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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ニート 20ページ目
社会資源としていま私たちにこそできること Ⅳ
どういうことでも組織が大きくなっていくと、いいも悪いも影響力が出てきます。
そして、当然ながら組織の先導役の意思が組織の動きに反映していきます。
ある家族会の機関紙にこういう表現がありました。
“引きこもりの七~八割に惹起・増幅する病理への抜本的対策”
提言として
「引きこもりを形態としてとらえると「世間体」が悪く隠しそのことに因り、内在化させ深め、エンドレス
の悪循環に陥る。
身体で例えれば“肺炎”だよと病状と割り切り解釈すれば「世間体」も悪くなく、病気なのだから、施療
に取組み回復へ向かい、中間施設や社会参加への道が開かれる。これが欧米での世界標準のやり
方だ。日本の全関係者もそろそろ腹をククッテ行こう!」とありました。
この組織は、団体名自体に病名をつけているだけに、設立当初から、その動きには一抹の不安を
感じていましたが、とうとうその不安が現実化してしまったようです。
“急がれる世界標準(医療)の基本導入をも!”
“米国、英国、オーストラリアの先進対策”
<引きこもりの七~八割に惹起・増幅する病理>が本当であれば、何故医者でもない私の所に来る
長期ひきこもり(中には、家庭内暴力も有ります)の青年たちのほとんどが、薬も服用せず(あたりまえ
ですが)、周囲とのコミュニションを回復していくのでしょうか。
世界標準、先進対策とは何なのでしょう。
米国では、18歳以上の女性の10%、男性の4%が抗うつ剤を服用しているそうですが、FDA(米食品
医薬品局)の報告では、抗うつ剤が自殺衝動を強めるとして、薬の添付文書に強い警告を表示する
よう指示しているそうです。
親の世間体のために、病気でないわが子を病人にしてしまうという親の姿勢をこの団体は、
どう受け止めているのでしょう。
<日本の全関係者もそろそろ腹をククッテ行こう!>と言っていますが、腹のくくり方を間違っておら
れるようです。
先の提言は、「病状と割り切り解釈する」のではなく、ひきこもるという行為が、家族病理の症状と
とらえるべきなのです。
風邪をひいて咳きが出る。
その咳きを止めるのではなく、風邪を治すことが原因療法です。
私の講演や講座には、行政、民間の支援活動しておられる方の参加も少なくないですが、先日もある
講座受講者(支援従事者)から、
「多くが病気といった考えがあり、自身も違和感を感じています。
そうではないということを伝えていく方法はないのでしょうか」というご意見がありました。
「だからこそ、私はこういう講座(家族援護士養成講座)や講演会を主催し、啓蒙活動をしている
のです。」とお答えしました。
各種アディクション(嗜癖)の当事者たちの自助クループは、医療で改善されなかった重篤な依存症が
改善されたりというような目覚しい成果があるのですが、本来その自助グループであるはずのひきこ
もり家族会の多くは、その改善を逆に妨げてしまっているように感じています。
だからこそ、これまで当協会が運営しているSHG(自助グループ)である「ゆにわの会」のノウハウを
活かして、ひきこもり無償支援活動〈たらちねサポート〉を行っていかなければと考えるに至ったの
です。詳細は、トピックスhttps://www.interbrain.co.jp/topics/2009/01/post-3.phpをご覧ください。
この団体は、全国的な組織であるだけに、大変脅威を感じます。
今後は、家族援護士の皆さんと共に、より強く警鐘を鳴らしていかなければと思います。
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2月05日 (要予約 0120-870-996)
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熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いもできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)
