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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ニート: 2010年3月
積小為大
「信頼を築く」と申しますが、何事も積み重ねがあればこそ、それなりの結果が得られます。
今日の一手が、いつにつながるかは分からないにしても、いつかに必ずつながります。
布石を打ってこそ、成果の根拠を作り得るのです。
しかし、今日の一手の結果を今日に求めるご相談者も少なくありません。
こちらからあたえた課題に対して、「今日〇〇をやってみたのですが、ダメでした。ムダでした」
「何度言っても動きません」と、そこですぐに結論を出してしまいます。
そもそも不登校、ひきこもりは、生活習慣病みたいなものです。
長年のその家庭の日常に問題があったことで、生じた現象です。
改善を要する状態に気づけず、積み重ねてきた(そのままにした)結果です。
習慣は、衣服に染みついた臭いのように、なかなか取れません。
10年近くもひきこもっていた状態で、「半年ぐらいで治りますか?」とか、5、6年ひきこもっていた
わが子に働きかけを始め、わずか1年ぐらいで思うように変わってくれないと、あっさり諦める親御
さんもおられます。
いずれも、今の現象にしか目をやれないでいるからです。
あたかもリモコンを押して瞬時に番組(画面)が変わるように、一手で全てを変えようと期待するので
しょう。
成果を出すための小さな積み上げ(布石)の重要さが分からないでいると、それを無駄にしてしまう
こと(あっさり諦める)も平気でしてしまいます。
数年前に、勝手にあきらめてしまい、逆にわが子からせっつかれて、再び私共に頼ってこられた
ご家族もおられます。当然、数年前に積み上げてきたものを再度積み上げ直していくことから始め
なければなりません。
「子育ては、待つことが大切」と言われます。
しかし、「待つ」ことを「そのままにしておく」ことと勘違いしている親御さんも少なくないようです。
「待つ」というのは、布石を打ち続けながら待つのです。
実りの収穫を待つ時に、何も手入れをしませんか?
雑草を取ったり、肥料を蒔いたり、手をかけますね。
それでも、収穫の時期(タイミング)があります。
それを「待つ」のです。
手入れをせずにそのままにしていれば、収穫どころかいずれ枯れます。
また、待てない親は、収穫の時期を子どものタイミングではなく、自分の都合に合わせようとして
います。
梅や桜は、春に咲くからいいんです。
勝手に時期を変えれば狂い咲きになってしまいます。
漫才の西川きよしじゃないですが、「小さなことからコツコツと!」です。
〈積小為大〉布石を確実に着実に打っていけば、必ず大きな成果が現れます。
自分の都合を優先させることは、もうやめませんか?
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年3月27日 20:34
癒し系
不登校でも、ひきこもりでも、当事者の青少年たちは、心の傷トラウマを抱え、苦悩しています。
何ものかに怯え、身動きが取れなくなってしまっています。
ストレスに対しての抵抗力もなく、ちょっとしたアクシデントにも背中を向けてしまいます。
そんな様子を見ていれば、心の傷を癒してあげたいと思うのは無理も無いことです。
日本は、毎年3万人以上の方たちが自殺をしています。
子どもへの虐待も4万人以上です。
ストレス社会を超え、トラウマ社会の様相を呈しています。
それを反映してか、癒しグッズやリラクゼーションサロンなどもよく目にします。
不登校、ひきこもり支援のあり方を見ていても、ほとんどといっていいほど、癒してあげることを
第一義に考えられているようです。
自由にできる空間を提供し、無理をさせず、「安心してひきこもれる環境をあたえましょう」と言って
いる方もおられるぐらいです。
メディアで報じられる映像もまた、大抵ゲームをしたり、芸術的な創作活動をしている風景です。
もちろん、安らげる環境を与え、休ませることも必要な時期があります。
しかし、痛みが和らいだら立てるかといったら、そうではありません。
立てる(自立)ためには、癒しとは別なものが必要です。
そういう意味で、ゆっくり休ませる休養の時期に目処をつけ、修養のステップに切り替えていくことが
必要になってきます。
青少年たちが帰っていく場所は、自身が傷を受けた社会です。
保育室のような環境で、全ての負荷から遠ざけた時間を過ごさせるばかりでは、社会へ巣立って
