

今後、夫婦で学べる場をもっと作っていきたいと思います。

 

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艱難汝を玉にす

『アダルトチルドレンからの回復』のブログの方へコメントを頂きました。
http://forum-hokushin.weblogs.jp/blog/2008/10/post-d6c7.html#comment-16717182

私たちは、何か事が起こり痛みを伴わなければなかなか分からない、気づかないことが多いようです。

そういう意味では、非日常的なわが子の不登校、ひきこもりなどがわが家に起こることで、様ざまな事

を振り返る機会を得られます。

わが子の逸脱行動によって、それまで隠れていた、目をそらしていた問題が浮き彫りになってきます。

夫婦、嫁姑、兄弟姉妹、親子などの人間関係、そして自分自身の生き方の問題、真の自己との対峙

にまで及びます。

コメントを投稿して下さった方も、

問題が起きてこなければこれ程人間の生き方に真剣に向かい合うことはなかったでしょう

と述べられています。

失ったもののお蔭で、大切なものを手に入れることもあります。

人生の歩み方、生き方を見直すことは、常に必要なことです。にもかかわらず、どれだけの時間その

ことに費やしているでしょうか。

費やしていなかった分、私たちは様ざまな代償を支払わされます。

いじめ、不登校、ひきこもりなど、そのことがわが身にふりかかって初めて、当事者意識になれます。

生き方に関し当事者であり得ない人間はいません。

健康のありがたさは、病気になってこそ実感できます。

動かせる手足のありがたさは、不自由になった時に分かります。

わが子の笑顔のありがたさは、笑顔が消えた時に気づかされます。

互いが敬いあい、互いを尊重しあい、人生を大切にできる。そんな人間になりたいです。

コメントありがとうございました。

 

 

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トラウマティック・グロウス

当協会の支援法の最大の特徴は、自助力を養成することです。

そのためにも痛みからの学び(トラウマティック・グロウス)という視点を重要視しています。

親にとって、わが子に起こるアクシデントは、自分のこと以上に痛みを伴うものです。

いじめ、非行、家庭内暴力、不登校、ひきこもり、ニート。いずれも「なぜわが子なのか?」といった苦悩

を抱えます。身悶えするほどの悲しみです。

しかし、この痛みこそが自身の成長、自助力をそなえる糧になることがあるのです。

痛みから学ぶ姿勢があれば、その体験は大きな財産となります

実際にこれまで、当協会が支援してきた家庭では、親子の葛藤を全身全霊で乗り越えてきた家族の

間にそれまで以上の深い固い絆が生まれています。親子が真正面から向き合い、語り合うことで、

互いが見過ごしていたものに気づくことができ、互いが分かり合うことができるのです。

その光景は、心を揺さぶられる感動です。トラウマティック・グロウスの瞬間です。

先日あるテレビ番組で生まれながらの全盲の少年が、「目が見えなかったことが今では幸福だと

思えます」ということを両親に告げているのがありました。この言葉にどれだけこの両親は救われた

ことでしょう。幼いころに「なぜ僕はママの顔を見ることができないの?」と尋ねられ、言葉を失ったこと

もあったそうです。

なぜ「幸福だ」と思えたかと言うと、「目が見えなかったことで多くの人と出会い、多くの人に支え

られたから」と言っていました。

当協会へ通ってきているある青年も言いました。「ウツになってよかった。自分を振り返り、みつ

めることができたから」と。

現実から目をそらさず、自分の人生に責任をもった者だけが、幸福を手に入れられます

痛みからの学び実現のためには、「おかげさま」の精神で過信・慢心(驕り、高ぶり)を抑え、感謝

はしてもそこに甘んじることなく、完成を求めず、成長・上達を志すことです。

人生から問いかけられているものに気づき目覚めていくことで、痛みも恵みと受け止められるようにな

っていきます

『俺を捨てて、お蔭、おかで生きよ』

 