八代市厚生会館 2月04日 (要予約 0120-870-996)
相談料3千円
NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2009年1月28日 15:04
社会資源としていま私たちにこそできること Ⅲ
オバマ米新大統領が20日就任演説を行いました。
皆さんも聞かれたことと思います。
よその国のこととはいえ、何かこちらも勇気をもらえるすばらしい演説でした。
世界の経済不況と争いが一日も早く解決されればと祈るばかりです。
演説の中で心に残った言葉がありました。
「新たな責任の時代」です。
当協会では、家族問題の解決のための姿勢として、二つのことをあげています。
〈一切感謝〉と〈自己責任〉です。
要旨だけを述べますと、
〈一切感謝〉ができると現状を受容できます。
不足や不満だけを感じていれば、目をそらしがちになります。
現状をありのままに観察し、そこから与えられたもの(恵み)を感じ取ることができれば、自ずと感謝
の気持ちが生じます。
不登校やひきこもりといったわが子のメッセージから与えられたものを読み取ってください。
〈自己責任〉というのは、自分の後始末は自分ですることです。
それは他人に尻拭いをさせないことです。
ですから必ず義務が関係してきます。
親としての義務は、養育と教育があります。
「養育」によりわが子を安全にし、「教育」により安定を与えます。
そして二つがそろうことで、安心が得られるのです。
また、わが子に安全と安定と安心を与えることが親の義務とも言えます。
はたせなかった義務の後始末を他者やわが子にさせてしまっていないでしょうか。
母性がはたすべきこと、父性がはたすべきことがなおざりにされ、夫が妻を、妻が夫を互いに責め
あっていませんか?
互いが責めあうのではなく、自己反省し、許しあい、補いあえば、無益ないさかいをすることもないの
です。
自分の中で、自分の代でおさめておかなければならなかったものを、わが子に引き継ぎ、持ち越して
しまったものはありませんか?
自分が満たされず、埋め合わせが未だできないている心の隙間を、わが子を思うままにすることで、
埋めようとしていませんか?
愛すことよりも、わが子から愛されたいと思っていませんか?
それらはすべて、自己責任をはたしていないことです。
オバマ新大統領は、「国民の信念と決意が、国が頼りとするところだ」と述べました。
信念と決意
これは、行動を起こし、成果を出すために必要なことです。
「そんなことぐらい分かっている!」
よく聞く言葉です。
分かっているつもりでも、行動が伴っていなければ分かっていないのと同じです。
本当にわが子に寄り添い、わが子の苦悩を除き、現状を改善しようと決意(腹くくり)ができてこそ、
様ざまな障害にもあきらめず、家族の絆の再生をやり遂げるのです。
私たちは、これまでの支援実績から、ひきこもる当事者たちの声を翻訳して、家族に伝えることができ
ます。
そのことで、今わが家に何が起こっているのかを知ることが出来、何の責任をはたすべきなのかが
分かってきます。もちろん、それからもとても困難な道のりが待っています。
しかし、オバマ新大統領の言葉にもありました。
『われわれが、自身に、国に、世界に、喜んで義務を持つという認識、困難な任務に身をささ
げるほど精神を満足させるものはないとしっかりと認識することだ』
と。
私たちも信念をもって、社会的ミッションと心得て、支援活動を続けていこうと決意を新たにしました。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2009年1月24日 17:17
社会資源としていま私たちにこそできること Ⅱ
トピックスでもお伝えしていますように、私共がひきこもり家庭への無償救援活動を展開していかなけ
ればと考えているのは、大前提として、解決ができる問題が、誤った認識のために歪められ、事態が
深刻化し、あまりにも大きな代償を支払わされている現実があるからです。
これまでも地元大野城市では、7年前から総合福祉センターで不登校、ひきこもり・ニートの専門窓口
を開設 https://www.interbrain.co.jp/counseling/ し、ここで受ける相談は原則無料です。
