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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ニート 16ページ目

高校での講座

福岡県青少年問題地域講座で某公立高校へ出向きました。

約50名の先生方を対象に不登校の背景をお話しさせて頂きました。

アンケートの内容をいくつかご紹介しましょう。

 

 

親の無関心が、子どもに存在価値がないと思わせ、夢や目標をもたなくさせる。
こんな風にならないように関心をもっと高めたいです。
私も子どもが3人いますが、親としてのかかわりを改めて気をつけたいと思いました。

 

躾の場で、存在自体への否定が二度と失敗したくないという気持ちにさせ、結果何にもチャレンジ
しなくなる。自己否定して辛い思いをしている生徒に自己肯定できるように修正を手伝いたい。

 

日頃から「一人一人の生徒をしっかり見て本当に必要な支援をしていかねば」と思いながらも、
無力な自分に「まだまだやれることはあるよ」とメッセージをもらったような気がします。
と言いながら、教員としての目以上に、我が子たちへの「親としてのまなざし ありかた」を全力で
考えてしまいました。誰より今日のお話で救われたのは、うちの子たちかも知れません。

 

何より講演が終わったあと、職員の誰と話しても「何より“我が子”に対する自分のダメさに
気づいた」という親としての思いが強かったので、「これは是非保護者の皆さんにも届けたい」
「私たちも教員としてではなく親として一緒に学ぶ場を設定してはどうか」と思い、さっそくPTA担当の
先生に言いにいきました。

 

私も次男が高校2年時に不登校となり、とても悩んだ時期がありました。今日のお話をその時期に
保護者として聞かせていただくことができていたら、子どもの気持ちももっと早くよく理解できてい
たのではないかと思います。
保護者の接し方、考え方が変わらないと子どもは自立して自分の人生時計をすすめることが
できないのです。
不登校の子どもをかかえている保護者に対してアドバイスしていただく場を設定していただけない
でしょうか。

 

 

学校で講演をおこなった場合、きまって先生方は、途中から生徒のことではなく、わが子のこととして

聞いてしまうようです。

それぐらい、どこの家庭でも充分起こりうるようなことなのです。

 

 

私がお話しする内容は、全て実例であり、当事者の子どもたちから聞かされた生の声です。

だからこそ、聞かれる方たちは皆怖くなるのです。

 

 

高齢者に聞いて頂く機会では、「自分たちは子育てが終わってもう間に合わないけど、孫のために

母親たちに話して聞かせます」といった感想が多いです。

 

 

私どもは不登校・ひきこもりの予防啓発のための講演活動もおこなっておりますので、色んな場

で子どもたちの叫びを聞いて頂けたらと考えています。

日頃子育から遠いお父さんたちにも是非聞いて頂きたいことがありますので、お声をおかけください。

講演依頼についてはこちらへ ⇒ https://www.interbrain.co.jp/lecture/

 

 

 

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わが子に蒔きおく種

 臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧白隠慧鶴施行歌というものがあります。

一節をご紹介しましょう。

 

 

今生富貴する人は  前生に蒔きおく種がある

利口で富貴がなるならば  鈍なる人はみな貧か

利口で貧乏するを見よ  この世は前生の種次第

多くの宝を譲るとも  持つ子が持たねば持たぬもの

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

 

 

ほんの一部の抜粋ですが、私はかねての支援活動の中で特に考えさせられる箇所があります。

それは、

 多くの宝を譲るとも  持つ子が持たねば持たぬもの

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

という部分です。

 

 

白隠禅師は、経済的なことで表現していますが、人並みはずれた能力があったからとて、必ず

幸福になれるかというとそうではない。 

親がわが子に財産を残したからとて、それに相応しい器の者でないと身上つぶしてしまう

お金など残さなくても、持つべき子は自力でしっかり財を成す。

わが子の繁昌祈るなら  人を倒さず施行せよ

と、わが子にはをのこすべきことを諭しています。

 

 

私が考えさせられるというのは、徳をのこすことはもとよりですが、わが子にのこす(植える)ものは、

自尊心自己信頼感であるべきだと思うのです。

自尊心自己信頼感が健全に育っていなければ、学歴をつけてあげようと親が努力して(それこそ

お金をかけて)も、不登校になったり、高学歴でも就職面接すら行けない。

また、せっかく大きな会社に就職できても、仕事のミスや上司からの叱責ひとつで、ひきこもりに

なってしまうことだってあるのです。

 

 

逆に自尊心自己信頼感が育っていれば、どんなトラブルやアクシデントに見舞われても、なん

とか解決してしまいます。

親身になってくれる協力者もいるからです。

 

 

私たちは人生早期の発達段階で、自身の人生の“前提”が決定されてしまっているようです。

しかもそれは、養育者に完全にゆだねられているのです。

 

 

前提とは何か?