いった時に再び、傷を受けてしまいかねません。
しかも、以前よりさらなる痛手をです。
とはいっても、〇〇ヨットスクールや、〇〇メンタルスクールのような監禁、死亡に至るようなスパ
ルタ系支援は論外です。
とかく人間は、どちらかに偏りがちです。
だからこそ中庸が尊ばれます。
「傷ついているから癒してあげよう」では、癒すことが目的となってしまいます。
目的は、あくまでも自分の足で立っていく、生きていくということです。
青少年たちは、傷つき元気を失くしているのです。
生きていくための根源の気を失っているのです。
元気を取り戻すためには、活かしてあげることです。
活き活きと自分の生命、個性、役割、を活かしていくことです。
個性や役割は独自なものです。
だからこそ価値があるのです。
自身の価値を認識できて、自分の存在を社会の中で活かしていく術を身につけさせることができれ
ば、傷の痛みは和らいでいきます。
傷を受けていたことすら忘れることもできます。
「活かされてこそ癒される」のです。
とかく支援活動している側にも、過去に傷を受けた経験がある方たちが多いものです。
そのせいもあるのでしょうが、慈悲深き観音系の支援法が目立ちます。
しかし、不登校やひきこもりの青少年たちは、様ざまなトラウマ(魔障)に怯え、立ちすくんでいます。
その魔障に対して、忿怒(ふんぬ)の形相で共に立ち向かってあげ、ひっぱりあげてあげる明王系
の支援も必要であることを心得てほしいものです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年3月19日 07:20
自律できない子どもたち
自律とは、自分の中に判断の基準を持ち合わせ、それに従い、自身を制御、コントロールすることで
す。
自制心がなければ自律はできません。
「慎独」というすばらしい言葉がありますが、独りの時ほど身を慎むということです。
人の目が無いときに自分の行動を規制できるのは、自分自身の目です。
“良心”とも言えます。
「天地神明に誓って」と申しますが、天に恥じることのないものが良心でしょう。
現代は、“天”という概念、認識が無くなってきたのではないでしょうか。
「お天道様が見てござる」と言ってたしなめてくれるお年よりも少なくなった気がします。
しかし、何かを祈ったり、感動したときなどは、自然と空(天)を仰ぎませんか?
何かやましいとこがあると、逆に顔をうつむかせます。
「良心は両親が育てる」ものです。
わが子の心の中に良心という規範を与えておかなければ、人の目さえなければ、何でもOKと
いった姿勢を身につけさせてしまいます。
道徳観と倫理観の違いから少し説明してみましょう。
「そんなことしては、人様(世間)の手前恥ずかしいことですよ」というのが「道徳観」であり、
「そんなことは、空恐ろしくてできません」というのが「倫理観」ととらえてください。
自分の行動を照らし合わせている対象が違うのです。
道徳観は、人の目です。
倫理観は、内からこみあげてくるものではないでしょうか。まさに良心です。
“惻隠”という言葉があります。
普通の人間性を備えている者であれば、命あるものを簡単に殺せるはずはないはずです。
人の苦しみを黙って見過ごすことはできないはずです。
この心性を“惻隠”というのです。
誰に見られるではなく、精神的に、生理的に受け付けられない。
それが倫理観です。
「天」という認識をもてなければ、母親(父親)の顔を思い浮かべては、いかがでしょうか。
何かの行動を取る時に、母親の顔を思い浮かべてその行動が取れるかです。
母親が悲しむ顔を見たくなければ、悪いことも、恥ずかしいこともできないでしょう。
吸殻や空き缶のポイ捨て、粗大ゴミの放棄、インターネット上の匿名による悪質な書き込み、
いじめ等など、自分であることが分かりさえしなければなんでもやるといった傾向が強いようです。
道徳観以上に倫理観の欠如です。
とは言っても、その母親(父親)の顔が、行動規制のはどめにならなくなってきているのかも知れま
せん。
惻隠が失われているならば、母親の悲しげな顔にも心を揺るがされることもないでしょうし、逆に
インナーマザーに支配された子どもたちは、母親の人生に取り込まれ、自分を尽くし、自分の人生を
生ききることが出来なくなってしまっています。
その子たちは、自制がはたらかず、自立の前に自律すらできない子になってしまうのです。
両親が良心を育てられない時代になってきているのでしょうか・・・・・・・・・
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