毎月の市の広報誌に案内が掲載され、大野城市民のみならず、近隣地域からの相談もあっています。
この窓口の開設も、早期に先ず相談ができる場所をと、市教育委員会や社会福祉協議会の協力を
受け始めました。
ここでは他の相談機関と違い、本人が来訪できなくても問題はありません。
当協会のこれまでの支援実績からのアドバイスを行いますので、始めから動けないことを前提として
います。
しかし、当然ここでは限られた時間内だけのアドバイスですし、直接介入は一切行えません。
一度きりの相談で終わってしまうケースもあります。
そういった親御さんの傾向としてあるのは、学校に戻すことに拘っていたり、働かないわが子をただ
うとましく思っていたり、わが子の声を聞く姿勢が不足していたりといったことです。
特に、「お子さんの状態をより理解するために、親御さんがカウンセリングを受け、学習をしていくこと
が大切です」という促しに、「なぜ親が受けるんですか? 問題なのはこの子ですよ!」と返す親御
さんは、間違いなく一度で終わります。
長くやっておりますと、こういったご家庭が数年後に「なんとかならないでしょうか?」と困り顔で再訪さ
れることがあるのです。もちろん事態は、こじれにこじれた状態になってしまっています。
不登校の子が、ひきこもりとなり、病理性の無かったひきこもりの青年が、医療保護入院の措置を取
らざるを得なくなったケースもありました。
こういった問題は、ただただ認識、理解不足からなのです。
不登校やひきこもりに対しての当事者家族の理解が深まれば、ほとんどの不登校、ひきこもりは
早期に解決するでしょう。
一番は、解決の大きな妨げとなってしまっている「本人が動かない」といった問題が、実は本当の
障害要因ではないということに気づけるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2009年1月21日 19:56
社会資源としていま私たちにこそできることⅠ
先日、福岡市の不登校対策に関する記事が新聞に掲載されていました。
昨年度は、小学校で230人、中学校で1033人だったようです。
総生徒数は、小学校が7万6千6百人、中学校が3万8千8百人ですから、それぞれ0.3%、2.6%の
割合で、中学校の場合、ほぼ1クラスに1人はいる計算です。
ただ、保健室登校やまばら登校の場合、不登校にカウントされていなかったり、体調不良があれば
(ほぼ有ります)、病欠扱いとしている学校もありますので、それぞれの数字は、正確ではありません。
実際はもっと多いということです。
記事には、中学への進学時に数が急増する(3.3倍)ことがあげられ、この「中1ギャップ」の解消を
目的とした少人数学級の導入や、校内適応指導教室の設置などが対策として取り組まれるようです。
当協会への相談も、長期ひきこもりが圧倒的に多いものの、確かに最近はまた不登校の相談が増え
てきています。中学生がほとんどですが、数年前に比べ、低年齢ながら深刻な内容が増えている感
があります。
不登校、ひきこもり・ニート問題が、声高に叫ばれている割には改善を見せてこないのは、未だに
対策が後手後手になっているからです。
私共は、これまで予防、そして場当たり的な対症療法ではなく、原因療法を行うべきことを提示して
きました。
あらためて昨今の相談状況を見るにつけ、私共が行っていけることは何かを考えています。
来訪者の方のほとんどが、これまでに出向かれた相談窓口では、本人が出向くことを要求され、その
時点で支援要請をあきらめています。無理もない話です。
当協会の場合、本人が動けないのは最初から前提としていることですので、そのことは何らの障害
要因になりません。
むしろ、そのことがそのご家庭の本質的な問題解決のために、重要な意味を与えてくれます。
結果、これまでの実績ではほとんどの青年たちが、自らの意志で当協会を尋ね、家族の絆の再生が
実現できています。
これから数回にわたって、私共だからこそできる社会的支援の一端を述べてみたいと思います。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2009年1月18日 18:10
親子の共同作業
前回の記事で、ひきこもりが長期化してしまって、自分たち亡き後のわが子の生きていくすべ、生きる
糧を案じているその親自身が、その長期化に一役も二役もかっているという事実について、少しお話し