自分が生きていく環境は、信頼できる人たちと安全に暮らせる環境であり、自分は周囲の人たちか

ら、愛され、求められると自分を信頼していける人生か、常に裏切られ、傷つけられることに怯え、

自分が生きていっていい理由、意義を見いだせない人生かということです。

 

 

どちらの前提で人生をスタートするのかが、養育者の関わり方によって決められてしまうのです。

そして、この前提をプログラムされたことには、本人は気づけず、特に否定的前提は、成人してのち

もあらゆる場面で手を出し、口を出し、本人を脅かします

 

 

ストレスに対しての脆弱性や、常に印象、憶測、気分で物事を判断し、否定的結論から前向きな

行動をとらない癖が身についてしまうのはこの前提のせいなのです

 

 

自分を信頼できれば、親から自立することができます

家族だけとの人間関係に依りすがり、自分の世界に閉じこもる行動は、自分を信頼できずにいる

からです。

 

 

誤った前提を与えてしまったわけは、養育者(親たち)が、自身の人生の初期に満たされなかった

欲求を子育てにおいて無意識の内に満たそうとしてしまったためです

それは、不適切で不健全なわが子への関わりとなり、存在に対してのダメージを与えてしまうの

です。

 

 

自尊心自己信頼感という種さえしっかり植えていれば、

少しも田畑譲らねど 持つ子はあっぱれ持つものぞ

で、親に与えられなくても必要なものはすべて自分で手にしていける人生を送ることができるように

なるのです。

 

 

 

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ビジネスマナー講習

今日は、プロの講師を招いてビジネスマナー(接遇)講習を行いました。

私はかねてから青年たちにコミュニケーションの手立ては、言葉だけではないということを伝えていま

す。

 

 

不登校児童でもひきこもり青年でも、共通してあるのがコミュニケーションスキルへの苦手意識です。

対人交渉が思うようにできない理由に“うまくしゃべれない”“気のきいた話ができない”といったことを

あげます。

しかし、実際の場面では自分を他者へ伝える方法は、言葉ばかりではないのです。

 

 

言葉以前に大切なことは、姿勢です。

どういう姿勢で他者と関わっていくかということです。

先ず、相対する相手の人格や立場、もっと言うと存在そのものへの敬意を示す姿勢が無ければ、

どんな言葉を連ねても、好意ををもって迎えられることはないでしょう。

 

 

袖すりあうも他生の縁」ということわざがありますが、そこで出会った縁はかけがえのないもの

です。

人との出会いは、出会おうと思って出会えるものではありません。

だからこそ、相手を尊重するという姿勢が必要なのです。

これをマインドマナーというそうです。

 

 

言葉以外のコミュニケーション手段で次にあげられるのは、表情態度身だしなみです。

笑顔も無く仏頂面で対していては、好感を与えることはできません。

 

 

顔には沢山の表情筋があります。

女性講師ならではの、表情筋の鍛え方、フェイス・エステを教えて頂きました。

私は、かねて青年たちには「笑う門には福来る」で、鏡を見て笑顔を作り、最高の笑顔を筋肉に

覚えさせなさいと言っています。

うれしいことがあってから笑うのではなく、笑顔にしていると、笑える状況になっていくものです

 

 

 清潔で明るい服装をして、背筋を伸ばし、胸を張っていれば、自信ありげで爽やかなイメージを

与えることが出来ます。

天を仰げ、胸を張れ!」です。

 

 

仕事柄決して信じてもらえないのですが、私は無口な人間です(笑)。

決して社交的とは言えず、積極的に自分から声をかけていくということを必要以上にしていく性格

ではありません。

しかし、これまで交友関係で悩んだことはほとんどありません。

父親が転勤族でしたので、転校もたくさんしましたが、その土地に順応するのは決して遅くはありま

せんでした。

 

 

私が取った方法は、服装や持ち物、態度で自分をアピールする方法です。

音楽にはまっていた時期には、ギターや音楽雑誌を片手に、いかにもバンドマンという格好をして

いましたし、武道で体を鍛えていた時には、体形を誇張する服を着ていました。

そのせいか、人相のせいか分かりませんが、けっこう後輩には怖がられていたようですが(笑)。

 

