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解決支援者の現場日記 : 旧ブログ ひきこもり: 2008年7月 2ページ目

ひきこもり=病気論は免罪符?

「いっそ病気であればどれだけ救われるか」

この言葉は、相談者から時々聞かれます。親御さん方の本音の心境だと思います。

躾がなってない粗暴な子と思われていた子どもたちの一部が、広汎性発達障害といった病だという

ことが分かってきて、学校内での対応も図られてきました。もちろんまだまだ一般レベルの認識は

不十分で、差別、偏見はあるようですが、周囲から親としての立場、プライドをぼろぼろにされ、自身

責めさいなんできた親御さんたちにとっては、どれだけの救いになったことでしょう。

そういうことからも、「ひきこもり」においても病気であってくれた方がとの気持ちは分からなくはあり

ません。

しかし、私がこれまで関わってきた長期不登校、ひきこもりのほとんどの青少年たちが、何らかの

病気を原因としたものではなく、明確な原因があってのものでした。だからこそ、治療行為による回復

ではなく、原因となったところの問題改善、解決により本来の自分を取り戻していきました。こう申し

ますと、軽度のひきこもりではとの質問がありそうですが、ほとんどが20代後半以上であり、10年を

越す相談もめずらしくありません。

引きこもり動態論』というものを目にしたことがあります。ひきこもりが始まり、約8割が疾病に移行

し、さらには障害化するというのです。確かにある相談者は、医者から「10年を越しているならもうあき

らめなさい」と言われたと嘆いていました。もちろん、医療機関と連携して、劇的な回復をしたケースも

ありましたし、対人恐怖や強迫行為などが見られるのはよくあります。しかしそれらも、治療ではなく、

原因の解消により漸次緩和されてきます。

精神疾患や障害によるひきこもりや、当事者や家族の高齢化によって、家庭が破綻してしまい社会的

救済が必要とされるひきもりの場合は、医療、福祉行政の対策が求められると思います。

現実、ある保護者団体では国に要望書を上げ、精神保健福祉法の適用やひきこもり支援法の創設、

福祉介護保険の対策などを訴えています。これが実現できれば、特に両親が高齢であったり、片親

家庭にとっての救済策になろうかと思います。

しかし同時に、最後の手段としての社会的救済策だけをこいねがうのではなく、長期化しないための

具体的取り組みこそ実行していかなければならないと思います。

『引きこもり動態論がなかなか理解されず、いたずらに放置され(省略)社会にも深刻な次世代問題

となっている。ところが現状は、残り2割の無病理性の当事者や不登校の肯定論が強調さ

れたり、社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている

といった主張の中には、なぜ疾病に移行してしまっているのかといった部分への議論より、社会の

認識の不適格さが強調されているように感じられます。

それはまさにいたずらに長期化が放置されたかではないでしょうか。

ひきこもりは、長期化していけば何らかの病理性が出てくる可能性が高まるのは当然です。早期解決

をはかり、長期化させないための取り組みがおざなりになり、結果として病気になってしまったから、

救済の手立てを腰の重い国に求めるのでは、日々進行しているひきこもりを止めるためのクサビには

ならないと思います。

飢えや寒さをしのぐために、食料や毛布を与え続けるのではなく、自らが作物を生産できる方法を伝え

てあげることが、途上国への真の救援策であるように、長期化させないための家庭での取り組み策を

考えていくべきだと私は思います。

社会の認識では親の甘やかし、子の甘ったれで済まされている』と述べられていることからも、

ひきこもり=病気論が親のための免罪符になってしまっているのではないでしょうか。

当協会が関わってきた家庭は、単なる甘え、甘やかしでひきこもった家庭ではありませんでした。

もちろん、病理からひきこもったケースもごく一部です。当協会だけにそういった家庭が集中するとは

思えません。ほとんどがそうなのではと思います。

それぞれの家庭が、ひきこもった原因を探り、長期化した要因を改善していったことで、打開していって

るのです。子どもは、家族病理の拡大鏡であり内視鏡です。家庭のありよう、水面下の問題を大きく

そして、鮮明に映し出してくれま

当事者家族の方々は、社会の認識という「世間」の無責任な批評をはね返す勇気をもってください。

青少年たちは、家族の救援者です。私たちにさまざまな気づきを与えてくれます。

親と子が、互いに求め合う中での矛盾を解きほぐしていくことで、睦びあう家族に再生していけるの

です

この件については、次回も論じさせて頂こうと思います。

 

