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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ひきこもり: 2014年6月

無力の痛み

常に私が述べています不登校やひきこもりの問題が長期化する大きな要因
としての親の対応に関して述べてみましょう。




どうしたらいいですか?
この質問は相談者から最も自然に出てくるものではあります。
ただ、この質問の意味は、「解決するためにはどういう手だてを打っていけば
いいですか?」
といったものではないことが少なくないのです。




ではどういう意味でしょうか。
わが子のひきこもりがなかったことにならないでしょうかねぇ~
といった意味合いなのです。
つまり、自分たちの困りごとが一瞬にして 消えてなくならないだろうかという
期待です。
ありまえですが、そんなことはあるはずもありません。




こういった傾向の強い親御さんほど、「ひきこもりが終わる方法はどうすれば
いいんでしょうか?
」と再三尋ねられます。
それまでにも具体的な方法を度々(笑)アドバイスしているにも関わらずです。




どういうことかと言うと、事態の改善、解決のために、親御さんがどう動いて
いった方がいいか
をアドバイスしているのですが、親御さんの方は、子どもが
動き出すために子どもが何をしてゆけばいいのかといったことに関心があり、
自分たちが何かをしていかなければらないといった発想がないのです。
あくまでも子どもがどうするかです。




ですから、具体的に示した親御さんがなすべきことは実行できていません。
また、どう言ったら動き出すのか。
何をしたらひきこもりが治る(?)のか。
といったマニュアルを欲しがられます。




本人へのアプローチを促しても、「言っても聞きません」とすぐに止まります。
数年、長いケースは10年を超す間動かなかった(動かさなかった)子どもに対し
て、突然はたらきかけを始めたからといって、「はい、分かりました」となるはず
もありません。
あまり言うと喧嘩になるのがいやだし
波風立てず、穏便に済まないだろうか?
こういったことを言ってきたりすることもあります。
はっきり言って無理です。
あたりまえのことです。




そうやって、わが子との対峙から逃れようとしているからこそ、これまでも数年、
10年以上のわが子のひきこもりを作ってしまったのです。
親自身が、わが子に何をはたらきかけても思うようにならいことで傷つくことを
避けようとしています





親が傷つくことを恐れていて、どうやってこれから社会へ参加していくことでの
傷つきを恐れて勇気を出せない若者たちに促しをしていくつもりなのでしょうか?




10数年ぶりにはたらきかけを始めたことにわが子が反発し、「俺なりに考えて
いるからほっといてくれ!
」という言葉に、再びわが子のやる気へ依存してしまう
親御さんもいます。
今まで、本人なりに考えてきた結果が、この長きにわたった「ひきこもり」です
今更何を再び考えさせるのでしょうか?




私がかねてよりお伝えしている「ひきこもり」という現象、長期化が、親子の共同
作業
によるものという意味がお分かり頂けましたか?
ひきこもり当事者は、ひきこもっている当人だけではなくその両親もまた当事者
なのです。




だからこそ、だからこそです
親御さんがひきこもりにピリオドを打とうと決心して動きだせば、解決は可能なの
です。




この一月の間にも三人の青年たちが、長きにわたるひきこもりに区切りをつけ、
自分の足で出向いて参りました。
皆、親御さんの懸命なはたらきかけがあったからです。




一人の青年が私の問いかけにこう答えました。
(私)「部屋の中で何を考えていた?」
(青年)「何をどうしていいのか全く分からない状態でした
何も分からないでいる状態のわが子の何をこれ以上待ちますか?







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