 

格好を見て、周囲からけっこう同じ音楽好きが声をかけてくることがありました。

その時、その時、自分が何に関心、興味をもっているかを折々にアピールしていました

こうやって、自分から声をかけなくても人が寄ってくる工夫をしていたのです。

人は、他人の関心ごとに関心があるものなのです。

 

 

態度としては、やはり礼儀ですね。

年齢や立場をわきまえて、礼をつくすということは社会生活の中で最も大切なことです。

礼儀作法というものは、ひとつの文化です。

文化は習慣であり、伝えられてきたより良く生きるための生活の知恵です。

ですから、それにのっとっていれば、性格や状況がどうあれ、人に不快や迷惑をかけることは最低限

ありません。

 

 

うまく気のきいた話ができないから人間関係が上手にできないのではなく、礼儀をわきまえていない

ことで、他人を不快な気持ちにさせ、人間関係が構築できないでいることが多いようです。

武道で言う「礼に始まり、礼に終わる」がやはり大切です。

これらをビジュアルマナーというそうです。

 

 

今の時代、多様化した価値観の中で様ざまな選択肢が用意されています。

その中にあって大切なことは、自己主張です。

自分が何を考え、何を感じ、何を知っているのかを周囲に伝えきれることは、身につけておかなけ

ればなりません。

もちろん、一方的にもの申すわけではなく、協調的で発展的な自己主張アサーションです。

そのためには、聞く姿勢(傾聴)アクティブ・リスニング大切です。

 

 

私は先に書いたように無口ですので、聞き上手になることに努めました。

「あなたの話に関心をもって耳を傾けています」という態度を示していれば、相手は勝手に(笑)話し

くれるものです。

相手に大切な情報を正確に伝える。これをテクニカルマナーというそうです。

 

 

 コミュニケーション・スキルへの苦手意識から、「話し方教室に行った方がいいでしょうか?」と言う

青年たちは少なくないのですが、言葉は表現の一手段に過ぎないということ。

それ以外の表現法の重要さを知ってほしいために今回講習を実施しました。

今後もひとつひとつのマナーをより詳しく指導していく予定です。

 

 

 

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自己否定の収集家

アディクション(嗜癖)というものは、「はまる」といった行為ですが、まさに何ものかにとり憑かれたよう

な状態にあります。

かねて接している若者たちは、自分をおとしめることにとり憑かれているようです。

いずれ劣らぬ自己否定材料の収集家です。

 

 

「自分なんかダメなんです」と吐き出すのみで、少しでも自信をもてるようになるための努力をするか

というと、全くその逆で、ますます自堕落な生活を送る。

「人に迷惑をかけていても努力ができない自分はダメ人間です」とさらに自分を否定します。

自分勝手な自分、怠惰な自分、弱虫な自分、心配をかけている自分、感謝できない自分、逃げる

自分を徹底的に否定します。

傍から見ていますと、痛々しいほど自虐的です。

 

 

こういった若者たちの根底にあるのは、罪悪感です。

周囲(特に親)の期待に応えられなかったという罪悪感です。

 

 

私たち親は、さまざまな期待をわが子に寄せます。

「期待」というとい聞こえはいいですが、我欲であることが多いようです。

自分が果たせなかったことを託すとか、自分の見栄のためにさせるとかというものです。

そんな期待にも、子どもたちは懸命に応えようとします。

 

 

また、子どもたちの方でも、親の意に反し、勝手に期待を読み取ってしまう場合もあります。

身内の集まりで、小さいころから「長男だから・・・」と言われることで、過剰に長男という役割を演じ

ようとした青年もいました。一族を背負っていくというような勢いで求められていない期待にまで

勝手に応えようとしたのです。

 

 

ある青年は、親のことを「勝手に期待して勝手に絶望するのは勘弁してほしい」と言っていま

した。

周囲の期待に応えられない自分を「期待を裏切ったダメな子」「親を絶望させた悪い子」という風に

感じ取っています。

 

 

こういった罪悪感が根底にあり、その罪悪感にみあった自分を無意識に演じます

さらには、その根拠となる状況を揃えだすのです。

それが、努力をしない、積極性を出さない生き方のスタイルとなります。

否定されるに相応しい自分をつくりあげます。

自信のもてる成長した自分は、自分らしくないのです

 

 

彼らに自信をもたせるための訓練を実施していく時に苦慮するのが、日々の体験を通して認識を

広げさせたり、新たな価値観を提供しようとしても、なかなか自分の身に置き換え、過去の経験と

すり合わせて習得することができないでいるのです。

なぜなら、これまでの罪悪感を抱えている自分に相応しくない、自分らしくない、主体的で発展的な

取り組みは、ことごとく無視してしまうからです

周囲の期待に応えられず、信頼を裏切るような自分は、成長してはいけない」この勘違いの

道理が現在の彼らの行動を規制するのです。

 

 

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行為が象徴するもの

相談者からの最初の訴えは、

学校へ行かないのですがどうすれば行きますか?