 家庭教育無料講座 『不登校・ひきこもり全て答えます』
~当事者家族・支援者・関係者のために~
7月27日(日)13時30分~16時30分
大野城まどかぴあ 会議室3
https://www.interbrain.co.jp/lecture/

 

ひと育て家庭ゼミナール
https://www.interbrain.co.jp/course/cat66/

 

家族援護士養成講座
https://www.interbrain.co.jp/course/category/family-aid/

 

【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

【熊本出張相談会】

熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

八代市厚生会館  7月10日 (要予約 0120-870-996)    

 

相談料3千円

 

NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あきらめず問題を解決する

とてもうれしい報告がありました。

30代後半の青年が長いトンネルを抜け、社会参加の切符(会社の内定)を手に入れました。

ここでもあったのは、家庭内での偏った強迫的コミュニケーションです。

指示、命令だけの父子間の会話、父親の圧力に対して制止できず子どもを守りきれなかった母親。

母親もまた、自身の厳格な父親からの威圧的な躾により、自由な言動を許されず、トラウマを抱え

ながら生きてきて夫の高圧的な態度に怯えてきました。このようなケースは決して少なくありません。

70代後半のこの母親は、捨て身の決心でわが子に向き合いました。コミュニケーションを言葉だけに

頼らず、工夫をしながら繰り返し繰り返し、わが子に訴えました。

問題の在りかをたえず確認しながら、ただただ問題の解決、わが子のこれからを信じて取り組んで

きました。

ひきこもりが長期化すると、問題の所在が不鮮明になりがちです。いつのころからか、わが子のひき

こもりが通常化し、失われるものに気づかぬまま、現状に変化を加えることをかえって恐れ、拒み始

めます

昨今よく目にする発達障害の研究分野では、実行機能の障害という表現があります。実行機能とは、

自分の考えを持って長い目で見て自分に有利になるような選択をすること、よりよい将来のために

行動することです

まさにこの実行機能の障害がおこってしまい、今の状態を維持しようと無意識に家族が動いてしま

うのです。それを打開するためには、外からの風を吹き込まなければなりません。もちろん第三者の

介入のみならず、家族の決してあきらめないという決心・実行が必要です。

当協会では、これまで10年を超える長期のひきこもり、30代以上の社会参加を実現してきました。

この夏からは、これまでの実績ノウハウを駆使したパソコンの資格取得+キャリアコンサルティング

+トラウマケアを総合的に行っていく「ニート・ひきこもりのスキルアップ教室」を開講します。

いずれもプロの講師、実践家が担当していきます。もちろん、教室に参加すらできない、外出も

ままならないといった状態にも対応します。先の青年もそのような状態からのスタートでした。

国や地方行政が行っているニート・ひきこもり支援対策では、訓練期間途中での脱落などが

あっているようです。それは、主に個別のトラウマケアがほとんどなされていないことと、経験

ゼロレベルでのキャリアコンサルティングがなされていないためです。トラウマを抱え、コミュ

ニケーションも円滑にとることができない状態で、バイトなどの就労経験もない青年たち対し、

就労意欲のある者を対象とした一般的な就労支援法は不適切です。国などが前提としている

のは就労意欲があることですから、やむを得ないのですが。

また、訓練開始にあたっての当事者の動機付けが不十分なことも要因としてあります。親に

促され仕方なく参加したといった状況も少なくないようです。

当協会では、この動機づけから行っていきます。家族の共同意識でそれは可能となります。

当協会の支援形態は、機能不全家族の機能回復、絆の結び直しによる自立支援です。

家族の蘇生力により、本来のわが子の状態に戻った時、結果として自立できるのです。

 

 家庭教育無料講座 『不登校・ひきこもり全て答えます』
~当事者家族・支援者・関係者のために~
7月27日(日)13時30分~16時30分
大野城まどかぴあ 会議室3
https://www.interbrain.co.jp/lecture/

 

ひと育て家庭ゼミナール
https://www.interbrain.co.jp/course/cat66/

 

家族援護士養成講座
https://www.interbrain.co.jp/course/category/family-aid/

 

【毎週月曜日無料相談会】

大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996)

詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/ 

【熊本出張相談会】

熊本市内近隣地域はご自宅までお伺いできます。(交通費実費/熊本市役所からの距離による)

 

八代市厚生会館  7月10日 (要予約 0120-870-996)    

 

相談料3千円

 

NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp

 


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