してみましょう。
わが子が不登校なり、ひきこもり、ニートとなってしまった場合、やはり育てた自分たちに、何か落ち度
があったのではという反省心が出てまいります。
ですが、具体的に何がどう適切でなかったかというのは、よく分からない部分ですので、「甘やかし
過ぎたのか」「厳しすぎたのか」といったぐらいでしか振り返れません。
でもどこかが誤っていたのだろうということで、自責感から自分を責めてしまうところがあるのです。
生真面目なタイプの親ほど、時には自虐的とも思えるほど自分を責め立ててしまっている場合が
あります。
しかし、ここが危険なところなのです。
自分を許さないという態度は、罪悪感を幾分和らげるという効果があります。
これは、何か周囲に迷惑をかけ、反省しなければならないような場面で、平気な顔をしていられるか
を考えてみると分かると思います。
自分を責めることで、逆に周囲に対する負い目を軽くすることができるのです。
つまり、わが子の苦悩の解決よりも、自身の感情処理を優先させてしまうということです。
これは、誰にでもありうる人心の弱さ、悲哀といったものでしょうか。
またさらに長期化の誘引となってしまうことは、自分がわが子に対して、誤った対応をしてしまったと
過度に自戒してしまうと、償い、もっと言うとあがないの行動を取り始めてしまうことです。
わが子をひきこもらせってしまったと過度に反省しすぎると、何かで償おうとします。
親としての償いで最も形として現れやすいのが、「世話をする」という行為です。
自己犠牲的なあがないを始めます。
ルームサービスよろしく毎回の食事を部屋の前にもっていったり、住居を別に借り住まわせ、そこに
食事を運ぶといったことを延々と繰り返したり、毎月10万円以上の仕送りをしてひきこもり生活を
支えるといったことです。
このように、親自身は自覚がないまま、不登校、ひきこもりを長期化させ、ニート状態を容認して
しまう結果となります。
そして、「ひきこもりのわが子を残して、死んでも死にきれぬ」とアンビバレンスな状態に陥ってしまう
のです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2009年1月13日 19:33
新年を前にして
この記事が、今年最後となると思います。
今日は一日がかりでクリスマスのイルミネーションの片づけをし、明日は大掃除です。
明後日は実家へ家族と帰ります。長女、二女は正月も仕事だそうで、本当にご苦労様です。
先日、新聞で情けない記事を見ました。
大分にある宇佐八幡宮の古札納札所に、生ゴミや関係ないゴミが投棄され、今回から廃止されると
いった記事です。宇佐八幡宮は、全国の八幡神社の総本宮です。
大分の教育委員会の教員不正採用が今年発覚されましたが、なんとも嘆かわしいニュースばかり
です。大分県民の皆がそういう人間ではないのでしょうが。
他の神社でも同じような状況が増えてきているそうですが、日本人のモラルはどこへいってしまったの
でしょうか。
ご神札とゴミを一緒にできる神経が理解できません。
お札をモノと見ているのでしょう。古くなったからゴミに出す。そこに何のためらいも無いのでしょう。
伊勢神宮に参拝した折に西行法師によって詠まれた有名な歌があります。
『何事のおはしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる』
大自然の息吹に生命力、意志を感じ、恐れ畏む感性が今の日本人に無くなってきている気がします。
以前ある神社に参拝した時に、観光客と見られる若いカップルが、遠くから賽銭箱に小銭を投げ込み、
手も合わせずに「ヨロシクッ!」と走り去った光景を目の当たりにし、愕然としたことがありました。
若者たちが悪いのではありません。
まともな教育も出来ず、そんなふうにした親が悪いのです。
「生かされている生命に支えられて生きている」という感性をもった親、大人たちが今どれだけ
いるでしょうか。
神社は大自然をお祀りしている場所です。
「えっ、神さまじゃないの?」「自然を祀るって、どういうこと?」
こんな声が聞こえてきそうです。
私たちは天体の影響を受けている「宇宙の子」であり、自然の中に生息する「自然の子」です。
日頃は「世間の子」だけを意識して生きていませんか?