ひきこもって何も動こうとしないのですが・・・

親に対して暴力行為や暴言があるのですが、どうすればいいでしょう

といったものがほとんどです。

 

 

こういった状況の場合、先ず必要な視点は、これらの行為・行動には意味があり、何ものかを象徴

しているということです。

 

 

なぜ自分の部屋に閉じこもったり、暴れたりしたくなるかを斟酌せず、表面の行動だけをたしなめ

ようとしても解決にはつながりません

 

 

中には、「時期がくれば落ち着く(動き出す)から待ちましょう」と医療機関から助言されたり、暴れる

度に警察に通報していたケースもありました。

 

 

不登校やひきこもりの青少年たちにある傾向は、

強迫性反復性衝動性貪欲性です。

 

 

自分の見識に囚われ(貪欲性)、周りが何を言ってもそこから離れることができません。

強迫性というのは、無意識に動いてしまうことで、「わかっちゃいるけど、やめられない」の世界です。

気づいたらもうそうしています。

 

 

あきれるほど同じ不安を繰り返したり(反復性)、登校しない過ごし方、外出しない過ごし方を今日も

また繰り返します。

 

 

行動の多くは、明確な意思、計画に基づいたものではなく、その場の感情に突き動かされた(衝動性)

行動です。

 

 

人間の行動は、欲求に基づき促されますが、学校に行かない、対外的な生活をしないといった行動

は、その行為自体を望んでいるのではなく、本質的な(本心からの)欲求が見えなくなったことからの、

代替行為であり、隠れた本心の象徴行為と言えます。

 

 

ですから、その行為・行動がいくら繰り返されても、本心からの欲求が満たされることは無く、延々

その状態を変化させることはありません

 

 

では、隠れた(隠された)本心とは何でしょう。

 

 

例えば、学校環境は、管理評価の象徴です。

集団生活の中で、他者との比較で優劣をつけられます。

個々の独自性を尊重されるよりも、校則などにより標準的な枠組みへの矯正、学習能力による

序列化で、固有の名前のようにそれぞれの存在価値を確かめあい、認めあうのではなく、成績や

出席番号のような数字での管理がなされています。

 

 

そういった環境で、いじめなどによる疎外体験や「必要とされたい」「認められたい」といった承認欲求

が十分に満たされなかった子どもたちは、管理、評価の象徴の場を離れ、独自的な生き方を模索し

ます。

 

 

また、あるがままを許されなかった子どもたちは、親の期待に応えることでの存在意義しか見いだせ

ず、そのことに挫折したことに罪悪感を感じながら、社会からの「求め」に耐え、役割を担い、責任を

負うことなど到底できることではないのです

 

 

わずかな失敗によっても、評価をおとしめられる恐怖を抱えた青少年は、一切のしくじりから逃れる

ために不行動(ひきこもり)を選択するのです。

 

 

 

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親の学びとは?

時おり、「親が変わっていくために学ぶことの大切さは分かるのですが、子どもが不登校やひきこもり

になっていない家庭の親は、こういうことを知っているのでしょうか?」と訝しげに尋ねられることがあ

ります。

 

 

前回の父親の手記にもあったように、当協会では、親御さんの学習にかなりの時間を費やします。

それは、わが子の状況、状態を理解することで、痛みへの寄り添いを実行していくためです。

そういった中で、先のような疑問が投げかけられるのです。

 

 

私はいつもこうお答えしています。

「もちろんほとんどの親は、皆さんが今学習しているようなことは知らないまま子どもを育てていま

す。知らなければわが子が必ず不登校やひきこもりになるというわけではありません。

だからといって、子どもが自然に育っていれば必要ないというわけではなく、ご両親にとっては必要

だということです。

なぜなら、まさにわが子が何ものかを抱え、もがいているからです」と。

 

 