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家庭教育学級合同学習会

今日は、文科省の家庭教育支援基盤形成事業として地元大野城市で講演会が開催され、『子どもの

心の声聞いていますか?』をテーマに講師としてお話させていただきました。

平日の午前中にもかかわらず多数の参加者があり、地元のケーブルテレビの取材も入っていたよう

です。

核家族化や地域のコミュニティが希薄化している現在、家庭教育を地域で支えていく試みは大変有意

義なものと思います。

当協会もかねてより、不登校、ひきこもり、ニートなどの家庭問題支援を行っている中で、単なる躾教

育に偏らない家庭教育の実践が急務の課題であることを痛感しています。

と言いますのも、躾は「お行儀良く」といった見える部分に囚われがちです。児童虐待の親たちが、決

まって「躾のつもりでやりました」と言っているのでも分かります。ですから過度の躾はかえって危険を

伴います。

私が日頃思いますのは、躾は「挨拶・返事・後始末」ができるように育てていればそれで十分というこ

とです。

それよりも子どもたちの自尊感情自己信頼感を育てることの方がより重要です。

健全な自尊感情がそなわっていない子どもは、ストレスに対して非常に脆弱ですし、他者との関わりを

避けるようになります。確たる自分を持ち合わせない子どもは、見知られ不安さとられ不安といった

不安に怯え、人を遠ざけ自身を孤立化させるか、弱者を見つけ出し攻撃(イジメ)することで、自分の存

在感を保とうとします。

自尊感情、自己信頼感を育てるためには、否定しない、けなさない、脅かさない、褒める、認める、

感謝するということが必要です。それらが意識しなくてもできるようになるためには、「敬い」の姿勢を

もつことです。

価値観が多様化している現在、子育てに悩む親たちは沢山いますが、ともすると子育て論は、その

方法論に偏りがちです。子育てマニュアル本なども多くみられるようですが、方法論に囚われると

仏作って魂入れず」といった状況になってしまっています。

重要なのは、わが子と関わる姿勢・態度なのです。

わが子の存在を敬い、尊重する姿勢・態度があれば、わが子を大切に扱います。大切に扱うという

ことは、を促すということです。

「成長」を基準に考えれば、何を許し、何を許せないかが自ずと判断できます。

子どもに嫌われたくないからと、要求に応じるだけの態度は、決してわが子を大切にしているとは言え

ません。

子どもたちは、両親の姿勢・態度から常に安心を得たいと望んでいます

学校に行けなくなった時、いじめられた時、非行をした時、ひきこもった時、そういった際の両親の姿勢

・態度で、新たな傷を受けてしまっているケースも非常に多いのです。

子育てを通して、親もまた育っていかなければなりません。

 

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家族援護士養成講座
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【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

【熊本出張相談会】

10月31日 (要予約 0120-870-996)
熊本市青少年センター(熊本市新屋敷1-18-28)を使用させていただきます。
熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

八代市厚生会館  10月30日 (要予約 0120-870-996)

相談料3千円

 

NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp

 


「よい子」が人を殺す(尾木直樹著)