だから世間体ばかり気にかけ、大事なものを見過ごしているのです。
世間体から体裁ばかりとりつくろい、わが子が不登校やひきこもりといった自己治療的な行動でSOS
を発信しても、世間体を優先させ、ひた隠しにし、わが子の訴えはなおざりにされます。
「お天道さま」「お月さま」といったように、古人は自然を崇めていました。
「お天道さまが見てござる」が、生活の中での倫理観の規範となっていました。
初詣ではいい機会です。
自己を超えた力の存在の前に額ずき、自己の無力を悟ることが大切です。
わが子をコントロールしようとした傲慢さが、子どもたちの個性、存在価値を奪ってしまったのです。
子どもたちは「自然の子」です。天分を引き伸ばしてあげるのが親の役目です。
親の身勝手な期待で、わが子をコントロールしようとしてしまえば、わが子から暴力や依存で支配され
ることになるのです。
生かされていることに感謝し、身を慎み、関わりあうすべてのもの(人も物もわが子も)を敬い、
「お蔭さまで、ありがとうございます」という謙虚さをそなえれば、子どもはあるがままに真っ直ぐ育
つのです。
来年も、より多くのご家族とのご縁を大切にして、家族再生の場づくりを一所懸命やっていきます!
一年間ご購読誠にありがとうございました。
皆さまのご家庭が良き年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年12月28日 20:20
大切にしたいもの
今年一年を振り返る時期になってきました。
今年は、私自身の今後を方向付けるようないくつかの出来事がありました。
この一年を踏まえ、来年はまた、新たなことへチャレンジしていきたいと思います。
「ゆにわの会」https://www.interbrain.co.jp/yuniwa/ が今月開かれました。
「ゆにわの会」は自助グループです。単なる当事者家族の慰めあいの場ではなく、自らを助けられる
学びをしていく場です。
今回のテーマは、〈“大切にする”という発想をもつ〉という内容でお話ししました。
大切にすると、大切にしたものから自分が大切にしてもらえます。
何か不満が出たときに、自分がそれを大切にしているかを振り返ってみると、不満の原因が必ず見え
てきます。
人を大切にする。これは一番分かり易いと思います。
大切にされるとその相手も大切にしたくなります。
大切にしないということは、粗末に扱うということですから、粗末に扱われて平気な人はいません。
ニュースでは連日のように派遣切りの話題が取り扱われています。大切にされていないという不満
は、深い悲しみと激しい怒りを生みます。
物を大切にする。例えば、職人さんは道具をとても大切に扱います。
道具から大切にされるというのは、長く使えますね。いつまでも役に立ってくれるということです。
それこそ、名人になればなるほど、道具と体が一体化し、匠の技を生みます。
事を大切にする。事というのは出来事や機会(経験・体験)です。
楽しいことも苦しいことも生きていれば色々なことがあります。
「禍福はあざなえる縄の如し」まさに人生いろいろです。
そのひとつひとつの事を大切にするということは、活かしていくということです。
活かしていけば、自分の成長の糧となります。
時間を大切にする。時間の質を高めるということです。時間は誰にも平等にあります。
1時間という長さ(量)は誰にとっても同じです。しかし、その使い方(質)は違います。
何のためにその時間をあてがうかです。
時間は、黙っていても、動かずにいても絶えず消費しています。
時間の質を高めれば、ワインやお酒を熟成させるように、自身を円熟させていくためのエネルギーと
なります。
空間(場)を大切にする。自分が居る環境、所属している場(グループ)を大切にします。
環境から受ける影響は私たちの心理面に大きなはたらきかけがあります。
森の中にいる時と、コンクリートの壁に囲まれている時とでは全く違いますね。
また、学校やクラス、職場、サークルといった場は、様ざまな機会を私たちに提供してくれます。
場を大切にすることでの恩恵はそれは大きなものがあります。
場を大切にする始めの一歩は、掃除、整理整頓です。
乱雑な空間は、心や頭の中も混乱させます。
廻り合せを大切にする。時間と空間の交点が廻り合せです。
ある瞬間、ある場所で、何事か何者かと出会う。
廻り合せが悪ければ、交通事故や通り魔にも出会ってしまいます。
廻り合せを大切にするということは、「縁」を大切にするということです。
人間は、自分以外の誰かと関わりあうから人間です。関わりあう別の誰かがいるから「間」があるん
です。
その「間」をとりもつのが「縁」です。