体の健康のことを考えてみてください。

特別治療を要するほどの病気になっていないからといって、そういった人たちが健康への詳しい

知識を学習していて健康を保っているわけではありませんよね。

しかし、さすがに病気ともなれば病院にも行き、治療法に関し多少なりとも学習しますね。

めだった病気がなければ、何らの学習は必要ないというわけではなく、健康を維持、増進するため

には、知識の習得、養生法や健康法の実践をやった方がいいんです。

 

 

そもそも健康に甘んじているのが不遜な態度なんです。

自分の努力で健康なわけではなく、体が健康を維持してくれているんです。

私たちがやっていることは、口に食物を放り込んでいるだけです。

後は、栄養の吸収、排泄、解毒からすべて体がやってくれています。

でも、そんなことも考えず、健康であることがあたりまえと思ってしまっていないでしょうか。

 

 

わが子が心身ともに健やかに育ってくれているのも、あたりまえではないのです

子どもの成長力、自浄作用などで育って頂けたんです。

ですから、子どもが非行や不登校やひきこもりになってないからといって、そこにあぐらをかいて

いると、大きなしっぺ返しがあります。

親の懸命な努力によってそうなっているわけではないのですから(笑)。

 

 

大学を卒業してひきこもるまで、非行も不登校も全く無いといったケースもあります。

わが子が社会人になってから、度々頭を悩まされるというケースもありますし、結婚してから悩まさ

れるケースだってあります。

めだった心配もせず暮らせているというのは、奇跡に近いんです。

 

 

私たちは、とかく何か派手な喜び事がないと、ラッキーを感じませんが、無事であることこそ、ラッキ

ーなことなのです

多くの事が重なりあって、連なりあって、無事が維持できているんです。

見えないところ、気づかないところで、ラッキーが積み上げられているんです

だから、「お蔭さまで、ありがとうございます」という姿勢が大切なんです。

 

 

そういったことから、実際にわが子が不登校やひきこもりになってしまった家庭では、親御さんは

なおさら懸命な学びが必要です。

「子ども自身の問題なのに、なぜ親が学習やカウンセリングが必要なんですか?」と言っている内

は、何も変わりません。

わが子が身を挺して学ぶ機会を与えてくれているのに、みすみす親として成長するチャンスをほうり

捨てているようなものです。

 

 

反省心の強い親御さんの場合、過去の懺悔から、わが子に厳しいことが言えなくなっていることが

多いようです。

しかし、これでは問題は解決しません。

育て直し再教育が必要である不登校、ひきこもり問題では、親御さんの家庭での関わり方が大変

重要となってきます。

もちろん、過去と同じ轍を踏んではいけません。

同じ誤りを繰り返し、新たな傷を与えては身もふたもありません。

だからこそ、学びが必要なのです。

 

 

また、これまで適切な関わりができなかった背景には、子育てにおいて後ろ盾となる精神的支柱

持ち得なかったからです。

その場その場で、何ものかに照らし合わせて考えてわが子に接するのではなく、「自分はこう育てら

れたから」という感じで接してはいなかったでしょうか。

「これで良かったかなぁ?大丈夫かなぁ?」と不安げな態度をとることはなかったでしょうか。

 

 

潔く自分の中でこれまでを反省すれば、懸命に学ぶことで、これまでのことは棚に上げて(笑)わが子

に接していけばいいのです。

問題解決のために、何を優先させるべきか、どう関わるべきかが分かってきます。

自信はなくても、学ぶことで子どもに積極的に関わっていく勇気を出せます。

 

 

両親の成長は、必ず子どもに好影響を与えます。

延いては、問題の解決へつながるのです。

成長というのは、何も完璧な親や人格者になるということではありません。

生きていくことに、より豊かさや幸福感を味わえるようになっていくということです。

ゆとり潤いを得るということです。

 

 

そうなるための学びを進めることで、わが子の育て直し絆の結び直しがはかられるのです。

その機会をわが子が与えてくれているというわけです。

 

 

 

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親子の絆の結び直し

私共が関わったあるご家族のお父さまから手記がよせられました。
承諾を得て、全文を掲載させて頂きました。

******************************************************************************

「本当は、●●の山で人知れず死ねばよかった。」

と娘の衝撃的な本音を女房から聞かされてのは、彼女が●●の大学を中退して●●へ戻って来た

4年前でした。

 

それから、娘は次第に何をするにも消極的になっていきました。

戻ってきた当初は、時々外出することもあり、親として活動的になって欲しい一心で自動車運転免許

を取ることを勧めましたが、それも自動車学校へ入学して最初の一日でつまづき、それっきり通うこと

もありませんでした。


 
又、自信を付けたい為に始めたダイエットも失敗に終わり、自信喪失を加速させる結果となり、

とうとう完全な「ひきこもり」状態となりました。
 
 