先日芹沢俊介氏の「親殺し」(NTT出版)をご紹介しましたが、同じテーマを扱った教育評論家尾木直

樹氏による『「よい子」が人を殺す』(青灯社)も読んでみました。副題は~なぜ「家庭内殺人」「無

差別殺人が続発するのかです。

著書によると、殺人事件の半数近くが「家庭内殺人」であり、親殺しは、その26%を占めているとのこ

とです。子どもたちによる凶行の共通性を分析し、次の三点をあげています(要約)。

①おとなしく、真面目、勉強もできる「よい子

②親などから抑圧的な期待をかけられている

③進学や就職の時に大きな挫折体験をし「若者の社会的排除」を経験している

芹沢氏の「親殺し」もこの本も、各事件の青少年やその家族背景を詳しく述べられていますので、事件

にいたる経緯がよく見えたのですが、同時に、私がかねて相談を受ける家庭にとても酷似していること

に気づかされました。①②は不登校、ひきこもりの青少年たちにも共通しているものですし、③はひき

こもり・ニートの青年たちによくあることです。もちろんこれらの事件の中には、不登校経験者やひきこ

もり当事者もいますので、当然なのかも知れませんが。

しかし、決して誤解していただきたくないことは、不登校やひきこもりの青少年たちは、犯罪者予備軍

ではないということです。私が縁あって関わってきた多くの青少年たちは、犯罪を想起させるような子

どもたちではありませんでした。

ただ思うことは、家族の関わり方如何によっては、衝動的な凶行に導いてしまう可能性もあるんだと

いうことです。やはり、かねがね私自身述べていますように家族の有り様は重要なことであります。

実際にこれまで、親に限らず他の誰かを「ぶっ殺してやりたい!」といったことを口に出す青年もいまし

た。しかし、それが実際の行動につながらなかったのは、親の理解があったからです。子どもの抱え

る苦悩、痛みへの共感があったからです。事件に見られる親たちの態度には、全くといっていいほど

それがありません。

①の「よい子」というのは、あくまでも親、大人の目から見ての「よい子」です。つまり、親にとって都合

の「いい子」ということです。②の利己的で独善的な期待にさえ、懸命に応えようとした子どもたちです。

そうしなければ、その家では生き残っていけなかったからです。

芹沢氏は、親殺しに先行する子殺し(存在論的死)と表現しています。

ブログ「親殺し」https://www.interbrain.co.jp/blog/2008/10/ntt.phpでも述べたように、こういった事

件が起こってしまうような関わり方をしてしまっている親たちが増えてきているのが現実であれば、早

急な社会的対策をうっていかなければなりません。まさに阿鼻叫喚の地獄絵です。

当協会の支援方針では、不登校、ひきこもりなどは、「絆の病」ととらえています。

したがって、家族間の信頼関係の回復、絆の結びなおしによる解決をはかっていきます。

徹底して、子どもの痛みへの理解を進めていきます。

そのことにより、ひきこもり期間に関係なく、ほとんどの青少年たちが自らの意志で協会を訪れ、新た

なステップを踏み出していっているのです。

いまだわが子へのコントロール幻想から抜けきれず、挙句の果てには、精神病だから親の言う事を

聞けないんだとばかりに病人にしたてあげてはばからない親たちへ警鐘を鳴らし続けていかなければ

ならないことが私たちの社会的ミッションでもあります。

 

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家庭教育支援基盤形成事業
大野城市家庭教育学級合同学習会
『子どもの心の声を聞いていますか?』
 
講 師 中光雅紀
日 時 10月20日(月)9:45~12:00
場 所 大野城まどかぴあ 多目的ホール
加費   無料
定 員   200
主 催   大野城市教育委員会     大野城市家庭教育推進協議会
協 力   NPO法人チャイルドケアセンター大野城
申   込    NPO法人チャイルドケアセンター大野城
(問い合わせ) 大野城市白木原2-3-13
TEL 092-589-8688
 
 

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骨抜きの家庭教育

支援活動をしている中でよく感じられるのが、当事者やその家族が「変化」に対して順応することが、

なかなかできないということです。だからこそ、長期化してしまっているとも言えますが、その頑さは、

変化を起こさずして、変化(問題解決)を望む」といった表現で言い表せるような、全く矛盾した

状態です。

現状を改善するためであっても、そのために何か新たな事に取り組むことまではしたくないという

心境です。変化を起こすこともためらわれるのですが、そのことで望まざる結果も起こりかねない

ことが怖いのです。

傷つくことへの過度な怯えです。

支援者の介入により、それまでの家庭環境に変化が起き出すと、途端に改善の動きを阻む親御さん

がいます。あたかも問題解決を望まない動きを始めるのです。

また、当事者へのアプローチを促すとそれを拒む親御さんも少なくありません。慣れていないのです。

それほどかねてのコミュニケーションが分断されてしまっているのですが、それよりも一番大きな理由

は、親としてわが子をコントロールできない自身の無力さへの悲嘆を味わいたくないからです。

不登校・ひきこもり・ニートを抱える家庭の問題は、わが子の世話をやくことで、親としてのアイデン

ティティを維持でき、「頼られている」という精神的な充足感を得られる。これが親にとっては甘い蜜と

なってしまうことです。

当事者はというと、世話を受けることで、それまで味わうことが少なかった「愛されている」といった実感

を得られるという利点があり、また、世話をやかせるということで親をコントロールできる満足感が得ら

れます

これは、当事者にはこれまで、少なからず親からコントロールされてきたという思いがあり、その裏返し

です。

前回のブログで、親たちが今拠りどころを失っているという話をしました。バックボーン(精神的支柱)を

持てていないのです。一貫した判断基準、価値基準を持ち合わせていないために、変化に対して臨機

応変に対応できる柔軟性に欠けています。 

心療内科医の星野仁彦氏は著書『機能不全家族』(アートヴィレッジ)の中で、

日本人特有の心理「直視恐怖」は、日本人に無神論者が多く、概して確固とした宗教をもたないことも

関連しているのかもしれないと述べていますが、要は、生き方の哲学をもっていないことが、家族成長

の発達過程における様ざまな危機に対処できない状況を導いてしまっているのです。 

マンションや和室の無い家屋の増加にともない、大黒柱というものがあまり見られなくなってきました。

一家の大黒柱としての父親の存在感も希薄になってきている昨今、家庭に必要なものは、精神的大

です。家族の安全を保証する大屋根を支える心柱です。

精神的大黒柱を持たない家庭は、安定や安心を欠き、変化を怖れ、現状がどうあれそこに固執すると

いった生き方しか選択できなくなってしまうのです。

 

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講 師 中光雅紀
日 時 10月20日(月)9:45~12:00
場 所 大野城まどかぴあ 多目的ホール
加費   無料
定 員   200
主 催   大野城市教育委員会     大野城市家庭教育推進協議会
協 力   NPO法人チャイルドケアセンター大野城
申   込    NPO法人チャイルドケアセンター大野城
(問い合わせ) 大野城市白木原2-3-13
TEL 092-589-8688
 
 

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