『大才は袖すり合う縁をも活かす』という柳生家の家訓もありますが、「縁」を大切にすることで、
人生がより良くなっていきます。「とかくこの世は縁しだい」です。
時間と空間を大切にしていくことが、廻り合せを良くしていく方法です。
また、シンクロニシティ(意味の有る偶然の一致)も頻繁に起こってきます。
そして最後に人生を大切にする。
人生そのものを大切にしていけば、人生から自分が大切にされます。
身に起こることはすべて必然の結果。必要だからこそわが身に起こる。
こう心がけて生きていけば、なぜわが子が不登校になったのか。ひきこもってしまったのかの訳が
分かり、親として、一人の人間として大きく成長でき、家族の絆が深まり、温もりのある家庭となって
いくでしょう。
人生があるゆることを教えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年12月23日 17:25
心のこもった届け物
13日の「正月事始め」が過ぎ、ますます気ぜわしい時期になってきましたが、時節がら届け物があり
ます。その中に特にうれしいものがあります。
当協会を卒業していった青年からのお歳暮でした。
何がうれしいかって、頂いた物ではなく、彼らが自分が働いて得た給料から送ってくれたということが
うれしいんです。
これまでも初任給でプレゼントを贈ってくれた青年もいました。
わが子が働きだした時もうれしかったですが、これまで関わってきた青年たちが、それぞれ自立して
いく姿を見ていくことは本当にうれしいことですし、少ない中から心遣いをしてくれることは有難く思いま
す。とても意味の有る重みの有るものです。
お金のありがたみも、自分で働いて得られてこそ分かるものです。
来年の目標に結婚をあげている青年もいます。もちろん相手がいるからです。
フロイト(精神分析)の言葉に「健康な人間に出来ることは、愛することと働くこと」というものがあ
りますが、それが生きていくということではないでしょうか。
はたらくとは、傍(周囲)を楽にすることです。そこには周囲(他者)への思いやり、心遣いがあります。
人を愛すればこそ、人の役に立ちたいと思い、自己犠牲をもいとわぬ崇高な精神が芽ばえます。
最近、インターネットで配信され世界中に感動を与えた、高速道路で車に引かれた犬を引きずって
助け出そうとしている犬の映像が話題を呼びました。犬だったからこそ、なお感動を呼んだんでしょう。
昔「反省だけなら猿でもできる」というのがありましたが、あれは芸です。この犬は自らの意志(?)で、
仲間の犬を助けようとしていました。
人を愛すること、そして愛される喜びを知ること、自分の個性を活かして他者の役に立とうとすること、
手にしているものが多くの他者からの与えられたものだということに感謝し、そして健全な自己愛、
自己信頼感を抱くことが「豊かさ」というものでしょう。
子どもたちに親が伝え残すべきものは、この「豊かさ」ではないでしょうか。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年12月16日 20:01
笑顔は心を温めます
昨日、当協会で自立訓練を行っている30代の青年たち数名と忘年会を行いました。
31歳から39歳まで、お酒と料理を味わいながら、楽しいひと時を過ごせました。
一番うれしかったのが、彼らの笑顔です。
素直なとてもいい笑顔でした。
日頃、自身の過去を振り返りながら、苦悩する表情を浮かべることもあります。
皆、自己に向き合い、現実を直視し、トラウマを超えて、自身と自信を取り戻そうとしている青年たち
です。
だからこそ、その穏やかな笑顔が見えた時、こちらの心まで温かくなってきました。
「笑う門には福来たる」と言いますが、本当に幸福が届けられた思いです。
今日は、21歳の青年が、簿記2級の合格通知を持ってきました。
今回は合格率26%だったそうです。
誇らしげな表情がたのもしく見えました。
会計の仕事に携わりたいという希望を聞き、私自身が税理士事務所に勤務していたこともあり、資格
取得を勧め、今回取得しました。
高校を中退し、アルバイトをしながら通信制を卒業、ここまで頑張ってきた青年です。笑顔が消えてい
た時代もありましたが、次はFP(ファイナンシャル・プランナー)の資格に挑戦するとはりきっています。
来年開けてから、いよいよ本格的に就職活動を始めます。
これまでも不安を乗り越え、挑戦する青年たちの姿に幾度と無くこちらが励まされました。
彼らのの笑顔と成長ぶりが見られるから、この仕事が辞められないのでしょう。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年12月12日 20:25
不登校・ひきこもりの解決とは?