それまでに、よかれと思って大学の心療内科や精神科のカウンセリングを受けさせましたが、逆に

他人との接触を拒絶する傾向がひどくなる一方で、回復の目途さえ立てられない状況に陥りました。

 

その当時は、娘は家族さえ顔を合わせることすら拒み続け、家庭の中が重苦しい毎日でした。

 

NPO法人 「地球家族エコロジー協会」をインターネットを通じて知ったのは、「なんとかしなければ」

と焦っていた2年前のことです。

 

最初の1年間は、ひきこもっている娘の内面を理解する為に、これまで親としてどう子供と接して

きたかや、気付かずに親として「支配的、強制的」に振舞うことで、どれ程の精神的な苦痛を娘に

及ぼしてきたかなど、これまでの家庭生活のなかで、気付きもしないことを省みる貴重なカウンセ

リングを女房と共に受けさせて頂きました。

 

娘の精神年齢が止まってしまった状態を戻すには、娘 本人の問題だけでなく、我々親がどう子供の

成長の為にどう考えて、どのように接すれば良いかを学ばせて頂くことができました。

 

ひきこもりを始めた当初、ごく普通のサラリーマンの家庭で育ち、息子と同様な育て方、接し方をした

のに「何故、娘だけがひきこもりに!」と自問自答しながら苦しんでいましたが、1年間の女房と一緒

に通ったカウンセリングを受けて、ようやく親として至らなかった部分の多さに、気付かされました。

 

1年間の親としてのカウンセリングが終わり、娘一人のカウンセリングが始まりました。

その後、娘の強い要望と家族内での話し合いで、今年から自立の為に一人でアパート暮らしを始め

ました。

 

今では、あれほど嫌っていた女房とも気軽に話すこともでき、時々家族そろって映画やショッピング

へ行くこともでき始めました。

自転車で市内の図書館や買い物に出かけることが多くなり、今では体重も徐々に減り始めたことも

あり、彼女自身の自信もつき始めているようです。

又、最近働きたいと思い始めているようでフリーペーパーの求人誌を見ているようです。
 
 

今は、まだ完全な自立には至っていませんが、子供が自立できるためにできる限り世話をやかずに

自主性に任せることが、一番良い事だと女房と話をしています。
 
 

4年前の行き詰った家庭生活にも、ようやく明るい兆しが見え始めた今日この頃です。

本当にありがとうございました。

 

******************************************************************************

このご家族にも長い戦いがありました。

ご家族それぞれが共に苦しんできました。

でも、支えあえたのもまた家族です。

 

 

私は、先ず「子どもたちを理解するところから初めてください」とご両親に申し上げています。

理解というのは、何も子どもの言い分を全て聞き入れ、安心してひきこもれる環境を与えるといった

ような類のまやかしではありません

 

 

ひきこもるという状況、状態を理解してほしいということです

なぜ、ひきこもるという生き方を選択したのかを理解てしいくのです

必ず原因、理由があります。

 

 

もちろん、子どもたちは全てを語ってはくれません。

中には、親への暴力という形でメッセージを発信している場合もあります。

 

 

そこから少しでも理解していくためには、親自身の学びが必要なのです。

親が変われば、子は変わる」とよく申しますが、そう簡単にはいきません(笑)。

正確に申しますと、「親が変わって、子どもに気づきを与えることができれば、子は変わる」です。

気づきを与えられなければ、親の期待をよそに子どもは少しも変わってくれません。

 

 

そもそも子どもが変わることを期待して何かを始めること自体が誤っています

そうなるとあらかた「こんなに努力してるのに、いい加減にしてっ!」とグチが出て、もとの木阿弥

です。

自分がより良く変わることを考え実行していれば、結果的に子どもに気づきを与えられます

何をどう変えるのかが重要なことなのです

 

 

このご両親は、娘さんに問題意識をもたせ、自らの意志で前へ進ませるまでに一年かかりました。

学びを深め、親御さんが成長していくことで、本人自身が第三者のところへ出向くようになるのです。

ご両親だけではなく、お兄さんの支えもありました。

本人への働きかけは、家族はもとより、本人を小さいころから知っているおじさん、おばさん、従兄弟、

近所の知り合いでもかまいません。

これまでも、本人を子どものころから知っている近所の方に協力してもらったケースもありました。

理解者であれば、協力して頂ける人員は一人でも多くいた方がいいのです。

 

 

本人自身が、ひきこもりを脱したい。前へ進みたいという意志がでなければ、無理にどこかへ連れて

いっても意味がありません。(もとより行きませんが)

両親による本人への意識づけは、家庭内暴力がある場合でも可能です。

コミュニケーションの回復から始まり、信頼関係の再構築によりそれが可能となるのです

 

 

もちろん、それらをどうやって実現するかは、学習がなければ難しいものです。

「コミュニケーションを取ってください」「自信をつけさせてください」といったアドバイスを医療機関など

からもらっている事をよく聞きますが、具体的にどうやってそれをするかの指導がなく、ほとんど失敗

に終わっています。

 

 

本人のみを問題視している間は、長期化するのみで解決に至りません

「わが家の問題」と両親が認識し、痛みへの共感的理解による寄り添いによって、子どもたちは、

最初の一歩を踏み出せるのです

 

 

手記の中にもあるように、特に葛藤の激しかった母親とも行動を共にするほどコミュニケーションも

すっかり回復しています。

絆の回復です。

 

 

最後に申し添えておきますが、この娘さんのひきこもりの根本的原因は大学中退ではありません。

プライバシーに関わることですので申し上げられませんが、中学以前からそれはすでに始まって

いるのです。

子ども達の笑顔が戻ってくるのも、親御さん次第なのです。

 

 

 

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薬物汚染報道

タレントの酒井法子が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕され、その直前には俳優の押尾学が

麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕されました。

 

 

これをきっかけに、テレビなどでも様ざまな報道がされていますが、この薬物汚染は、芸能界のみな

らず、驚くなかれ一般市民、それも小中学生にまで及んでいるとのことです。

昨年の逮捕者の44%、4837人は初犯ということですが、興味本位からの安易な使用が増えてき

ているようです。

 

 

私がおります福岡でも、地域がら外国人や暴力団から簡単に手に入れることがてきるらしく、青少年

たちへも蔓延していると聞きます。恐ろしいことです。

 

 

薬物依存などの依存症の本質には、虚無感空虚感喪失感無力感といったものがあります。

家族依存症」とも表現されるひきこもりも中身は全く同じです。

 

 

薬物依存は、先にあげた虚無感などからくる恐怖心をごまかすために薬を使います。

家族依存症は、そもそも必要な愛情を得られなかった虚無感や自分自身の存在の喪失からひきこ

もっていますから、愛情そのもので埋めあわせようとします。

しかし、その愛情の求め方は歪んでおり、そのため与えられる愛情もまた歪んでいるのです。

 

 

自分が親や周囲から求められていない、愛されていないと思い込んでいる子どもたちは、自分の

世話をやかせることで、愛されているという実感を得ようとします。

また、理不尽な要求を突きつけ、それを叶えさせることで、見捨てられていないという安心感を得よう

とします。

また、進んで親の人生に取り込まれ、親の期待に沿うことで承認を得ようとした子どもたちは、自己

を喪失してしまうのです。

 

 

そこまでして自分への愛情を確認しようとしてしまうほどの虚無感は、実はその親自身の虚無感か

ら来ていることが多いのです

 

 

自分が価値ある者と教えられなかった親たちは、子どもに否定されることの一切を避けようとし、

わが子におもねる生き方を選択します。

要求されるもの全てを与え、そのことで親としての承認を得ようとするのです。

また、逆に自身の欲求のためにわが子を利用し、自分の人生に取り込み、支配することで無力さか

らの痛みをぬぐいさろうとし、自己の存在を確認しようともします。

いずれも親自身が、周囲から必要とされ、価値ある自分を自覚できないまま人の子の親となってし

まったことでの悲劇です。

 

 

酒井法子は、早くに母親と死別し、その後父親も事故で亡くし不遇の時代があったようですが、清純

派アイドル、清純派女優と賞賛され、虚構の世界で真実の自分を見失いむなしさを感じていたのかも

知れません。

 

 

薬物依存は、人格を破壊します。

家族依存は、相互に依存しあう、貪りあうことでしか自己を実感できないという、歪んだ愛情により、

個々の独立性が保たれたうえでの家族の統合性が破壊されてしまうのです

 

 

 

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アンケートから

先日の小学校での講座のアンケートが届きました。
一部を抜粋し、ご紹介します。

 