私共のような施設に対して、どういった支援をしてもらえるのかといった質問があります。
恐らく、この質問の裏には、「学校に戻してくれるのか」「部屋から出してくれるのか」「就職を見つけて
くれるのか」といった期待が含まれていると思います。
それに応えることを目的としている支援施設もあるでしょう。
「あたりまえではないか」と思うかも知れませんね。
しかし、私共は、それはプロセスの通過点ととらえています。
学校に戻す、部屋から引き出すを解決したと見なしてしまうことは、とても危険なことです。
本人なりの何事かの理由があってその状態になっているわけですから、その理由を解決しない限り、
たとえ表面上学校に戻ったり、外出できても問題は残されています。
機能不全家族の定義には、「家族機能が適切にはたらかず、問題解決能力が低いので、家族の
発達的、状況的危機に際して、的確な対応ができない家族」とあり、いくつかあるその特徴の中には、
〈家族の問題を解決するためのコミュニケーション・スキルが劣っている〉〈家族に他人が入り込むこ
とへの抵抗感が強く、地域・社会、友人などとのかかわりが少なく、閉鎖的で孤立している。家族が
危機的状況に直面した際、周囲から支援が受けにくい〉といったものがあげられています。
最も感じることが、問題解決能力ということです。
解決以前に、何が問題かという状況把握からが十分でありません。
このことは何も当事者家族だけではなく、「引き出し人」と言われている支援者側にも見られることも
あります。
だから、まさに引き出すことに懸命になるのでしょう。
私たちは、どれらの問題が複合的にあいまってその状態を導いてしまっているのかを探っていきます。
けっしてどの家庭もひとつきりではありません。あたりまえの話であり、逆に問題のない家庭などあり
得ないでしょう。
もし、「わが家には何も問題なし」と思っている家は、地下のマグマがその出口を見つけて勢いよく噴出
すのを気づかずにゆったり過ごしているようなものです。
どういった問題が先ずあるかを端的に知る方法があります。
それは、わが子の不登校、ひきこもりを前にして、解決のために家族の一致協力がはかられているか
を見てみるといいのです。
必ずといっていいほど、足並みが揃っていません。両親間にもかなりの温度差があります。
この辺りがより本質的な問題であり、改善要素なのです。言ってみれば、ここが子どもの不登校、
ひきこもりを誘引したようなものです。
私共が支援していく過程では、先ず当事者本人以外での不具合を調整していくことから始める場合も
少なくありません。
目の前の状態を受け入れられず、親の方が情緒不安定となり、子どもに対して適正な対応ができない
状態にある場合があります。ある時はうつ。ある時はPTSD(心的外傷後ストレス障害)といった状態の
時もあります。重度の共依存状態で、支援の妨げになる場合もあります。
こういった場合は、先にこれらの問題を解決していくことから始めなければなりません。
不登校、ひきこもり・ニートの解決のためには、「問題を解決していく」といった視点が重要です。
単に傷ついた心を癒していって、元気を回復させるという考え方では、長期化していくだけです。
ましてや、「出口の見えない病気、障害だからあきらめるしかない」といった考えは、断じて持っては
ならぬと私は思っています。
この世にかけがえのない存在として生まれてきた子どもたちの、その生きている意味、尊厳性を失わ
せることは誰であっても許されるものではありません。
漠然とした問題を整理し、具体的にひとつひとつ解決していくのです。
子どもたちから投げけられた問題を読み解き、囚われた価値観を解放していくことで、家族再生、人生
の取り戻しがかなっていくのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2008年12月 9日 17:30
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