中1ギャップ(不登校が中学で3倍に急増すること)についての内容が特に印象に残りました。

お話を聞いて、教師という仕事だけでなく、将来自分が子どもを育てる時にも役立つので、本当に
勉強になりました。

「ありのままの自分を愛して欲しい」という言葉が印象に残りました。
成功した結果はもちろんのこと、その過程や自分自身を認め愛して欲しい。そう言葉にすると改め
て自分もそう思っているなぁと気づかされました。

家庭でのようすが子どもに存在そのものへのコンプレックスを与えてしまい不登校につながるという
ことが印象に残りました。

不登校にならないように予防していくために、自己表現と他者理解の二つを伸ばしていくという点は、
すぐに実践できる支援として、お聞きできよかったと思います。

子ども達を承認することの大切さとその時の視点を具体的に教えて頂き大変ありがたかったです。

弱い子に対し、どんな支援が必要か分からず悩んでいたところでした。
とても勉強になりました。

私自身、不登校の子どもが心が弱いことが原因と考えていました。
しかし、後天的な理由、自分自身の存在にコンプレックスを抱えているという背景があることに驚か
されました。

父親の存在の重要性のお話は、自分の経験これまで担任した子ども達のことを思い出し、心に
染みるような感じがしました。

「承認=信頼・期待 それはありのままの自分を認めてらうこと」
「その子の存在そのものを認めることが大事」
マリア・テレサの言葉「子の世の中で一番不幸なことは、無関心でいられること」を思い起こしました。

学校現場の状況を考えがちな不登校の原因を広い視野で考えることができました。

 

 

不登校問題はとかく学校という制度への反発といったことを原因として捉えられがちですが、実際
は、管理評価といった世界への抵抗感、恐怖感からの身悶えであるのです。

 

 

建設的なひとつの選択肢として、意図的に不登校をやってのけた子どもにお目にかかったことのない
私は、現行の制度としての学校を選択しないことでのリスクを考えていない不登校容認派の親御さん
方には、疑問を 抱かざるを得ません。

 

 

先生方もそれまでもっておられた不登校児童へのイメージと違うイメージを感じられたようで、新たな
視点の提供ができたのではと思います。

 

 

学校でできる予防策として、子どもたちのそれぞれの個性を認め、育てる教育。
それどれの独自性を認め合える環境を作っていただきたいことを提案させていただきました。

 

 

 

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福岡県青少年問題地域講座にて

昨日、福岡県青少年問題地域講座で福岡市立席田小学校へ行って参りました。

十数名の先生方を対象に「~不登校児を出さないために~」というテーマでお話ししました。

 

 

講座の最初に私は、先生方がお持ちの一般的な不登校児へのイメージを伺ってみました。

精神的に強くない子

劣等感をかかえている子

口数が少なく大人しい子

自分の考えに囚われやすい頑固な子」等など

色白な子」という面白いイメージもありました。

 

 

イメージを尋ねてみたのは、実際の不登校児の内面的特性をより認識して頂きたかったからです。

不登校の問題は、その名称から学校に行かないことが問題視されてしまいますが、そうであれば、

学校に戻すことが至上命題となってしまいます。

はたしてそれで解決したとみなしていいのでしょうか?

 

 

私共のところには、不登校を過去に経験したことのある長期ひきこもりの青年や、社会生活を送って

はいても、不明瞭な生きにくさや息苦しさを感じながら毎日を生きている、やはり不登校を経験した

ことのあるAC(アドルトチルドレン)の方たちのご相談が絶えません。

これらの方たちは、一応にひとまず学校に戻っているのです。

いや、うかつに戻ってしまったと言っていいかも知れません。

そのために、それまでの問題が解決、完了したとみなされてしまったのです。

 

 

不登校は、何らかの原因で学校という環境に一日身を置くことができなくなってしまっている子ども

たちの状態です。

ですから問題は、その原因、理由です。

何が子どもたちの中に起こって、一日を学校(教室)で過ごすことができなくなってしまっているのか

を知り、それを解決してあげなければなりません。

 

 

問題とすべきものを見誤ってしまうと、なされる対策法がすべて徒労に終わるどころか、新たな問題

まで生じかねません。

何事も問題の解決にあたっては、先ず何が起こってしまっているのかを認識する必要があります

「どうしよう」という方法論は、起こっている事が見えなくては適切なやり方が見い出せません。

学校に行けないというのは、症状のようなもので、大事なのは、患部はどこかということです。

子どもたちの中に起こっていることは何なのか。ということが重要なのです。

 

 

 

 

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